インフィニット・ストラトス アグル   作:K.V

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皆様、お久しぶりです。覚えていますでしょうか。最後の投稿から1年以上経ってしまいました。


第55話

 

 

「ウルトラマンが……」

 

「負けた……」

 

アグルがゾーリムの攻撃を受け、海へと落下してから今だに出てこない。モニターで戦いを見ていた一夏たちはウルトラマンはゾーリムに負けてしまったと思い始めた。その所為もあり、その場の空気は完全に沈んでいた。

 

「そんな……」

 

「ウルトラマンが負けるなんて……」

 

今までどんな相手でも最後は必ず勝っていたウルトラマンが負けてしまった。それはかつて無い程の絶望感だった。

 

「教官、我々の出撃を‼︎」

 

それでもラウラは出撃要請をするが……

 

「ダメだ‼︎」

 

だがすぐに千冬はラウラの申し入れを却下する。

 

「教官‼︎」

 

「ウルトラマンでさえ勝てなかった相手だ。今のお前たちがどうにかできるレベルじゃない……」

 

「もう、何もできないのですか……」

 

出撃許可が下りず、何もできないことにラウラ達は悔しがる。だが実際問題、千冬の言う通り今の自分達では死にに行くようなものだった。

 

「織斑先生、私たちはどうなってしまうんでしょうか……」

 

その言葉、千冬は答えることができなかった。

 

 

 

 

 

「綾人さん‼︎」

 

その場で戦いを見ていたセシリアも、アグルが海の中に落ちてから戻って来ない事で綾人の身を案じていた。まだ身体が万全じゃない状態で戦っていたため、尚更だった。

 

『ギャアアアアア』

 

そこはゾーリムの雄叫びのみが鳴り響き、正しく破滅が訪れようとしていた。

 

「綾人さん‼︎絶対に戻るって約束したじゃないですか‼︎なのにいつまでその中にいるつもりなんですか‼︎あの怪獣を倒して、またわたくしの荷物を持ってもらうんですからね‼︎だから……だから早く戻ってきてください‼︎綾人さん‼︎」

 

目に涙を浮かべながら綾人に向けて叫び続ける。海の中にいる綾人に届いているのか、ゾーリムに掻き消されてないか、それでもセシリアは綾人に向けて叫んだ。

 

 

 

 

 

(……どうなったんだ、俺……)

 

アグルは綾人の姿に戻っており、そのまま海の中を漂っていた。僅かに意識は残っているようだが目は開いていない。

 

(海の中なのか……このまま俺は死ぬのか……まあ、海の中で死ねるなら本望だな……)

 

元々海が好きな綾人にとって、海の中で死ぬのは確かに本望だろう。だが……

 

(父さん、母さん、今から会いに行くよ。……母さん……?)

 

綾人の母は一人ではない。亡くなった実母の他にここまで育ててくれた母親がいる。亡くなった母を想ったと同時に今の母を想っていた。

 

(俺が死んだら母さんはどうなる?今度は俺の所為でまた母さんを悲しませるのか?それだけは絶対にダメだ‼︎それに……)

 

今度はセシリアの事を想った。自分を待っているのは母親だけじゃない。セシリアもまた、綾人が戻ってくるのを待っているのだ。

 

(セシリア、約束破ったらまた面倒なことさせるんだろ)

 

そんな事を思っていると、綾人はセシリアが自分の事を叫んでいるように聞こえた。だが、実際にセシリアは叫んでいる。綾人の無事を祈って。

 

(そうだ、俺はまだ死ねない……。こんなところで、終わるわけにはいかない‼︎)

 

そして綾人は目を開けた。すると、目の前に青白い光が出現した。綾人は直感的に、それがアグルの光だとわかった。

 

(アグル、俺はまだ戦える。だから俺に力を貸してくれ‼︎)

 

綾人は光に向かって両腕を伸ばした。そして

 

「アグルウウウウウウッ‼︎」

 

 

 

 

「あの光は……」

 

海から光が溢れているのがセシリアには見えていた。すると海の中から大きく水飛沫をあげながら光が出現した。そしてその光から、光の巨人、ウルトラマンアグルが再び降り立った。

 

「綾人さん……!」

 

セシリアはアグルが戻ってきた喜びと同時に綾人が無事だということに安堵した。するとアグルはセシリアの方に振り向き、無言で頷いた。それを見たセシリアも、アグルに向かって頷いた。そしてアグルはゾーリムの方へ向き直った。

 

『ダアッ‼︎』

 

アグルはゾーリムへ向かい飛び出した。ゾーリムはそんなアグルに向けて火球を放つ。だがアグルはバリアを貼り、そのまま向かっていく。ゾーリムが攻撃を止めると同時にアグルもバリアを解く。そしてそのままゾーリムへ向かって行った。

 

「綾人さん、まさか!?」

 

セシリアの予感は的中した。アグルはゾーリムの口の中へと飛び込んでいったのだ。そしてアグルはゾーリムの体内へと入った。ゾーリムの体内に入ったアグルは一度周囲を見渡した。そして……

 

『ハアアア……デヤアアアアッ!!』

 

アグルはゾーリムの体内でフォトンクラッシャーを放った。ただ一方にではない、全方向に向けてフォトンクラッシャーを放っていた。

 

「綾人さん……」

 

地上からでもわかるくらい、ゾーリムが苦しんでいるのがわかる。中で何かしているのが容易に想像できるくらいに。

 

『ハアアア!!』

 

これでもかと放ち続ける。ライフゲージが点滅していても尚放ち続ける。

 

『ダアアアアアア!!』

 

アグルはフルパワーでフォトンクラッシャーを全方位へと放つ。ライフゲージの点滅も早くなり始めた。そして遂に……

 

『ギャアアアアアアアア!!』

 

体内からの攻撃に耐えきれず、遂にゾーリムは爆発してしまった。地上にいるセシリアは思わず顔を伏せてしまう。それと同時に、ゾーリムがいたワームホールも消滅した。

 

「綾人さん、やったのですね……」

 

ゾーリムが倒されたことに喜ぶセシリアだったが、あることに気づく。

 

「綾人さん……?」

 

ゾーリムの体内にいたアグルがいないのだ。それに気づいたセシリアは周囲を見渡す。

 

「綾人さん!?」

 

どこを見渡しても綾人がいない。そこにアグルがいないなら綾人の姿に戻っていると思ったからだ。だがまだ見つからない。

 

「綾人さん‼︎」

 

セシリアは綾人を呼び続ける。が、返事はない。するとその時……

 

「あれは!?」

 

セシリアは一瞬光が見えた。もしかしたあそこに綾人がいるのではないかと一筋の希望に賭け、そこへ向かった。

 

「これは……」

 

そこには綾人の姿はなく、あったのはアグレイターのみだった。アグレイターを手に取ったセシリアは周囲を見渡す。だが、綾人の姿はなかった。同時にセシリアには最悪の可能性を思ってしまった。そして、アグレイターに一粒の雫が落ちた。それはセシリアの涙だ。セシリアの目には大粒の涙が浮かんでいた。

 

「綾人さん……いや……イヤアアァァーー!!」

 

 

 




ゾーリムとの決着が着きました。着いたはものの……という感じです。一応ゾーリム戦は最初からこうする予定でした。こんな終わり方にして次はいつになるのやら。投稿したらそれで満足してしまうようになってしまいまして。それでも待っていただけたら幸いです。

補足としてこのアグルはV2ではありません。あくまで原作のアグル誕生のアルギュロス2戦目の時以上のパワーアップの状態です。

次もいつになるかわかりませんがよろしくお願いします。
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