最初は章でしたが気分で変えました。どうでも良すぎ。とりあえず結構長いです。飽きずに読んでくれたら、もれなく私がニヤけます。
「やったぁー!!これで、私もG級ハンターにっ!」
ポッケ村集会所のギルド受付嬢から新たにギルドカードを受け取った少女、シルヴァは目を輝かせながら叫んだ。周りのハンター達がこちらを見て見ぬフリをする視線は、痛いくらい感じる。
「おめでとう、シルヴァ。これからはG級ハンターとして、立派に生き抜きなさい?」
「ありがと、マスター!」
あはは、と自然に笑みが溢れ、なんともいえない感動が身体を包んだ。笑顔の似合う、だがなんともいえない凛としたクールな顔立ちは、その笑顔にギャップを抱かせる。
シルヴァはギルドカードを右手に握り、ギルドマスターと呼ばれる竜人族の女性に一礼し、足早に後を去ろうとした。
「おっ、シルヴァの姉ちゃん、とうとうG級にまで登りつめたか!」
「いいなー!私も早くG級になりたーい!」
しかし、集会所の酒場に集まっていた他のハンターがぞろぞろとシルヴァの周りに集まってきた。皆が注目していたのはその鈍く光り輝く『ナルガクルガ』の鱗で作られた豪盛なギルドカードだった。シルヴァは突然目の前に現れた大勢のハンターに少し戸惑いを見せた。
「あぁ、ありがと!それじゃっ!」
が、シルヴァはこんなことしてる場合じゃないと言わんばかりに人混みを急いで掻き分け進んだ。他のハンター達の鎧が擦れあう音が集会所に響いたが、シルヴァは気にせず集会所を凄い速さで飛び出した。
「なんだなんだ、シルヴァの姉ちゃん、随分と急いでるようだが…」
「きっと、お兄さんにいち早く伝えたいんですよ。シルヴァさんはこの日をずっと楽しみにしてたんですから」
人混みから聞こえる声は、今のシルヴァには当たり前のように届かなかった。
晴れたポッケ村の雪解け道は、太陽の光とともにより一層輝いて見えた。まるでそれがG級への仲間入りを賞賛してくれるかのように。道具屋、鍛冶屋を横目に通り過ぎ、少し山なりの道を駆け抜ける。
背中に背負った矢筒と『プロミネンスボウⅢ』が『レウスSシリーズ』の防具の背中の金属とぶつかり合い、足を踏み出す事にガチャガチャと耳障りな音をたてる。
急斜面に訪れたところでシルヴァは息を切らした。10秒ほど膝に手を付き、汗を流した。それでも足早に坂を歩き登る。
2分ほど歩いたさきに見える白い煙突の煙。
黒い木の屋根。
もうすぐだ!とシルヴァはクエスト終わりの身体に鞭打ち、再び走り出した。
膝を両手で押しながら階段を上り、目の前に現れた大きめの家。
はぁはぁと息を絶え絶えにしながら、シルヴァは息も整えずに勢い良く扉を開けた。
「ただいま!」
ギシィと軋む音が部屋中に響く。
自然と閉まる扉の音はひらいたときよりも長く続き、がちゃんと閉じた。
「フェリクスー!どこだー?」
ギルドカードを腰のポーチにしまい、キョロキョロとあたりを見回しながら頭用装備の『レウスSキャップ』を脱いだ。ところどころに跳ね癖のついた銀色の髪は、防具を脱ぐと共に流れるように舞った。レウスSキャップを装備品BOXにしまおうとしたら、BOXの蓋が開けたままだ。本も出しっぱなし。雑誌やらモンスターの資料やらでベッドが散らかっていることには、あまり気にならなかった。
キッチンに入るのれんをくぐり、のそりと辺りを見回すが、フェリクスは見当たらず気配もない。
「留守か…?」
この家にはリビングとキッチンしかない狭い家なので、そこまで探すのには苦労しない。後は床下のちょうつがいのついた小窓をあけると倉庫があるくらい。フェリクスは食材を保存しに行く他に倉庫にはいかない。食料は十分に確保されてるし、倉庫にいくことはないと思う。
シルヴァはなんだ…と溜息をついてうなだれた。
腰についた小さなポーチに入れたギルドカードを取り出し、見つめる。
ハンターランク7。
シルヴァ・アイルーン。
黒い宝石のような輝きをもつそれは、昔からの憧れのギルドカード。
憧れのギルドカードを、自分は手にしたと思うと、ふふっと嬉笑いが自然と零れた。
(フェリクスに早く教えたいな…)
キッチンテーブルの椅子に腰掛け、ギルドカードを意味もなくパラパラめくる。
クエスト履歴には一番最近クリアしたクエスト、『ヒプノック二連撃!』の下にハンターランク7に上昇!とオレンジ色で記されており、見るだけで気分がよかった。
武器の使用は弓がダントツで多い。
2番目に双剣、3番目に太刀。
フェリクスに憧れて使ってみたが、扱いが難しくすぐに断念した記憶がある。
勲章はそれなりに埋まっていた。
村クエスト、集会所クエストは現段階全てクリアしている。
トレジャーはやったことがない。
一番多く狩ったのはやっぱり『リオレウス』か…
と上位ハンターだった自分を思い出す。
自分は今やG級…G級なんだと思うとやはり嬉笑いがでてくる。
「なに笑ってんだお前…」
「っ!?」
突然背後から声がして、がたたっと椅子と身体を跳ね上がらせる。
「ふぇ、フェリクス!?いつのまに!?」
気配もなく突然背後から話しかけられたので、動揺したのか無意識に声が震えた。
「食材調達に行ってたんだよ…それより運ぶの手伝ってくれ…」
よく見ると皮袋にパンパンに入った食材を2つ、細い体に不釣り合いな荷物を肩に下げていた。…わかったよ、とシルヴァは背中に背負っている弓矢を外し、椅子から立ち上がって彼の肩の荷をずるりと下ろすと、キッチンの倉庫まで両手で持ち上げ運んだ。
シルヴァとは対照的な黒い髪。だが、跳ね癖のついた髪はどことなく似ている。
海のように青い目は、吸い込まれてしまいそうに深い。
フェリクス・アイルーン。
シルヴァの義理の兄でハンターランクは最高の9。今は長袖シャツにジーンズと私服だが、装備は『フルフルZヘルム』と『ナルガXメイル、フォールド、グリーヴ』、『リオソウルZアーム』とバラバラの装備を愛用している双剣使いだ。
「重いか?」
「重くねぇよっ…!」
シルヴァが両手でかろうじて持ち上げている皮袋をフェリクスは細い腕で軽々と持ち上げていた。どこからそんな力がでてくるんだ…といつもシルヴァは疑問に思っているが、別に聞くほどのことでもなく、心の中にしまっている。
倉庫の置き場にどさり、と皮袋を置くとシルヴァは皮袋を掴んだままうぁぁ…と変な息をついた。
そのとなりでフェリクスはのんきに大きな欠伸をかいていた。欠伸を残らず吐き出したあとに、ねむ…と低い声で呟き、Uターンして倉庫の階段を上っていった。
「ちょ、待ってくれよ…!」
シルヴァが慌ててフェリクスの後をつく。
ポケットに手を突っ込みながら眠そうに階段を上るフェリクスは右ポケットからあるものを取り出し、それを見つめた。
シルヴァのギルドカード。
「あっ!?いつの間に!?」
そういえば、食材を運ぶためにキッチンテーブルにギルドカードを一旦置いていた。それをフェリクスは手にしていた。
返せっ!と必死にシルヴァは手を伸ばすが、生憎フェリクスの方が身長は高く、到底届きそうもない。
フェリクスは真横で手を必死に上に伸ばすシルヴァを気にせず、ギルドカードを天にかざし、倉庫の薄暗い電気が逆光となる中それを遠目で見ていた。
「返せったら…!」
「お前、G級に上がったんだな…」
「そ、そうだよ…!だから返せって…!」
「よくやったじゃん…」
「へ…?」
癖のある長い前髪から除く鷹のような鋭い目は
、いつになく穏やかだ。
小さく鼻で息をつくその笑みまじりの表情は、どこか安心したかのようだった。
「ほら」
上に掲げながら見ていたギルドカードで、シルヴァのおでこにぺちん、と軽く叩く。
いてっ、と小さな悲鳴をあげ、叩かれた瞬間に閉じた目をゆっくりと開くと頭の上にギルドカードが乗っかっていることがわかった。
フェリクスはいつの間にか階段を上りきっていて、扉を開き待っていた。
シルヴァは頭に乗ったギルドカードを右手で拾い、しっかりと握り締めながら階段を駆け上った。
上り終えたシルヴァはフェリクスの顔を見ると、嬉しい気持ちで一杯になり、微笑んだ。
扉の先は倉庫よりも眩しく暖かい。
当たり前のことだが、こんな感覚は初めてで、これは昇格して調子に乗っているからだろうか。
と、シルヴァは少し戸惑ったが、そんなものはすぐに忘れた。
シルヴァはキッチンに進むフェリクスの後をまるで『アプトノス』の子供のように寄り添い、少し遅れて
「ありがと」
と感謝の言葉を述べた。
キッチンに戻ったフェリクスとシルヴァ。
フェリクスはいつもより大きな皮袋を台所の床に置き、調理器具の準備をしている。
シルヴァはキッチンテーブルの椅子に座り、相変わらずギルドカードをにやにやしながら眺めている。
「いつまでにやけてんだ…キモイぞ…」
はっ、と我に帰ったように目を見開くシルヴァの顔は、一気に赤くなっていく。
「う、うるさいな…嬉しいんだからいいだろう…」
ニヤケ顔を見られるのはさすがに恥ずかしく、シルヴァは赤い顔を俯き隠した。
ま、いいけど。とフェリクスは皮袋の中をあさりながら言った。
がさがさと音をたてる皮袋の音を聞き、シルヴァはそういえば…と思い出したかのように
キッチンにいるフェリクスに駆け寄った。
「てかさ、なんで食料調達なんか…まだ貯蓄は残ってるだろ?」
土色の皮袋をあさるフェリクスの横で、ちょっとした興味本位で中身を覗こうと背伸びをする。すると、フェリクスは皮袋の中から一匹の大きなたてがみをもつ魚を引きずり出した。
「ええっ!?これって…まさか…!?」
「…『たてがみマグロ』」
「嘘だろっ!?」
なんでなんで!?と戸惑いと興奮を抑えきれないシルヴァは、台所にどかんと置かれたそれをせわしなく見回した。
背中に伸びるヒレがたてがみのように大きいことから『たてがみマグロ』と名の付いたこの魚は、そのたてがみの大きさゆえ希少価値が非常に高い。
たてがみの大きさにもよるが、今回のそれは本体と同じ大きさかと思うくらい大きい。
全長はおよそ50cmほどだろうか…
「でかい…」
思わず息を飲んだ。
次にフェリクスは皮袋を持ちそれをキッチンテーブルにひっくり返す。すると三種類の食材がぼとぼとと出された。
それを見たシルヴァは両手で口を押さえた。
「『黄金米』に『幻獣チーズ』に『炎熟マンゴー』!?どどどどうしたんだよこれぇ!?」
シルヴァの声がキッチンに響き渡る。
フェリクスは両耳の穴を指で塞いでいた。
「…うるさい」
「…ごめん」
静かに突っ込むフェリクスの言葉に、シルヴァは顔を赤くして謝った。
フェリクスは金色に光る『黄金米』の袋を持ってから、
「…貰いもんだ」
と言った。
「貰い物!?誰からだよ?!」
「…ギルドから」
「ギルド!?」
そうだよ、とフェリクスは『黄金米』と小さな袋に入った目に見えない『幻獣チーズ』を手に持ち、キッチンに戻った。
シルヴァはとくに意味もなくフェリクスの後をついた。
「お前がG級に上がった褒美らしい…俺の時も似たようなの食ったろ…覚えてるか?」
あっ、とシルヴァは声をあげた。
そうだ。なんでこんな大事なこと忘れてたんだろう、と罪悪感さえ感じた。
フェリクスは今から5年前、15歳という若さでG級ハンターの仲間入りを果たした。
当時のシルヴァは14歳で、まだポッケ村訓練所であの鬼教官から熱い指導を受けていた時期。
フェリクスがギルドから貰った食材は『龍頭』、『紅蓮鯛』、『幻獣チーズ』、『黄金芋酒』等。それらをコックアイルーがとてもうまく料理してくれて、まだ堅い『ゴムジャーキー』や小ぶりな『オンプウオ』をひもじい顔をして食べていたシルヴァにとっては豪華で頬が落ちるくらい美味しかったのを思い出した。
それが契機となり、G級ハンターになりたい、と思ったのが最初だったことも思い出し、あの時はまだ子供だったな…としみじみと感じる。
「でも…3つだけか…フェリクスの時はもっと多かったよな…」
シルヴァは溜息をついた。
「…バカ、3つでも多い方だ…俺の時が多過ぎただけだ」
食材を置き終わったフェリクスは、シルヴァの目を見て言った。
確かに、フェリクスの時は貰ってきた食材がかなり多かったが、当時はそれが普通だと思ってた。ギルドにどれだけ貢献したかがそれらに響いてくることは、まだ先のことだった。
「…とりあえず、席につけ。あいつらに料理を任せている間、今後の話をする。」
「あ、あぁ。」
フェリクスとシルヴァはキッチンテーブルの椅子に向かい合うように座り、フェリクスは手元にあるベルを2回叩いて鳴らした。
すると、どこからともなくコックの衣装をきたアイルーが5匹現れ、フェリクスの目の前で綺麗に横一列に整列して
「「「今日はいかがなさいますかニャ?!」」」
と声を揃えて言った。
フェリクスは後ろに置いた食材を親指で指した。
「…向こうにG級祝いの食材がある。あれを頼む。」
「「「承知しましたニャ!!」」」
一斉に食材へ向かうコックアイルー。
大きな『たてがみマグロ』を3匹がかりで持ち上げ、『黄金米』と『幻獣チーズ』を2匹のアイルーがやりくりして運んでいる。
シルヴァはその風景を楽しみながら見つめた。
「…シルヴァ」
腕を組み、じっとこちらを見つめるフェリクスの顔を見たシルヴァに、突然緊張が走る。
アイルーのぴょんぴょんした小気味いい足音が消え、あたりはピリピリした空気が一気に漂う。フェリクスはゆっくりと話し始めた。
「…とりあえず、目下の目標からだが…最初は勿論G級に対抗するため装備を新調しなければならない。まずはそこからだな…」
予想はついていたが、フェリクスの顔つきは少し深刻そうだ。
わかってはいるが、この上位のリオレウスから作られる『レウスSシリーズ』の防具では到底太刀打ちできない。
G級緊急クエストのヒプノックを狩っていたときも、奴の蹴りを真正面から受けたときは死ぬかと思ったほどだ。
「G1のクエストで出てくるモンスターで、何か狩りやすい…というか装備を作りやすいモンスターっているか…?」
ヒプノックの蹴りを思い出したシルヴァの顔は少し不安げに強ばっていた。
「そうなると…弓を使うんだったら『フルフル』あたりか…?奴は動きは遅いから、弓なら比較的狩りやすいと思うが…」
「『フルフル』な…」
「…他には『イャンクック』、『ババコンガ』とその亜種、『ガノトトス』…かな」
「『ダイミョウザザミ』の亜種がいるって聞いたんだが…」
「アイツと弓は相性が悪い…まぁ、それは使い手しだいだが…オススメはしないな」
手で顎をおさえ、唸るシルヴァ。
考えてる最中に食材を炒める音がしたが、シルヴァは聞く耳を持たなかった。
「…さて、どうする?」
腕を頭の後ろに回し、シルヴァを睨むように見つめる。再び唸るシルヴァ。シルヴァは時々肩にかかる銀色の髪を無造作に掻きむしったり、首を横に振ったりしたりと、非常に分かり易い迷い方をしている。
約1分の沈黙が続いた。ただひたすら料理の音が聞こえるキッチンルームは、異様な緊張に包まれている。すると、シルヴァはテーブルに手をバンと置いて、
「決めた。『フルフル』にする!」
と、この沈黙に堪えかねたような様子で決断した。
シルヴァの表情はまだ迷いがあるあいまいなものだが、フェリクスは別に気にもとめなかった。
「なるほどな…決め手はなんだ?」
腕を解き、テーブルに肘をつくフェリクスは、微笑みながら言った。
「…今回は、フェリクスの言う通りにしてみることにしただけ。アイツは見た目は気持ち悪いし、咆哮はうるさいしで、迷ったんだが…そんなことも言ってられないしな?」
シルヴァもつられて微笑む。
血の繋がっていない兄妹だが、何故だか笑顔の特徴はとても似ている。
フェリクスは息をつき、姿勢を正すと、背中に背負っている双剣、『ブレイズレイン』をチラ見した。
「…まぁ今回は、俺も同行する。緊急クエストを1人でクリアしたとはいえ、あれはまだ弱い個体だからな…」
「えぇっ!?お前も来るのか!?」
フェリクスの言葉を遮るようにシルヴァは声を上げて驚いた。
「…あぁ」
「…やった…!」
言葉を遮られて少し不機嫌になるフェリクスをそっちのけて小さくガッツポーズをかます。
(とうとう…あのフェリクスと2人で狩りに行ける…!)
昔から兄を憧れ尊敬してきたシルヴァにとっては、G級クエストを2人で挑むことは夢のようでもあった。
シルヴァは早く兄に追いつくため、弓の腕を専一に磨き、ぐいぐいとHRを上げていった。
それまではフェリクスの足を引きたくないという思いから、今まで同行を避けてきた。
どんな依頼も1人でこなし、腕を磨き、フェリクスとG級クエストに行くことを目標に今まで頑張ってきた。夢が叶ったようで、とても胸が高鳴った。
「それじゃあ、1週間後!1週間後にG級のフルフルなっ!」
興奮が高まるシルヴァの声はいつもより高く、耳に残った。…はいはい、と耳をおさえるフェリクスの姿はシルヴァにとってはいつものことだとばかりにしか思っていない。
それから約10分が経過した。
「「「お待たせしましたニャー!!」」」
どこからともなくコックアイルーが再び現れ、大きな皿で盛られたG級食材料理を5匹がかりで運んできた。
大皿に盛られた丸ごと1匹のたてがみマグロは、こんがりと焼き上がり、上からとろみのついたソースがそれを包むようにかかっている。
中皿には黄金色に輝く黄金米が山盛りで盛られ
、小皿には幻獣チーズが入っているであろう箱が置かれている。
「「「特別料理たてがみマグロのあんかけソースあえですにゃ!!どうぞごゆっくり!」」」
そういうとコックアイルーたちはぞろぞろとどこかへいってしまった。
シルヴァは目の前に現れた料理にただただ目を奪われ、開いた口が塞がっていない。
「すご…」
ぼーっとそれを見つめるシルヴァ。
「…食うぞ」
はっ、と我に返る。目の前に置かれたフォークとナイフを震える手で持った。
カチカチと震え、顔が表現できないくらい表情が怖いシルヴァを呆れたようにフェリクスは溜息をついた。
「これ…食べていいんだよな…?」
「…当たり前だろ…お前が主役だぞ…」
こんな豪華な料理が出てきても至って冷静なフェリクスを、シルヴァは理解できなかった。
「さぁ…食いな、G級への第一歩だ。」
「あ、あぁ…!」
震えたナイフとフォークでたてがみマグロを切り分け、黄金米の盛られた中皿に乗っける。
「それじゃ…いただきますっ!」
やはり躊躇ったが、意を決してこの言葉と同時にフォークを口に素早く運んだ。
そして、その後、
ポッケ村の小高い丘の上にあるゲストハウスから、「うっまぁぁぁあ!!」
という叫び声が村中に響き、そびえ立つ雪山にこだましたことを、翌日、友達のハンターから知らされたシルヴァは、一瞬だけ村のハンターから笑い者にされた。
後から何て言ってるのかわからなくなる。
これ、あるあるだと思います。
まだ書いて間もないのにあるあるとか馬鹿にしてんのか。とか突っ込まないであげてください。ナイーブなんで。文章の崩れは直します。修正するかももしれないんでご了承ください。感想、くれたら嬉しくなってもれなく私がニヤけます。