綾人が引き取られて数年が過ぎた。綾人も今では中学3年生。要するに受験生である。そして今日、綾人の高校受験の日だ。
「それじゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい。頑張ってね」
叔母は、現在では綾人の母になっている。綾人は、叔母を本当の母のように慕い、叔母は綾人を本当の息子のように可愛がってきた。そして遂に、高校受験の日を迎えたのだ。綾人は、家を出て受験校に向かった。
「ただいま」
「お帰りなさい。どうだった?」
「うん、多分大丈夫だと思う」
綾人は受験の状況を母に話した。きっと大丈夫だろうと。
夕食の時間になり、綾人達はテレビを見ながら夕食を食べていた。その時、あるニュースが流れた。
『本日、ISを動かした男性が現れました』
「……IS……」
ISと言う単語が出ただけで綾人は嫌悪感を出した。綾人の両親は、ISの犠牲にされたと言っても過言ではない。女にしか使え無く、それが女尊男卑を生んだ。そんな物の為に自分の両親の死が無かった事にされたと言っても良い。それ故、綾人にとって男がISを動かした事など、どうでも良かった。
「綾人……」
綾人の叔母はそんな綾人をとても心配そうな様子で見つめた。綾人は嫌悪するあまり、箸を握り締めた。だが、悲しいのは綾人だけではない。綾人の叔母だって同じ気持ちだ。だが、そんな2人の事は全く気にしていないようにニュースは続けられた。
『これにより、IS委員会は全国一斉に男性を対象とした適性検査を行うと発表しました』
「何だと?」
結果、綾人も適性検査に参加することになってしまった。当然綾人は乗り気ではない。何故自分がそんな物に参加しなくてはいけないのか?そう思っていても、強制参加のため綾人も渋々参加することになった。
そして適性検査当日。綾人は検査会場に来ていた。既に検査は始まっており、次々と先に検査が終わった男達が出てきた。その結果は適性なし。これが当然の結果なのだが、それでも検査は続いていった。それでも結果は変わらず、動かす者は誰もいない。綾人は時間の無駄だと思いながら自分の番が来るのを待った。無駄だとわかりながら。
「次の方、どうぞ」
遂に綾人の番が来た。綾人はI何も考えずにISに触れた。さっさと終わらせようと思っていたが、それは叶わぬ夢となってしまった。何故なら
「……何で!?」
綾人はISを動かしてしまった。それは、ISを憎む綾人にとって皮肉な結果となってしまった。そして、綾人がISを動かした事は、直ぐに報じられた。
「何で、何で俺がISを動かした……」
綾人は何故自分がISを動かせたのか考えていたが、中々答えが出なかった。そしてとあるブラスレットのような物を取り出した。
「アグル、お前なのか?お前が俺にISを……」
綾人は、ブラスレット『アグレイター』を見つめ、そう呟いた。
「……ごめん、母さん」
綾人は母に謝っていた。綾人がISを動かした事で、綾人は強制的に『IS学園』に行く事になった。IS学園とはその名の通りISを学ぶための場所だ。それは別に良かった。問題なのは、自分がISを動かした事でみんなに迷惑をかけるのではないかと思っているからだ。
「綾人、私たちは大丈夫よ。綾人は悪くないわ。だからそんな顔しないで」
「母さん……ありがとう」
これで、綾人がIS学園に行く事になった。
次回、入学です