インフィニット・ストラトス アグル   作:K.V

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第4話

 

 

 

「それではこの時間は実践で使用する各種装備の特性について説明する」

 

この授業は、織斑千冬が担当する授業になっているため、織斑千冬が教壇に立っている。

 

(ISの装備と特性か。父さんと母さんの死をもみ消してまで世界に広めたISの性能、どれほどのものなのか、これでわかる)

 

綾人は自分の両親の死の真相を変えたISの性能の授業ということで何処か心が踊っていた。政府がそこまでして欲しがったISだ。憎い反面、気になるところもあるということだろう。だがしかし

 

「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな」

 

(クラス対抗戦の代表?ISの勝負か)

 

「クラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけではなく、生徒会の開く会議や委員会への出席……まあ、クラス長だな。ちなみにクラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点で大した差は無いが、競争は向上心を生む。一度決まると一年間変更は無いからそのつもりで」

 

(要は代表と言う名の雑用、ということか)

 

綾人は内心面倒だと思っていた。それと同時に、自分にはどうでもいいとも思った。

 

「自薦、他薦は問わない。誰かいないか?」

 

織斑千冬がそう言うと、一斉に推薦が始まった。

 

「はい、織斑君を推薦します!!?」

 

「私も織斑君を!!?」

 

(織斑が推薦か。この流れだと、このままあいつに決まりそうだな。まあ、誰がなっても一緒だと思うけどね)

 

綾人は何故か一夏が代表になることを確信していた。それに、さっきまでの織斑千冬の言動を見て考えた結果だった。

 

「おっ、俺!??」

 

「他にいないか?いなかったら無投票当選だぞ」

 

「ちょっと待ってくれ千冬姉、俺はそんなのやら……」

 

「織斑先生だ、それに、他薦された者に拒否権はない。男なら覚悟しろ」

 

綾人の仮説がたった今確信に変わった。それと同時に綾人は織斑千冬にあるイメージが定着した。

 

『横暴』

 

『独裁』

 

この二つが、綾人の織斑千冬に対するイメージになった。

 

「で、どうだ?」

 

(誰でもいいから決めるんだったら早く決めろって)

 

「だったら俺は綾人を推薦する!」

 

(……はい?)

 

あろうことか一夏は綾人を推薦してきた。当然綾人にとっては予想外の事であるため、一瞬だけ思考が停止した。それでもどうにかすぐに我に返った。

 

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ織斑君!どうして僕を推薦するんですか!?」

 

「いいじゃないか別に」

 

(良くねーよ)

 

「他にいないならこの二人で投票だが」

 

織斑千冬は綾人と一夏をクラス代表の候補にした。

 

バンッ!!?

 

(なんだ?)

 

いきなり誰かが机を叩いた。誰が叩いたのかはすぐにわかるが

 

「納得がいきませんわ!!?」

 

机を叩いたのはセシリア・オルコットだった。それと同時に声を挙げた。

 

(なんだあいつ?いきなり声をあげて?)

 

綾人の疑問はすぐにわかる。

 

「そのような選出は認められませんわ!!?大体、男がクラス代表だなんていい恥晒しですわ!!?私に、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!??」

 

(なんだ、そんなことか。全く、女尊男卑の人間いちいち面倒だな。こんなくだらない事でプライドを傷つけられた気になるなんて、気が小さいよ)

 

「実力から行けば私がクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!!?私はこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!!?」

 

(だったら自分から推薦すれば良かったんじゃないのか?)

 

「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で」

 

「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」

 

(イギリスって料理不味いんだ。初めて聞いた)

 

綾人はどうでもいい事に関心が向いていた。

 

「あっ、ああなたは! 私の祖国を侮辱しますの!??」

 

「先に日本を侮辱したのはそっちだろう」

 

(自分の国を侮辱されたくらいでいちいち怒るなって)

 

「決闘ですわ!!?」

 

(この流れでどうしてそうなるの?)

 

「いいぜ、四の五の言うよりわかりやすい」

 

(あっ、受けるんだ)

 

「言っておきますけど、わざと負けたりしたらわたくしの小間使い――いえ、奴隷にしますわよ」

 

「侮るなよ。真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいない」

 

(織斑、本気だな。何でそこまで……)

 

「そう? 何にせよちょうどいいですわ。イギリス代表候補生のこの私、セシリア・オルコットの実力を示すまたとない機会ですわね!!?」

 

(そう言えば、オルコットはイギリスの代表候補生だったな。これって、織斑にとっては無謀な勝負になりかねないだろ)

 

「ハンデはどのくらいつける?」

 

「あら、早速お願いかしら?」

 

「いや、俺がどのくらいハンデつけたらいいのかなーと」

 

(……は?いやいやいや、織斑君よ。話を聞いていたか?オルコットは代表候補生なんだぞ。それを素人の自分がハンデをつけるって、何を考えてんだ?)

 

「「アハハハ!!?」」

 

(そりゃあ笑われるって)

 

「お、織斑君、それ本気で言ってるの?」

 

「男が女より強かったのって、大昔の話だよ?」

 

「織斑君は確かにISを使えるかもしれないけど、それは言い過ぎよ」

 

(……ISがあれば女は強い。そう思っている連中しかいないのか)

 

「……じゃあ、ハンデはいい」

 

「ええ、そうでしょうそうでしょう。むしろ、私がハンデを付けなくていいのか迷うくらいですわ。ふふっ、男が女より強いだなんて、日本の男子はジョークセンスがあるのね」

 

(女が男より強いなんて、ISに乗っている時だけだろ。何を勘違いしているんだ?いつも強いわけじゃない。本来、男と女の強さなんて大差ない気がするけど。女が男より強いと思っているやつをIS病患者とでも呼ぼうか)

 

「ねー、織斑君。今からでも遅くないよ? セシリアに言って、ハンデ付けてもらったら?」

 

「男が一度言い出したことを覆せるか。ハンデは無くていい」

 

「えー? それは代表候補生を舐めすぎだよ」

 

(舐めてる舐めてないの問題じゃない。ベテランと素人だ。普通はハンデを付けてもらうべきだと思うけどね)

 

「それで、そこの臆病者の貴方はハンデは要りますか?」

 

(臆病者の貴方?俺のことか)

 

綾人はセシリアに指名された。

 

(こいつと話も勝負もしたくないな。ここは無駄だと思うけど掛け合ってみるか)

 

「あ、あの、織斑先生」

 

「なんだ湊」

 

「ぼ、僕はオルコットさんが代表でもいいと思います」

 

綾人はセシリア・オルコットがクラス代表でもいいと言い出した。

 

「ほう、何故だ?」

 

「オ、オルコットさんはイギリスの代表候補生ですし、そ、それに、僕と織斑君は素人です。僕達とオルコットさんとでは、明らかな実力差があると思います。だ、だからここは、オルコットさんがクラス代表をするべきだと……」

 

「あら、逃げるんですの?」

 

(お前が反応するのかよ)

 

「確かに私が実力があるのは認めますわ。だからと言って勝負をせずに逃げ出すなんて。やっぱり貴方はどうしようもない臆病者ですわね」

 

(お前の意見は聞いてないんだが)

 

「……お、織斑先生、どうなんですか?」

 

「綾人、お前ここまで言われて悔しくないのかよ!?」

 

(いや、今そういうの関係ないから)

 

「織斑君、そういう問題じゃないんですよ。これはクラス代表を決める話し合いです。それが話が脱線してそんな話になっただけです。冷静に考えれば、実力があるオルコットさんが適任です。それに、オルコットさん自身が立候補してるんですから」

 

「で、でもよ……」

 

「お、織斑先生、結果は……?」

 

(無駄だと思うけど)

 

「湊、お前の言っていることはごもっともだが、それは認めん」

 

(ああ、やっぱり)

 

「来週の月曜の放課後に第3アリーナで試合を行う。それでいいな?」

 

結局、綾人も勝負をすることになった。

 




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