更新、できましたよ。
今回は前置きと狩り、分けることにしました。
文字数オーバーしちゃうと思ったので。
なので今回は短めです。
狩り編は明日明後日、その辺に投稿しようと思います。落ち着いてくださいね。
薄暗い洞窟に身を潜める白い影。
真珠色の肌を何度も伸び縮みさせながら、光の届かない岩肌をのそり、のそりと進む。
暗闇から除く対照的な白い巨体の顔に目は無く、鼻もそれといった形はなく、小さな穴が空いている程度。
顔というには難しいそれには、まるでソーセージの先を、横に切れ目を入れたような口だけがつき、それが全てをしめている。
天井から滴り落ちる水、巨大な羽と身体を持つ『ランゴスタ』の羽音の中に、不自然で、奇妙で、洞窟には相応しくないような荒々しい鼻息。不規則に、グングンと、狭い空間に響き渡るそれは、奥に続くドーム型の空間へと鈍く伝わっていく。
…獲物の匂いだ。
白い巨体は体をねじりながら吸盤状の尻尾を器用に使い、洞窟の天井に張り付いた。
鼻息を忍ばせることは無く、むしろさらに大きく息を吸いながら、まるで獲物の到来を待ちわびていたかのように中を進んでいく。
匂いが近づくたびに鼻息が荒くなる。
その顔からは、まるで飢えた獣のような眼をしていたかのようだった。
見えてくる光。
すぐそこにある2つの異なる匂い。
もちろんだが、その匂いしかわからなかった。
しかし、獲物を狩る眼を持っていたかのようだ。
白い巨体は青い稲妻を纏いながら獲物に襲いかかった。
-ポッケ村集会所にて
「はぁ!?どうしてだよ!」
クエスト受付カウンターにバンッと両手を叩きつけるシルヴァは、驚きと戸惑いと怒りが混ざった複雑な表情を浮かべた。
手を叩きつけた勢いでカウンターに乗っていた資料やらが一瞬、バサリと空中に舞ったが、床に落ちることなく散らかる形でカウンターを埋めた。シルヴァはカウンター越しに怯むことなく佇む女性の目を睨みつけた。
ギルド受付嬢と呼ばれる彼女は、シルヴァの睨みつけに対抗するような目と、落ち着いた口調で言った。
「だから、今のアナタには危険すぎる。いくらG級へ昇格したと言っても、1週間前まではまだ上位のハンターだったんだし、装備もレウスSじゃあね…」
「その装備を新調するためにこのクエストを受けたいんだよ!だいたい、クエストに必要なHRも、実力もあるってのに…!」
「…その辺にしとけよシルヴァ。G級ハンターが簡単に喚くな。」
すぐ隣で静かに話を聞いていたフェリクスの冷たい言葉。
シルヴァはうっ…と言葉を詰まらせた。
納得いかないような表情を見せると、苛立ちからかシルヴァは自分の頭を掻きむしった。
「んで?どうしてだ、イリア。なぜシルヴァにG1ランクのフルフルが危険だ、と言いきれる?」
「そうね…説明するわ。」
ギルド受付嬢のイリアと呼ばれる女性は、フェリクスの問いかけを聞くと、クエスト掲示板の方へ歩いていった。掲示板にある1枚の紙切れを剥がし、それをカウンターに乗せると、深刻そうな表情で話し始めた。
「…実は今の時期のフルフルって、繁殖期にあたるの。気性はいつもより荒いし、攻撃的。それが上位や下位ランクならまだしも、G級個体でフルフルにとっての餌が多い旧密林に居座っている………」
突然目を逸らし、表情を曇らし、言葉を詰まらすイリア。
「…それだけか?」
いや、といった感じで首を横に振る。
少し経ってからはぁ、と1度大きく溜息をつくと、イリアは再び口を開いた。
「…まぁ、1番ヤバイのは…このクエストに挑んだG級ハンター…いまだに帰ってきてないんだよね…」
「えっ…?」
カウンターに置かれたフルフル狩猟依頼書をイラつきながら見ていたシルヴァは、顔を上げてイリアの方を見た。
曇った表情のイリアを見てシルヴァは少し申し訳ない気分になり、怒りが少し落ち着いた。
「帰ってきてないって…まさかフルフルにやられたってことか…?」
「おそらくね…」
「嘘だろ…」
フルフルは何度か狩ったことがあるが、そこまで強いという印象はなかった。
上位までなら1人で苦無く戦える、その程度だと思っていたが、G級とはそんなにも強いものなのか。G級ハンターは皆強者揃いで、功績もかなりある人達ばかり。その人達が相次いでフルフルにやられたかもしれない。
その事実にシルヴァは唖然とした。
「この依頼が出されたのは?」
「二週間前よ。」
「いままで挑んだ人数は?」
「…10人ね」
一切表情を変えないフェリクスは、曇った表情のイリアを言及し、10秒ほど考えた末、シルヴァの方を横目で見た。
少し落ち着きを見せたシルヴァを見て、フェリクスは鼻で息をついた。
「とにかく、このクエストのフルフルは危険よ。G級トップクラスのフェリ君が行くのはいいけど、シルヴァちゃんを連れていくのは…」
「…問題ないさ」
「えっ?」
イリアの言葉を遮り、フェリクスは呟くような声で言った。
「…俺だけで十分だ。フルフルを狩るのは。それと、コイツにはG級の世界について色々学んでもらわないと、先が思いやられる。」
「なっ…!」
落ち着きを見せていたシルヴァの顔がびくん、と跳ね上がり、フェリクスに戸惑いの表情をぶつけた。
「ちょっと待ってくれよ…!それじゃあ私は、フェリクスがフルフルを狩ってるのを見学してろってことか!?」
「…あぁ」
戸惑いに声が震えた。シルヴァの戸惑いとは裏腹に気味が悪いほど冷静なフェリクスの表情に、再び怒りがこみあげてきた。G級モンスターと戦えない事と、フェリクスがG級ハンターを何人も倒してきた相手を1人で狩るという心配からふざけんなっ!と言う言葉が喉に引っかかった。
が、一瞬の判断でその言葉を飲み込んだ。
冷静に考えれば、フェリクスは連れていかないとは言っていない。G級の世界を学ぶ、フェリクスの狩りを見て勉強する。やれることはあった。それに、戦えなくても支援を行うことぐらいできる。初心に戻って、あの日の訓練のように狩場に行くのも悪くない。
それに、フェリクスはポッケ村でトップクラスの実力を持つHR最高レベルの猛者だ。
きっと、大丈夫だ。
という肯定的な考えで気を紛らわしたが、やはりG級の初戦にそ戦えない、もしかしたらフェリクスも…ということを考えたら、気分が悪くなる。
シルヴァは自問自答をしばらく行ってから、とりあえず落ち着くことにして深呼吸をした。
「…わかったよ」
「…もしコイツが危険な状態に陥ったら、『モドリ玉』でベースキャンプに送る。そっからはずっと待機させる。…これでいいか?」
シルヴァの返事を聞き流し、話を続けたフェリクス。
シルヴァにとってはやはりあまりいい条件ではなかったが、反論はできなかった。
「…わかったわ。でも、とりあえずはマスターの方にも話を通してみるわ。今回の依頼のフルフルは、ギルドでも問題になりつつあるから、マスターの許可もとっておかないと…」
声を潜ませながらイリアはそう言うと、机に散らかった資料をかき集めて、それらをカウンターの引き出しにしまった。
「許可が出るまで、少し酒場で待っててくれる?後で呼ぶから。」
「…了解した」
資料をあらかた片したイリアは、カウンター奥の部屋の金の装飾の施された扉をノックしてから、ゆっくりと一礼してから入っていった。
ギルドマスターの部屋だろう。
フェリクスとシルヴァはそれをじっと見送った。
ギルド関係者しか入れないギルドマスターの部屋の中が気になったのか、シルヴァはカウンターに軽く身を乗り出し、目を凝らしたが扉がガチャリと閉まると何事もなかったかのようにカウンターから離れた。
いままでの出来事のせいかやはりシルヴァの表情は暗かった。
少し癖がかった銀色の前髪の隙間から、まるで鷹のような鋭い目で扉を見つめている。
「…そう怖い目付きをするな。初心に戻ったと思えばいい。」
「…わかってるよ」
わかりきったことだ。
さっきそういう考えで気を紛らわそうとしたのだ。フェリクスは心配してそう言ってくれたのだろうが、あまりいい効果はなく、シルヴァは口を尖らせて捨てるように言った。
それから間もなく数十分が経った。
イリアは、手に1枚の丸められた紙切れを持ってギルドマスターの部屋から出てきた。
ガチャリと扉を閉め、相変わらず曇った表情で足取りはあまり軽くはない。
いつも笑顔のギルド受付嬢がこうも暗いとこちらの気も滅入るが、そうも言ってられなかった。
イリアはカウンターに立ち、小汚い1枚の紙切れをバサリと広げた。
そこには大きくギルドがクエスト受注を許したハンコがつけられている。
「マスターから許可は貰ったわ。順序が逆になったけど、契約金ね。それと、2人で行くんでしょ?頑張ってね。」
「…あぁ」
フェリクスは腰についた革の小袋から780z分の硬貨を出すと、それをカウンターに置いた。
「さて、行くぞシルヴァ。」
「…あ、うん」
いつもより静かな声で返事をしたシルヴァにはまだ不安が残っていた。
カウンターを後にするフェリクスの背中を追うように後をつく。
背中に背負った『ブレイズレイン』が光に反射して独特に輝く。
無意識にシルヴァは自分の武器の『プロミネンスボウⅢ』と矢筒を見た。
鈍く輝く赤茶色の鱗は、いつもより炎の温かみが薄かった。
それは戦えないという脱力感からか。
フェリクスとシルヴァは手持ちのアイテムを確認したあと、集会所を後にした。
雑になってしまいました。あまり考えずにフィーリングで書いた結果ですね。ごめんなさい。
とりあえず狩り編、作成途中なんで頑張ってみます。
余談。
更新日から見て明日。私、部活の大会なんですよね。
学生なんだぞ。私。どうでもいい。