インフィニット・ストラトス アグル   作:K.V

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また半年以上待たせてしまいました。一回投稿するとモチベーションが下がってしまい、結果こうなってしまいました。



第54話

 

 

巨獣ゾーリムが出現し、IS学園にいる千冬達もモニターでその姿を確認した。モニター越し、そして頭部だけでも、その大きさはかなり伝わってくる。

 

「な、なんて大きさだ……」

 

「あんなのと、どうやって戦えばいいのよ!?」

 

「束、これがお前の言っていた奴なのか……」

 

千冬はゾーリムの姿を見て、驚愕はしたが一周回って冷静になっていた。他の専用機持ち達と真耶が恐怖に駆られている中で、自分は冷静でいなければと思ったのだろう。

 

『まさか束さんでもこんなのが出てくるなんて思わなかったよ。でも大きすぎて頭しか出てないみたいだけど』

 

束でもあれほどの巨大なものが出現するとは思っていなかった。

 

「教官、出撃します!!全身が出る前に、奴を殲滅します!!」

 

ラウラはそう言った。全身が出る前に倒そうと千冬に提案した。だが……

 

「……ダメだ。出撃は許可できない」

 

「何故ですか教官!?このままでは街が!!」

 

「そうだぞ千冬姉!!俺たちが行かないでどうするんだよ!?」

 

千冬は出撃を許可しなかった。それに対してラウラと一夏が千冬に噛みつく。

 

『ここはちーちゃんの言う通り行かない方がいいと思うよ』

 

「姉さんまで……?」

 

『無謀だからだよね、ちーちゃん』

 

束が千冬の代わりに言った答え、それは無謀というものだった。

 

「束の言う通りだ。ISだけで奴と戦うのはあまりにも無謀すぎる。死にに行くようなものだ」

 

「では、どうすれば……」

 

「……ウルトラマンに、任せるしかないのかな」

 

シャルロットがそう言うと、千冬が俯きながら少し間を置き、「……あぁ」と答えた。

 

『癪だけどそうするしかないよねー。でも、ウルトラマンでも勝てるかなー、あいつに』

 

「俺たちは、何もできないのかよ……!!」

 

ISという力があるのに何もできない。その歯痒さが、一夏をはじめ、専用機持ち達にのしかかる。ISではあの巨大な怪獣に敵わない、戦うのは無謀である。そんな事はわかりきっていた。それでも戦えるならと思ったが、千冬ですら無謀と言わせる相手に、自分達だけでどうにかできるわけがない。それが現状なのだ。

 

だが、その時だった。

 

「織斑先生、ウルトラマンです!!ウルトラマンが現れました!!」

 

ウルトラマンが現れた。真耶のその言葉を聞いた千冬達がモニターに目を向けると、ゾーリムに立ち向かおうとするアグルの姿が映っていた。

 

「ウルトラマン……」

 

一夏はアグルを見るなり拳を握りしめる。それはアグルに対する憎しみか、それとも現状アグルに頼るしかないという不甲斐なさからなのか。

 

「一夏、気持ちはわかるが今はウルトラマンに任せるしかないんだ。それに、草薙さんのことだって、ウルトラマンでさえああするしかなかったんだ。ウルトラマンを恨んでもしょうがないだろう」

 

「箒、そんな事はわかってる。わかってるさ!!でも……」

 

一夏は箒の言うことを理解はしていた。あの時ウルトラマンは草薙を倒すしかなかった。頭では理解しているが感情が追いついていなかった。ウルトラマンならもしかしたらと、勝手に期待し、勝手に裏切られた。それは一夏本人も百も承知なのだが、やはり精神面がまだ未熟であるがゆえなのか。

 

(ウルトラマン……)

 

千冬もまた、ウルトラマンに思うところがあるようだった。

 

「今はもう、ウルトラマンに任せるしかないのよね……」

 

「頼んだぞ、ウルトラマン」

 

 

 

 

 

 

綾人がアグルに変身し、ゾーリムに向かっていく。ゾーリムは地上からかなり離れたところにいるが、その巨体ゆえに近くに感じる。

 

アグルはある程度飛び立つと、ゾーリムに対しリキデイターを発射した。だが当たったには当たったがダメージは無いに等しかった。

 

すると今度はゾーリムが反撃に出た。ゾーリムは口から火球を一発アグルに放った。アグルはバリアを展開し、攻撃を防いだ。だが……

 

『ウアアッ!?』

 

火球の力が強かったのか、その衝撃でアグルは大きく仰け反り、バランスを崩した。だが途中でどうにか体勢を立て直すことに成功した。

 

「綾人さん……」

 

旅館の人たちを避難させたセシリアは綾人の身を案じていた。アグルとゾーリムの戦いは、当然離れた場所からでも見えている。そして戦いの激しさも、その身に伝わっていた。

 

ゾーリムは再び火球を放った。アグルはアグルブレードを装備し、火球を斬りつけることで、相殺させた。だがゾーリムはこれでもかと火球を連射させてくる。アグルは火球をなんとか避けたり、斬りつけたりしているが、だんだんと体力が消耗していた。それもそのはず、アグルブレードはエネルギーが消費しやすいため、長時間使用すると体力も消耗してしまう。そのため、アグルのスピードも落ち始め、アグルブレードも消えてしまった。それと同時にライフゲージも点滅を始めた。だが、ゾーリムは攻撃の手を止めない。

 

『ッ!!』

 

ゾーリムの放った火球がアグルの目の前に来た。アグルは反応に遅れてしまい、避ける事ができず、直撃してしまった。声を上げる間も無く、アグルは火球の勢いに押され海へと落下し、そのまま沈んでしまった。

 

 

 




ゾーリム相手に出撃させないのは妥当だと思います。ISといえどまだ学生ですから戦いで死なせるわけにはいきませんから。だったら最初から怪獣と戦わせるなって話になりますがそれは言わないでください。

アグルがゾーリムの攻撃で海に沈んでしまいました。さて、どうなることやら。

次回で決着つけたいなぁ……。次回もいつになるかわかりませんがお願いします。


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