Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~ 作:紅 奈々
申し訳ないんですけど、あと2~3話くらい引っ張った後で、エピローグに行きたいと思います!
ダラダラグダグダと済みません;;
「ふぅー。仕方ない、早く片付けよう」
沢田は、落としどころが解らずに足掻いているXANXUSの心理を何となく読み取ると、溜息を吐いた。
まるで、何処ぞの娘の様だな。
一つの記憶を思い出して、ふっと一瞬だけ、笑みが零れた。
次の瞬間には笑みを消して、沢田は向かってくるXANXUSの腹部に渾身の一撃を叩き込む。
するとXANXUSは、蹲り、その場に血反吐を吐く。
そのXANXUSの視界に沢田の足がちらついた。
それを辿る様に視線を上げれば、頭上には沢田が冷めた目で自分を見下ろしている。
9代目とは似ても似付かない、絶対零度の目線。
あぁ、終わったな。
XANXUSは目を閉じた。
こいつに賭けてみるのも悪くはないだろう。さて、あともう一仕事だ・・・・・・。
XANXUSは目を開いた。
「いくぞ」
沢田の炎が消え、XANXUSに目線を合わせる。
目線を合わせた時、何となくXANXUSの心理が見えた様な気がした。
まさか、お前は―――――。
沢田が自分の心理を何となくでも理解したことを悟ると、XANXUSは静かに目を閉じる。
そして、沢田はXANXUSに炎の灯らないグローブを近づけた。
「零地点突破
XANXUSの心理が見えた沢田は、それでも冷めた目で、XANXUSを見た。
そのまま、グローブでXANXUSの腕を掴めば、XANXUSは凍っていく。
「XANXUS・・・・・・何で・・・・・・」
沢田は、XANXUSがここまでして自分を10代目にしようと考えていたのか、不思議で成らなかった。
9代目を早くその座から引き下ろしたいのも、ミオンを守っていきたと思っていたのも解った。
でも、それなら、XANXUSが後を継げば良いんじゃないのだろうか。
何で、10代目になる気の無かった俺に・・・・・・。
すると、沢田の言葉はXANXUSに遮られた。
「うるせぇ!!ここまできたなら、決着付けろ!!」
XANXUSは沢田に怒鳴った。
その言葉を最後に、XANXUSは物言わぬ氷像へと変わり果てた。
【頭上には星屑 堕ちるは奈落の底
幕は閉じ暗澹 グランギニョル】
ミオンは、歌いながら自分が涙を流していることに気付いた。
何か、大切なモノをまた、失ったかの様な喪失感が彼女を襲う。
リストバンドのモニターを見れど、先程からそれは、酷い砂嵐しか映っていない。
胸騒ぎの中、ミオンは歌いきった。
「
陶酔ニルバーナ 人々は叫ばん
神の言葉を 世界に光あれと・・・・・・」
歌いきると、ミオンはその場に膝を折り、崩れる。
酷い喪失感は、誰かが居なくなったのを教えていた。
言わなくても、誰かは明確だ。
ミオンの目からは涙が頬を伝い、コンクリートに染みを作る。
「・・・・・・っ、XANXUS・・・・・・っ!」
スクアーロは居ない。XANXUSも居なくなった。
ミオンは顔を上げると、その目を怒りに滾らせる。
戦うと言う事は、死んだって可笑しくないこと。
仲間が危ないから、沢田は仲間を殺さない為に戦った。
それは、当然の事で、その過程でXANXUSが死んだのなら、それは沢田の所為ではないし、責められない。
それは、理性では解っていても、本能は滾る怒りを抑えられない。
ミオンは立ち上がると、銃を両手に屋上から飛び降りた。
着地すると、ミオンは校庭へ急ぐ。
校庭に着いたミオンが見たのは、気力切れか地面に伏せっている沢田と、その沢田の目の前に屈んでいるマーモン、そして、氷漬けになっているXANXUSだった。
その光景を見たミオンは、両手に持った銃を落として、口元を押さえる。
目の前の光景が信じられなかった。
銃が地面に落ちた音に気付いたマーモンが、ミオンに目を向けた。
「もう来たのかい、ミオン。
まだ来ないと思っていたのに」
溜息混じりにマーモンは肩を竦めた。
ミオンが来る前にボスを復活させようと思っていたのに。予定が狂った。
「無駄だ・・・・・・XANXUSは眠りに就いた・・・・・・」
肩で息をしながら、沢田は言った。
その言葉を聞いたミオンは、血がざわつくのを感じた。
頭に血が上って、ミオンは銃を拾い上げると、沢田にそれを向ける。
「今すぐに、元に戻せ・・・・・・」
低くドスの効いた声で、ミオンは静かに言った。
それを聞いた沢田は、何も言わない。
「まぁ、落ち着きなよ、ミオン。
心配しなくても、ボスは再び復活する」
マーモンは、手に入れた全てのリングをポケットから取り出した。
それを見た、沢田と観覧席のスクアーロとリオン以外が驚愕し、スクアーロは、「よお゛ぉし!!」と、喜びを露わにした。
マーモンは立ち上がると、沢田を見下ろしながら、言う。
「何故、リングを分けて保管するのか・・・・・・そして、正当後継者にしか授与されないか解るかい?
それは、リング自身にも秘められた力があるからさ」
「秘められた力・・・・・・?」
マーモンの言葉に、沢田が呟く。
そして、沢田は完成させたリングを握り締めた左手を広げる。
すると、沢田のリングにオレンジの炎が灯る。
それに感化される様にマーモンの持つ6つのリングにも炎が灯った。
それを見たミオンも、左手の親指、人差し指、薬指、小指に嵌めたリングを見た。
すると、それぞれに黄金、銀、漆黒、白銀の炎が灯っている。
「ミオン、リングを投げて!」
マーモンがミオンに叫んだ。
ミオンは、指からリングを外すと、マーモンにそれを投げる。
マーモンは左手に6つのリングを乗せて、ミオンに投げられた4つのリングを受け取る。
そして、説明を続けた。
「ボスに掛けられた零地点突破が溶かされた床には、10個の小さな焦げ跡が残されていたという。
そして、この炎を灯したリングが全てを説明する。
まぁ、見てるが良いさ」
それを言うと、マーモンは沢田に背を向けた。
炎の灯ったリングを零地点突破の氷に近付ければ、氷はシュゥゥゥと音を立てて、溶けていく。
その様子を沢田はただ、見ているだけだった。
「ボンゴレリングの力はこれだけでなく、7つの完全なボンゴレリングが継承されし時、ボンゴレリングは新たな
マーモンの言葉に、沢田は「ボンゴレの血に・・・・・・?」と、呟く。
マーモンの話に集中している時、沢田の掌からリングが奪われた。
驚いて沢田が急いで顔を上げると、そこには、炎の灯ったリングを持ったミオンが立っていた。
沢田は驚く。
「ミオン・・・・・・?」
「オレのボスはXANXUSだけだ。初めから。
お前の守護者になったのも、リングを奪還してヴァリアーに戻る為。
オレはお前の仲間になった覚えはねぇから。
そこだけは勘違いしないでもらいたい」
ミオンはそれだけを言うと、沢田に背を向けた。
そして、氷漬けから解放されて意識のはっきりしないXANXUSに歩み寄ると、しゃがんで、ミオンはXANXUSに大空のリングを見せた。
「XANXUS。これは、貴方の手元に在って然るべき至宝だ。
貴方以外に、ボスに相応しい人間など居る筈が無い」
「ま・・・・・・待て・・・・・・」
肩で息をしながら、XANXUSの腰のチェーンにリングを嵌めていくマーモンに沢田は、制止を掛ける。
だが、蚊の鳴く様な声はミオンやマーモンには届かない。
リングをXANXUSに渡しちゃダメだ――――!!
沢田の声は届かず、儀式は進んでいく。
「受け継がれしボンゴレの至宝よ、若き
リングを全て嵌め終え、マーモンは願う様に唱えた。
「待て」
ミオンが大空のリングをXANXUSの中指に嵌めようとした時、XANXUSはミオンに制止を掛けた。
ミオンは、リングを嵌めようとした手を止める。
そして、XANXUSを不思議そうに見た。
「XANXUS・・・・・・?」
不思議そうに自分を見下ろしてくるミオンを尻目に、XANXUSはマーモンに目を向けた。
そして、衝撃的な一言を口にする。
「マーモン・・・・・・チェーンのリングを沢田に渡せ・・・・・・」
「え・・・・・・?」
XANXUSの言葉に、ミオンは目を見開く。
どういう事だ?と、マーモンを見ても、フードの下に隠れている顔からは、何も読み取れない。
マーモンはさして驚いた素振りも見せず、頷いている。
「じゃあ、ボス・・・・・・」
マーモンが何かを確認する様に、XANXUSに声を掛ける。
XANXUSは頷いた。
何かを企んでいる二人の話に付いていけず、ミオンはただ、困惑した。
「予定通り・・・・・・沢田に10代目の座を渡す・・・・・・」
XANXUSの言葉にその場に居た全員が驚愕した。