Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

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最後をずるずる引き摺るのは、作者の悪い癖。
話を引っ張り回す割に、内容が薄いのは、作者に文才がないから。


と言うわけで、そろそろ終盤です!w
長かった・・・・・・。
初めて書き始めて5年・・・・・・。
これまで、何度も転載・移動・リメイクを繰り返してきましたが、漸く終わると思うと、少し安心していますw
さて、気を抜かずに最後まで執筆するぞー!!


標的4

【今は廃屋 黄金塔の遊戯場で

甘き追憶 髑髏の眼窩に探る】

 

 

「スクアーロ!!」

 

 

リオンが驚いた様に声を上げる。

こいつ、死んだよな?鮫に共食(くわ)れた筈だよな?

リオンは、精一杯に目を見開く。

そんなリオンの驚いた顔を初めて見た京子は、二重に驚いていた。

スクアーロは、全身に包帯を巻き付けて、とても痛々しい姿をしていて、更に車椅子にぐるぐる巻きに拘束されていた。

その後ろには、ディーノの部下が数人、スクアーロに銃口を向けて待機している。

ディーノ曰く、雨戦の日にはB棟に彼の部下を山本を救う為に忍び込ませていたらしい。

だが、予想に反して、水槽に落ちたのはスクアーロだった。

 

 

「スクアーロは鮫に食われるどころか、山本に負わされた怪我しかしていなかった。

どういうワケかは知らないが、スクアーロの周りには原型を留めていない鮫の死骸が浮かんでいた。」

 

 

「えっ!?何故・・・・・・」

 

 

ディーノの言葉にバジルが驚きの声を上げる。

それもそうだ。スクアーロは、鮫に食われていたって不思議はないはずだ。

あのスクアーロは、戦える状況ではなかったはず。

バジルの言葉にディーノは首を振る。

リオンははっとした顔で言葉を挟んだ。

 

 

「もしかしたら、ティア・クォーツか・・・・・・?」

 

 

「ティア・クォーツ?」

 

 

リオンの呟きにディーノが反応する。

そして、レオナもはっとした様にリオンを見た。

 

 

「歴代ルーン家当主を守り、看取ってきたという、ルーンの家宝・・・・・・?

スクアーロにその片割れを渡していたなら、可能性はあるけど・・・・・・」

 

 

「渡してたんだろうな。

雨戦の日、彼奴は片方にしかイヤリングをしていなかった」

 

 

レオナの言葉に、リオンはミオンが雨戦の日、ティア・クォーツを左耳にしかしていなかったのを思い出した。

 

 

「話を戻すが、助け出した所で水中にいた時間が長かった為、傷口から血が大量に流れ出し、出血多量で瀕死の重体・・・・・・

何とか俺の知人で腕の立つ医者を呼んででかい設備のある医療施設を探して、大手術だ・・・・・・」

 

 

血塗れの女医(サングイノレント・メディケッサ)か」

 

 

ディーノの言葉に、スクアーロの包帯を見たリオンが呟いた。

ディーノは、「お前の知り合いでもあったんだったな、そう言えば」と口を挟む。

スクアーロの包帯を見れば、綺麗なのか汚いのか微妙な巻き方がされてあった。

ここまで不器用な医者は、彼女しか見たことがない、と、包帯の巻き方で解ったのだ。

 

 

「ミオンの従姉に当たるからな。

それに、こんな特徴的な包帯の巻き方、彼奴じゃねぇとできねぇだろ」

 

 

「そうだな。

それと、白銀の貴公子にも要請して、協力してもらった」

 

 

「絶対零度の太陽神(ソル)の弟か」

 

 

「そうそう、その太陽神(ソル)だが、「この借りは大きいからな、と、ヴァルフォアに言っといてくれ」って、伝言まであるぞ」

 

 

「はぁ!?」

 

 

ディーノの言葉に、リオンが呟く。

絶対零度の太陽神(ソル)――――。英国女王陛下直属特殊警察「裏警察(シークレット・ヤード)」のボスの異名だ。

その弟は、医学生を卒業したての新米エリート医師。

弟の方はともかく、絶対零度の太陽神(ソル)は、リオンにとってはお目に掛けたくもない人物だ。

そして、ディーノの言葉にリオンは声を上げた。

そんなリオンにディーノが説明する。

 

 

「いやぁ、実を言うとだな。

そのスクアーロを運んだでかい設備のある医療施設ってのが、裏警察(シークレット・ヤード)日本(ジャッポーネ)アジトなんだ。

お前の名前を出して、許可をもらったんだよ・・・・・・俺と太陽神(ソル)は面識ないし、彼は気むずかしいとか聞くしな」

 

 

「てめぇ・・・・・・後で覚えてろよ・・・・・・」

 

 

ディーノの空笑いに、リオンは殺意を露わに低く唸る。

リオンとしては、二度と関わりたくもない人間だった。

幾ら知り合いだろうが、もう関わることはないと思っていたのに。

 

 

「まぁ、こいつには聞き出すべき事があるからな。」

 

 

ディーノの言葉に、リオンは黙った。

 

 

 

【錆び付く短剣を拾い上げ この胸に向けて翳す度

紅き鮮血()が 生きる痛みに滾る―――――】

 

 

 

 

「極彩の楽園 独裁者の庭園

時代(とき)は一千一夜 魔の都

グロテスクな街に 眠れる君は王女

少女生け贄(サクリファイス) 玻璃色(とうめい)な翼で

無垢なる魂 黎明を迎えよ」

 

 

ミオンの左耳に付けられたティア・クォーツが、ミオンの風に靡く紫の髪の隙間から淡いアメジストの燐光を放って燦めいている。

スクアーロに渡した片割れに反応して燦めいているのだが、その小さな燐光にミオンは気付いていなかった。

 

 

 

【着飾りし(つみ) 戦慄の舞台上で

演ずるは死闘(ばつ) 聖裁の喝采はなく】

 

 

【横たわる君の薔薇色の温もりは この虚無に捧ぐ供物なれ

朽ちゆく花の薫り】

 

 

 

「死に(さら)せ!」

 

 

XANXUSの恨み言の様な言葉と共に、沢田とXANXUSが正面から突っ込んでいく。

沢田のストレートを頬に喰らい、XANXUSはそのまま飛ばされる。

それに沢田が追い縋り、更に追い打ちを掛ける様にXANXUSの鳩尾に拳を叩き込む。

 

 

「それがどーした!」

 

 

腹部に重い拳を受け、腹の奥から胃液が込み上げてくるのを抑える様に、XANXUSは唸った。

殺意に満ちた目でXANXUSは沢田を睨み上げる。

背筋が凍り付いた様な感覚が沢田に襲いかかり、沢田はXANXUSから一歩引いた。

そこにXANXUSの銃撃が襲いかかってくる。

沢田はその炎を吸収することをせずに、避けた。

間一髪に避けた沢田にXANXUSは襲いかかった。

沢田は、XANXUSの炎を受けて立つ覚悟を決めると、XANXUSとぶつかり、二人で手を組む。

 

 

 

【幻覚の満月 残酷なる太陽

終焉(おわり)なき月蝕 グランギニョル

堕天使と悪魔が手を取り踊り嗤う

覚醒マスカレイド そして誰もひとり

孤独に震え 恐怖を思い出す】

 

 

「ほう、あの炎を受けて立つ気か」

 

 

「だが、あの体勢じゃ零地点突破すら・・・・・・!!」

 

 

「自殺でもする気なの!?」

 

 

リオンの言葉に、バジル、レオナが驚愕を露わに叫ぶ。

その様子をスクアーロはただただ、見ているだけだった。

 

 

「終わりだぁ・・・・・・。

結局は、期待はずれだった、と言う事だなぁ・・・・・・」

 

 

呟いたスクアーロの言葉は、誰にも拾われなかった。

この争奪戦も、とんだ時間の無駄だだったわけだぁ。

スクアーロは、落胆した様子でモニターを見た。

こんな事なら、こんな事になる前に手を打つべきだったのかもな。

そんな事を考えていた。

XANXUSと沢田の手が光り、その後で凄まじい轟音が辺りに響く。

煙が立ち上り、画面を覆い尽くした。

煙が晴れてきて、画面に人影が映し出された時に、観覧席に戦慄が走る。

立っていたのは、XANXUSだった。

 

 

「そ・・・・・・そんな・・・・・・」

 

 

「ツナ君・・・・・・」

 

 

「ツナヨシ・・・・・・」

 

 

バジルが落胆した声を出し、京子とレオナは祈る様にモニターを見つめた。

スクアーロは、当然の結果だな、と、つまらないモノを見る目でモニターを見上げていた。

「まぁ、落ち着け」と、リボーンは落胆するバジル達に言った。

 

 

「XANXUS・・・・・・!!」

 

 

リオンは目を見開いた。

見間違いじゃないだろうな?

リオンは、目の前に映るモニターに目を凝らす。

まさか・・・・・・!!

スクアーロを見れば、スクアーロもリオンと同じく、驚愕と絶望をその目に宿し、声を震わせた。

 

 

「この現象・・・・・・ま、まさか・・・・・・あの時と・・・・・・!!」

 

 

リオンもスクアーロも、目の前の光景に見覚えがあった。

二人の脳裏には、6年前のゆりかごの時に起きた出来事が通り抜ける。

XANXUSの手は凍り付いていた。

沢田は、自分の両手を見つめる。

 

 

「これは・・・・・・」

 

 

驚いた様に自分の掌を見つめる沢田の頭に、映像が流れてくる。

昔の古い何処か国外の風景。両手には、炎の灯ったグローブ。

あぁ、懐かしい。

沢田は、記憶に浸る様に、手繰り寄せる。

そう言えば、前にも同じ様なことが・・・・・・。

そうだ、それはもう、100年以上昔の事だった。

俺は、この技の使い方を知っている・・・・・・。

沢田は、自分がボンゴレⅠ世(プリーモ)の生まれ変わりだと言う事を思い出した。

 

 

 

【極彩の楽園 独裁者の庭園

時代(とき)は一千一夜 魔の都】

 

 

「そんな・・・・・・馬鹿な・・・・・・

お前みたいなカスにも及ばねぇ野郎にボンゴレの奥義など・・・・・・!!」

 

 

「・・・・・・その傷。

お前、前にも零地点突破を全身に受けただろう?

その傷が何よりの証だ」

 

 

XANXUSの言葉をまるっきり無視して、沢田はXANXUSの顔を指した。

沢田の言葉に観覧席の誰もが驚愕する。

スクアーロとリオンは顔を背けた。

「もう、お前の拳に炎が灯されることはない」と、沢田は続けた。

 

 

「まだやり合うというなら、Ⅸ世(ノーノ)に付けられたその傷では済まないぞ」

 

 

静かな沢田の言葉に、XANXUSは目を剥く。

 

 

「ほざけ!!

俺は名に(10)の称号を二つ持つ男、XANXUS!!

貴様なんぞに屈する男ではない!!」

 

 

XANXUSは凄んで、両手が凍ったまま沢田に立ち向かう。

そんなXANXUSだが、心の何処かでは沢田の事を認めつつあった。

こいつにボンゴレを―――――。

そう思う反面、やはり、こいつにはボンゴレを継がせられない、とも思う。

二つの感情が交差して、XANXUSは知らないうちに感情に収拾が付かなくなっていた。

恐らく、自分が倒れるまでは、引き返せないだろう。

 

 

 

【グロテスクな街に 眠れる君は王女

穢れる事なかれ 純潔(きよ)らなる微笑よ】

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