Preghiera di duo~月に祈りを星に願いを~ 作:紅 奈々
遂にエピローグ最終回!!
【駆け抜けていく蒼い
ずっと愛してる 愛してる】
「ミオンちゃんー!」
高校の入学式が終わった京子は、ミオンの屋敷へ訪れていた。
家のチャイムを鳴らして、待てど中々誰も出てこない。
暫くして、リオンが屋敷から出てきた。
「リオン君?
ミオンちゃんは―――」
「彼奴なら、昨日の夜にイタリアに飛んだぞ」
「え―――?」
京子の言葉を遮って、リオンは言った。
リオンから告げられた事に驚愕する、京子。
それもそうだろう、ミオンがイタリアに飛ぶなんて、聞いていなかったのだから。
ショックで声が出ない京子にリオンは鞄から封筒を取り出すと、京子に差し出す。
京子はそれを不思議そうに見た。
「ミオンからだ。
お前に渡すように頼まれた。」
「私に・・・・・・?」
リオンから手紙を受け取ると、京子は封を切ってリオンの前で読んだ。
手紙には、いきなりの帰国を詫びる文と、帰国の理由、そして、今までの謝罪と感謝の言葉が便箋3枚に渡り、丁寧に書かれていた。
最後に書かれていたのは、「リオンを宜しくな」と言う事。
京子は読み終わる頃には大粒の涙を頬に零していた。
「ミオンちゃん・・・・・・一緒の高校行くって・・・・・・言った、のに・・・・・・っ!!」
手紙を握り締めて、京子はその場に揺らめいた。
地面に着く前にリオンが支え、京子はその腕を掴む。
嗚咽を咬み殺して泣いているのが、リオンには解った。
「それと、お前のO.C.波を封じることを頼まれているんだが。
彼奴は絶対に封じろと言って聞かなくてな。
だが、それはお前次第だと俺は思う。
お前は、その声質は要らないか?」
リオンの問い掛けに、京子はリオンを見上げた。藍色の左目と目が合う。
京子は首を振った。
「要らないことない・・・・・・要らないことないよ・・・・・・!
お願い、封じないで」
京子の迷いのない回答に、リオンは暫く黙る。
そして、ふはっ、と空笑いに似た笑みを零した。
「そう言うと思ってた。
安心しろ、何もしない。
そうだな、もしミオンに次会うことがあれば、ミオンを殴り飛ばすと良い」
リオンは言うと、京子から離れた。
京子は離れる時にリオンの左手に持っているスーツケースに気が付いて、リオンを驚いたような目で見た。
リオンは肩を竦める。
「居てやりたいのは山々だが、向こうでまだ、1年は残ってるからな。
流石にそろそろ戻らないと、講師がうぜぇ。悪いな」
リオンは言いながら、寂しげに目を伏せる京子の頭を撫でた。
吃驚して京子が顔を上げると、そこにはリオンの微笑があった。
「そんな顔をするな。
必ずまた、こっちに来るから」
「・・・・・・うん」
釣られて笑う京子に「良い子だ」と返すと、リオンは京子の前髪を上げて、額に口付けた。
顔が真っ赤になる京子。
それを見て軽く笑うと、リオンは「Arrivederci」と言って、その場から去っていった。
リオンの背中を見つめて、京子は紅くなった顔を冷やすように冷たい両手を頬にあてた。
【ヴァルキュリア ヴァルキュリア
息を吐いて 今選びにいこう未來
ヴァルキュリア
私は風に出逢い ヴァルキュリア
いつか風を見送る ヴァルキュリア
夜明け前に 輝かない
光の鎧 この身にに纏い
ヴァルキュリア サヨナラノツバサ
愛してる・・・・・・】
それから、3年後。
ミオンはイタリアのローマ郊外の森の中で満身創痍の体を引き摺って、意識を何とか保ちながら歩いていた。
体は余す所なく止め処なく血が流れ、骨は折れて、砕けている所もある。
生きているのが不思議なくらいに傷付き、ボロボロになっていた。
「は・・・・・・っ、ざまぁねぇな、畜生が・・・・・・」
満身創痍の自分に呆れ、毒づく、ミオン。
しくじった。なんてザマだ。
これじゃあ、誰にも合わせられる顔なんてねぇよな・・・・・・。
そう思った時に、ミオンはまた、嘲笑する。
そもそも、その時には自分は死んでるな。
ミオンは足から崩れ、地面に倒れ伏す。
あぁ、ここまでか。
最後を悟った時、その目から涙が一筋流れた。
「京子・・・・・・スクアー、ロ・・・・・・」
その言葉を最後に、ミオンは意識を手放した―――――。
【愛してる・・・・・・】
―To be continud...―
ご愛読ありがとうございましたぁぁぁぁ(高校生編へ続く