インフィニット・ストラトス アグル   作:K.V

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第53話

食事を終え、片付けを済ませた綾人は再び砂浜に来ていた。綾人は砂の上で仰向けとなり、夜空を見上げる。こんな時でも、空は雲ひとつない夜空で、星がキラキラと輝いてる。こんな綺麗な空が歪んでいるなんて、思いもしない程に。すると

 

「綾人さん、またここにいらしてたのですか」

 

セシリアの声が聞こえ、綾人は振り返る。するとセシリアは綾人の隣に行きそのまましゃがみこんだ。

 

「今度はどうされたんですか?」

 

「実は、夢の事が気になってたんだ」

 

「夢、ですか?一体どのような?」

 

「かつてないほどの、巨大な怪獣が現れる夢だ」

 

綾人は自分が見た夢をセシリアに話した。ワームホールから超巨大な怪獣が現れ、全てを焼き尽くし、破壊する事を。そしてその怪獣に、ウルトラマンが敗北する事を。

 

「そ、それは、綾人さんが見たただの夢ですよ。綾人さんが気にする事ではありませんわ」

 

夢はただの夢。そう思うのが普通だ。だが綾人はそれはただの夢ではない思っている。いや、そう思わざるをえなかった。それはもう確信だった。

 

「ただの夢なんかじゃない。初めて怪獣が現れた時も、いや、その前から夢を見てたんだ」

 

コッヴが出現した際、綾人はそういう夢を見ていた。その夢が現実に起きた。だからこそ、あの夢は現実になる。そう確信していた。

 

「そんな……本当にその怪獣が現れたら、一体どうすればいいのですか……?」

 

「どうするも何も、戦うしかないだろう。俺が、アグルの力で」

 

心配するセシリアを余所に、綾人はそう平然と答える。怪獣が現れたら自分が戦えばいい、そう言った。

戦うしかない。それを聞いたセシリアは

 

「綾人さん、その時は私も一緒に戦います。綾人さんだけに戦わせるわけにはいきませんから」

 

「セシリア……ん?」

 

その時、空気が変わった。綾人は空を見上げてみると、空が歪んでいるのがわかった。歪みが視認できるようになっていたのだ。そしてそれが夢に出てきた怪獣を呼び寄せるものだと、直感でわかった。そして、ワームホールが出現した。

 

「綾人さん、まさかあれが!?」

 

「……来る!!」

 

 

 

 

「束、もう出てくるとはどういう事だ!?」

 

『ごめんちーちゃん。気付くのが遅かったみたい』

 

千冬は束にもう出てくると言われ焦り出した。流石の束自身もこうなるとは思っていなかった。

 

「織斑先生、ワームホールが出現しました!!」

 

「何っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

ワームホールが出現し、空の歪みも広がっていく。そして、遂に現れた。

 

『ギャアアアア!!』

 

咆哮が響き渡る。ワームホールから超巨大な頭が、それに続いて長い首が現れる。

 

『巨獣 ゾーリム』が出現した。

 

「綾人さん、ひょっとしてあれが……」

 

「ああ。だがあいつは頭しか出てきていないが」

 

綾人の言う通り、ゾーリムは頭しか出てきていない。ワームホールから出てきたはいいものの、身体が大きすぎるため全身が出てこれない状態だった。だが頭だけでも、その大きさは計り知れない。ウルトラマン以上の大きさである事は見ればわかる事だが。

 

「奴は俺が食い止める。セシリアは旅館の人と逃げるんだ」

 

「ダメです!!綾人さんも傷は完全に癒えていないんです!!だから一緒に!!」

 

「ここで奴を食い止めないと、辺り一面火の海になる。だから俺は行く」

 

「なら私が行きます!!綾人さんは皆さんと一緒に……!!」

 

「セシリア!!」

 

「ッ!?」

 

急に綾人は声を張り、その迫力でセシリアは孕む。綾人がこんな風になるなど、今までなかったからだ。

 

「見てわかるだろ。あれは人間がかなう相手じゃない。奴を止められるのはアグルだけだ。だからお前は逃げろ」

 

「ですが綾人さんの見た夢が本当なら、ウルトラマンは負けているのですよね!?もし今の状態の綾人さんが戦ったら、本当に……」

 

セシリアはアグルが負けるのではないかと不安になっている。話を聞いたからのもあるが、ゾーリムは顔だけでもかなりの大きさだ。ウルトラマン以上のサイズであることは間違いない。そして、綾人の体力。綾人は今までの戦いでの体力も回復していない。

 

「それでも、アグルの力を持っている以上、俺がやらなきゃいけないんだ。俺が戦わなければならないんだ!!」

 

「仮にあの怪獣に勝ったとしても、綾人さんが無事でいられる保証はないんです!!もし、万が一の事があったら、私は……」

 

「俺は絶対にあいつを倒す。万が一の事があったら、その時はその時だ。最悪、死んでしまうかもな」

 

「そんなの絶対にダメです!!綾人さんもちゃんと生きて帰ってくるんです!!死んでしまうかもなんて、簡単に言わないでください!!」

 

今度はセシリアの感情が大きくなる。セシリアは綾人の無茶を何度も見ている。今までが無事だったとはいえ、今回も無事であるとは限らない。

 

「セシリア……悪かった。お前は心配性だからな。わかった、絶対に戻ってくる。約束する」

 

「それだけでは足りませんわ。平和になったら、買い物に付き合っていただきますわ」

 

「どーせ荷物持ちだろ」

 

「ふふっ、当然です」

 

「しょうがないな、約束だ。あいつを倒して、絶対に戻って来てやる」

 

「はい、約束ですわ」

 

綾人とセシリアは約束を交わす。綾人が絶対に戻ってくるようにと。そして、荷物持ちをしてもらう事を。

 

「ああ、じゃあ行くぞ。アグルウウウウウウゥゥゥゥ!!」

 

綾人はアグルに変身し、ゾーリムに向けて飛び立った。アグルとゾーリムの戦いが、幕を開けた。




遂にゾーリムが登場しました。ここまで長かった。ゾーリムとの戦闘は次回からです。

次回もいつになるかわかりませんがお願いします。
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