Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~   作:紅 奈々

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新年明けました、おめでとうございましたぁぁぁぁぁ((殴
今更ですね、はい。
さて、去年、「今年中には終わらせたいなぁ」とか言いつつ、とんだ「終わる終わる詐欺」をかましてしまったわけですが。
これだけは確実に言います!

「今年中には終わらせ((殴」

はい、もうマイペースに更新していきたいと思います←

そんなこんなで大体終盤です←


標的8

「地平線を揺さぶる風」

 

 

「焔はまだ 燃えているか?」

 

 

『震えながらセカイの入り口に立つ』

 

 

京子が先に歌い、その次にミオンが続ける。

その後で綺麗に声が重なった。

 

 

「想い届けるまで 死ねない」

 

 

『その翼は』

 

 

「ヴァルキュリア」

 

 

「傷付いた戦士の前 ヴァルキュリア」

 

 

「舞い降りる幻想の 恋人」

 

 

「その魂」

 

 

『導く為 虹の橋を渡る』

 

 

歌の中盤辺りには、傷付いていた守護者達が殆ど回復して、向かい襲ってくる9代目ファミリーを迎え撃つ。

京子のO.C.波は癒やしの能力がミオンよりも高い事が解った。

元々、ミオンのO.C.波は攻撃能力の方が高く、どちらかというと、癒やし能力はおまけみたいな物だった。

全員の負傷を完治させるには、1人では無理があったのだ。だからミオンは、京子にヘルプを求めた。

京子の癒やし能力がミオンの能力よりも高いことを賭けたのだ。

その賭は当たっていた。

満身創痍だった獄寺の怪我も治った程だ。

 

 

「ヴァルキュリア」

 

 

「運命に背いても ヴァルキュリア」

 

 

「涙に引き裂かれても ヴァルキュリア」

 

 

「夜明け前に」

 

 

『輝かない(いのち)はない』

 

 

「愛してる」

 

 

「光の鎧」

 

 

「この身に纏い」

 

 

大空(そら)を翔る」

 

 

「ヴァルキュリア」

 

 

「ヴァルキュリア」

 

 

『サヨナラノツバサ』

 

 

京子の歌声が傷付いた守護者に癒しと勇気を、ミオンの歌声が力と破壊をそれぞれ、与える。

ミオンの歌声に影響されたティモッテオの部下は、“死の歌声(カント・ディ・モルテ)”によって内臓を破壊され、吐血する。

それでも、まだ半数の部下と守護者達が戦っていた。

歌い終わると、ミオンはその場から離れる。

京子が「ミオンちゃん!?」と呼び止めた。

 

 

「頭の首はオレが貰う!!」

 

 

言うと、ミオンはティモッテオの元へ走る。

地面に落とした銃を拾い、マントの下からもう1つ、小型の銃を取り出すと、校舎に銃口を向けて トリガーを引いた。

すると、銃口から先端にアンカーが付いているワイヤーが飛び出して、校舎の屋上に刺さり、それを確認すると、ミオンがトリガーから指を離すと、ワイヤーが巻き取られる力で、ミオンの体がフワリ、と宙を浮く。

屋上に着くと、ミオンはワイヤー銃を仕舞い、屋上を駆け、その勢いで屋上から飛び降り、着地とともに校庭を走る。

ティモッテオの姿が見えると、あと1メートルの所で止まり、ティモッテオに銃口を向けた。

ティモッテオは動じることもなく、その冷たく光る銃口を見つめる。

 

 

Ⅸ世(ノーノ)……」

 

 

「大きくなったな、本家の後継者」

 

 

実際にティモッテオの姿を見ると、ミオンは苦虫を噛み潰したような苦渋の表情を見せた。

こいつの所為で、人生を壊された。お父様ともまともに会えず、死に目にも会えなかった。

こいつが、こいつの所為で……。

ミオンの内に強い怨恨の情が湧き上がってくる。

その感情に比例するかのように、ミオンの双眼が赤黒く変色していく。

その様子を清ました顔でティモッテオは見ていた。

 

 

「昔はそんな能力はなかった筈だ。どうした、その目は?」

 

 

哀れむような目で見てくるティモッテオの目があまりにも不快で、ミオンは吐き気さえも催した。

 

 

「貴様に売り飛ばされたエストラーネオで、それと貴様に対する憎悪と復讐心から出てきた緋の邪眼だ。

……その哀れむようなふりをする不快な目をやめて貰おうか」

 

 

ミオンは不快感を吐き出すように吐き捨てた。

ミオンが相当キレているのは、誰の目から見ても明白だった。

スクアーロでさえも、背筋に悪寒が走るのを感じている。

背骨の代わりに太い氷の棒を突っ込まれたような底冷えする様な殺気。

絶対零度の目線は、触れれば凍傷を起こしそうなくらい冷たく、鋭い。

今にも殺されるんじゃないかと言う恐怖が襲いかかってくる。

それをものともしていないかの様に、ティモッテオは微動だにせず、ミオンを見つめていた。

 

 

「幾つか質問をする。正確に答えれば、ラクに先祖とお茶会させてやるよ。

尤も、貴様なんぞとお茶会したがる様な酔狂な先祖が居るとは思わないがな……」

 

 

「まず1つ目」と、ミオンは引金を引く。

その目は、静かにティモッテオを射抜いている。

 

 

「何故、レオナを後継者として選んだ?

レオナは氏族だ。余程の理由がないと、好き好んで推薦なんざしねぇだろ。

基本的には、本家か分家の人間を選ぶ事は解っている筈だ」

 

 

それは、ルーン家とボンゴレの暗黙の掟だった。

氏族は、ルーン家を半追放された一族が身を寄せ合うように固まっている部族で、本来なら、ルーン家と関わりを持つことは禁忌とされていた。

歴代のボンゴレボスも、本家を大半は後継者として選び、分家や御三家を後継者として選んだのは、ごく少数だった。

それなのに、ティモッテオは何故か氏族であるレオナを選んだのだ。

氏族を後継者に選ぶのは、リスクがある。

まず、周りの反対を押し切るか丸め込まなければならない。

でなければ、反発され、謀反が起きる可能性があるのだ。

そのリスクを物ともせずに選ぶと言うことは、余程、その後継者に力があるか、その後継者に特別な感情があるのか、どちらかだ。

ミオンは、後者の方だと予想している。

確かにレオナには、誰も知る筈のない、特別な力がある。

だがそれは、ミオンとレオナ本人しか知らない筈だ。

ティモッテオが知っている筈がな筈である。

 

 

「……」

 

 

「……ああ、黙秘権か。良いだろう。

他にも訊きたいことはあるからな。

後でじわじわと嬲り倒して、その体内にある血液が一滴も残らないくらいに絞り出ても構わずに聞き出してやるよ」

 

 

要するに拷問します、と言われているが、何も語ろうとしないティモッテオ。

ミオンはそんな彼に嘲笑を浮かべて、言ったのだ。

 

 

「二つ目、沢田とレオナを後継者にしたいなら、何故、オレを沢田側にする様に仕向けた?

ルーンの後継者の中でオレが一番実力があることは解っていただろ。

レオナの力は、戦闘向きじゃない。オレとやり合えば負けることは火を見るよりも明らかだろうが」

 

 

「まぁ、沢田が勝とうが負けようが、レオナは後継者にはなれなかったワケだが」と、ミオンは付け足した。

だが、ティモッテオは尚も貝のように固く口を閉ざす。

チッ、と、ミオンが小さく舌打ちをするのが聞こえた。

 

 

「なら、三つ目だ。これは争奪戦に関係無い、オレ個人の質問だが・・・・・・これには答えて貰うぞ。

ゆりかごの真実を述べて貰おうか」

 

 

ゆりかご、と聞いて、ヴァリアーとティモッテオ、そして、キオとマオの表情が変わった。

それを見逃さず、ミオンは続ける。

 

 

「手記には、「ヴァリアーの無意味な暴動、ボスの座を狙うXANXUSの過激な暴走」とあったが、オレから言わせればXANXUSがそこまでしてボスの座に固執していたとは思えないし、理由もなくXANXUS達が無意味にクーデターなんか起こすはずがない。

お前が関わっていたとしか思えない。

答えろ、Ⅸ世(ノーノ)

 

 

「・・・・・・」

 

 

「・・・・・・そうかよ」

 

 

詰問に黙り込むティモッテオに痺れを切らせて、ミオンは手に持った銃を捨てた。そして、袖の中からジャックナイフを取り出す。

パチン、とナイフの柄から刃を出すと、白刃が月の光を反射して、白銀に燦めく。

その刃に映るのは、ティモッテオの固い表情。

それを冷めた目で見据えると、ミオンはティモッテオに一歩一歩近付いた。

 

 

「時間の無駄だ。

手荒いが、貴様には“地獄”を見てもらおう」

 

 

目を閉じたミオンが次に目を開けた時には、ミオンの目は殆どが黒く、紅い下弦の三日月が浮かんでいた。

まずい、と、スクアーロは叫び、拘束を解くようにディーノに怒鳴った。

ミオンが何をしようとしているのかが解ったのだ。

 

 

「う゛ぉ゛ぉ゛い!早く拘束を解きやがれぇ!!

ミオンを止めないと、それこそ取り返しがつかねぇ事になるぞぉ!!」

 

 

スクアーロの剣幕に圧されつつ、ディーノは部下にスクアーロの拘束を解くように命令した。

その間にも、ティモッテオとミオンの距離が縮んでいく。

そして、ミオンが立ち止まった。

 

 

「悪夢の闇夜(やみ)に抱かれて堕ちるがいい――――地獄の走馬燈(フェルマート・ディンフェルノ)

 

 

「ミオン!!」

 

 

ミオンがティモッテオに技を掛けるのと、スクアーロの解放が同時だった。

間に合うか―――!?

スクアーロは、ティモッテオとミオンの元へ走る。

地獄の走馬燈(フェルマート・ディンフェルノ)―――それは、幼い頃のミオンが憎悪と復讐心を糧に編み出した、必殺奥義。

使用する毎に使用者の精神を蝕みながら、目を合わせた相手に5分間の悪夢の過去を見せつけ、その者の精神を壊し、最後には自爆させる、幻術と物理攻撃が統合された技だ。

この技から逃れられる者は居らず、その者はただ、最期(おわり)まで悪夢を見続ける。

これが、ミオンが「悪夢の伯爵(ナイトメア・カウント)」と呼ばれ、恐れられている真実(ほんとう)の所以だ。

 

ティモッテオの目には、9年前のあの光景が映っていた。

雪の降る寒いイタリアの路地裏、己の部下に追われている当時の弥月。

その行く手を阻み、彼にとどめを刺したのは、紛れもない、その時のティモッテオ。

殺したのは、口封じの為だ。

元より、ティモッテオにとっては弥月は邪魔でしか無く、いつか殺せるチャンスを窺っていたのだ。

弥月より前のヴァリアーのボスにその実力を見初められた彼は、ボスになってからその行動が目に余るようになった。

彼の考え方と自分の考え方がまるで合っていないのだ。

いつしかヴァリアーは名だけはボンゴレの組織だが、実態はボンゴレから独立した全く別の組織と成っていた。

そして、それが決定的になったのは、ミオンが誘拐されてからだ。

ティモッテオがミオンの救出を渋っていた本当の理由を知った弥月は、ティモッテオの手により抹殺された。

 

その光景が在り在りと目に焼き付く。

その手には弥月を殺害した銃が握られていた。

その銃は形を変え、次第にそれが人の手へと変わっていく。

その手は、ティモッテオの手を払いのけ、その顔面へ襲いかかる。

 

 

「ぐぁぁぁぁああ!?どうなっている!?」

 

 

ティモッテオはその手を顔から剥がそうとするも、手は人間のそれとは思えない強さでティモッテオの顔面を締め付ける。

そしてその時、頭に笑い声が響いてきた。

 

 

『ふはっ、とんだ間抜け面だな、Ⅸ世(ノーノ)

この悪夢は気に入ってくれたかな?』

 

 

「ふざけるな!今すぐこの悪趣味な悪戯をやめろ!!」

 

 

頭の中に聞こえるミオンの嘲笑している声にティモッテオは食いかかる。

だが、ミオンにはそんな声は届いて居らず、未だにクスクスと笑っている。

 

 

『これはお前の一番触れられたくない筈の過去を少しホラー風味にアレンジしたモノだ。

オレの邪眼と目を合わせた人間のもっとも触れられたくない過去を見せ、そのワンシーンを悪夢にする。

精神は蝕まれ、5分後にはFine(おわり)だ』

 

 

現実のミオンが指を鳴らそうとした、その瞬間の事だった。

視界が暗くなり、背中に温もりを感じた。

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