インフィニット・ストラトス アグル   作:K.V

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はい、申し訳ありません。また1ヶ月かかってしまいました。月1ペースになりかねないと思います。


第33話

「綾人さんが……ウルトラマン……?」

 

セシリアが目にしたもの、それは綾人がウルトラマンに変身した瞬間だった。セシリアは動揺を隠しきれない。織斑千冬が執拗に付け狙っていた存在、その正体が綾人だったからだ。

 

「どうして……どうして綾人さんが……?」

 

セシリアは困惑する。何故綾人がウルトラマンなのか?ウルトラマンが綾人に化けていたのか?そんな疑念がセシリアの頭を駆け巡った。だが、そんな事を考えてる暇などなかった。アグルとギールの戦いが始まった。

 

ギールが四つん這いでアグルに迫ってくる。だがアグルはそれに動じずギールを待ち構える。そしてアグルは接近してきたギールの首を掴み、顎に膝蹴りを浴びせ、更にアッパーを加えた。

 

『デアアァッ!!』

 

ギールが立ち上がったところを狙い、アグルはギールの脇腹を狙い強烈なキックを決め、ギールは仰向けで倒れた。

 

「綾人さん……」

 

セシリアはアグルの戦いを見て複雑な気持ちになっていた。綾人=ウルトラマンということがわかった今、アグルの戦い方は自分の知っている綾人からは考えられないものだからだ。それ故に、セシリアは不安になっていた。

 

アグルは歩いてギールに近づく。その瞬間、ギールの腹部が開いた。

 

『ッ!?』

 

するとギールの腹部からマグマ弾が発射された。まさか腹部から攻撃されるとは思わなかったのか、アグルは反応が遅れマグマ弾が直撃してしまった。そしてギールは起き上がりマグマ弾を乱射した。

 

『ウアアアアア!!』

 

アグルは八方から来るマグマ弾を避ける事が出来ずにほとんどを食らってしまい、アグルは跪いた。結果、ギールとの距離が近い為、ギールの接近を許してしまった。そしてそのまま、ギールに右足首を噛まれた。

 

『ウアアアアア!!』

 

ギールとの牙が深く食い込む。アグルは必死でギールを剥がそうとする。そしてどうにかギールを離してそのまま投げ飛ばすが、ライフゲージが点滅してしまった。

 

(綾人さん……)

 

セシリアはただ見る事しかできなかった。ウルトラマンと怪獣との戦いを。

 

するとギールが起き上がり、再び腹部を開いた。アグルは足首のダメージですぐに動く事が出来ない。

 

「させませんわ!!」

 

その時、セシリアが動き出した。セシリアは残りのビットとビームをギールの腹部に撃ち込んだ。それが決め手となり、ギールは後ずさった。

 

セシリアが動いたのは理屈ではない。ウルトラマンのピンチに自然と動いていた。たとえ綾人がウルトラマンだったとしても今前線で戦っているのがその綾人本人だからだ。

 

セシリアからの援護を貰ったアグルは思わすセシリアを見た。アグルの視線に気付いたセシリアは頷くと、アグルもまた頷いた。それは、セシリアの意思をアグルが理解したからだろう。

 

アグルは立ち上がり、フォトンクラッシャーの構えを取った。

 

『ハアアァァ……デアアアアア!!』

 

フォトンクラッシャーが発射され、ギールに直撃した。

 

『ギャアアアアアアア!!』

 

ギールは悲鳴をあげ、爆破した。ギールを倒したアグルは一度セシリアに振り向いた。

 

「あっ……」

 

アグルはセシリアに背を向けると、空へ飛び去った。

 

「綾人さん……」

 

セシリアは地上に降り、ISを解除した。そしてそのまま綾人を探し始めた。ウルトラマンは空に飛んでいってもこの付近に綾人がいる。そう考えたからだ。

 

 

 

 

「うっ……」

 

綾人は、戦闘現場とはそう遠くないところにいた。だが、その歩く姿は少しぎこちない。右足をほぼ引きずっている感じだった。

 

「綾人さん!!」

 

「セシリア……」

 

セシリアが駆け寄ると、綾人は右足首を抑えた。するとそこから多量の血が流れていた。

 

「綾人さん、その怪我は……」

 

「……大丈夫だ、心配いらない……」

 

そんなはずないとセシリアは思い、そして思い出した。あの時ウルトラマンの足首が怪獣に噛まれた。それと同じところから出血している。これで完全に綾人=ウルトラマンという事が成立した。

 

(綾人さん、やはり貴方は……)

 

セシリアは想った。ウルトラマンが綾人という事は、今まで戦って来たのが全て綾人という事になる。無人機、VTシステム、そして銀の福音。それら全て綾人が戦ってきたのだ。そしてなにより、福音戦の時、自分達はウルトラマンに攻撃してしまった。それはつまり、綾人に攻撃したという事になる。そして、今までの綾人の接し方は、自分がウルトラマンである事を隠すため、ウルトラマンとして戦う時にバレないようにするためだとしたら説明がつく。敬語を使わないで話す時の綾人が本当の綾人だ。

 

「綾人さん、ジッとしていてください」

 

「一体、何を……」

 

セシリアは自分の履いているスカート破り、ガーゼと包帯代わりに綾人の傷口に巻いた。

 

「これで少しは抑えられる筈ですわ」

 

「……あ、ありがとう……」

 

(それが本当の貴方なのですね、綾人さん)

 

ウルトラマンが綾人だとしても、それと同時に最前線で戦っているということになる。その為に今までの自分を偽っていたとしても、綾人の優しさは本物だ。でなければ、今まで助けてくれない。そう思った。

 

(綾人さん、ありがとうございます)

 

 




ウルトラマンと人間の無言の頷きは最高で互いに信頼してる証だと思います。
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