超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神 Re;Birth   作:ミオン

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Game14:魔術師との邂逅

ラステイションを支配する大企業アヴニールの依頼を受けてザラット神殿にやってきた舞達はあらゆる攻撃が通用しないと言う件のモンスターを討伐するためにそのモンスターが潜んでいると思われる最奥部を目指して歩を進める。

 

「こんな綺麗な場所に新プラントを設立するなんてね…」

 

「シアンから聞いたけど、アヴニールが工場を次々と建設するせいでラステイションの自然破壊も深刻なんだって…。何とか阻止できたらいいんだけど…。依頼を受けた以上はモンスターを放置するわけにはいかないし…」

 

「信仰を殆ど失った今の私が言ったところで状況は覆らないでしょうね…」

 

「今は力を取り戻すことに集中すればいいと思う。攻め入る機会はどこかにあるはず…」

 

「今はみんなで力を合わせてできることから積み上げていきましょ。舞、シアンから受け取った武器だけど、今回の依頼で早速試すつもり?」

 

「そうだね。早いところ慣れたいから。使うところでは積極的に使っていくよ」

 

シアンから受け取った機械剣アルマッスに搭載されたカートリッジシステム。欠陥を抱えたこのシステムを総合技術博覧会の開催までに完成形にするためには戦いの中で使って感覚を掴み、それをシアンに伝えなければならない。だが、定められた限度を無視して使うことは武器の破損や体が壊れることに繋がりかねないので使う際には注意が必要である。

 

「そういえばさ、ノワールも今回から一緒に戦ってくれるんだよね?」

 

「ええ。シェアの力を舞が分けてくれたおかげで十分戦えるわ。これでも剣の腕には自信があるから足手まといにはならないわよ。何ならそこに手頃なモンスターがいるけど、試してみる?」

 

「ならさ、プリン賭けて勝負しようよ! わたしが勝ったら仲直りの高級プリンもう一個追加ね!」

 

「望むところよ。逆に私が勝ったらあなたにも高級プリンを奢ってもらうから」

 

「なら、ここは新しい力も同時に試してみましょうか。女神化には及ばないかもしれないけど面白い方法を主様から提示されていてね。ヒナ、行けるかしら?」

 

「問題ない…。後はネプテューヌとノワールが受け入れてくれるかどうか…」

 

「おお! このタイミングでまさかのパワーアップフラグ? 強くなれるなら何でもどんと来いだよ!」

 

「何をするのか知らないけど、力の落ちている私にとってはこれ以上ない提案ね」

 

「ということだけど、主様。許可をもらってもいいかしら?」

 

「構わないよ。ただ、初見では驚くこと間違い無しだから二人共、覚悟はしてね?」

 

復活した六魔将に与えられた新たな役割は銀の女神と自らが願いを託した女神の力となること。舞はリリムとヒナにネプテューヌとノワールの力となれる方法を伝えている。

 

「主様から許可を貰えたことだし、早速行きましょうか」

 

「了解…」

 

リリムとヒナの体が光に包まれる。光が晴れるとリリムは白黒の刀身を持った太刀に、ヒナは機械剣に姿を変えていた。武器となった二人の剣先はネプテューヌとノワールに向いている。

 

「え? これちょっとヤバくない?」

 

『大丈夫よ。主様に一度試してもらったけど、痛みは無いみたいだから』

 

『強い力を得るためには覚悟が必要…』

 

「怖いとは思うけど、二人を受け入れてあげて」

 

「よ、よーし! 主人公たる者、ここで逃げてはUTSUWAが廃るッ! 受け止めてみせるよ!」

 

「私も覚悟を決めるわ。来なさい!」

 

二人が覚悟を決めると同時に武器となったリリムとヒナが動き出し、何と二人の体を貫いた。二人の体に新たな変化が現れる。手始めにネプテューヌの背中に魔神化したリリムの黒き翼が現れ、頭には象徴とも言える黒き双角が顕現。瞳の色は紅色に変化。右手にはリリムの太刀が握られている。対するノワールは瞳の色が紫色に変化。両手には機械の手甲が装着されて、背には黒の翼を模した形のブースターが現れた。機械の手甲からは黒色の魔力刃が伸びている。

 

「おお! 力が湧いて来たよ!」

 

「すごい…! 女神化とはまた違う力だわ…!」

 

「これは私が過去にプレイしたゲームに登場する変身システムを二人の力で再現してもらった物だよ。ちなみにネプギアはリリムと、ユニはヒナと同じことができるから使いたい時は二人に声をかけてね。さあ、早速試してみるといいよ。モンスターには悪いけどね」

 

舞の言葉を合図にネプテューヌとノワールは同時に動き出す。ネプテューヌは黒き翼、ノワールはブースターを使い凄まじい速度でモンスターとの距離を一気に詰めた。ネプテューヌは右手に持ったリリムの太刀でモンスターに流れるような斬撃を叩き込み、ノワールは機械の手甲から伸びた魔力刃で敵の体を連続で切り刻む。二人の攻撃の前にモンスターは光となって消滅した。

 

「今のはわたしの方が早かったよね?」

 

「何を言ってるのよ。私の方が早かったじゃない。舞も見ていたわよね?」

 

「正確なところまではわからないけど、ここは引き分けだね。私が後で手作りのプリンをご馳走するからそれで手を打ってほしい」

 

「わたしの方がコンマ二秒くらい早かったと思うんだけどなぁ…。舞の手作りプリンが食べれるなら結果オーライだね!」

 

「ちょっと納得はいかないけど、舞がそう言うならこれ以上はもう言わないわ。次に勝負することがあったら圧倒的大差で私が勝ってやるんだから…」

 

「舞さんのプリンの効果はやっぱり凄いですね。元の世界ではお姉ちゃんに真面目に仕事をさせる効果があるだけのことはありますよ」

 

「争いが収まらない時は舞の手作りプリンがお約束の形になってるわね」

 

「それにしても、あんた達、強さの次元が違い過ぎない? 舞達は守護女神だし、リリム達は守護女神と互角に戦えるほどの実力を持ってるから当然と言えば当然なんだけど…」

 

「わたしもあいちゃんと同じ気持ちです。何と言うかみなさんが遠くに行っちゃった気分になるです」

 

ゲイムギョウ界の守護者たる守護女神は勿論のこと、守護女神と互角に戦える実力を持つ六魔将の力は並みのレベルを遥かに凌駕している。二人は広がり続ける力の差に憤りを感じていた。

 

「それなら、私と一緒にあの試練を受けてもらおうかな」

 

「舞さん、それって…」

 

舞が言う試練と言うのは舞が過去にプレイしたゲームに登場する強敵との戦闘だ。ネプギア達は元の世界でその試練を乗り越えてハード・ユニゾンと言う新たな力を手にしている。強敵との戦闘は新たな力を呼び覚ますのだ。

 

「準備ができたら私から声をかけるから、その時まで待っていてほしい」

 

舞がこれまでプレイしてきたゲームの世界には無数の強敵達が存在しているので、その中からアイエフ、コンパと共に挑戦する相手を選ばなければならない。流石に今すぐには思い付かないので頭の中でこれからの方針と並行して考えを巡らせることにした。二人が新たな力を習得するのはもう少し先の未来の話である。

 

「ねえねえ、今日のお仕事で討伐するモンスターってあらゆる攻撃が通用しないんだよね? 今さら言うのもなんだけどそんなの倒せるのかな? ほら、ゲームでもよくあるでしょ? システム上絶対に倒せない敵とかさ」

 

「舞が言ったように何かしらの攻略手段があるんじゃないの?」

 

「種族とかもわからないの? ほら、獣型とか、鳥型とか色々あるとは思うんだけど」

 

「それが依頼書には書いてなかったんだよね…」

 

「なら、あそこにいる人に聞いてみるのはどうですか?」

 

コンパが示した先にいたのは一人の少女。制服のようにも見える衣装と魔女が被るようなとんがり帽子が特徴的だ。

 

「まさかこのようなところで見知った顔に会うとはな…。舞よ、いつの間に大人になったのだ…?」

 

「小さい私を知っているの…?」

 

「そうか…。世界線が異なっているのだな…。ということは初めましてだな。私の名は…。そうだな。ここでもMAGES.と名乗っておこうか。出会いの証にこれを渡しておこう。異なる世界線のお前から譲り受けた物だ」

 

MAGES.と名乗った少女から受け取ったのは赤色の鉱石。仄かな温かみを感じる。中に込められているのは炎の力だ。

 

「何でもマグマに近い鉱床で取れるらしいぞ。友達と一緒に火山に冒険に行った時に採掘してきたと言っていた」

 

「どれだけアクティブなの…。小さい私…。ありがとうMAGES.。大切にするよ」

 

「ほう…。まさか初見で私の名前を間違えずに言うとはな。どうやらお前は他の者とは異なる何かを持っているようだ。私の名前を呼ぶ際に最後の.が抜ける者が殆どだというのに」

 

「似たような名前の人が友達にいるからかな?」

 

舞の脳裏に蘇るのは雄大なる緑の大地を代表する歌姫のこと。彼女も名前の最後に.がついているのだ。彼女と一緒にステージに立って歌ったのは大切な思い出の一つである。

 

「ふむ…」

 

「もしかして知り合いだったりする?」

 

「かもしれないな。その話はここでは置いておこう。それで舞よ。お前は今は何をしているのだ?」

 

「色々あって離れ離れになった友達と合流してネプテューヌの記憶を取り戻すために各大陸を回っている途中…かな。ここにはモンスター討伐の依頼を受けて来たの」

 

「そうか。これだけの女神がいれば現状は私の協力は不要と見受けるが、私の力が必要になった時にはいつでも言うがいい。連絡先を教えておこう」

 

MAGES.と連絡先を交換する。

 

「ありがとう。MAGES.この辺りで大型のモンスターを見かけなかった?」

 

「ああ。見かけたぞ。ここからまだ奥の方にいるのを見たが、アレは他のモンスターとは一味違うな。遠目から見るだけでもわかるほどだ。討伐に赴くと言うならば注意した方がいいな。それと私からも一つ聞きたい。舞よ。ドュクプェの売っている場所を知らないか? 元の世界のお前にも聞いたのだが残念ながら知らないと言われてしまってな」

 

「ドュクプェ? それって通称かな? 正式な名称はある?」

 

「正式名称はデュクテュアープエッパーだ。通称ドュクプェだな。選ばれし者の知的飲料だ」

 

「随分と懐かしい飲み物の名前が出てきたね? 私はよく飲んでたよ。癖のある味だけど美味しいよね」

 

意外にも反応したのがセレナだった。

 

「お前も選ばれし者だったのか…。それで、ドュクプェはどこに売っている?」

 

「こっちのゲイムギョウ界にあるのかはわからない。少なくともこのラステイションには売ってなかったよ。私が元いたゲイムギョウ界だともう販売中止になってたし。好きだったからちょっと残念だけどね」

 

「そうか…。ということはこの世界にも存在していない可能性が高いな…。くっ! まさかここまで機関の手が及んでいようとは…」

 

「また何かの機会で販売してくれると嬉しいんだけどね。私も暇な時に探してはみるけど、そっちも見つけたら教えてくれると嬉しいな。話を聞くとまた飲みたくなってきたし…」

 

「ドュクプェが存在したと言う情報が掴めただけでも大きな前進だ。忙しいとは思うが、合間を縫って調査を続けてくれると助かる。それではお前達の健闘を祈っているぞ。ルクス・トュネーヴェ・イメィグ・シスゥム」

 

MAGES.はその場から去っていった。MAGES.と別れた舞達はさらに奥に進む。

 

「うわっ! なにあれ! あれがターゲットのモンスターなの?」

 

「間違いないわね。あれ、この間の渓谷で戦ったモンスターと同じ状態じゃないの?」

 

ネプテューヌが示した方向を見ると明らかにおかしいモンスターがいた。漆黒色に染まった体を持ち、体からは邪悪なオーラを放っている。シルエットを見る限りでは獣型。フェンリルと同型と思われる。

 

「戦闘を仕掛ける前にちょっと調べてみるよ」

 

舞はアナライズを発動。敵の情報が舞の頭の中に流れ込むが…。

 

「何これ…どうなってるの…?」

 

「舞さん、どうしたんですか?」

 

「今ハード・リンクで情報を渡すよ」

 

ハード・リンクを通してネプギアとユニとセレナに情報を渡し、ネプテューヌ達には直接口頭で説明する。

 

「これは明らかにおかしいわよ。倒せない理由もわからなくもないわ」

 

「超越化の状態で長時間経過した影響だと思う。これは特別な攻略法が必要だね」

 

舞の頭の中に流れて来たモンスターの名称はス*#ッ%&ド?グ。まるでバグったようなその名称は明らかにおかしな名称だった。超越化の状態で長時間経過してしまったことで生物として持っている情報が変質してしまっている。この状態では倒せないというのも無理はない。

 

「今から攻略法を編み出すしかないね。幸いこの手のモンスターの攻略法は私の頭の中にあるから大丈夫。私が合図をするまでみんなは攻撃を加えて時間を稼いでほしい。必ず何とかしてみせる」

 

舞は集中力を高めると自分の記憶からある技の情報を引き出し始める。全てはみんなと一緒に勝利をこの手に掴むために。

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