とある子どもがいた。その子どもは海が大好きで夏になると家族と海に行くのがその子の楽しみであった。そしてその子は幼い子どもでありながらとある夢を持っていた。海の研究者になると言う夢を。その子の名前は
『湊 綾人』
と言う。
そんなある日の事。綾人は、両親と一緒に海に来ていた。綾人はまだ6歳、当然海を見てはしゃぎ回る。海が大好きな綾人なら、尚更であり、至極当然の事だった。そんな綾人の様子を見ている両親は、とても微笑ましかった。
「綾人ー、あまり遠くに行っちゃ駄目よー」
「はーい!」
綾人の母はそう言い、綾人は元気良く返事をした。
「本当に、綾人は海が大好きね」
「そうだな」
綾人の両親は笑顔で綾人を見た。とても楽しそうな我が子を見て、自然と笑顔となった。2人にとって、綾人は自慢の息子だった。綾人はとても楽しそうに海ではしゃぎ回っている。だが、そうしていくうちにだんだん奥の方へと進んで行った。
「綾人ー、そんな所まで行ったら危ないわよー!」
「大丈夫だよー!」
そうは言うがだんだん深くなっており、6歳の子どもが行くには危険だった。
「あなた、ちょっと行って来るわね」
「わかった」
流石に心配になったのか母が綾人の所まで行こうとした。そして綾人は深くなっている事に気付いたのか、浅瀬の方へと戻ろうとした。だがその時
「っ!?」
足を攣ったのか、綾人は身動きが取れなくなってしまった。
「綾人!?」
綾人の異変に気付いたのか、母は海を走り出した。
「た、助けて……」
綾人は溺れかけていた。そしてついに海の中に沈んでしまった。
(僕、このまま死ぬのかな……)
綾人は6歳でありながら死を覚悟した。だが、その時
(!?)
すると突然、海の中で綾人の目の前が光りだした。あまりの眩しさに目を瞑ってしまった。そして光が晴れたのか綾人が目を開けると、そこには、青い巨人がいた。その青い巨人は綾人に気付いたのか、突然振り向き、綾人を見つめ、だんだん綾人に近付いて行った。綾人は青い巨人を見ると、ある事を呟いた。
「……ア……グ……ル……?」
それと同時に、綾人の意識は遠のいていった。
「う……うん……?」
「綾人!」
綾人が目を覚ますと、母が泣きながら抱きついた。
「お、お母さん……?」
「良かった。本当に良かった……」
「本当にありがとうございました」
綾人の父は誰かに礼を言った。その相手は海の家の人だった。綾人はあの時、ライフセーバーに助けられていた。
「いえいえ、無事で良かったです」
「本当に、ありがとうございました!」
綾人はその時理解した。自分は死に掛けたのだと。自分は両親に凄く迷惑をかけたと。
「だから遠くに行ったら駄目って言ったでしょ!」
「……ごめんなさい……」
「でも無事で良かった」
そして綾人達は海を後にした。
そして、数ヶ月後。
綾人達は逃げていた。一体何から逃げているのか?それはミサイルからだった。それも1発だけじゃない。2000発以上だ。何故こんな事になったのか?それは、各国の軍事システムが何者かにハッキングされたからだ。その結果、日本に2000発以上のミサイルが発射されてしまった。
(何で、こんな事に!?)
日常があっという間に崩れたのだ、こう思うのも当然だ。それでもにげるのに必死だった。今にもミサイルが迫っていた、その時
ドガアアアン!!
突如ミサイルが破壊された。綾人は空を見ると、何者かが上空に待ち構えていた。それを見た綾人は
「白い、騎士?」
するとその白い騎士は次々とミサイルを破壊していった。
「す、凄い……」
綾人は呆気に取られていた。白い騎士が一人で次々とミサイルを破壊していくのだから。
「綾人、行くぞ!!」
父がそう言い、3人は再び逃げ出した。綾人は安心していた。あの白い騎士がミサイルを全て破壊してくれると。だが、それは大きな間違いだった。ミサイル1発が落ちてしまったのだ。そこは爆発してしまい爆風が発生してしまった。その時3人は爆風から逃れようとビルの陰に隠れた。だがそれは、ミスだった。爆風の影響でビルの一部が崩れたのだ。
「綾人!逃げろ!!」
父と母は綾人を瓦礫から逃がした。
「お父さん!?お母さん!?」
綾人は2人の方を見ると、2人は瓦礫の下敷きになっていた。
「綾人……逃げ……」
母がそう言いかけると、さらに瓦礫が落ちて、完全に2人は埋もれてしまった。
「お父さーん!!お母さーん!!」
綾人は一瞬で理解した。両親が死んだと。
「う、ウワアアアア!!!!」
目の前の現実を受け入れられないのか綾人は走り出した。どこに行くかわからないまま。綾人は走り続けると、海岸まで来た。すると、海を見た綾人はあの時の事を思い出した。自分が溺れた時に父と母2人か心配してくれた事を。目を覚ました時には泣いて喜んだ事を。その事を思い出すと綾人は波を流した。両親はたった今、目の前で死んだ。その事は6歳の綾人には耐えられなかった。だが、今もまだ、ミサイルが迫っていて、白い騎士が破壊している。それを見ている綾人は……
「何で……何でだよおおおお!!!!」
綾人は思い切り叫んだ。自分の感情を思いっきりさらけ出した。すると突然、綾人の周りの動きが止まった。当然、ミサイルと白い騎士も止まっている。
「な、何?」
綾人は何がどうなっているのかさっぱりわからなかった。だが、綾人は気付いた。ある物だけが止まっていない。動いている。それは海だった。しかもその海は巨大な波となって、綾人に迫っていた。
「ウワアアアア!!!!」
波は綾人を飲み込んだ。
「……ここは……?」
綾人は波に飲み込まれたかと思ったが、謎の場所にいた。
「っ!?あれは!?」
綾人の目の前にはあの時の青い巨人がいた。
「……アグル……」
綾人は青い巨人の事を無意識にアグルと言った。するとアグルは、綾人に向かって手を出した。それを見た綾人は、自分もアグルに向かって手を出した。すると、綾人とアグルはだんだん惹かれ合い……
白い騎士はミサイルを破壊し続けていた。すると白い騎士は誰かに話しかけた。
「束、ミサイルは後どれくらいだ?」
『後少しだよ!ちーちゃん、頑張ってね!!』
「そうか」
白い騎士は再びミサイルの破壊に向かった。だがその時、白い騎士とミサイルの間に一筋の光が差し込んだ。
「な、何だ!?」
光が晴れると、そこには、青い巨人……ではない。普通の人間サイズの
『アグル』
が、現れた。
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