Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

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大空戦も遂にクライマックス!!
申し訳ないんですけど、あと2~3話くらい引っ張った後で、エピローグに行きたいと思います!
ダラダラグダグダと済みません;;


標的5

「ふぅー。仕方ない、早く片付けよう」

 

 

沢田は、落としどころが解らずに足掻いているXANXUSの心理を何となく読み取ると、溜息を吐いた。

まるで、何処ぞの娘の様だな。

一つの記憶を思い出して、ふっと一瞬だけ、笑みが零れた。

次の瞬間には笑みを消して、沢田は向かってくるXANXUSの腹部に渾身の一撃を叩き込む。

するとXANXUSは、蹲り、その場に血反吐を吐く。

そのXANXUSの視界に沢田の足がちらついた。

それを辿る様に視線を上げれば、頭上には沢田が冷めた目で自分を見下ろしている。

9代目とは似ても似付かない、絶対零度の目線。

あぁ、終わったな。

XANXUSは目を閉じた。

こいつに賭けてみるのも悪くはないだろう。さて、あともう一仕事だ・・・・・・。

XANXUSは目を開いた。

 

 

「いくぞ」

 

 

沢田の炎が消え、XANXUSに目線を合わせる。

目線を合わせた時、何となくXANXUSの心理が見えた様な気がした。

まさか、お前は―――――。

沢田が自分の心理を何となくでも理解したことを悟ると、XANXUSは静かに目を閉じる。

そして、沢田はXANXUSに炎の灯らないグローブを近づけた。

 

 

「零地点突破初代(ファースト)エディション」

 

 

XANXUSの心理が見えた沢田は、それでも冷めた目で、XANXUSを見た。

そのまま、グローブでXANXUSの腕を掴めば、XANXUSは凍っていく。

 

 

「XANXUS・・・・・・何で・・・・・・」

 

 

沢田は、XANXUSがここまでして自分を10代目にしようと考えていたのか、不思議で成らなかった。

9代目を早くその座から引き下ろしたいのも、ミオンを守っていきたと思っていたのも解った。

でも、それなら、XANXUSが後を継げば良いんじゃないのだろうか。

何で、10代目になる気の無かった俺に・・・・・・。

すると、沢田の言葉はXANXUSに遮られた。

 

 

「うるせぇ!!ここまできたなら、決着付けろ!!」

 

 

XANXUSは沢田に怒鳴った。

その言葉を最後に、XANXUSは物言わぬ氷像へと変わり果てた。

 

 

 

【頭上には星屑 堕ちるは奈落の底

幕は閉じ暗澹 グランギニョル】

 

 

 

ミオンは、歌いながら自分が涙を流していることに気付いた。

何か、大切なモノをまた、失ったかの様な喪失感が彼女を襲う。

リストバンドのモニターを見れど、先程からそれは、酷い砂嵐しか映っていない。

胸騒ぎの中、ミオンは歌いきった。

 

 

(タナトス)(エロス)が 抱き合い踊り果てる

陶酔ニルバーナ 人々は叫ばん

神の言葉を 世界に光あれと・・・・・・」

 

 

歌いきると、ミオンはその場に膝を折り、崩れる。

酷い喪失感は、誰かが居なくなったのを教えていた。

言わなくても、誰かは明確だ。

ミオンの目からは涙が頬を伝い、コンクリートに染みを作る。

 

 

「・・・・・・っ、XANXUS・・・・・・っ!」

 

 

スクアーロは居ない。XANXUSも居なくなった。

ミオンは顔を上げると、その目を怒りに滾らせる。

戦うと言う事は、死んだって可笑しくないこと。

仲間が危ないから、沢田は仲間を殺さない為に戦った。

それは、当然の事で、その過程でXANXUSが死んだのなら、それは沢田の所為ではないし、責められない。

それは、理性では解っていても、本能は滾る怒りを抑えられない。

ミオンは立ち上がると、銃を両手に屋上から飛び降りた。

着地すると、ミオンは校庭へ急ぐ。

 

 

 

校庭に着いたミオンが見たのは、気力切れか地面に伏せっている沢田と、その沢田の目の前に屈んでいるマーモン、そして、氷漬けになっているXANXUSだった。

その光景を見たミオンは、両手に持った銃を落として、口元を押さえる。

目の前の光景が信じられなかった。

銃が地面に落ちた音に気付いたマーモンが、ミオンに目を向けた。

 

 

「もう来たのかい、ミオン。

まだ来ないと思っていたのに」

 

 

溜息混じりにマーモンは肩を竦めた。

ミオンが来る前にボスを復活させようと思っていたのに。予定が狂った。

 

 

「無駄だ・・・・・・XANXUSは眠りに就いた・・・・・・」

 

 

肩で息をしながら、沢田は言った。

その言葉を聞いたミオンは、血がざわつくのを感じた。

頭に血が上って、ミオンは銃を拾い上げると、沢田にそれを向ける。

 

 

「今すぐに、元に戻せ・・・・・・」

 

 

低くドスの効いた声で、ミオンは静かに言った。

それを聞いた沢田は、何も言わない。

 

 

「まぁ、落ち着きなよ、ミオン。

心配しなくても、ボスは再び復活する」

 

 

マーモンは、手に入れた全てのリングをポケットから取り出した。

それを見た、沢田と観覧席のスクアーロとリオン以外が驚愕し、スクアーロは、「よお゛ぉし!!」と、喜びを露わにした。

マーモンは立ち上がると、沢田を見下ろしながら、言う。

 

 

「何故、リングを分けて保管するのか・・・・・・そして、正当後継者にしか授与されないか解るかい?

それは、リング自身にも秘められた力があるからさ」

 

 

「秘められた力・・・・・・?」

 

 

マーモンの言葉に、沢田が呟く。

そして、沢田は完成させたリングを握り締めた左手を広げる。

すると、沢田のリングにオレンジの炎が灯る。

それに感化される様にマーモンの持つ6つのリングにも炎が灯った。

それを見たミオンも、左手の親指、人差し指、薬指、小指に嵌めたリングを見た。

すると、それぞれに黄金、銀、漆黒、白銀の炎が灯っている。

 

 

「ミオン、リングを投げて!」

 

 

マーモンがミオンに叫んだ。

ミオンは、指からリングを外すと、マーモンにそれを投げる。

マーモンは左手に6つのリングを乗せて、ミオンに投げられた4つのリングを受け取る。

そして、説明を続けた。

 

 

「ボスに掛けられた零地点突破が溶かされた床には、10個の小さな焦げ跡が残されていたという。

そして、この炎を灯したリングが全てを説明する。

まぁ、見てるが良いさ」

 

 

それを言うと、マーモンは沢田に背を向けた。

炎の灯ったリングを零地点突破の氷に近付ければ、氷はシュゥゥゥと音を立てて、溶けていく。

その様子を沢田はただ、見ているだけだった。

 

 

「ボンゴレリングの力はこれだけでなく、7つの完全なボンゴレリングが継承されし時、ボンゴレリングは新たなボンゴレの血(ブラッド・オブ・ボンゴレ)に大いなる力を授けると言われている」

 

 

マーモンの言葉に、沢田は「ボンゴレの血に・・・・・・?」と、呟く。

マーモンの話に集中している時、沢田の掌からリングが奪われた。

驚いて沢田が急いで顔を上げると、そこには、炎の灯ったリングを持ったミオンが立っていた。

沢田は驚く。

 

 

「ミオン・・・・・・?」

 

 

「オレのボスはXANXUSだけだ。初めから。

お前の守護者になったのも、リングを奪還してヴァリアーに戻る為。

オレはお前の仲間になった覚えはねぇから。

そこだけは勘違いしないでもらいたい」

 

 

ミオンはそれだけを言うと、沢田に背を向けた。

そして、氷漬けから解放されて意識のはっきりしないXANXUSに歩み寄ると、しゃがんで、ミオンはXANXUSに大空のリングを見せた。

 

 

「XANXUS。これは、貴方の手元に在って然るべき至宝だ。

貴方以外に、ボスに相応しい人間など居る筈が無い」

 

 

「ま・・・・・・待て・・・・・・」

 

 

肩で息をしながら、XANXUSの腰のチェーンにリングを嵌めていくマーモンに沢田は、制止を掛ける。

だが、蚊の鳴く様な声はミオンやマーモンには届かない。

リングをXANXUSに渡しちゃダメだ――――!!

沢田の声は届かず、儀式は進んでいく。

 

 

「受け継がれしボンゴレの至宝よ、若きボンゴレの血(ブラッド・オブ・ボンゴレ)に大いなる力を!!」

 

 

リングを全て嵌め終え、マーモンは願う様に唱えた。

 

 

「待て」

 

 

ミオンが大空のリングをXANXUSの中指に嵌めようとした時、XANXUSはミオンに制止を掛けた。

ミオンは、リングを嵌めようとした手を止める。

そして、XANXUSを不思議そうに見た。

 

 

「XANXUS・・・・・・?」

 

 

不思議そうに自分を見下ろしてくるミオンを尻目に、XANXUSはマーモンに目を向けた。

そして、衝撃的な一言を口にする。

 

 

「マーモン・・・・・・チェーンのリングを沢田に渡せ・・・・・・」

 

 

「え・・・・・・?」

 

 

XANXUSの言葉に、ミオンは目を見開く。

どういう事だ?と、マーモンを見ても、フードの下に隠れている顔からは、何も読み取れない。

マーモンはさして驚いた素振りも見せず、頷いている。

 

 

「じゃあ、ボス・・・・・・」

 

 

マーモンが何かを確認する様に、XANXUSに声を掛ける。

XANXUSは頷いた。

何かを企んでいる二人の話に付いていけず、ミオンはただ、困惑した。

 

 

「予定通り・・・・・・沢田に10代目の座を渡す・・・・・・」

 

 

XANXUSの言葉にその場に居た全員が驚愕した。

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