超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神 Re;Birth   作:ミオン

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Game18:ラステイション防衛戦

アヴニールの倉庫から脱出した舞達はラステイションの下町に帰還。防衛を担っていたネプギア達と合流。そこで待ち受けていたのは自分達を罠にかけたアヴニール社長補佐のガナッシュと大型の機械族モンスター、キラーマシンとデウス・エクス・マキナ。

 

新たに発現した女神との繋がり(ハード・リンク)の光に導かれ、『業火』を纏った元の世界の黒の女神(ブラックハート)神奈 楓(かみな かえで)と名乗った紅髪の少女が参戦。戦闘が開始された直後に周囲の景色が紅色に染まる。

 

「この世界なら周りの被害を気にせずに戦うことができるわ」

 

楓の能力で展開されたこの領域の名称は『紅世』。戦闘による建造物の破壊などの二次被害を防止する結界魔法と同様の効果を持つ。今回の戦闘ではネプテューヌが率いるチームはキラーマシンを。舞が率いるチームはデウス・エクス・マキナを担当する形だ。

 

キラーマシンは元のゲイムギョウ界では夢見る白の大地(ルウィー)に封印された殺戮兵器と言われていた存在だが、その時に起きたある出来事をきっかけに怒った舞が当時の自分の限界を超えた最上級魔法で葬り、増援として現れた方は結晶の女神(シエル)が全て倒している。

 

この世界のネプテューヌ達は交戦経験が無いが、ネプギアとユニから見ても交戦経験が殆ど無いような物なので気を引き締める。前衛はネプテューヌとノワール。ネプギアとユニはコンパとアイエフと共に二人の支援を行いながら敵の動きを観察する。

 

今回のキラーマシンはアヴニールが開発した新兵器。目標はダメージを与え続けて機能を一時的に停止させること。ネプギアは機能停止の際に生じる僅かな隙に狙いを定めていた。理由は新たに編み出した技にある。舞と同じで女神候補生の成長も止まることを知らない。

 

「サンダークラッシュ!」

 

ネプテューヌは紫電を纏わせた太刀の斬撃を叩き込む。キラーマシンの装甲は物理防御力が高いので属性を付加させた攻撃でないと効果が薄い。キラーマシンは左手の斧で反撃を繰り出して来た。防御には成功したが、後退させられてしまう。追撃としてキラーマシンは電撃をネプテューヌに向けて放つが、間にネプギアが割り込み、マルチプルビームランチャーの刀身で電撃を受け止める。

 

「受けてください! 雷撃! 襲爪雷斬です!」

 

斬り上げて跳躍から刀身で受け止めた電撃の力を放出。それは雷となってキラーマシンの躯体に降り注いだ。キラーマシンは怯むが、機能停止させるにはダメージが足りない。

 

「今度は私の番よ。サンダーフェンサー!」

 

雷属性を纏わせたノワールの大剣による突き技。得意と言うほどの物ではないが雷属性の力は使うことができるので問題は無い。力の落ちている今の自分の状態では普通に攻撃すれば弾かれて隙を晒してしまうのが見えていた。峡谷での戦いにて舞とユニに一度敗北を喫したノワールは既に慢心を捨て去っている。キラーマシンの右手の棘付きの鉄球の一撃が襲い掛かるがそれは回避。緊急時には刀身を使っての防御があるが武器の破損に繋がることがあるのであまり頼ることはできない。

「狙いは外さない。プロミネンスレイジ!」

 

ユニのエクスマルチブラスターから放たれたのは小さな火球。一直線の軌道でキラーマシンの右手の棘付きの鉄球に直撃。直接的なダメージは殆ど入らなかったが、部位が高熱を帯びる。

 

「新技見せてあげるわ。魔氷粧・絶凍!」

 

氷の魔力が収束して部位を凍結させる。凍結した棘付きの鉄球に罅が走ると砕け散った。火属性の攻撃で熱した部位に氷属性の攻撃を加えて急激に冷却することで引き起こす部位破壊(パーツブレイク)

 

「怪我した時はここに入ってください!」

 

コンパの体から放たれた魔力が小規模ではあるが白い光の領域を形成する。この中に入ると何と戦闘で受けたダメージを回復することができるという効果がある。来る舞と共に挑む試練に向けてコンパとアイエフは新たな技を習得しているのだ。

 

順調にダメージを与えていると今度はキラーマシンの体を半透明の障壁が包み込む。ネプテューヌとノワールが攻撃を叩き込むが、弾かれてしまい隙を晒してしまう。続けてキラーマシンの斧の一撃が二人を吹き飛ばした。

 

「ネプ子達の攻撃を弾き返すなんて…」

 

女神の攻撃を弾き返す障壁を破るにはその強度を上回る攻撃を叩き込む必要がある。ネプテューヌとノワールはコンパが展開した回復領域まで後退して傷を癒す。代わりに前に出たのはネプギアとユニ。

 

「ネプギア、合わせられるわよね?」

 

「勿論だよ。任せて。ユニちゃん」

 

「見せつけてやるわよ。ラステイションとプラネテューヌの女神候補生の力を」

 

「はいっ!」

 

ユニはエクスマルチブラスターにシェアの力を込めて圧縮リロードを行う。特大のシェアの光弾が放たれたのを合図にネプギアが突貫。ユニが放ったシェアの光弾の直撃と同時に出力を最大まで高めたマルチプルビームランチャーによる強烈な一閃をお見舞いする。

 

「「シュタルクヴィータッ!」」

 

ネプギアの一閃の直後に爆発が起きる。爆煙が晴れるとキラーマシンが展開していた障壁は消滅していた。再び展開される前に決着を着けなければならない。

 

「「お姉ちゃんっ!」」

 

二人の妹の声を受けて傷を癒した紫の女神(パープルハート)黒の女神(ブラックハート)が突撃。

 

「先にわたしが仕掛けるわ。切り裂け、クリティカルエッジ!」

 

紫電を纏わせたネプテューヌの太刀の連撃。一撃、二撃と斬ると最後に強烈な一閃を叩きこむ。

 

「まだまだ本調子には届かないけど、これが今の私の全力よ。トルネードソードッ!」

 

自分が保有するシェアの力を大剣の刀身に纏わせて力を込めて振る。ネプテューヌの攻撃が当たった箇所を正確に狙ったノワールの全力の一撃はキラーマシンの装甲を破ってその駆体に食い込み、一時的な機能停止状態に追い込む。

 

「ネプギア、今よっ!」

 

「はいっ!」

 

ネプギアは機能停止したキラーマシンの背に飛び乗る。するとネプギアの体が光の粒子となってキラーマシンの駆体に溶け込んだ。キラーマシンは機能回復して立ち上がるが、何故かこちらに攻撃はしてこない。

 

二分間の沈黙の後に駆体から薄紫色の光の粒子が現れて収束するとネプギアが現れる。右手には機械のパーツが握られていた。それと同時にキラーマシンは機能を停止。再び動き出す気配はない。

 

「これで終わりですね」

 

「ネプギア、それは一体…」

 

「これはキラーマシンを動かしていた動力炉だよ」

 

ネプギアが最後に使った技は一時的に機能停止した機械の内部に侵入して動力源を抜き取って無力化する技。機能停止してから再び回復するまでの間に生じる僅かな時間でのみ行使することができる。ネプギアが新たに編み出した対機械族大型モンスター用の止め技。

 

ネプギアがキラーマシンの無力化に成功したところで時を少し遡る。デウス・エクス・マキナと対峙するのは舞達。駆体からは強烈な冷気が漏れ出している。前衛は舞と楓。神奈の性を持つ二人。

 

『舞、早速だけどあれはできるかしら?』

 

「勿論。上手いこと制御できるか少し怖いところがあるけど」

 

『私にできたのだからあなたにもできるわ。自信を持ちなさい』

 

「業火」の力を解放した元の世界のブラックハートが光の粒子となって舞の体に溶け込む。舞の瞳と髪が燃え盛る炎を体現する紅蓮色に染まった。

 

「これが業火の力…」

 

万物を灰燼に帰す烈炎の具現。あの世界で狩人(ハンター)となった自分が仲間達と共に打ち倒した炎国の王の力。世界の転換期を前に襲いかかって来た七体の猛者達の最後を務めた炎国の王との戦いは舞の脳裏に焼き付いている。

 

「舞姉さんの準備もできたところで早速いかせてもらうわよ。ヴァストブレイズッ!」

 

楓は大太刀を一振り。振った軌道に合わせて生成された炎の刃がデウス・エクス・マキナに直撃。駆体から放出されている強烈な冷気を見るところでは火属性が弱点と思われるが、反撃として冷気を纏わせた左手の斧を一降り。生成した冷気の刃を楓に向けて放つ。

 

白金の女神(プラチナハート)から賜りし夜笠はその程度では抜けないわ」

 

何と楓が纏う黒のコートが冷気の刃を防いだ。コートの名は「夜笠」と言い、この世界には存在しない素材と技術で開発されたそれは非常に高い防御力を誇る。攻撃を防いだ楓は一旦後退した。

 

「リリム、タイミングを合わせて!」

 

「任せなさい。魔法使いとの連携はあの子と練習したから問題ないわ」

 

二人は魔法の詠唱を同時に開始する。リリムの足元には黒の魔法陣、セレナの足元には赤の魔法陣が現れる。危険を察知したのかデウス・エクス・マキナは二人を攻撃しようとするが、舞とヒナがそれを阻む。

 

「二人には近づけさせない…」

 

「時間稼ぎは前衛の役目だからね」

 

「「カートリッジロード」」

 

舞のアルマッスとヒナの機械剣の内部で魔力を込めた弾丸が炸裂。二人の力が増幅される。二人とデウス・エクス・マキナが次の行動に映ったのは同時。舞が左側、ヒナが右側から攻め、振るわれた棘付きの鉄球と斧を受け止める。上位危険種なだけあって力は今までに戦って来たモンスターの比では無い。何とか押し返して隙を作ると次の技に繋げる。

 

「炎の舞、受けてみて! フレイムダンス!」

 

業火を纏わせたアルマッスでノワールの剣技であるレイシーズダンスを再現。ハード・リンクが発現したことでノワールの剣技は既に舞の掌中にある。

 

「負けてられない…」

 

機械剣を握ったヒナの両手が本体から分離した。分離した両手はヒナの意志で自由自在に操ることができる。手首から先があった部位には代わりに紫色の魔力刃が展開された。ヒナは魔力刃による怒涛の乱舞を叩き込むと最後に機械剣を持った両手を操作して胴体に強烈な一閃を叩き込み、確実にダメージを積み重ねることで機能停止の際に生じる隙を狙う。

 

「黒焔の一撃、身を持って味わいなさい」

 

「ディザスター・カノン!」

 

詠唱を完了したリリムとセレナが放ったのは火属性と闇属性を融合させた黒焔属性の収束砲。直撃は取るが、まだ機能停止には追い込めない。お返しとばかりにデウス・エクス・マキナは強烈な冷凍光線を放つ。回避には成功するが直撃した地面は見事に凍結していた。直撃すれば氷の彫刻にされることは間違いない。

 

「少しだけど、業火の力に慣れてきたかな。出力を上げるよ」

 

舞のプロセッサユニットが炎を纏い始めた。舞は業火の力を収束させて巨大な火球を作り出すと両手を突き出してそれをデウス・エクス・マキナに放つ。

 

「バーニングブレイブ!」

 

舞が放った火球の直撃を受けたデウス・エクス・マキナの躯体が紅蓮の炎に包まれる。

 

「さらに上乗せさせてもらうわよ。アグゼリウスッ!」

 

『紅蓮の奏者の力を見せてやろう』

 

楓の体に炎の力が収束するとその姿が巨大な炎の鳥の姿に変化。炎の鳥となった楓がデウス・エクス・マキナに突撃。積み重なったダメージが限界を超えたのか機能停止状態に陥った。

 

「ハード・ユニゾン解除! 続けてフェアライズ発動! ヒナ、仕上げに入るよ!」

 

「了解…」

 

ブラックハートとのハード・ユニゾンを解除。舞の命令を受けたヒナは機械剣に姿を変えると体を貫いた。舞の服装はヒナの衣装に、髪型はツインテールに変化。舞がデウス・エクス・マキナに飛び乗ると体が銀色の光の粒子となって躯体に溶け込む。一分後に再び光の粒子が体から現れ収束すると舞の姿となる。舞の右手には抜き取った動力炉があった。動力源を抜き取られたデウス・エクス・マキナは動かない。

 

二体の大型機を無力化したことでこの防衛戦は舞達の勝利となった。楓が能力を解除すると「紅世」は消失。元の風景に戻る。

 

「終わったね。残念ながら黒幕には逃げられたみたいだけど…」

 

二体の大型機を差し向けてきたアヴニールの社長補佐のガナッシュの姿は既に無かった。

 

「自慢の新型機を無力化したのは大きい。当面の間は仕掛けてこないとは思う。まあ、次に当たる時はさらに強力な新型機を差し向けて来るでしょうけど」

 

「あいつ…。次に仕掛けて来た時に会社ごと叩き潰してやるわ。それまでに力を取り戻さなきゃ」

 

『落ち着きなさい。焦ったところで強い力は身に付かないわよ』

 

「女神化したノワールが二人? どうなってるの? これ?」

 

「説明をしないといけないわね。長い話になると思うからどこか落ち着いて話せる場所に行きましょう」

 

ネプギア達の奮闘の結果、拠点であるシアンの工場は無事だったので向かうことに。ラステイション防衛戦に勝利した舞達は楓と元の世界の黒の女神(ブラックハート)を加えて状況整理に入るのだった。

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