インフィニット・ストラトス アグル   作:K.V

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第23話

「おかしいな〜?」

 

とある場所、そこに篠ノ之束はいた。束は1人で『銀の福音』の戦闘の映像を見ている。

 

「あそこまで強くなるはずないのに……何でかな〜?それに、ウルトラマンか……気に入らない!」

 

束は不穏な言葉だけを残した。

 

 

 

 

 

 

 

旅館の一室、そこに一夏がいる。だが一夏は、戦闘で負ったダメージが原因で、昏睡状態になってしまっていた。そして、真耶、箒、セシリア、鈴音、シャルロット、ラウラが一夏を心配そうに見ている。だが、千冬だけは険しい表情をしていた。その沈黙の中、千冬が口を開いた。

 

「篠ノ之、銀の福音と戦闘中にウルトラマンが現れたな?」

 

「は……はい……」

 

「奴はどのタイミングで現れた?」

 

「……ウルトラマンは、一夏がやられた後に現れました……。一夏を抱えて呼びかけていた時に、敵が私を攻撃してきました……。その時に、ウルトラマンが私の前に現れました……」

 

箒の言葉に覇気はなかった。どんよりと、沈んだ声で千冬の問いに答えた。

 

「……そうか」

 

「ウルトラマンが敵の攻撃から私と一夏を守ってくれたんです。でも、ウルトラマンが私に向けた目は……あの時と同じ……」

 

箒は喋り続けるうちに段々涙声になっていた。

 

「……もう良い、わかった」

 

千冬は箒が何を言いたかったのか察したのか、箒の言葉を止めた。

 

「……ウルトラマンがもっと早く来てれば、一夏は助かってたって事?」

 

今度は鈴音が話し始めた。

 

「鈴さん、まさか一夏さんがやられたのはウルトラマンの所為だと言いたいんですの?」

 

「だってそうでしょ!? ウルトラマンが来るのが遅かったせいで一夏はこうなったんでしょ!!」

 

鈴音は一夏がやられた原因をウルトラマンの所為にしようとしている。

 

「違う!! 私が悪いんだ!!私が傲慢だった所為で……専用機を貰って調子に乗って……あいつの言う通りだったんだ。私は専用機を持つべき人間ではないんだ……」

 

箒は一夏がやられた原因は自分の所為だと言った。そして箒は綾人の言葉を思い出していた。この言い合いに千冬は黙り込み、真耶はオロオロしている。

 

「2人とも、落ち着いてよ!今はこんな事言い合ってる場合じゃないよ!」

 

「それに、ウルトラマンだって都合良く来ないという事だ」

 

シャルロットとラウラが言い合いを止めた。それでも鈴音は納得していないようだ。その時、千冬が立ち上がった。

 

「織斑先生、どちらへ……?」

 

「すまない、1人にさせてくれ。お前達は待機していろ」

 

千冬はそう言って部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのIS、何だったんだ?唯の暴走とは思えない……」

 

綾人は部屋で銀の福音について考えていた。

 

「大方、特殊任務ってのは暴走したISを止めろって事か。でも、そんな大事な事普通学生にやらせるかよ。どこのどいつだか知らないが、何考えてんだ」

 

綾人は1人で喋った。誰もいないのを良いことに、独り言を言っていた。

 

「それにしても何だったんだ、あの光は……?」

 

今度は、銀の福音とぶつかった時に発生した光について考え始めた。

 

「あんな事、今まで一度も無かったのに、どういう事だ……?」

 

綾人が1人で考えている、その時

 

ガラッ

 

「ッ!?」

 

部屋の戸が開かれた。独り言を聞かれたのかと思い、思わず戸の方を向いた。すると千冬が部屋に入ってきた。

 

「せ、先生……?」

 

「湊?そうか、ここはお前の部屋でもあったな」

 

(自分で決めたんだろうが)

 

「いやっ、あの……どうしたんですか?」

 

(我ながら白々しいな)

 

「別に、何でもない」

 

(何でもない筈がないだろう?)

 

それもそのはず、綾人は現場にいたのだから。そんな事を知る由もない千冬はどうにかやり過ごそうとしていた。

 

「……特殊任務、終わったんですか?」

 

「何?」

 

「特殊任務ですよ。さっき言ってたじゃないですか」

 

「お前が気にする事ではない」

 

「……その言い方はまだ終わってないと捉えて良いんですね?」

 

綾人はまるで千冬を挑発しているみたいだった。

 

「終わってないではなくて、失敗したのが正しいですか?」

 

綾人は追い討ちを掛けるように続けた。それに対し千冬は……

 

「余計な詮索はするな!! これはお前が首を突っ込んで良いものではない!!」

 

そう言うと千冬は部屋を出ようとした。だが……

 

「みんな言ってましたよ。もうこんな思いをするのは嫌だって。IS学園に入学してすでに2回も危険な目に遭ってるんです。それに加えてこの特殊任務行動。みんな不安になってます。不安どころか、もう怯えてますよ」

 

綾人の言葉で千冬は足を止めた。千冬は拳を握りしめている。

 

「そんな事はわかってる!! 私だって生徒達を危険な目に遭わせたくない!!」

 

(じゃあ何で織斑と篠ノ之を行かせた?本当にそう思ってるんだったら他にも適役がいるだろう)

 

綾人と千冬、互いに意見がぶつかり合う。千冬には彼女なりの葛藤があるようだ。綾人はそれに気づいているのかいないのか……。

 

「お、織斑先生!! 大変です!!」

 

そこに真耶が来たが、かなり慌てている様子である。

 

「どうした、何があった?」

 

「銀の福音が再び出現したんですが、専用機持ちの子たちが勝手に出撃してしまいました!!」

 

「何だと!? あの馬鹿どもが……」

 

(銀の福音って言うのか、あのIS。て言うか、俺がいるのにそんな大事な事言っていいのか?)

 

完全に丸聞こえである。だが千冬と真耶はそんな事を気にしている暇は無かった。

 

「あの……先生……」

 

「何だ!? お前に構っている暇などない!!」

 

「いや、聞こえちゃったんですけど……」

 

それを聞いた2人は同時に黙りだした。

 

「……湊、今の事は絶対に誰にも言うな。わかったか?」

 

「は……はい……」

 

千冬は威圧しながら綾人に言い、そのまま部屋を出た。2人がいなくなると、綾人は窓を開け、外を眺めた。

 

「あのIS、銀の福音が再び現れた。そして今度は専用機持ち全員が勝手に出撃している。おそらく織斑は重症。それでも専用機持ち全員とは、数だけなら有利だが、どうするつもりだ?」

 

綾人は険しい表情で外を見る。あの海の上が再び戦場になると思うと、さらに険しくなった。

 

「専用機持ち全員という事は、オルコットも……」

 

綾人はふとそんな事を思った。専用機持ち全員ならセシリアも含まれる。当たり前だが何故かセシリアのことを考えてしまった。

 

「ん?」

 

綾人は再び懐に違和感を感じた。それはやはり、アグレイターが点滅しているからだ。だが綾人はアグレイターを手に取るが、すぐに変身しようとしない。

 

「あの光、もしまた出てきたら……」

 

綾人は再び謎の光が発生する事を危惧している。その光が何なのかわからない以上、迂闊に攻撃はできないだろう。それでもアグレイターは点滅を続けている。

 

「……わかったよ、アグル。行けばいいんだろ、行けば。この際光の事は無しだ。奴を倒す、それだけだ」

 

綾人はアグレイターを装着し、展開させ光に包まれた。

 

 

 

 

 




福音戦にはあまり時間をかけたくないので、少々駆け足気味かもしれません。福音戦は次回で終わると思います。福音戦は……
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