Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

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何か、ここで一気にスピードUPして、さっさと争奪戦書こうかなとか・・・・・・←


標的2

「笹川さんっ!!」

 

 

弥王が校舎B棟の屋上に駆けつけた時、既に京子は集団リンチを受けて、制服がボロボロになっていた。

髪はぐしゃぐしゃに乱れて顔は傷だらけ、更に空のバケツが幾つか転がっていて、京子はびしょびしょに濡れていた。

 

 

「神南君っ!!」

 

 

ボロボロにされて、京子は今にも泣きそうな顔で弥王の名前を叫んだ。

弥王は誰を気にすることもなく京子に駆け寄ると、京子を助け起こした。

「大丈夫か」と弥王が問うと、京子は安堵したような顔で頷いた。

 

 

「神南君、何でそいつを助けるんだよ!?」

 

 

「そうだ、そいつは木吉を虐めたんだぞ!!」

 

 

沢田綱吉と、銀髪の目つきが悪い男子―――獄寺隼人が信じられない、と言うように弥王を責める。

弥王は眉を顰めた。そうだとは思っていたが、スモーキンボムと呼ばれている彼までが真実を見れていないと思うと、コイツが従事するファミリーは終わりだな、と思った。

 

 

「それにコイツ、レーナの物を盗んでるしな!!」

 

 

黒いスポーツカットが特徴の男子、山本武が弥王を捲し立てるように言った。そこまでいえば、弥王が寝返ってくるとでも思っているのだろうか。

この3人を中心にブーイングが起こる。

このクラスには、誰も味方が居ない情況が痛いほど解った。

クラスメイトの嵐の様なブーイングに弥王の苛々が限界に達していた時だった。その声は聞こえた。

 

 

「もう、やめてあげて!!」

 

 

木吉がこれ見よがしに声を上げた。

木吉を見れば、涙を流していた。どうやら、木吉はそう言う演技も得意らしく、本当に泣いているようにしか見えない。

嗚咽混じりに木吉は言った。

 

 

「もうこれ以上、弥王君を責めないで上げて!!」

 

 

いつからテメェはオレのファーストネームを呼ぶようになったんですか。オレの名前が腐敗するだろうが。

今は居ない弥王の相棒なら絶対に言わない筈がない言葉が何故か聞こえてきたような気がした。

そんな事を思いながら、弥王は木吉を見上げていた。

懇願するかのように木吉は生徒全員を上目遣いで見上げている。

特に可愛いとは思わないその仕草に生徒達は落ち着いた。

生徒達が静かになると、木吉が弥王に歩み寄ってきた。

 

 

「弥王君、あのね。

あたしは笹川さんに虐められているの。

あたしの物を盗ったり壊したりは当たり前で、怪我させられたり暴言とかも言ってくるの。

さっきも笹川さんにカッターで切り付けられて・・・・・・」

 

 

あざとく木吉は右手首を押さえて、震えている。

それを弥王は冷ややかに黙って見ているだけだった。

すると、木吉の言葉に再燃した様に女子が騒ぎ出した。

 

 

「そうよ、悪いのは笹川なのよ!!」

 

 

そこから更に京子の罵倒へと変わった。

「お前が居なくなればいい」だとか、「死んじまえ」だとか、虐めにはよく言われる言葉を投げかける。

京子は弥王に抱えられたまま、俯いた。

呆れた様な溜息が弥王の口から漏れ、その後に弥王はクラスメイトを見据えた。

 

 

「んじゃあ訊くけど、笹川さんが虐めをしている証拠と動機は?

言っとくけど、「私よりも可愛いから邪魔」なんて下らない理由で他人を傷付ける程、京子は腐ってねぇから。

そもそも、彼女はそんな下らないことをするような人間じゃねぇし・・・・・・そもそも、お前らは実際に京子が木吉を虐めている現場を見ているワケ?」

 

 

眉を顰めて静かに言う弥王の言葉に京子は違和感を感じた。

まるで、その言い分は弥王が自分のことを知っているような言い分ではないか。

言った後で弥王もそれに気付くと、自分でも解らない、と言う様に一瞬、目を丸くした。

だが、それはほんの一瞬であって、京子は気付かなかった。

弥王はそれを気にすることをやめ、更に言いつのった。

 

 

「論より証拠。

さぁ、証拠を見せて貰おうか?」

 

 

弥王が不敵に笑みながら言うと、クラスメイト達は近くに居る人間と顔を見合わせて、たじろいだように相談し合う。

証拠もなく他人を悪だというのは簡単なことだ。

そもそもこいつらは、京子の話を1ミリも聞いてないのだから、尚のこと。

証拠を出せ、と言われて出せる人間は居ない。典型的な虐めだ。

 

 

「証拠なら沢山あるぜ。

まず、木吉の傷だらけの体!!」

 

 

獄寺が歩み出てきて、木吉の腕を引き寄せるとその袖を捲って、いきり立って捲し立てるように言った。

そして、得意げに屋上を指す。

 

 

「それと、現状証拠!!」

 

 

どうだ、これで証拠は十分だろう、とでも言いたげな獄寺の言葉を弥王は鼻で笑った。

熱に任せて動く獄寺らしい回答に、弥王は呆れるしかなかった。

 

 

「クスッ・・・・・・、笑止だ。

もっと面白い冗談を言ってくれないか?

そんな事、情況を見ただけの幼稚園生でも解るぞ?

自作自演だろ、頭使えよ、バーカ」

 

 

獄寺に向かって嘲笑の意味を込めて言うと、弥王は京子を抱き上げた。

癇に障ったのか、額に青筋を浮かべて掴み掛かってくる獄寺を鼻で笑って躱すと、弥王はそのまま屋上を出る扉へ歩いて行く。

沢田と擦れ違うと、擦れ違いざまに沢田にしか聞こえない声で弥王は低く囁いた。

 

 

「お前には・・・・・・失望したよ、ボンゴレⅩ世(デーチモ)

お前のような奴がボンゴレの超直感を持っていても、宝の持ち腐れだな・・・・・・」

 

 

「!!」

 

 

弥王に囁かれた言葉に沢田は目を見開いた。

何故、彼の口から「ボンゴレ」と言う言葉が出てきたのか?それを問う前には既に弥王の背中しか見えていなかった。

沢田はその背中を呆然と見つめた。

 

 

 

「ありがとう、神南君」

 

 

それから、弥王は京子を家まで送って行った。

家に入る前に京子はお礼を言って、弥王は微笑んだ。

 

 

「イタリア男は女子には優しくするモンだからな、これくらい、気にするな。

また明日な、笹川さん」

 

 

京子の頭を撫でると、弥王は京子に背中を向けて、屋敷へ向かって帰った。

その背中を見えなくなるまで見つめて、京子は家に入った。







弥王の正体が気になってきたところで、更新停た((殴る
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