では、どうぞ。
大勢の人々の命を奪ったゼルガギュロスはアグルに倒された。それは同時に、スフィアに取り込まれた草薙麗美の死も意味していた。
『ウアアッ……』
アグルは体力を消耗している状態でアグルブレードとフォトンクラッシャーを続けて使用したため地に膝を付けていた。同時にライフゲージの点滅も早くなり、そのまま地面に倒れこんだ。だが、そんな状態のアグルに一夏は怒りを露わにしていた。
「何で……何でだよ!?あの中には草薙さんがいたんだぞ!!なのに、何で助けなかったんだよ!?」
一夏はアグルが草薙を助けなかった事に怒りを感じていた。一夏にとって草薙は自分達を見守ってくれていた恩人であるため、草薙を助けなかった事が許せないのだ。だが一夏は知らない。草薙がスフィアに取り込まれた時点で既に人間として死んでいるという事を。一夏のアグルに対する怒りは、今は一方的でしかなかった。それ故、一夏はアグルを攻撃しかねない状況だ。
「ちょっと何してんのよ!?」
「そうだぞ!落ち着け!!」
そこに鈴音とラウラが一夏を止めにはいった。
「リン、ラウラ放せよ!!俺はウルトラマンを許さない!!」
「落ち着いてよ一夏!!ウルトラマンだって必死だったんだよ!!」
「だから何なんだよ!?ウルトラマンは草薙さんを見捨てたんだ!!見殺しにしたんだ!!」
一夏はアグルに対する怒りで興奮状態になっている。今にも一夏はラウラ達を振り解き、アグルに攻撃しようとしていた。その時だった。
「いい加減にしてください!!」
「えっ……?」
一夏に浴びせられた声、それはブルーティアーズを纏ったセシリアだった。
「セシリア、どうしてここに……?それより、無事だったんだな!!」
一夏はセシリアが何故ここにいるのか疑問だったがそれよりも行方不明だったセシリアが無事だった事に安堵した。だがセシリアにとって、そんな事は今はどうでもよかった。
「一夏さん、どうしてそんな酷い事が言えるのですか!?」
「酷い事って、ウルトラマンは草薙さんを見捨てたんだぞ!!俺はあの中に草薙さんがいるって教えたんだ!!ウルトラマンはそれを無視したんだ!!だいたいウルトラマンがもっと早く来ていればこんな事にはならなかっただろ!!」
「一夏さん、それ本気で言ってるんですか……?」
「だってそうだろ!?ウルトラマンが来なかった所為で草薙さんやこの街の人たちが死んだんだ!!」
それを聞いたセシリアは一夏の自分勝手な発言に怒りを覚えた。
「一夏、それは言い過ぎだよ!!」
シャルロットが咎めるが一夏のアグルに対する怒りはヒートアップする一方だった。そして遂にセシリアの怒りは爆発した。
「ウルトラマンだって……ウルトラマンだって命を懸けて戦ってるんです!!今までも、そして今も、ウルトラマンは命を懸けて戦ってきたんです!!それに今日は身体が弱ってる状態で戦っていたのがわからなかったのですか!?」
「ウルトラマンが、弱ってた……?」
「お前、本当にわからなかったのか?」
「ウルトラマンの動き、明らかに何時もと違ってたでしょ……」
どうやら一夏は本気でわからなかったらしい。一夏はアグルが草薙を助ける事しか考えていなかったようだ。
「でも、でも!!」
「いい加減にしろ!!今は教官の所に戻るぞ」
「……」
ラウラ達は戻ろうとするがセシリアは動こうとしなかった
「セシリア、どうしたの?」
「私は、行けません」
「行けないってどういう事よ?」
「今は、行く事はできません」
「……わかった。お前が無事だという事は教官に伝えておく」
「すみません……」
ラウラ達は千冬の所へと向かった。そしてアグルは綾人の姿に戻った。
「綾人さん!!」
セシリアが綾人のもとに行くが綾人には意識がなかった。
「早く病院に!」
セシリアは綾人を抱え病院に向かった。
その後救援部隊が到着したが生存者は極僅かだった。
「千冬さん、戻ってきました」
箒が一夏達が戻って来たのに気付き、千冬を呼び出した。
「お前達、無事だったか……草薙さんはどうなった?」
「草薙さんは……いえ、草薙だった怪獣は、街を破壊、大勢の人々の命を奪い、そしてウルトラマンと戦い、倒されました……」
ラウラは千冬に説明をした。それを聞いた千冬は何とも言えない表情をしていた。
「……そうか、ウルトラマンが……」
「見捨てたんだ、ウルトラマンは」
一夏は未だにウルトラマンが見捨てたと言っている。草薙の死が余程ショックだったのだろう。
「あんたまだそんな事言ってんの!?」
「セシリアだって言ってたでしょ!!ウルトラマンだって命懸けだったって!!」
「セシリア?オルコットがいたのか?」
「はい。どういうわけかセシリアも現場にいました。でもセシリアは無事です。ここには戻って来れないと言っていましたが……」
「オルコットは無事なんだな。それがわかっただけでも良しとしよう。それと学園に救援を頼んでおいた。もうすぐ来るはずだ」
「教官、以前言っていたウルトラマンの力を持ったISを使うのが危険だと言うのはこう言うことだったのでしょうか?」
「いや、私もそこまで考えていたわけではない。ただ、強大な力は人類には早いのではないかと思っただけだ。だが、こんな事になるとはな……」
擬似的とは言え、草薙はウルトラマンと同等の力を手に入れた。その結果、敵に奪われ、利用され、大きな被害をもたらす事になったのだ。
「とにかく今は、迎えが来るのを待とう」
そしてしばらくして救援のヘリが来て、千冬達はヘリに乗り込みIS学園へと戻った。
何だか一夏アンチっぽくなってしまいました。そんなつもりなかったのに……。
最近オリ主を既存ウルトラマンにしていいのかと自問自答しています。
これからも不定期ではありますが頑張って更新してきたいです。今後もよろしくおねがいします。