インフィニット・ストラトス アグル   作:K.V

39 / 58
お待たせしました。36話です。


第36話

セシリア達1年の専用機持ち達が、IS部隊に入隊してから1週間が経った。怪獣の出現、IS部隊への入隊、それに伴い、IS学園の休校が決定した。とは言うものの、一般生徒達にとっては、帰省しようにも交通機関の殆どが動いていないため帰省する事ができない。そのため、実質ただの自室待機となる。そして、いつ怪獣が現れるかもしれないという不安を抱きながら過ごしていくのだった。

 

 

 

 

 

その1週間、セシリア達は対怪獣の訓練を受けた。主に射撃の訓練が行われ、草薙麗美が直接指導をした。特に射撃が苦手な一夏と箒は徹底的にしごかれた。そして同時に回避の訓練も行なった。怪獣の攻撃は強力であるため回避は必須である。それらの訓練を1週間休む間も無く行われた。千冬はそれをただ見守っていた。

 

そしてその1週間で、少しずつだが実力は伸びていった。代表候補生の4人は元々の実力もあり飲み込みが早く、一夏と箒も草薙麗美の指導の甲斐もあり射撃の腕もある程度伸びた。

 

 

 

 

一方、避難所に残っている綾人は、ギールとの戦い戦いで負傷した足が治っていた。そして子供や老人に食事を配ったりするなどの手伝いをしている。時には避難先にまでいる女尊男卑の女の対処もしていた。女が何か我が儘を言ったりすると、綾人は頭のキレの良さを活かしてその女に対して論破して黙らせていた。

 

 

 

 

そして同じ頃、銀色の謎の飛行物体が猛スピードで海上を飛んでいた。

 

 

 

 

草薙麗美が率いるIS部隊は森林地帯にあるIS研究所を拠点としている。いつ出撃してもいいように、セシリア達はIS部隊に所属している間は、例外を除きIS学園の寮ではなく基本的にそこに常駐する事になる。そして今は、訓練を終え、各自待機していた。だがその時、研究所全体にアラームが鳴り響いた。

 

「どうしたんですか!?」

 

アラームを聞きつけたセシリア達は研究所内にあるコマンドルームに集まった。

 

「未知の飛行物体が海上を飛行中。このままの進路だと飛行物体は市街地に突入します」

 

オペレーターそう言うとその映像を出した。その映像には確かに謎の飛行物体が海上を飛んでいた。

 

「何だよあれ!?」

 

「隕石じゃないわよね……」

 

「解析して」

 

麗美からの指示でオペレーターが飛行物体の解析を始めた。それでわかった事は、その飛行物体の材質は金属である事、そして、飛行物体そのものに生体反応があると言う事だ。

 

「あの金属が、生きてるっていうのかよ……」

 

「金属生命体か……」

 

ラウラは飛行物体を金属生命体と呼んだ。すると麗美は専用機持ち達に向き直った。

 

「みんな、行ける?」

 

麗美がそう言うと、専用機持ち達は一度顔を合わせた。ついにこの時が来たのかと全員に緊張が走った。そして、全員の決意が決まると麗美に向き直った。

 

「「「「「「はい!!」」」」」」

 

「これより、あの飛行物体を金属生命体と呼称、市街地に入る前に絶対に食い止める事。では、出撃!!」

 

「「「「「「了解!!」」」」」」

 

専用機持ち達がコマンドルームから出ていくと千冬と麗美が残った。

 

「まだ子供だというのに、大丈夫でしょうか……?」

 

「信じましょう、彼女達を」

 

 

 

 

 

専用機持ち達は金属生命体との遭遇ポイントまでヘリコプターで移動している。機内には緊張感が漂っている。

 

「いよいよだね……」

 

「ああ、とうとう来てしまったな」

 

実戦ということでシャルロットとラウラは思い思いの事を口にした。緊張を和らげるためではなく、ただ思った事を口にしただけだ。

 

「だがここまで来てっしまった以上、もう後戻りはできないぞ」

 

「そんな事わかってるわよ。あんたもビビんないでよ」

 

「お前もな」

 

箒と鈴音はそんなやりとりをした。

 

「俺たちの手で、絶対に止めるんだ!!」

 

「絶対に、街には行かせません……!」

 

そして全員ISを装着した。

 

「行くぞ!!」

 

ラウラの指示とともに、全員ヘリコプターから飛び降り金属生命体の元へ向かった。そしてついに、金属生命体と遭遇した。

 

『各機、攻撃開始』

 

「了解。みんな、行くぞ!!」

 

現場リーダーのラウラの合図とともに、全員が動き出した。金属生命体の前方に回り込み、各自射撃を行なった。相手が大きいため、攻撃は当たるものの全て弾かれてしまった。

 

「やはり金属だけあって装甲は硬いか。ならば、各自散開して同時攻撃だ!!」

 

「わかった、うおおおお!!」

 

一夏達は散開し八方から金属生命体を取り囲んだ。そして、攻撃準備を整えた。

 

「発射!!」

 

ラウラの合図で、ラウラはパンツァー・カノニーアを、一夏は雪羅の荷電粒子砲を、箒は空裂のエネルギー波、セシリアはスターライトmkⅢを、鈴音は衝撃砲を、シャルロットはアサルトカノンを同時発射した。ラウラ達の攻撃は金属生命体に直撃し、制御を失った金属生命体はそのまま人気のない森林地帯に落下した。

 

「やった!!」

 

金属生命体を撃墜した一夏達は喜びの声を上げた。だが、その喜びも一瞬だった。突如地上から槍のような物が迫って来たのだ。

 

「うわっ!!」

 

「シャル!!」

 

その攻撃はシャルロットに当たりそうになったが間一髪で避けることができた。

 

「こ、今度は何よ!?」

 

地上に落下した金属生命体は姿を変え、人型になった。金属生命体『アパテー』が誕生した。

 

 

 

 

 

 

「これは……?」

 

避難所にいる綾人はアグレイターからあるものを感じた。それは、臨海学校の時のようにアグレイターのランプが光り輝いていたのだ。

 

「……また敵が現れたのか……?」

 

綾人はアグレイターを装着し、人気のないところに移動した。そして、アグレイターを展開させ、光を放ち、綾人は光とともに消えた。

 

 

 

 

 

 

ラウラ達はアパテーに苦戦を強いられていた。人型になった事でアパテーも攻撃に転じたのだ。アパテーは右腕をサーベルに変え、近づく者たちに攻撃をしていた。ラウラ達も焦っているため、攻撃が雑になり始めた

 

「お前達、大丈夫か!?」

 

「ええ、なんとかね……」

 

「だが、このままではジリ貧だぞ」

 

一向に優勢にならない状況にラウラ達は焦りを感じ始めた。アパテーもラウラ達を堕とそうと動き始めたその時。

 

ドガアアアアン!!

 

「な、何だ!?」

 

突如空から光が降り立ち、轟音と共にウルトラマンアグルが出現した。

 

(綾人さん!)

 

セシリアは綾人が来てくれたと喜びと同時に不安にもなった。セシリアはまだ綾人の脚の怪我が治っているかわからないためである。

 

「ウルトラマン……!」

 

「マジかよ……」

 

ラウラは巨大なウルトラマンの姿を見て驚愕せずにはいられなかった。テレビで見たとはいえ、この目で実際に見るとなれば、そうなるだろう。一夏もそれしか言葉が出なかった。

 

「本当に、あれがウルトラマンなんだね……」

 

「夢じゃないわよね……?」

 

「ああ、現実だ」

 

今まで人間サイズのウルトラマンしか見てこなかったシャルロット達も、実際に巨大なウルトラマンを目にすると驚きしかなかった。

 

 

 

 

 

コマンドルームでも、ウルトラマンの出現は確認していた。

 

「ウルトラマン……」

 

「現れたわね」

 

ウルトラマンが出現したことでコマンドルームでも緊張感が高まった。特に千冬は、厳しい目つきとなった。その時、ラウラから通信が入った。

 

『巨大なウルトラマンが現れました。指示をお願いします』

 

「今は金属生命体を優先してウルトラマンの様子見、状況に応じてウルトラマンの援護を」

 

『ッ!!了解!!』

 

ラウラからの通信が切れると、千冬は麗美の判断に疑問を感じた。

 

「ウルトラマンの援護とは、本気ですか?」

 

「ウルトラマンは間違いなく金属生命体を倒すために現れた。そして最優先事項は金属生命体の殲滅。下手にウルトラマンに攻撃して敵を増やすよりも、今はウルトラマンの味方についた方が最善。それに、ウルトラマンは私たちにとっても大きな戦力であることに間違いない」

 

「……」

 

 

 

 

 

ウルトラマンの出現でさらに緊張感が高まった。そしてアグルは、周りにセシリア達がいる事に気付いた。

 

(どうしてセシリアが!?他の奴らも!?どういう事だ!?)

 

アグルは何故セシリア達がここにいるのか疑問に思うも、すぐにアパテーに向き直った。そして、アパテーに立ち向かった。

 

『ハアアア!!』

 

アグルとアパテーの戦いが始まった。アグルとアパテーは互角の戦いが繰り広げられる。互いに武器を使わず、肉弾戦のみで戦っている。そして、次第にアグルが優勢となった。

 

『デエエアアア!!』

 

アグルのキックがアパテーに決まり、アパテーを吹っ飛ばした。

 

「す、凄え……」

 

一夏は目の前の戦いに思わず呟いた。すると、アパテーが立ち上がると、アパテーの身体に変化が起きた。アパテーの肩と腰に新たに武装が追加されたのだ。武装の強化にアグルは驚くも、すぐに構えなおした。そしてアグルは気付いた。アパテーの胸に自分と同じライフゲージをしている事を。さらにアパテーは、右腕をサーベルに変えた。それを見たアグルも、アグルブレードを装備した。

 

『ハアアア!!』

 

今度は互いに剣と槍を装備して戦いを始めた。だが、アグルの体力が消耗していき、次第に追い詰められてしまった。そして、アグルブレードとアパテーのサーベルがぶつかり合う。

 

『ウワアアアア!!』

 

アグルが力負けをしてサーベルに斬りつけられた。それと同時にアグルブレードも消滅し、ライフゲージも点滅を始めた。その隙を見て、アパテーがアグルにジリジリと迫って行く。

 

(綾人さん!!)

 

その時、セシリアが動いた。セシリアはスターライトmkⅢをアパテーに発射した。さらにビット兵器で追撃した。

 

「私達も行くぞ!!」

 

セシリアに続いてラウラ達もアパテーに攻撃してアグルを援護した。セシリア達の攻撃でアパテーは怯んだ。そして、その隙にアグルは立ち上がり、フォトンクラッシャーの準備を取った。

 

「来るぞ!!」

 

ラウラの指示でセシリア達はアパテーから離れる。

 

『ハアアア……デアアア!!』

 

アグルはフォトンクラッシャーを発射し、アパテーに直撃した。フォトンクラッシャーを食らったアパテーは爆発四散した。アグルはアパテーを倒した事を確認すると、一度セシリア達に向いた。

 

『……ゾアアッ』

 

アグルはすぐに空高く飛び上がり、空の彼方に消えた。

 

『みんな、お疲れ様。帰投して』

 

「了解。みんな戻るぞ」

 

ラウラ達は、待機していたヘリコプターに乗り込んだ。

 

(綾人さん、これからはわたくしも、貴方と共にたたかいます)

 

 

 

 

 

コマンドルームに戻ったセシリア達は、千冬と麗美に迎えられた。

 

「みんな、初陣でよく頑張ったわ。今日はゆっくり休んで、明日に備えて」

 

「「「「「「はい!!」」」」」」

 

 

 

 

 

綾人は避難所に戻り、さっきの戦いの事を考えていた。

 

(何故セシリア達があそこにいたんだ……?それにさっきの奴は破滅招来体とみて間違いない)

 

そして綾人はセシリアを迎えに来た女の事を思い出した。

 

(あの時の女、確かIS部隊の人間だったな。……まさか!?)

 

そして綾人は一つの結論に至った。

 

(セシリアはIS部隊に入ったのか?それに他の奴らも。だから奴と戦っていたのか)

 

綾人はあれ以来セシリアとは連絡を取っておらず、セシリアが何をしているのか不明だった。それが、戦いを通じてセシリアの近況がわかったのだ。

 

(セシリア……)

 

綾人はただセシリアの身を案じるだけだった。

 

 




今回はアパテーでした。ライフゲージはアグルと同じアパテーです。アルギュロスではなくアパテーなんです。

入隊してから一週間の訓練だけで実戦に出すって中々鬼畜だと思う。

そしてアグレイターがエボルトラスターと化している件について。

次回もどうぞお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。