インフィニット・ストラトス アグル   作:K.V

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早めに投稿できました。


第34話

その日、政府による会見が行われた。ワームホールを通じて出現する存在を『根源的破滅招来体』と命名。それを迎撃するためにISによる特殊部隊を結成することを発表した。そして、青い巨人『ウルトラマン』の存在を公表。だが、現時点では敵か味方の判断は下していない。特に一般人の中ではウルトラマンが一番の話題となっていた。ISが敵わなかった怪獣を撃破した。ウルトラマンの戦いは、子どもたちから見ればヒーローそのものだ。街を破壊する怪獣をやっつけてくれた事で、子どもたちの憧れとなっていた。だが、ウルトラマンを気にくわない者もいる。それは、IS至上主義の女達だ。ISが怪獣に効かなかった事を認めたくないが故にウルトラマンを蹴嫌いしてる。さらには怪獣を倒す程のパワーを持つことと、未知の存在ということから、ウルトラマンも破滅招来体と同じ化け物だと言い出す者も少なくなかった。

 

 

 

 

夜、避難所では炊き出しが行われている。セシリアは盛り付けの手伝いをしながら綾人の分も用意した。

 

「綾人さん、どうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

綾人は今までのように敬語に戻していた。何故なら綾人はセシリアに自分がウルトラマンだとバレていないと思っているからだ。だがセシリアは綾人がウルトラマンである事に気付いているため意味がなかったりする。それに、度々素が出ているので最早関係なかった。

 

(……こっちの方が不自然ですわね)

 

セシリアからすると、敬語の綾人にはもう違和感しかなかった。そしてセシリアはミカとその両親のところに行き配った。

 

「ミカさん、お父様とお母様もどうぞ」

 

「ありがとうお姉ちゃん!」

 

「ふふっ、どういたしまして」

 

ミカのお礼にセシリアも自然と笑顔になる。

 

「すみません、私たちのために。それに、娘も本当に喜んでるみたいで」

 

「わたくしも、ミカさんの笑顔が見れて嬉しいです」

 

「セシリアさんにすっかり懐いちゃって、母として少し嫉妬しちゃいます」

 

「そんな、わたくしなんて……でも、ミカさんがこんなわたくしを姉のように接してくれて、本当に妹ができたみたいで……すみません、お母様にこのようなお話を」

 

「ふふっ、大丈夫ですよ」

 

「お姉ちゃーん」

 

セシリアは寄ってくるミカの頭を撫でた。その光景にミカの両親も笑顔になった。

 

(何だ?)

 

その時、ヘリコプターが一機降りてきた。何事かと思い次々と人々が集まって来る。すると、ヘリコプターから一人のスーツ姿の女性が出て来た。その女性はセシリアのところへ行った。

 

「イギリス代表候補生、セシリア・オルコットさんですね?」

 

「は……はい。あの、貴女は?」

 

「私は、対根源的破滅招来体IS部隊の草薙麗美です」

 

「対根源的破滅招来体の部隊の方……ですか?」

 

セシリアの元に訪れたのは、対根源的破滅招来体のIS部隊の『草薙麗美』だった。

 

「IS部隊の方が、何故わたくしのところに……?」

 

「今から私とIS学園に戻って欲しいのです」

 

「いっ、今からですか!?」

 

草薙麗美が言ったのは、今から一緒にIS学園に戻って欲しいというものだった。それを聞いていた綾人も少し不信に思った。

 

(どういう事だ?何故IS部隊の人間がセシリアに?)

 

「そこで貴女と大事な話があります」

 

「わたくしにですか……?」

 

「はい」

 

「あの、お話ならここではダメなんでしょうか?わたくしだけここを離れるわけには……」

 

「それについては心配ありません。軍からの派遣を増員させるので支援は問題ありません」

 

「ですが……」

 

「お願いします。貴女の力が必要なんです」

 

「わたくしの力が……?それは一体どういう……」

 

「それについて詳しくはIS学園でお話しします。お願いします。今は私について来てください」

 

話が見えないセシリアはどうすればいいかわからなかった。今ここを離れればまた怪獣が現れた時に戦える者がいなくなる。現在足を負傷している綾人を戦わせるわけにはいかないと思っていた。

 

「お姉ちゃん、行っちゃうの?」

 

何よりミカの存在だった。自分を姉のように慕ってくれるミカを寂しい思いをさせたくはなかった。だが、いずれは別れる事になるのはわかってはいるが、それが今になるとは思っていなかった。だがそれが先になるほど別れは辛くなる。それを考えたセシリアは答えを決めた。

 

「大丈夫です、また会えますわ」

 

「本当?」

 

「はい、約束します」

 

「約束だよ」

 

ミカは涙目になるが、二人は指切りをしてまた笑顔になった。

 

「いいんですか?本当に付いて行って。相手はまだ本当に部隊の人かどうかも……」

 

「仮にそうだとしても、付いて行ってみない事には何もわかりませんわ」

 

「しかし……」

 

「わたくしの事は心配いりませんわ。しかし、やはりここの方達が心配ですが……」

 

「じゃあ、僕はここに残ります」

 

「足を怪我しているのに、いいのですか?」

 

「大丈夫です。無理をしないぐらいなら平気ですから」

 

「……では、ミカさん達をお願いします」

 

「はい」

 

「話は纏まりましたね。行きましょう」

 

セシリア達はヘリコプターに乗り込み、避難所から飛び去った。綾人とミカは飛び立つセシリアを見送った。

 

 

 

 

 

 

ヘリコプターはその後問題無くIS学園に付いた。予め来ることを伝えられていた千冬と真耶は外で待っており、セシリアが降りてくると千冬と真耶が駆け寄った。

 

「オルコット!!」

 

「オルコットさん!!」

 

「織斑先生、山田先生、心配をおかけしました」

 

「そんな、無事で良かったですよ!」

 

「湊はどうした?一緒だったんじゃないのか?」

 

「綾人さんは、向こうに残りました。多くの人を支援するために」

 

「残っただと?」

 

「だっ、大丈夫なんですか!?」

 

「大丈夫です。綾人さんなら」

 

千冬と真耶は気弱な綾人しか知らない。一人で残った事にセシリアは大丈夫と言うが、それでも二人は心配だった。

 

「織斑千冬先生ですね?」

 

「はい。オルコットを送って来てくれてありがとうございます」

 

「織斑先生とオルコットさんとお話しをしたくて参りました」

 

「話ですか?」

 

「はい、今回はその為に来ました」

 

「……わかりました。山田先生、彼女を案内してくれ」

 

「は、はい。こちらです」

 

真耶は草薙麗美を案内し、セシリアと千冬もそれに付いて行った。

 

 

 

 

 

 

「改めまして、私は対根源的破滅招来体IS部隊リーダーの草薙麗美です」

 

「今日、会見で発表されたあの?」

 

「はい」

 

「そのIS部隊のリーダー、私達に話とは?」

 

「単刀直入に言います。セシリア・オルコットさん、貴女に部隊に参加していただきたいのです」

 

草薙麗美が言い出したのは、IS部隊に入ってくれとの事だった。まさかの事に千冬は驚いてしまう。

 

「IS部隊の参加はつまり、怪獣と戦うという事ですか?」

 

「そうなります」

 

それを聞いた千冬は思わずテーブルを叩いて立ち上がった。

 

「オルコットはまだ学生です。いくらオルコットが代表候補生だからと言って、そんな危険な事をさせるわけにはいきません!」

 

千冬は臨海学校の時に暴走ISと戦わせてしまった事がある。その時に弟の一夏が生死を彷徨った。しかも今回は破滅招来体という正体不明の敵である。臨海学校の時とはあまりにも規模が違う。

 

「それはわかってます。しかし、こちらとしても戦力が欲しいのです。最初に怪獣が現れた時、殆どが怪獣に堕とされてしまいました。絶対防御のおかげで命は助かりましたが、恐怖心から多くのものが部隊から降りてしまいました」

 

「だったら尚更……!!」

 

「今日も怪獣が現れた事は知っていますね?」

 

「……それが何か?」

 

「彼女は一人で怪獣に立ち向かいました。彼女がいなかったら、被害はもっと広がっていたと思います」

 

「ですが……!」

 

「オルコットさんはどうなのですか?」

 

「わたくしは……」

 

「無理強いはしません。嫌なら断ってもいいですが」

 

セシリアは考える。どうすればいいかを。もし部隊に入れば怪獣と戦う事になる。そして、怪獣が現れれば綾人はウルトラマンとして戦うだろう。

 

(わたくしがIS部隊に入れば、少しは綾人さんを……)

 

「参加します。参加させてください!!」

 

セシリアはIS部隊の参加を決めた。

 

「オルコット、お前……」

 

「念のため、理由をお聞きします」

 

「今のわたくしには、守りたいものがあります。草薙さんはわたくしの力が必要と言ってくれました。大切なものをわたくしは守りたい。守る為に、わたくしはIS部隊に参加します!!」

 

セシリアは綾人の事は伏せて説明した。だが、セシリアの言っている事に間違いはない。それはやはり、ミカの存在が大きいだろう。

 

「決まりましたね」

 

「待ってください。オルコットは良いと言っても、彼女はまだ学生です。そして何より私の大切な生徒でもあります。なので条件があります」

 

「何でしょうか?」

 

「私もその部隊に参加させていただきます。私は既に引退した身で戦闘に参加はできませんが、力にはなれるはずです」

 

「わかりました。オルコットさん、織斑先生、よろしくお願いします」

 

これにより、セシリアのIS部隊の参加が決まった。

 

 

 




細かい事は気にしない方向でお願いします。
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