日常回を少しはさんで3章完結です。
話の終わりにはいつもの人(神)に登場してもらいましょう。
あまり出したくはないんですが仕方ありません。
あの神がいなければ生斗くんずっとそこに居座って話が進まなくなりますからね笑
さて、私の考察が二項目めになりました。
まあ、考察といってもあのときに起きた出来事を思い出しているだけなんですがね。
ではでは、あのときの出来事を振り返ってみましょう!
======================
・鬼の襲撃からの生活
熊口さんがなんかボロボロになりながらも天狗の長である天魔という天狗に萃香さんからもらった書状を渡してから次の日、鬼たちが妖怪の山へと襲撃に行きました。
そこでなんであの面倒くさがりの駄目人間である熊口さんが書状を自ら届けにいったかというと
まんまと萃香さんの口車に乗せられたらしいです。
萃香さんいわく、『冷静沈着』やら『グラサンがとても似合う』など、褒め言葉になるような単語を適当に並べていったら調子よく『俺に任せとけ!』て言ってろくに準備もせず飛び出したとのこと。
お陰で私をおいてけぼりにしていきましたし。ていうか熊口さん、褒められるだけで思考回路が麻痺する癖、いい加減直した方がいいですよ?
で、襲撃のことについてですが、実はあんまりはっきりと覚えてないんです……
襲撃前夜にも関わらず宴会を楽しんだのが失敗でしたね。
調子に乗って記憶が飛ぶぐらい飲んでしまいました。
そして次の日、なぜか半数以上の鬼が片腕が折れるという悲惨な状況となっていました。
たぶん、前夜に宴会なんかするから喧嘩とかして怪我したんでしょう。
怪我した鬼たちが私を怯えるような目で見てきているようでしたが気のせいでしょうね。私なんかに鬼を怯えさせるような力なんてないですし
そして負傷しているにも関わらず元気いっぱいに暴れまわった鬼たちは妖怪の山の乗っ取りに見事成功しました。
そのあと何日かして鬼たちと一緒に私と熊口さんは妖怪の山へ引っ越すことになったのですが
襲撃当時の惨状が広がってましたね。
木々は無惨にも倒れたり、所々に地面が抉れたりしてとても激しい戦いだということが見ていないわたしでもわかりました。
それからはまあ、のんびりと過ごしましたね。
最初の方は熊口さんと喧嘩ばかりだった射命丸さんも今では軽口を叩く程度で友好的な関係を築けていますし、
熊口さんがよく『4馬鹿』と評している、陽天さん、昼天さん、夕天さん、晩天さんの四人とも熊口さんに稽古つけてもらっている風景を見てみたり
たまに七人で食卓を囲んだりもしました。
こうしていると昔早恵ちゃんとおばちゃんと3人で暮らしていたときのことを思い出しますね
もうかなり昔になるんですが……
======================
こうして改めて思い出してみると旅をしていた時間が半日もありませんね。
なにが『旅いきてぇー』ですか。
私の目的である海なんて全然いってないじゃないですか!!
とまぁ、少し熊口さんに不満があったのですがそれも遠い記憶。
もうここに来てから百年近くたちましたからね。
時が過ぎるのは早いものです。
私は死んでいるので寿命なんて無いんですが
熊口さんが老いもせずにずっとそのままの状態のことにも少なからず驚いています。
まだ熊口さんの能力を知らなかった鬼や天狗たちは
『え?なんでまだいきてんの?』と驚愕していましたね。
そして気になるところの百年間のことですが、別に変わったことはあまりありません。
鬼や天狗と酒を飲み交わし、家でのんびりしたり、
たまに忘れていた罠に引っ掛かる熊口さんを罵倒して、周期的に来る萃香さんや勇儀さんと熊口さんが模擬戦をしているところを見学したり、
宴会のあと、腕が折れる人が多数でる謎の現象がおきたり
射命丸さんと他愛もない話で盛り上がったり……
あといつもの四人と熊口さんがひそかに読んでいた春画を見せしめに燃やしたりもしました。
いやぁ、熊口さんも春画とか見るんですね。てっきり枯れてるのかと思いました。
まあ、色々ありましたが今もかなり楽しいです。
でも最近熊口さんが浮かない顔をし始めました。
『もうそろそろでないとなぁ……またあいつがでてくるし……』
たど意味深なこともいっており、
『翠、もうそろそろ準備しておいてくれ』
とも言っていました。
もしかして半日しかやっていなかった旅を再開するのかと思いましたが、どうやらその予想は当たっているようです。
折角みんなと仲良くなったというのに別れるのは辛いです。
でも私には決定権がありません。
熊口さんの守護霊なのですから。
何気に熊口さんとは一番長い付き合いです。日頃熊口さんに対する罵倒などが酷いですが大切な友人なので私も熊口さんが旅にでるのならついていこうと思います。
もしかすれば海にいけるかも知れないですしね!
はい。百年たちました。
いつものカットですね。
仕方ありません、いつのまにか3章15話こえてましたもん