「みんな、集まったわね」
コマンドルームにセシリアを除く専用機持ちと千冬が招集されていた。理由は当然、あのISのことだった。
「草薙さん、説明をお願いします。あのISが一体何なのかを」
千冬が草薙に説明を求め、全員の注目が草薙に集まった。それを確認すると、草薙は遂に口を開く。
「あれは対根源的破滅招来体用ISアルギュロス"よ」
「対根源的破滅招来体用IS……?」
「アル……ギュロス……?」
草薙が答えるが、一夏達はピンと来ていなかった。
「草薙さん、対根源的破滅招来体用とは、どういう事ですか?」
千冬はさらに草薙に質問をする。
「そのままの意味です。対根源的破滅招来体に特化したISで、地球の怪獣も、破滅招来体が送り込んでくる怪獣も、このIS、アルギュロスなら倒す事が出来ます。現に、先ほどの戦いでは怪獣を倒す事が出来ました」
「凄え、そんなISがあるなんて!!」
一夏は草薙の話を聞いて素直に凄いと思った。
「草薙さん、怪獣を倒したあの攻撃、ウルトラマンの技と酷似していたのは一体?」
今度はラウラが草薙に質問をした。ゴメノスを倒した攻撃はフォトンクラッシャーと同じだったのが気になっているのだろう。
「それは、アルギュロスはウルトラマンを元にして作った物だからよ」
「ウルトラマンをですか?」
「ええ。破滅招来体を倒すにはウルトラマンの力が必要なのよ。現行のISでは怪獣を倒すのは困難なのは、みんながよく分かってるわよね?」
「……はい。確かに私達だけでは、未だに怪獣を倒すには至っていません」
代表してラウラが答える。だが少し、伐が悪そうだった。未だに自分達だけで怪獣を倒していない事に負目があるのだろう。
「そのためにアルギュロスを作ったのよ。ウルトラマンと同じ力を持ったISとして」
「ウルトラマンと同じ力を持ったIS……」
それを聞いたラウラは感心と同時に、少し複雑な気持ちになっていた。
「だからこれからは、私もみんなと一緒に戦いに行くわ」
「本当ですか!?」
「草薙さんと一緒なら、私達も心強いです」
それを聞いた鈴音と箒は、草薙と一緒に戦える事に喜んだ。
「あの……僕たち、足手まといには……?」
シャルロットが不安そうに聞いた。自分達は足手まといになってしまうのではないかとシャルロットは思っていた。
「それはないわ。いくらアルギュロスを使っているからと言っても、一人じゃ怪獣となんて戦えないわよ」
「……そうですね。変な事言ってすみません。僕も力になれるように頑張ります!」
「ありがとう、みんな」
「ウルトラマンと力を合わせたら怖いもの無しですよ!!」
一夏がそう言うと、千冬は草薙に苦言を呈する。
「ですが草薙さん、その様なISを使うのは些か危険ではないでしょうか?」
「確かに、今の私達がウルトラマンと同等の力を持つのはまだ早いかもしれません。しかし根源的破滅招来体の脅威がある今、力が必要なんです。もっと強い力を持たなければ私達だけでは到底根源的破滅招来体と戦う事はできません。それに、今日の様にウルトラマンが現れない時がこれからもあるかもしれません。その時に戦えるのは、私達だけです。」
「それはそうですが……」
「千冬姉、草薙さんを信じないでどうするんだよ」
「……そうだな。草薙さん、失礼な事を言ってすみません」
「大丈夫です。私も責任を持って使います」
「あの、セシリアには……?」
シャルロットがこの場にいないセシリアの事を聞いた。
「彼女にも後で伝えるわ。じゃあ、今日はゆっくり休んで」
そして、一週間が経った。あれから地球やワームホールから怪獣が出現し、草薙を含めた6人が出撃した。戦いでは一夏達が隙を作り草薙がアルギュロスのビームで倒すという至ってシンプルな戦い方だった。そのどれもが上手くいき、確実に怪獣を倒す事ができていた。そして、その全ての戦いに、ウルトラマンが現れる事は無かった。
「どう?私が作ったアルギュロスの凄さは?」
草薙は監禁している綾人に聞いて来た。草薙は毎回アルギュロスで怪獣を倒す所を綾人に見せつけていた。だが綾人には、それをまともに見られるほどの気力は無かった。捕まってからまともな食事もできずに、さらに拷問も受けていたため意識も無いに等しい。
「起きなさいよ」
「がっ……」
綾人は草薙に腹を殴られ目が覚めた。だがそれでも弱っているままだった。
「自分の力が平和のために有効に使われているのよ。光栄でしょ?」
「ふざ……けるな……」
「そんな口の聞き方していいのかしら?」
「ぐああっ!!」
草薙は再び綾人の腹を殴った。今度は強めに殴ったため、綾人の身体に激痛が走った。
「見ててわかったでしょ、アルギュロスの強さを。これでもう、ウルトラマンは必要ないわ。貴方はもう、御役御免ね」
「……貴……様……」
「もう貴方も保たないでしょう。ねえ、最後にセシリア・オルコットに会いたくない?」
「セシリア……だと……?」
草薙は綾人にセシリアに会いたくないかと提案した。綾人は草薙の意図が全くわかっていない
「そう、貴方のガールフレンドよ。会っておきたいでしょう?」
すると草薙は綾人を置いて部屋から出て行った。
「入るわよ」
草薙はドアをノックするとセシリアの部屋に入った。
「草薙さん!?わ、わたくしに何か……」
「話があるわ。着いてきて」
驚くセシリアを尻目に草薙は歩いて行った。セシリアは状況が飲み込めなかったが、草薙に着いて行くことにした。だが草薙の進んでいる方向はセシリアが知らない所だった。
「草薙さん、どちらへ……?」
セシリアの問い掛けに答えず草薙は進んで行く。セシリアは疑問に思いながらも大人しく着いて行った。そして目的地に着いた。
「あの、ここは……?」
「入りなさい」
言われた通りセシリアは部屋に入った。そして電気が付いた。するとそこには
「ッ綾人さん!?」
セシリアが目にしたのは、ボロボロになって倒れている綾人だった。それを見たセシリアはすぐに綾人の所に駆けつける。ここは何なのか?何故綾人がここにいるのか?今のセシリアにはそれを考える余裕は無かった。
「うっ……セシ……リア……?」
「綾人さん!!しっかりしてください!!草薙さん、これは一体どういう事ですか!?」
セシリアは草薙に問い詰めるが、草薙は聞く耳を持っていなかった。
「私は根源的破滅招来体と戦うために、ISを作ったわ。そのISの名はアルギュロス」
「草薙さん、何を……?」
「アルギュロスを作るためには、ある力が必要だったのよ。ウルトラマンの力が」
「ウルトラマンの力が?……まさか!?」
「彼の力、使わせてもらったわ」
草薙はアルギュロスの真実をセシリアに告げた。それを聞いたセシリアは衝撃を受けた。そして何、故草薙がウルトラマンの正体を知っているのか疑問に思った。
「何故、綾人さんの事を……?」
「見たのよ。ウルトラマンが彼のすがたになる所を。貴女も知ってるんでしょ、彼がウルトラマンだって」
「そ、それは……」
「やっぱりね。あの時の反応、どう見ても正体を知ってる風にしか見えなかったもの」
「では、あの時別働隊がウルトラマンを攻撃したのは……?」
「私の命令よ。その坊やを捕まえるためにね」
「どうして、どうしてこんな事を!?」
「どうして?必要だったのよ、湊綾人の持つウルトラマンの力が。根源的破滅招来体と戦うためにはウルトラマンの力がなければならない。だからウルトラマンと同じ力を持つISが必要なのよ」
「だからと言ってこんな……こんなの酷すぎます!!」
「酷い?何言ってるの?こういう事に犠牲は付き物でしょ。それに、貴女ももう用済みよ」
すると草薙はアルギュロスを部分展開し銃口をセシリアに向けた。
「貴女はここを見ちゃったもの。それに、貴女にはこれ以上余計な事をして欲しくないのよ。だからここで、その坊やと一緒に逝きなさい」
「草薙さん……貴女って人は!!」
セシリアは声を荒げて草薙を睨みつける。今まで信じてきた、自分を頼りにしてくれた。時には厳しく、時には優しく見守ってくれた。そして戦いを終えた後は笑顔で迎えてくれた。だが、それがたった今、この短時間ですべて裏切られ、打ち砕かれた。セシリアも今まで草薙に利用されていたにすぎなかった。
「じゃあね」
草薙がセシリアと綾人を始末しようとした……その時
『PーーーーPーーーーPーーーー』
怪獣出現の警報が鳴り響いた。草薙は部分展開を解除しモニターを映す。それにはワームホールから銀色の球体が無数に現れるのが映されていた。『宇宙球体 スフィア』が出現した。
はい、機体名はアルギュロスにさせていただきました。アルギュロスで構わないとの意見がありましたので採用しました。意見をしてくださった方々、ありがとうございました。
そして、ウルトラマンダイナよりスフィアを出させていただきました。何故スフィアなのかって?スフィアが破滅招来体でも違和感がないと思ったからです。というよりスフィアを出したかっただけです。スフィアが破滅招来体でもいいじゃない。