東方生還録   作:エゾ末

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はい、いつもネタに困るとオリキャラを登場させているエゾ末です。
今の挨拶からわかる通り今回もオリキャラでます。
うーん……オリキャラ出しすぎているような……
確実に原作キャラより多く出てますし。

ついでにこの作品を書き始めて1ヶ月経ちました!


十一話 急に要求してくる奴な

諏訪子が祀られている洩矢の国に来てから1年が経った。

まあ、翠がおれの睡眠を妨害すること以外はゆっくりと過ごす事ができた。

 

どんなことを1年間を過ごしていたかというと、主に畑の手伝いをしていた。後は散歩とか昼寝とか諏訪子んとこの神社でゆっくりしてたな。

ん?今思ったけどおれって兵としてこの国に居させてもらってたんだよな。振り返ってみると兵っぽいことまったくしてなかったじゃん。

 

「と言うことで今、おれは神社の門番をしている。」

 

「いや、別に大丈夫です。」

 

今おれがせっかく稀にしかでないやる気を見事に踏みにじってきたのはこの神社の巫女、早恵ちゃん。

 

「ん、そうか」

 

大丈夫だと言われたので門の前に座った

 

「ええぇ、そこにいられると参拝客がここを通る時に妨げになります!入るなら入る、出るなら出てってください!」

 

 

「あーもう!……ならどうすればいいんだよ。」

 

「そうですねぇ……ここ周辺の巡回はどうですか?」

 

「あ、それだ」

 

よし、これからの事が決まった。早速実行だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ、熊口さん。散歩かい?暇なら明日わしの畑を手伝ってくれんかね?」

 

 

「お、熊さんここを通るなんて珍しいね。いつもと違う道で散歩してるのかい?」

 

 

「うわぁ!熊さんだ!遊ぼー」

 

 

 

 

 

畜生。これただの散歩や。皆に仕事だって言ってるのに全然信じてもらえない…… 

 

このままじゃ兵として駄目だ。もっとこう、妖怪をやっつける様なことをしなければ。

 

「ちょっと失礼していいかな?」

 

でも幽香のような妖怪とかは勘弁だな。まあ、あんなのがごろごろいるわけないけどな。いたらこの世界崩壊する。

 

「ちょっと尋ねたいことがあるんだが……」

 

あーもう、うるさいなぁ。考え事してんのに。

 

おれはそう思いながら後ろから声がしたので向いてみると、そこには高貴そうな服を着ていて、腰には一本の刀をさしており、長い茶髪を紐で束ねている美少年がいた。くそ!なんだこいつは!!泣きぼくろなんかありやがって!取ってやろうか!?

 

「あー、はいはい。なんですか?人が折角考え事しているところを邪魔してきた人」

 

「人の話を無視して考え事している方が失礼だと思うが……」

 

「まあ、そうだな。で、何の用?」

 

自分でもわかるくらいに冷たい反応で相手を急かした。

 

「あ、ああ、洩矢諏訪子という祟り神がいる神社をしらないか?そこに用があってな」

 

「うーん……そうは言ってもアンタ、見るからにここの者じゃないだろ?ここに来た理由を教えてもらわなきゃはい、そうですかって言って教えるわけにはいかないな」

 

「そうか……」

 

そう言ってこのイケメンはなにか悩んでいた。……だけど1分くらいした時「まあ、いいか」と呟いた後、教えてくれた。

 

 

「私は大和の国の使者の南方道義という。この書状をこの国の神、洩矢諏訪子に渡しにここへ参上した。」

 

「ふーん、大和ねぇ」

 

知らね

 

 

「まあ、手紙を渡すだけならいいか……諏訪子の神社があるのはここを真っ直ぐいって大木があったらそこを右に曲がれ、そしたら階段があるからそこを登ってけばいずれつくだろう」

 

「すまんな」

 

そういって道義と名乗った大和の使者はおれが言った方向へ歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局それらしい事しなかったなぁ」

 

道案内以外ほとんどいつも通りだった。まあ、気長に行くとしようかな

 

「腹減ったし帰ろ」

 

最近は翠と交代制で夕飯を作っている。なんで幽霊の翠が食事をするんだ?と思ったが食べても食べなくてもどっちでもいいらしい。なら食うなと言いたいけど早恵ちゃんとは段違いにご飯が美味しかったので言わなかった。

 

「熊口さん!」

 

うわ、噂をすれば早恵ちゃんが空から来たよ。

 

「ん、どうしたんだ?」

 

「ちょっと来てください!大変なことになったんです!」

 

「だからどうしたんだって」

 

「兎に角!」

 

そう言うとドテラの襟を掴んでそのまま空に飛んだ。

 

「ぐぇっ!?」

 

急に上がられたせいでちょっと首が絞まってしまった。

 

「もう、一体なんだってんだよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と言うことで生斗、どうすればいい?」

 

「……知らん」

 

 

うわあ、何てこった。まさかあの時道を教えたあいつがまさかこんな爆弾を持っていたとは……いや、物理的な爆弾ではないよ?

 

 

「要するにこの手紙にはこの国を渡せって書いてあるんだな。」

 

「そうだよ、普通他の国とかなら突っ返すけどまさか大和の国とはねぇ」

 

「ん、大和の国がなんだって言うんだ?」

 

「最近他の国々をバンバン攻めて勝っている武力国家みたいな処だよ」

 

「つまり戦争大好きな国ってことか」

 

なんて奴に道を教えてしまったんだ……

 

因みに大和の使者である道義は諏訪子が帰ってほしいと言われてそのまま帰ったらしい。

 

「それで?降状すんのか?」

 

「そんなわけない!この国を渡してなるもんか!」

 

「ふーん、そうか。てことは戦争するか?そうしたらここのやつらもかなり死ぬぞ」

 

「うっ、それは……」

 

「ま、おれもどうすればいいかわかんないけどな」

 

「わかりました!!」

 

「うわっ!?なんだ?」

 

さっきまでずっと部屋の奥で黙っていた早恵ちゃんが急に飛び上がった。

 

「一対一でやればいいんですよ!そうすれば此方にも勝ち目があります!!」

 

「おいおい……それができたら苦労しねーよ……」

 

ん、でも早恵ちゃんにしては良い考えではあるな。どうすればそれを実現できるかは大和の国次第だけど

 

 

「でも大和の国が自ら勝率を下げる様な事をするかなぁ」

 

「まあ、諏訪子の言う通りだな」

 

「あーうー、でもそれ以外良い考えが思い付かないよぉ」

 

「取り敢えず此方もそういう書状を出したらどうだ?」

 

「まあ、それもそうだね。ってことで生斗、大和の国に言ってきてね」

 

「は?」

 

「だってこの国の中でもかなりの実力者だし」

 

「いや、だからってなんでおれなんだよ」

 

 そんなめんどくさい事したくねーよ

 

「だってもしかしたら大和の国で襲われるかも知れないじゃん。それなら一番生存率の高い人を行かせた方がいいよ」

 

まあ、それもあるな……普通なら捨てゴマとかをやったりとかするんだけど諏訪子の場合はそんなことしないしな……疲れるけど諏訪子のそういう人を大切にするということは好感が持てるしな。

 

「まあ、仕方ない。行ってやるか、めんどくさいけど死なないし」

 

「そういうのを死亡ふらぐ?っていうんだったよね」

 

「こら!そういうことを言うんじゃない!」

 

 

という感じでおれは大和の国に行くことになった。諏訪子の言うような物騒なことにならなければいいけど……


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