アグルと一夏達の戦闘中、アグルは一夏達に囲まれた。それはかなり緊迫した状況になっている。一夏達はそれぞれの武器をアグルに向けた。
「ウルトラマン!お前がみんなを攻撃するなら、俺がお前を止める!!」
一夏はそう言うが、アグルは一夏の言葉を聞いている様子は無く、状況を確認していた。一夏達はアグルがいつ攻撃してくるかと警戒していると、アグルは突然光を放った。
「うわぁっ!?」
「何だっ!?」
目を眩ませる一夏達。やがて光が収まり、一夏達が目を開けると、そこには既にアグルの姿は無かった。
「……ウルトラマンが、消えた?」
一夏がそう言うと、全員が周りを確認し始めた。
「逃げたのか?」
「もしかしたら別の所から来るかもしれないよ。気を付けて」
箒の言葉にシャルロットはそう答えた。そして全員が再び辺りを警戒する。しかし、しばらく経っても攻撃が来る気配は無い。
「ねえ、これって本当にウルトラマンは逃げたんじゃないの?」
「かもしれんな。一向に攻撃して来る気配も、現れる気配も無い」
そしてラウラは千冬に通信を繋いだ。
「教官、ボーデヴィッヒです」
『ボーデヴィッヒか。ウルトラマンはどうなった?』
「申し訳ありません。ウルトラマンに逃げられてしまいました」
『……そうか、分かった。お前達は戻ってこい』
「了解です。お前達、旅館に戻るぞ」
「ああ、わかったぜ」
みんなが旅館に戻ろうとする中、セシリアだけすぐに動こうとしなかった。
「セシリア、早く行くよ」
「はっはい。今行きますわ」
シャルロットに促されセシリアも動いた。
(ウルトラマンは、あの時何故……?)
セシリアは、アグルが自分にだけ攻撃をしてこなかった事に疑問を感じていた。何故アグルが必殺技を途中でやめたのか、今のセシリアにはまだ、わかるはずもない。
旅館の一室に光が降り立った。光が消え、そこから綾人が現れるが、すぐに膝をついてしまった。
「はぁ、はぁ……くそっ、何だってんだよ……」
綾人はかなり体力を消耗していた。戦闘区域と旅館はかなり距離が離れているが、あそこからピンポイントで旅館の自分の部屋にテレポートできたのは奇跡と言っていいだろう。
「何故奴らは俺を……いや、命令をしたのは織斑千冬……。じゃあ何で織斑千冬が?」
綾人は考える。何故織斑千冬が自分を攻撃するという命令を下したのか。
「いや、考えれば簡単な事か。タッグトーナメントで観衆の前で姿を見せてしまったもんな。その中にはIS委員会の連中もいたはずだ。奴らにとって、正体不明の存在のウルトラマンは野放しにはできない。そして、織斑千冬程の奴なら委員会にいてもおかしくはない。その時に、織斑千冬がウルトラマンが現れたら攻撃なり何なりしろとの事を言われたなら、ボーデヴィッヒ達にウルトラマンを攻撃しろとの命令をするのも納得がいく。それが今回だったというわけか。くそっ、ふざけた話だ」
綾人の考えは当たっている。実際にIS委員会がウルトラマンを捕獲しろと言っていたのだから。だが、その事を綾人は知るはずもない。
「ダメだ、このままじゃ……」
そう言って綾人は立ち上がるが、息がきれきれだった。
「くそっ、歩くのも楽じゃない……」
綾人は多少ふらつきながらも敷き布団を引っ張り出した。そして布団に倒れるとそのまま意識が遠のいた。
「教官、只今戻りました」
ラウラを先頭に、他の専用機持ち達も部屋に入った。
「ご苦労だったお前達。銀の福音の操縦者も命に別状は無い。今は部屋で寝ている。ボーデヴィッヒ、ウルトラマンが消えた時の状況を説明をしてくれ」
「ハッ。ウルトラマンは我々との戦闘中、突如光を放ち、姿を消しました。最初は我々を油断させる為かと思いましたが、その様な気配が無いと判断しました」
「……そうか、ウルトラマンの事についてはわかった」
「千冬姉!!何で俺たちにウルトラマンを攻撃させたんだよ!?」
すると、一夏がラウラと千冬の会話に横入りしてきた。
「お前がそれを知る必要は無い」
千冬は一夏の問いを一蹴する。
「でもウルトラマンはあたし達をっ!!」
「そうです!僕たちには理由を知る権利があるはずです!!」
鈴音、シャルロットも納得がいかず、千冬に理由を求めた。
「……理由ならボーデヴィッヒに話してある。聞きたければボーデヴィッヒから聞け」
「そうなの?ラウラ」
「あ、ああ……」
ラウラも答えるのを渋っている感じだった。
「もうすぐ夕食の時間だ。今はそれまでに休んでいろ。それと無断出撃についての処罰は後で言い渡すからそのつもりで」
「わ、わかりました」
一夏達は部屋から出て行った。それを見計らって真耶が千冬に話しかけた。
「あの、織斑先生……」
「山田先生、どうした?」
「織斑先生はどうしてそんなにウルトラマンに拘ってるんですか?」
「……何だと?」
「前にウルトラマンが現れた時も、織斑先生はいつもより感情的になってた気がするんです」
「それがどうした?」
「だから織斑先生は、ウルトラマンについて何かあったんじゃないかと思うんです。ウルトラマンの捕獲命令をあの子達に下したのも、IS委員会の意思とは別に、織斑先生の個人的な感情もあったんじゃないですか!?」
真耶が若干感情的になりながらも、千冬に問いかけた。
「……それがどうした?」
「えっ?」
千冬の返答に、真耶は思わず声を出した。
「私個人の感情でウルトラマンを攻撃させた……確かに、それは間違ってないかもな。だが、それはあくまでウルトラマンの正体を暴くためだ。ISを凌駕する存在、それを見過ごせないのは、ある意味では当然だと思うが」
「それはそうですけど……だからって、攻撃する必要はあったのでしょうか!?」
「敵を捕獲するのに相手の体力を消耗させるのは普通だ」
「そ、そうですが……」
「もういいか?余計な詮索をされるのははいい気分ではないのでな」
「……わかりました。変な事を聞いてしまって……」
「ならいい。そろそろ夕食だ、私達も行くぞ」
「はっ、はい」
真耶が先に部屋を出た。千冬はまだ部屋に残っている。
「ウルトラマン……」
千冬は白騎士事件を思い出す。白騎士がミサイルを破壊している時に現れた青い超人、それこそがウルトラマンだ。ウルトラマンはミサイルを次々と超人的な力で破壊していく。全てを破壊した時、今度は白騎士がウルトラマンに攻撃する。だが、逆にウルトラマンの攻撃がした騎士は受けてしまった。
「今でも忘れんぞ、あの時の攻撃を」
千冬は右手を胸に当てる。何故千冬がこんな事を言っているのか?なぜなら千冬こそが白騎士の操縦者だからだ。あの時ウルトラマンに食らった攻撃の感触を、千冬は今まで一度たりとも忘れたことはない。
「ウルトラマン、お前の正体は私が暴いてみせる」
千冬はそう胸に誓った。
次回で臨海学校は終わらせたい(願望)
何でこんなかかったんでしょうね。一カ月の更新頻度が少ないからですかねやはり。更新頻度もっと上げなければ……。
今後もよろしくお願いします。