インフィニット・ストラトス アグル   作:K.V

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お待たせしました。遂に例のあれが動き出します。

ではどうぞ。


第30話

綾人はまたあの夢を見ていた。怪獣が暴れまわる夢、これで何度目だろうか?夢の中の綾人は呟いた。

 

(……破滅……)

 

だが、今までほぼ同じ内容の夢だったのに対し、今見ている夢は少し違っている。否、夢が進んでいるのだ。怪獣が暴れまわるのは変わらない。夢の中の綾人はそれをただ見ているだけだったが、変化が起きた。怪獣の目の前に光が降り立ったのだ。

 

(これは……?)

 

光が晴れる。すると現れたのは青い巨人だった。その青い巨人の姿は、綾人は知っている。

 

(……アグル!?)

 

そう、青い巨人はアグルだった。綾人が驚く中、アグルは怪獣に立ち向かっていった。

 

(……)

 

綾人は黙ってアグルの戦いを見ている。夢の中の綾人は目の前の光景を見てどう思っているのだろうか?

 

 

 

戦況が動き出した。アグルはフォトンクラッシャーを発射し、怪獣に直撃した。フォトンクラッシャーを食らった怪獣は爆発四散した。

 

怪獣を倒したアグルは綾人を見下ろす。そんな綾人も、アグルを見上げていた。

 

「……アグル……」

 

綾人を見下ろしているアグルは空を見上げる。そこにはただ、風が吹くばかりだった。

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

 

綾人は目を覚ました。今回は比較的マシに起きれたようだ。

 

「今日の夢は今までの続きなのか……?それにあの巨人は……アグル……なのか?」

 

綾人が気になっている事、それは巨人の事だった。夢ではアグルだとわかっていても、本当にアグルなのかが疑問だった。

 

「まあ、今考えてもしょうがないか」

 

そう自分の中で言い聞かせた。そして綾人は時間を確認した。時計を見た瞬間、綾人は顔を引きつらせた。

 

「……やべえ」

 

時計の時刻は9時50分である。この日がセシリアと約束していた外出の日なのだ。綾人は急いで準備を始めた。集合場所は校門なのだが、集合時間が10時なのである。今から全力で掛かれば良くてギリギリ間に合うがその望みは薄い。

 

「……無理だな」

 

綾人は完全に諦めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園校門前

 

時刻は10時10分。集合時間を10分過ぎている中、セシリアは何も言わずに待っていた。すると、綾人が小走りでやってきた。

 

「す、すみません……遅れました」

 

セシリアは無言で時計を見た。

 

「10分遅刻ですわ。全く、約束の時間を10分も遅れるなんて」

 

「すみません……」

 

(これは面倒くさいパターンだ)

 

「遅れた分、今日はわたくしに尽くしてもらいますわ」

 

「わ……わかりました……」

 

(やっぱそうなるか……)

 

完全にセシリアの尻に敷かれている綾人だった。

 

 

 

 

 

 

宇宙

 

宇宙空間の歪みは徐々に広がり始めていた。そしてその歪みは『ワームホール』となり、謎の青い物体が出てき始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街に着いた綾人とセシリア。街に着くなりセシリアはすぐにショッピングモールへと移動を始めた。

 

「あの〜オルコットさん?ちょっと早いんじゃ……」

 

「誰かさんのせいで10分も遅れてるんです。このくらいで何言ってるんですか?」

 

「……そうですか……」

 

そしてショッピングモールに着いた。今の綾人は完全にセシリアのご機嫌取りとなっている。文句を言えば何されるかわかったものじゃない。

 

その後セシリアはアクセサリーショップ、服屋などに行き30分以上滞在するが、何も買わずにただ商品を見ているだけだった。それを何度も繰り返しあっという間に時間が過ぎていった。店に何分もいては何も買わずに出て行く度に綾人は何度も思った。

 

(結局何も買わないのかよ)

 

と。

 

 

 

 

 

それから昼食を済ませ、ショッピングモールを出て近くの広場に来ていた。2人は並んでベンチに座っている。

 

「今日は良い物が見つからなかったですわ」

 

「散々振り回しておいてそれですか……」

 

「何か言いました?」

 

「いえ、何も……」

 

「では別のお店に行きますか」

 

セシリアがそう言うと綾人は溜息吐いてうな垂れた。

 

(……ん?)

 

綾人は何か違和感を感じた。微かだが綾人は何かの音を聞き取っていた。その音の出所が空からだとわかると綾人は空を見上げた。飛行機だと思いながら空を見上げると、そこには謎の青い物体が空から出現していた。

 

(何だ、あれは……?)

 

綾人は思わず立ち上がりそのまま空を見続ける。

 

「湊さん?」

 

急に立ち上がった綾人を見てセシリアも空を見上げた。空を見たセシリアは驚きの声を上げた。

 

「なっ、何ですかあれは!?」

 

周囲にいた人々はセシリアの声に釣られ同じように空を見上げた。すると青い物体を見た人々は各々反応を示した。驚きをあげる者、恐怖する者、不安になる者、騒ぎ立てる者、興味を持つ者、面白おかしく写真を撮る者、そして撮った写真をSNS等にアップする者様々だ。

 

「湊さん、あれは一体……?」

 

「……まさかな……」

 

 

 

 

 

IS学園食堂

 

休日でも開放している為、昼食時になると人も多くなる。学園の食堂であれどテレビが備え付けられている。

 

その食堂には一夏達専用機持ちも集まっていた。

 

「なあ、今日綾人とセシリア見てないけどどうしたんだ?」

 

「2人なら今日街に行ってるよ」

 

一夏の疑問にシャルロットが答える。シャルロットは何故かとても楽しそうだった。

 

「あの2人ってホントベッタリよね」

 

「セシリアにとっての嫁が綾人なのだろう」

 

「ラウラ、それはちょっと違うよ……」

 

ラウラの的はずれな発言に突っ込みを入れるシャルロットだった。

 

「ねえ箒、セシリアと綾人っていつからあんな感じなの?」

 

鈴音は敢えて箒に聞いた。

 

「私に振るな。まあ、私もわからないんだ。気付いたらあんな感じだったからな」

 

「まあ仲が良いのは良いことじゃないか。でもあいつらも何で2人だけ何だ?出掛けるなら大勢の方がいいのにな」

 

「一夏、2人の中に僕達が入るのはお邪魔なんだよ」

 

「?何で邪魔になるんだ?」

 

一夏がそう言うと全員一斉に大きく溜息を吐いた。この溜息の意味に一夏は理解できなかった。

 

『臨時ニュースです』

 

「何だ?」

 

食堂に設置されているテレビがニュース番組に変わった。見ていた番組が急にニュースに変わり文句を言う者がちらほらいる。

 

『突如都心上空に、謎の青い巨大な物体が現れました』

 

「青い巨大な物体?」

 

「何それ?」

 

食堂に入る者はニュースの内容の意味がわからなかった。

 

「ねえ、これの事じゃない?」

 

鈴音がSNSを一夏達に見せる。画面には確かに青い巨大な物体の写真が載っていた。

 

「何だよこれ……?」

 

「映画の撮影ってわけじゃなさそうだね」

 

そしてテレビにもその青い物体が映し出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会室

 

楯無と虚もワンセグを使ってニュースを見ていた。

 

「お嬢様……」

 

「……何が起きているの……?」

 

 

 

 

 

 

職員室

 

「織斑先生、あれは一体……?」

 

「……」

 

真耶が千冬に聞くが千冬は険しい表情で黙ってテレビ画面を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

青い巨大は地上約200メートルで停止している。

綾人もワンセグを使ってニュースを見ながら現状を確認していた。

 

「湊さん、わたくし達も学園に戻った方が……」

 

「それは無理です。あれの影響で交通機関は全てストップしています」

 

「じゃあ、どうすれば……」

 

「周辺には避難指示が出ています。なので今はそれに従うしかありません」

 

「……わかりました」

 

綾人とセシリアも避難を開始した。

 

 

 

 

 

 

青い物体の周辺には戦闘機と軍のISが待機していた。ISは全てラファール・リヴァイヴである。

 

「戦闘機なんて邪魔よ」

 

「ええ、あんな物ISだけで充分だわ」

 

「まだ攻撃指示が出てないわ。あと油断しないで」

 

「大丈夫ですよ。ISは最強の兵器なんですから」

 

それが油断だと知ってかいないのか、IS部隊の女達は余裕があった。

 

 

 

 

 

 

地上

 

物体周辺から人はいなくなってはいるが、その先は思うように避難が進んでいなかった。休日だという事もあり、人が大勢いるが故だった。

 

「あんたどきなさいよ!!」

 

「何するんだ!?」

 

「女が先に決まってるでしょ!!」

 

「今はそんな事関係ないだろ!!」

 

避難中だと言うのに女尊男卑の女共がギャーギャー騒いでるのが見られる。綾人はその光景を目にした。

 

「……本当に愚かですね。こんな時だと言うのに……」

 

「わたくしも、あれと同類だったと思うと、恥ずかし限りですわ……」

 

綾人とセシリアは改めて女尊男卑を否定した。

 

すると、上空に動きがあった。

 

「攻撃許可が出たわ。一斉攻撃よ」

 

「了解」

 

「一回で破壊してやるわ」

 

「ISの力、見せてあげるわ」

 

IS部隊と戦闘機の部隊が青い物体を囲んだ。

 

「発射!!」

 

ISと戦闘機が同時に攻撃をした。それを見ていた人々は一斉に安堵した。これであれは破壊されたと。だが

 

「そんな!?」

 

「嘘!?何でよ!?」

 

IS部隊は青い物体を破壊できなかった事に驚愕した。ISなら破壊できると思っていただけに信じられなかった。だが、破壊できなかった、それだけで終わらなかった。青い物体から光が発せられた。すると周辺のビルの窓ガラスが砕け散った。それと同時に青い物体が地上に落下した。

 

「うあああっ!!」

 

「キャアアア!!」

 

落下した衝撃で人々は転び出す。

そして、青い物体は崩れだした。いや、殻を破っているのが正しいか。殻を突き破って出てきたのは巨大生物、否、怪獣だった。両手に鎌を備えた怪獣『宇宙戦闘獣コッヴ』が出現した。コッヴが出現した事で人々は更にパニック状態となった。

 

『キャアアアアア!!うあああああ!!』

 

人々はコッヴを見ると我先にと逃げ出し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

IS学園食堂

 

『怪獣です!!怪獣が出現しました!!』

 

食堂にいる生徒達はテレビに釘付けになっていた。

 

「なあ、これってドッキリだよな!?」

 

「当たり前でしょ!!こんなの現実じゃないわよ!!」

 

一夏と鈴音は現実逃避するかのように振る舞った。

 

「いや、現実だこれは」

 

ラウラがそう言うと、外を指差した。それは怪獣が暴れていると思われる衝撃音が伝わっていた。

 

 

 

 

 

 

職員室

 

職員室にいる教員達も怪獣の出現に驚愕していた。

 

「おっ、織斑先生!!」

 

「何なんだあれは!?」

 

千冬も目の前の事に声を荒げた。

 

 

 

 

 

 

「湊さん!!早く避難を!!」

 

セシリアは綾人に避難を促すが綾人は動こうとしない。ただコッヴを見てるだけだった。

 

戦闘機がコッヴを攻撃するが全く効いていない。するとコッヴは額から光弾を戦闘機に発射した。光弾は戦闘機に直撃し戦闘機は撃墜された。

 

「そんなので敵うわけないでしょ!!」

 

「行くわよ!!」

 

IS部隊もコッヴに攻撃するが大したダメージは与えられなかった。

 

「そ、そんな!?」

 

「ISが効かないなんて……」

 

コッヴは今度はIS部隊に向かって光弾を発射した。すると数人が光弾に被弾した。

 

(これが、破滅なのか……?)

 

綾人は自分が見た夢と重ね合わせていた。怪獣が街を破壊していく。それが目の前で起きている。夢が現実に起きてしまっているのだ。

 

「……こんな世の中じゃ、破滅に向かうのも当然か……」

 

「湊さん、何を……?」

 

「こんな事になったのは、人類の自業自得なのかもしれない……」

 

「えっ……?」

 

「自分勝手な人類のせいで、この世界は腐ってしまった。これは、人類への罰なんだ……」

 

「確かに、人類は大きな過ちを犯したかもしれません!!でもわたくしは、その過ちを正せると思います!!」

 

「セシリア……」

 

「えっ?」

 

セシリアは綾人が自分を名前で呼んだ事に驚いた。綾人はアグレイターを見た。

 

「湊さん、それは……?」

 

(アグル、お前はこうなる事がわかっていたのか?だから俺にあんな夢を見せたのか?)

 

綾人はアグルに問いかける。だが、アグルは応えてはくれない。

 

(もしあの夢がこれの事なら、アグルは……まさか!?)

 

そして綾人は思い出した。初めてアグルと出会った時、アグルは巨人だった。つまり、あれが本当のアグルなのではないかと思った。

 

(あの夢が本当なら……アグル、お前は……)

 

綾人は決心したのか、一人でコッヴのところへ行こうとした。だがそれを見たセシリアが綾人の腕を掴み止めた。

 

「待ってください!!どこへ行くつもりですか!?」

 

「セシリア……」

 

「また一人で勝手にどこかへ行くんですか!?あの時も貴方は……わたくしがどれだけ心配したと思ってるんですか!?」

 

「悪い、だが俺は行かなければならない」

 

「湊さん……?」

 

さっきの自分を名前言った時もそうだがセシリアは普段と話し方が違う綾人に驚いていた。さらに自分を『俺』と言っているため雰囲気も違うように感じた。

 

「約束する、俺は必ず帰ってくる。だから大丈夫だ」

 

セシリアは何も言えなくなり掴んでいた手を自然と離した。そして綾人は一人でどこかへ行ってしまった。

 

「綾人さああん!!」

 

セシリアは綾人の名前を叫ぶだけで追いかける事ができなかった。

 

「パパー!!ママー!!」

 

どこからか泣き叫ぶ声が聞こえた。セシリアは声が聞こえた所へ行くと、5歳くらいの女の子がしゃがみこんでいた。

 

「大丈夫ですか?」

 

セシリアは優しく声をかけるが、女の子は泣いたままだ。

 

「どうされました?」

 

「パパとママがいなくなっちゃったの……」

 

「パパとママがですか?」

 

それを聞いたセシリアは2つの事を思った。混乱のせいではぐれたか、最悪既に瓦礫に埋もれてしまったか。だがセシリアは後者の可能性を捨てた。女の子を心配させないために。

 

「大丈夫、はぐれただけできっと無事ですわ。今はここから離れましょう」

 

「うん……」

 

「わたくしも一緒に探しますので大丈夫ですよ」

 

「ありがとうお姉ちゃん!」

 

セシリアは女の子と手を繋ぎその場を離れた。

 

(綾人さん……)

 

 

 

 

 

 

 

 

綾人は一人人気のない場所に来ていた。綾人はコッヴとIS部隊の戦闘を見ている。戦況は最悪だった。既に何機ものISが墜とされていた。

 

綾人はアグレイターを構えた。

 

「アグル、行くぞ」

 

アグレイターを展開、回転させると、青白い光が綾人を包み込んだ。

 

 

 

 

 

セシリアと女の子は避難所まで向かってた。

 

「うわっ!」

 

女の子が瓦礫に躓き転んでしまった。

 

「大丈夫ですか……ッ!?」

 

セシリアは女の子を抱きしめた。何故ならコッヴがこちらに向かって光弾を発射しようとしているからだ。セシリアは女の子を守ろうとして抱きしめたのだ。セシリア自分の背中をコッヴ側に向ける。女の子を護るために。

そして、コッヴが光弾を発射した。

 

「ッ!!」

 

セシリアは死を覚悟した。せめてこの子だけでも守ろうと思いながら光弾が直撃するのを覚悟した。

 

ドガアアアン!!

 

大きな爆発音と地響きが鳴り響く。だが光弾はセシリアには届いていなかった。

 

「……えっ……一体、何が……」

 

セシリアは何が起きたのかわからなかった。確かに光弾が発射されたのは見た。なら何故当たっていないのか。

 

「お姉ちゃん、あれ」

 

女の子は指を指した。セシリアは女の子が指を指した方を向くと、驚きの表情をあげた。

 

「あれはっ……!!」

 

 

 

 

 

 

「今度は何よ!?」

 

コッヴと戦っていたIS部隊の一人が声をあげた。戦闘中にコッヴとは別の何かが来たのだから。

 

「また敵!?」

 

「……光の……巨人……?」

 

 

 

 

 

セシリアは目の前のそれを知っていた。だが、大きく違っているのは今いるのは巨人なのだ。だが巨人でも、外見は全く同じだった。巨人は顔をセシリア達に向けた。

 

「……ウルトラマン……」

 

そう、セシリアの前にいる巨人はウルトラマン。

 

青き海の光の巨人、ウルトラマンアグルが降臨した。

 

 

 

 

 




30話で初めて怪獣が登場しました。最初はやはりコッヴですね。

そして遂にウルトラマンアグルの登場です。変身の所は巨大化シークエンスがあったと思ってください。

人類は癌細胞と言っておきながら人間を護りながら登場するアグルはかっこいい。異論は認めない。

どうでもいいですけど自分リンク召喚最初は否定してましたけど今は楽しみとなりました。今メインで使ってるのはSRWWなんですけどね。クリスタルウィング1体なら立てらるし。破壊されてらファストも出せるし。要するにエースは1体で充分ということですね。ソリティアしたいんですけどね。
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