試合当日になった。綾人はこの一週間、セシリアに勝つための特訓を、一切してこなかった。クラス代表になる気のない綾人は勝つこと自体が問題であるからだ。
(さて、今日はさっさと負けるか)
この時点で綾人がやる気のない事が良くわかる。負けてなに言われようが聞き流すつもりだろう。
(確か試合の順番は織斑からだったが、まだ肝心のISが来てないみたいだが……)
一夏の専用機がまだ来ていない。それ故に今だに試合ができない状況だった。
「来なければ仕方が無い。湊、お前からだ」
「ぼっ、僕からですか!?わ、わかりました!」
(やはり俺からか。まあ、こうなるだろうな)
千冬の指示により綾人から試合をすることになった。
「綾人、頑張れよ!」
「は、はい!頑張ります!」
(お前が巻き込んだくせに良く頑張れなんて言えるもんだな。他人事だと思って。まあ、俺は端っからこの試合はやる気ないけどな)
綾人は量産型のIS『打鉄』を纏い、アリーナに出撃した。アリーナではすでにセシリアが空中で待機していた。
(流石は代表候補生か。なかなかの姿勢だな)
「あら、逃げずに来ましたのね」
「だ、だって逃げられないじゃないですか」
「最後のチャンスをあげますわ」
(チャンス?)
「チャ、チャンスですか?」
「私が一方的な勝利を得るのは自明の理。ですから、ボロボロの惨めな姿を晒したくなければ、今ここで謝るというのなら、許してあげないこともなくってよ」
「そんなことはできませんよ。ちゃんと勝負しないといけませんから」
「そうですか、では行きますわ!」
結果は、セシリアの勝ちとなった。圧勝と言っていいだろう。綾人はセシリアが先制攻撃をして来た時に、明らかに避けられるはずだったが素人丸出しを見せるためにわざと当たった。その後綾人はブレード一本だけを持ちセシリアに突撃するも、簡単に迎撃されてしまった。これもわざとだ。そしてセシリアは自身の専用機の『ブルーティアーズ』に装備されているビット兵器で綾人に攻撃した。それを綾人は普通に食らった。だがこの時綾人はセシリアのビット兵器の弱点を見抜いていた。それはビットを制御している間は自分は動けないということだ。綾人はそのことに気づいていたがあえて気づかない振りをした。そして綾人はそのままセシリアの猛攻を受け、反撃ができずに、否、反撃をせずに、シールドエネルギーが尽き、綾人の敗北となった。綾人はそこで計算通りと思ったことだろう。
綾人は管制室に戻った。そこには、一夏、千冬、麻耶、そして何故か箒もいる。その時綾人は、何食わぬ顔で管制室に入った。
「す、すいません。負けてしまいました」
(予定通りだけど)
「ふん、男のくせに軟弱だな」
(何で篠ノ之がいるんだよ。それにお前に言われる筋合いは無い)
「なんだあの動きは?全然なっていなかったぞ」
(そりゃあ全くISの特訓をしなかったからな)
「はい……すいません……」
「で、でも湊君は良く頑張りましたよ!」
(山田先生、大丈夫です。わざとですから)
「じゃあ次は俺だな。行ってくるぜ、綾人!」
「頑張ってください!織斑君!」
(まあ、お前の専用機の力を見せて貰うよ)
一夏VSセシリアの結果は、セシリアが勝った。一夏はいいところまで行ったが、最後に一夏の専用機の『白式』の装備である『雪片弐型』で単一仕様能力の『零落白夜』を発動した時に、シールドエネルギーが尽きてしまい一夏の負けとなった。いわば自滅である。そしてこの瞬間にセシリアの勝利が決定したが、消化試合ということで綾人VS一夏の試合をする事になった。
「綾人!負けないからな!」
「僕だって負けません!」
(負けるけどね)
試合結果は一夏の勝利となった。言わずもがな性能差で綾人が負けた。これで、クラス代表決定戦が終了した。
そして翌日。
「では、一年一組代表は織斑一夏くんに決定です。あ、一繋がりでいい感じですね!」
(いや何で?)
クラス代表は何故か一夏に決定した。セシリアが2勝して本来ならセシリアが代表をするはずだ。それが何故か一夏に決定していた。
「先生、質問です」
「はい、織斑くん」
「どうして俺はいつの間にかクラス代表になっているんでしょうか?」
「それは――」
「それは私が辞退したからですわ」
(何で辞退を?あんなにやりたがっていたのに)
そう思っているうちに満場一致で一夏がクラス代表に決定した。
手抜きみたいになってすいません。どうせ負けるならという事でこうなってしまいました。
アグルはしばしお待ちを