インフィニット・ストラトス アグル   作:K.V

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臨海学校編ラストです。


第28話

「ラウラ、千冬姉は何で俺たちにウルトラマンを攻撃させたんだ?」

 

部屋を出た一夏達は、別室に行きウルトラマンへの攻撃命令の理由をラウラから聞き出そうとしていた。

 

「ウルトラマンの正体を暴くため、だそうだ」

 

「正体を暴くだって?」

 

「ああ。ウルトラマンを攻撃させたのは、ウルトラマンを弱らせて捕獲するためだ。その上で、教官は正体を暴くつもりだったのだろう」

 

「その為に僕たちにウルトラマンを攻撃させたの?」

 

「そうだ。詳しくは知らないが、教官はウルトラマンの正体はわからない以上、ウルトラマンを味方とは断定できないらしい」

 

ラウラはそう答えるが、一夏達はまだ納得していなかった。

 

「でもウルトラマンは俺たちを助けてくれたじゃないか!!」

 

「それはわかっている!!私だってウルトラマンに助けてもらった!!だが教官は、私たちがそう思い込んでいるだけと言っていた」

 

「それってどういう事よ?ウルトラマンは別にあたし達を助けたわけじゃないって事?」

 

「教官はそう言っていた。ウルトラマンが加勢したのはあくまで利害が一致したからに過ぎないと。だから完全に味方だと決めるには、判断材料が足りん」

 

「確かに、そうかもな」

 

ここでラウラの言葉に反応したのは箒だ。箒はラウラの言っている事に肯定的だった。

 

「そうかもって、何言ってんだよ箒!?」

 

「あの時、ウルトラマンが私に向けた顔は、優しいものじゃなかった。冷たく、哀れむような顔だった」

 

箒は二回ウルトラマンに助けられている。それも敵の攻撃から自分を庇う形で。その時に箒に向けたウルトラマンの顔は、確かに優しいものではなかった。

 

「でもそれは……」

 

シャルロットが何かを言おうとしたが、何て言えばいいのかわからず、何も言えなかった。

 

「それに、ウルトラマンは実際に私たちに攻撃してきた」

 

「それってあんたが先に攻撃したからでしょ」

 

鈴音の言っている事は御尤もだ。あの時ウルトラマンはラウラが自分を攻撃されたから反撃したにすぎない。

 

「それはそうだ。しかしウルトラマンが反撃してきたということは、私たちを敵とみなしたということになる。敵とみなせば、ウルトラマンは私たちにも容赦しなかった」

 

ラウラの言う通り、ウルトラマンも反撃に転じた時には本気で掛かって行った。

 

「確かに、僕もあの時カッとなってウルトラマンを攻撃したけど、ウルトラマンも本気で僕に攻撃してきたよ」

 

「やられたら誰だってそうなるわよ。でも、それを踏まえるとウルトラマンが敵に回ったらやばいわよね」

 

「それって俺たちが何もしなきゃウルトラマンも反撃してこないだろ」

 

一夏の言う通り、あの時何もしなかったら、ウルトラマンも何もしなかった。

 

「嫁よ、それは無理だろうな」

 

「無理って何でだよ!?俺たちがウルトラマンに何もしなきゃいい話だろ!?」

 

ラウラは一夏の言葉に非を唱えた。当然一夏はラウラに反論する。

 

「今回の一件で、ウルトラマンは私たちを完全に敵とみなしているだろう。それに、もし再び我々とウルトラマンが対峙するような事があれば、教官がまたウルトラマンを攻撃しろと命令を下すだろう」

 

「で、でもよ……」

 

「戦場で私情を挟む事は許されない。そして、上からの命令は絶対だ。今回私たちは無断出撃をしたが、本来であれば許される事ではない。だからウルトラマンが敵であろうと味方であろうと、命令があれば遂行しなければならない。それに嫁よ、お前は言ったはずたぞ」

 

「言ったって何をだよ?」

 

ラウラが指摘するが、一夏本人がわかっていなかった。

 

「ウルトラマンがみんなを攻撃するなら自分が止めると」

 

そう言われてようやく一夏は思い出した。確かにそんな事を言ったなと。

 

「だから覚悟しなければならない。ウルトラマンとの戦いを」

 

ラウラの言葉に全員の気が引き締まった。

 

「大丈夫だ。私たちはウルトラマンを追い詰めることが出来た。だからウルトラマンが逃げたんだ」

 

箒は大丈夫だと言う。ウルトラマンを退けた事で、変な方向に自信がついているのかもしれない。

 

「調子に乗るな箒!!最初の作戦も貴様の過信が原因で失敗したんだ!!もっと緊張感を持て!!」

 

箒の言葉にラウラは怒鳴り付ける。箒はすぐに自分の軽率な発言に気付いた。

 

「そうだったな、すまない」

 

箒はちゃんと自分の非を認めた。

 

「ていうかセシリア、あんたさっきから黙りっぱなしだけどどうしたの?」

 

鈴音の言うように、セシリアは今まで一切発言をしていなかった。

 

「僕も気になってたんだけど、ここに戻る前からそんな感じだったよね。何かあった?」

 

「えっ!?べっ、別に何でもありませんわ!!ちょっと考え事をしていただけですので」

 

そうら言うが明らかに動揺していた。

 

「ふーん。まあいいけど」

 

「そっ、それよりもうすぐ夕食の時間になりますわよ!!」

 

「そうだね、じゃあ行こっか」

 

「俺は綾人を呼びに行ってくるから先に行っててくれ」

 

「うん、わかった」

 

一夏は綾人のいる部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

綾人は布団の上で完全に寝ていた。だが、寝顔はあまりいいものではない。

 

「綾人、飯の時間だから行こうぜ」

 

部屋に入るなり一夏はそう綾人に声をかけた。だが綾人には全く聞こえていない。

 

「寝てるのか?おーい綾人ー、飯の時間だぞ」

 

近づいて起こそうとするも起きる気配は全然なかった。

 

「しょうがないな、後で持ってきてやるか」

 

一夏は綾人を置いて一人で宴会場に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

宴会場には既に人が集まっていた。

 

「あれ?一夏あいつはいないの?」

 

鈴音が綾人がいない事に気付いた。

 

「ああ、呼びに行ったら寝てたんだよ。起こそうとしても全然起きねえから逆に起こすのも悪い気がしてな。だから後で綾人の分を持ってってやろうと思ってよ」

 

「ふーん」

 

それを聞いていたシャルロットは何か思いついたような顔をした。

 

「セシリア残念だったね。綾人君が来なくて」

 

「なっ、何がですか!?」

 

セシリアはまたもや動揺しはじめた。確かに、綾人が来ない事を聞いた時に、明らかに落ち込んでいた。

 

「だって綾人君に食べさせてもらえないでしょ」

 

「なっ!?何を言っているのですかデュノアさんは!?」

 

「じゃあ何でまたここに座ってるの?」

 

「えっとそれは……」

 

セシリアは座布団に正座している。外国人向けの為に椅子も用意されているが、セシリアは敢えて正座でいた。

 

「ふふ、やっぱり。ねー一夏、綾人君の分はセシリアが持って行くって!」

 

「デュ、デュノアさん!?」

 

「え?でも部屋は俺と同じだぜ」

 

「いいから。ね、セシリア」

 

「は、はい……」

 

シャルロットによって強引にセシリアが綾人の分を持っていくことになった。

 

「あっ、今度はセシリアが食べさせてあげたら?」

 

「デュノアさん!!」

 

「ごめんごめん。ほらセシリア、綾人君の分取ろうよ」

 

綾人の分を取りながら夕食は進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、結局セシリアが一人で綾人の分の食事を持って行く事になった。

 

「全く、デュノアさんたらもう」

 

愚痴をこぼすがちゃんとタッパーに詰めて持っていている。

 

「湊さん、お食事持ってまいりました」

 

反応が無い。未だに寝ているようだ。

 

「本当に眠ってるのですね」

 

セシリアは綾人の寝顔を見ると、少し魘されている事に気付いた。

 

「湊さん?」

 

 

 

 

 

 

(何だ……これは……?)

 

目の前に広がっている光景、それは、倒壊していくビル、それに巻き込まれていく逃げ惑う人々、そして、ビル等を次々と破壊していく巨大生物。それらの光景が目の前で起きていた。

 

(何なんだこれは!?何なんだあいつは!?)

 

巨大生物は怪獣と言った方が正しい。怪獣は街を次々と破壊していった。そしてその破片が、目の前に飛んできた。

 

(うわあああああああああ!?)

 

 

 

 

 

 

「ハッ!?」

 

綾人は飛び起きた。息を切らし、全身汗だくとなりながら。

 

(ゆ、夢か……?)

 

綾人は夢を見ていた。怪獣が街を破壊していく夢を。

 

(何だよ今の!?怪獣が出てくる夢にしちゃリアルすぎだぞ!!)

 

その夢はあまりにもリアルすぎた。人々の悲鳴も、体感も。

 

「大丈夫ですか湊さん?随分魘されていましたけど?」

 

(オルコット?何でここに?)

 

「オルコットさん?どうしたんですか?」

 

綾人はすぐに対人モードに切り替えた。

 

「夕食をお持ちしましたの。それよりも魘されていましたけど大丈夫ですか?」

 

(夕食?ああそうか。結構寝てたんだな)

 

「ちょっと悪い夢を見てしまって。でももう大丈夫です」

 

「なら良かったですわ。あこれが夕食です」

 

セシリアは夕食を袋から取り出した。

 

「あっ、ありがとうござい……ん?」

 

綾人は受け取るつもりだったが、何故かセシリアは自分でタッパーを開け、更に割り箸を割り、刺身をつまむ。そしてそれを綾人の口元に持っていった。

 

「はい、どうぞ」

 

(……は?)

 

綾人は意味がわからなかった。何故そんな事をしているのか。手足は自由に動く。なのに何故こんな事をされているのか。綾人は俗に言う『はい、あーん』というものを自分がされている。

 

「?どうしました?」

 

「いっ、いえ。いただきます」

 

綾人は食べた。だが思考が追いつかずに味わってもいない。そんな綾人をよそにセシリアは次の物をつまんだ。綾人はそれを無言で食べる。それが繰り返される。

 

(……何だこれ?)

 

そのうち綾人は思考放棄した。

 

そして食べ終わった。ゴミはセシリアが片付けている。

 

「オルコットさん、ありがとうございました。僕の為にわざわざ」

 

「いえいえ、お互い様ですわ。では、わたくしはこれで失礼します」

 

「はい」

 

セシリアは部屋を出た。

 

「……何だったんだ?」

 

 

 

 

 

 

部屋を出たセシリアは廊下を走っていた。

 

(わっ、わたくしが綾人さんにあんな事を……恥ずかしいですわー!!)

 

一人で荒ぶっていた。

 

 

 

 

 

 

一方、別室では銀の福音の操縦者が眠っていた。そばには千冬がついている。すると、操縦者が目を覚ました。

 

「気がついたか?」

 

「……千冬?どうして……それに、ここは?」

 

「旅館だ。学園は臨海学校があってな」

 

「そう」

 

彼女は『ナターシャ・ファイルス』。銀の福音の操縦者だ。

 

「お前のISが暴走したのは、お前が一番わかっているな?」

 

「ええ、試験稼動中にね」

 

「それを我々が対処する事になり、専用機持ちの生徒達でそれを行なった」

 

「じゃあ、今私がここにいるのはあなたの生徒達が止めてくれたからなのよね?」

 

「……ウルトラマンだ」

 

「えっ?ウルトラマンって、あのウルトラマン?」

 

ナターシャはウルトラマンと聞いて驚きを隠せなかった。

 

「そうだ。ウルトラマンがお前のISを止めた」

 

「ウルトラマンが……ねえ、あの子は?」

 

「銀の福音の事か?」

 

「そうよ。あの子はどうなったの?」

 

「……凍結処分が、決定された」

 

「……そうなの」

 

それを聞いたナターシャはショックを受けるが落ち着いていた。

 

「ごめん。少し一人にさせて」

 

「……わかった」

 

ナターシャの気持ちを汲んでか、千冬は部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

「〜〜〜♩」

 

旅館から少し離れた所、そこには篠ノ之束がいた。篠ノ之束は今回の戦闘データを見ていた。

 

「束」

 

そこに千冬が現れた。

 

「やーちーちゃん。どうしたの?」

 

「お前に聞きたい事がある」

 

「ん?何かな〜?」

 

「今回のISの暴走、お前が絡んでるんじゃないか?」

 

「どうしてそう思うのかな?」

 

「それはお前が一番わかっているだろ」

 

「だよねー。でもねちーちゃん、もし仮に私が何かやったとしてもあそこまで強く出来ないよ」

 

「何だと?」

 

「ちょっと調べたけど、確実に別の何かが干渉していたのは間違いないね」

 

「別の何かだと?何だそれは?」

 

「詳しいことは束さんでもわかりませーん。こんな事初めてだよ」

 

「……そうか」

 

「ねえちーちゃん、ウルトラマンってどう思う。束さんはすごく気に入らないよ」

 

「そうだな……今は何とも言えんな」

 

「そっか」

 

すると束は姿を消した。

 

 

 

 

 

 

翌日、臨海学校の全ての日程が終わり、バスに乗り込んでいた。

 

(銀の福音との戦いで発生した光、そしてあの夢……一体何なんだ?)

 

綾人は光と夢について考えていた。綾人を悩ませる物が増えて、少し疲れていた。すると1人の女がバスに乗り込んできた。

 

(何だ?……あいつは、銀の福音の……)

 

バスに乗り込んできた女はナターシャだった。

 

「織斑一夏君はいるかしら?」

 

ナターシャは一夏に用があった。

 

「俺ですけど……あなたは?」

 

「ナターシャ・ファイルス。銀の福音の操縦者よ」

 

(何故福音の操縦者がここに?)

 

「あの子を助けてくれて、ありがとね」

 

「えっ?」

 

するとナターシャは、一夏の頬にキスをした。

 

「えっ?あっ……」

 

(……いや意味がわからない)

 

ナターシャはバスから降り、綾人は関わると面倒なると思い、一夏から体を背けた。案の定面倒くさい事になった。それでも綾人は体を背ける。綾人はただ、バスの中から海を見続けていた。

 

 

 

 

 

 




これで臨海学校編は終了です。

途中か書いてで自分で意味わからなくなっちゃいました。
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