東方生還録   作:エゾ末

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ほんと、1週間ぶりの更新ですね。
なぜか妖怪の山の回のネタガ思い浮かばなかったんですよね。
この先の章とかおもいついてるのに……



10話 ガハハ!これで逆らえないだろ!

「荷物は持ったかい?」

 

「荷物っつったって翠ぐらいしかいないしな」

 

『誰が荷物ですか!』

 

「ふむふむ、それじゃあ出発しようかね」

 

 

妖怪の山を制圧してから1週間が経った。そして今日、鬼達一行は鬼の里から妖怪の山へとお引っ越しすることになり今から出発するところだ

 

 

「んじゃいこうか。彼処には因縁の相手がいるからな」

 

『あ、その人と仲良くなれそうです』

 

「なんでや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、疲れたー。」

 

「なんだい、もう疲れたの?根性なしだね」

 

「いや、勇儀。お前らの荷物もってやってるからだからな、疲れたのって」

 

 

そう、荷物がなかったおれは何故か多すぎて持ちきれない鬼達の分を持っていってあげてる。

ただ持つだけなら別に平気なんだけど鬼達の持ちきれない分の量があまりにも多かったため霊力を操作して荷物を浮かして持っていってるから結構疲れる。

…………つーかなんで鬼の里、荷馬車とかないんだよ。それぐらい作っとけよ……

 

 

『熊口さーん、頑張れー(棒読み)』

 

「なんで棒読みなんだよ、翠」

 

『別に応援する気なんて無かったので』

 

「ならすんな!」

 

『一応荷物運んで疲れてるから美少女の声援で疲れを吹き飛ばさせてあげようかと』

 

「自分で美少女っていうもんじゃないぞ」

 

「私は今翠と話してるって分かるからいいけど端からみるとほんと頭おかしい人みたいに見えるから控えた方がいいよ」

 

と、霧状になっていた萃香が顔だけだして指摘してくる。

いや、顔だけ浮かんでるように見える萃香の方が頭おかしい…………いや、気持ち悪い奴に見えるからそれは控えた方がいいと思います。

 

 

「あー、くそ、喋ったせいで余計疲れた。」

 

「ほらほら、あと少しだから頑張んな」

 

実際いまやってる霊力操作ってほんと精神的にきついんだよ。だからあまり喋りたくない。……妖怪の山につくまで喋らないでおこうかな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ、やっとついた……」

 

「ん、そうだね。それじゃあ私は天狗達のところへ行くから」

 

ついに着いた。もうほんと疲れたよ。着いたと同時に荷物らに張らしていた霊力を解除し、ドサドサっと音を立てて荷物が落ちていく。それを鬼達があんがとさんといいながらひろっていった。

因みに家の事に関して天狗に一任されており、たった1週間で今いる鬼の人数分の家をたててもらっている。

やっぱそこは妖怪。人と比べて作業効率が速すぎる。

まあ、この前の鬼と天狗の会議に参加したとき『河童』という種族がでてきてたからもしかすれば河童に作らせている可能性があるけれども……

 

 

「あ、生斗!あんたの家があるよ!」

 

と、またもや顔だけを出現させた萃香がおれの家を見つけたと騒ぎだした

 

『そうなんですか!早くいきましょう!』

 

なんで翠も興奮気味なんだよ。……まあ、新しい家というのは確かにどんなのかウキウキするけれども……でもおれこれでもかなりの年数生きてるからそんぐらいじゃウキウキなんてしなくなったんだよなぁ。

 

「んと、ここか」

 

そう思いつついつの間にかちゃんと体も出現させた萃香の案内についていくと『熊口』と刻まれた表札が玄関前につけられた家があった。

 

「……なぁ」

 

「ん、なんだい?」

 

「あの扉になんか物騒な貼り紙があんだけど」

 

そう、何故か玄関ドアになんか貼り紙があって、そこには十中八九あいつからのメッセージが書かれていた。

 

『あんた、熊口生斗って言うのね、覚えたわ。まあ、この前のことは許してちょうだい。私が悪かったわ。だから今回あんた……生斗のために私が河童と協力して建築したわ。住み心地には保障するからのんびりとくつろでいってね』

 

「なんだい、全然物騒じゃないじゃないか」

 

「いや、あるだろ。絶対この家なにか仕組まれてるよ。射命丸のやつがこんな文を本気でかくわけがない」

 

『あ、射命丸って言うんですね。…………まあ、兎に角入ってみましょうよ!』

 

「んー、入りたくないけど入らないと寝床に困るしなぁ……」

 

 

入りたくないけど仕方がない。行くか 

 

と、玄関ドアを引く。

 

「あれ、開かない」

 

「なんやってんの。横に開けるやつだよ、それ」

 

「あ、ミスった」

 

ドアノブがあったから間違えてしまった。そう自分で自分に言い訳をしながらドアを横に開けた。

 

「ん、玄関を見る限りは至って普通だな」

 

と、玄関の中に入った瞬間

 

 

 

   ズボッ

 

「ズボ?」

 

あれ?いきなり地面の感触がなくなったぞ?

 

 

「え、ぐわぁっ!?!」

 

お、落とし穴だ!しかも結構深いな。お陰で尻への衝撃が凄かった。

くそ、やっぱりなにかありやがった!

 

「射命丸、あいつは許さん。」

 

『なんででしょうか。痛がってる熊口さんを見ると気持ちがスカッてします』

 

「翠、お前も許さん」

 

 

射命丸め、おれを怒らせるとどうなるか教えてやる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2日後

 

 

「ごっほん、それでは記念すべきおれの部下達よ、これからはよろしく頼む」

 

はい、鬼達が天狗の上司になったとのことだったのでついでにおれも上司にしてもらった。

もちろんのこと天魔や大天狗だけでなく大多数の反対意見が来ていたがおれが萃香や私に勝ったと勇儀がそういったら反対意見がパッとなくなった。うん、鬼が言うとここまで効果があるとはな。

 

そして天狗達の上司になったおれは部下がほしいと天魔に図々しくねだったところ5人の部下を用意された。男四人女一人。くそ!全員女が良かった!

 

 

「なんで私もはいってんのよ!?」

 

「上司に対する口の聞き方がなってないぞ、射命丸。そしてお前のその質問に対しての応答だが、それはおれが直々にお前を指名したからだ」

 

「なんで指名なんかしたのよ。わ、私はな、なにもしてないわよ」

 

「ふむふむ、おれの家の玄関に落とし穴を作られたりテーブルが爆発したり頭上から急にタライが落ちてきたりしたけど?」

 

「そ、それがどうしたっていうんですか?」

 

「よし、オーケー。わかった。じゃあこれから射命丸以外の四人はかえっていいよ。今回は顔合わせとして呼んだだけだったし」

 

『はい、わかりました!』

 

うむ、いい返事だ。

 

「え?私は!?」

 

「射命丸、お前は特別指導だ。まずはおれん家のなかに仕掛けられていた罠全部味わってもらう」

 

「…………」

 

 

おれん家をトラップハウスにした罰だ。

ていうかこのために天魔に部下がほしいとねだったんだからな。ふふふ、これで射命丸もおれを罵倒することはできないだろう!

 

『熊口さんってたまに屑いですよね』

 

翠うるさい!

 


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