超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神 Re;Birth   作:ミオン

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前回投稿していた回の修正版。話が進まないので当初に予定していた特訓編をカットする形となりました。リーンボックス編スタートです。


Chapter 3
Game20:白の女神候補生との再会


次の目的地であるリーンボックスに向かうため、ラステイションからプラネテューヌに帰還した舞達。拠点であるコンパのアパートに集まって話をしていた所に二人目の神奈の姓を持つ少女が訪れた。

 

「改めて自己紹介するね。僕の名は神奈 凛(かみな りん)だよ。楓と同じで神次元の舞姉の妹に当たるかな。そしてこいつが僕の相棒、ヴァジュラ」

 

髪に着けた雷の形の髪飾りを示しながら自己紹介。

 

『中々の強者揃いじゃねーか。よろしく頼むぜ。まぁ、俺様は楓が持ってたアグゼリウスと同じような存在だと思ってくれたらいい』

 

「さて、舞姉に会いに来たのはお母さんから預った物を渡したかったからなんだ。正確には舞姉の中にいるもう一人の銀の女神になんだけど。出てきてもらうことはできるのかな?」

 

「できるよ。今呼ぶね。アリア、出てきて」

 

舞の体の中から銀色の小さな光の玉が出てきた。光の玉が弾け飛ぶと小さい姿のアリアが現れる。

 

「初めまして。アリアだよ。私に渡したい物って何かな?」

 

アリアの言葉に凛が制服のポケットから取り出したのは翼の形をした白金色のペンダント。

 

「名前はスパイラル。それを持った状態でセットアップって言ってみて」

 

「わかった。スパイラル、セットアップ!」

 

スパイラルから眩い白金色の光が溢れ、アリアの体を包み込む。

 

「これは…!」

 

『元の大きさに戻れた気分はどうだ?』

 

何とアリアの体が元の大きさに戻っていた。アリアは超次元で起きた戦いの中で女神の力を強引に搾取された影響で小さい姿になってしまい、元の大きさには金の女神と結晶の女神と融合(ユニゾン)した際のみ戻ることができる状態だった。

 

「成功したね。それがお母さんからのプレゼント。いつも舞姉のことを助けてくれてるのを見て、お礼に作ったって。スパイラルには僕のヴァジュラ、楓のアグゼリウスと同じように使い手が望む武器の形に変化する機能がついてるよ。これから先の役に立つと思う」

 

「本当にありがとう。おかげで前線に復帰できるよ。今までは舞の体を使っての戦いだったからね。頑張らないと…! これからよろしくね。スパイラル」

 

『ああ。共に舞を支えて行こう』

 

「僕の役割はこれで終わり。今回の戦いが終わるまではこっちのプラネテューヌの守りに専念するよ。舞姉、次はリーンボックスに向かうのかな?」

 

「そうなるね。大陸が接近するまでは一週間あるから、それまでは特訓とかクエストを受けたりかな。時間がある以上はできることはやっておきたいし」

 

「特訓の相手とかクエストのお供なら付き合うからね。これでも腕には自信があるよ」

 

「ありがとう。凛はこれからどうするの?」

 

「クエストを受けてお金と素材集めかな。来るなら歓迎するよ? どうする?」

 

「なら、アイエフとコンパは私と一緒に、ネプテューヌとノワールはリリムとヒナと一緒に特訓で。アリアは行ける人を連れて凛と一緒にクエストに。これでどうかな?」

 

「いいと思うよ。他に異論が無ければ。元の大きさには戻れたけど、足手まといにならないためにも体を動かしておかないといけないから私にとってはこれ以上ない提案だけどね」

 

アリアとセレナ、ネプギアとユニの四人は凛と一緒にクエストに向かうことになった。

 

「戦力としては十分過ぎるメンツだね。受けるクエストはSランクかな?」

 

『雑魚をぶっ潰しても特訓にならねーからな。このメンツなら上位・接触禁止種が妥当なところだと思うぜ』

 

「危険種狩りか…。懐かしいよ。これは腕が鳴るね」

 

「やる気に満ち溢れてるね。なら早速行こうか。美味しいクエストが横取りされないうちに」

 

アリア達は凛に着いて出ていった。

 

「さて、こっちも時間があるうちに特訓しようか」

 

手始めに舞が机の上に黒い宝玉を置いた。この黒い宝玉はセレナが開発した物で舞がこれまでプレイしたゲームに登場する敵をゲイムギョウ界のモンスターという扱いで戦場と共に再現することができる。

 

「遂に来たのね…。でも、今のわたしの力で太刀打ちできる相手なのかしら…?」

 

「舞さんの足を引っ張らないか不安です…」

 

舞がこれまでプレイしたゲームに登場する敵は強敵が多い。単純に圧倒的な力を持つ敵、特殊な力を操る敵と言った形で様々な特徴が見受けられる。強敵との戦いを乗り越えた先にある新たな力の修得のためには避けては通れない。

 

「二人にはこれから私と一緒にあるモンスターと戦ってもらうけど、何もできないなんてことにはならないよ。自分にできることは必ずあると思うから。それを戦いの中で探してみてほしい」

 

「わかったわ。それにしてもどんな相手が出るのかしら…。気になって仕方ないわ」

 

「それは後のお楽しみ。それとネプテューヌとリリム、ノワールとヒナにもそれぞれ戦ってもらう相手を用意してあるよ。最初は私とアイエフ、ネプテューヌとリリムから。行けるかな?」

 

「私はいつでも大丈夫よ。主様が用意した相手…。楽しみだわ」

 

「わたしもオッケー! 主人公補整で軽く蹴散らしちゃうよー!」

 

全員の準備ができたところで舞は黒の宝玉に手を触れてシェアの力を注ぎ込む。宝玉から現れた黒い光が舞とアイエフ、ネプテューヌとリリムを包み込み、強敵が待つ戦場に導いた。

 

凛と共にクエストを受けることになったアリア達はプラネテューヌのギルドに到着。

 

「上位危険種と接触禁止種を討伐対象とするなら、変遷が起きていないとダメだよね。近場のダンジョンで変遷が起きてる場所はあるのかな?」

 

変遷というのは何らかの要因でダンジョン内に生息するモンスターが普段とは異なるものになる現象。基本的に上位危険種と接触禁止種は変遷が起きた際に現れる。

 

変遷が起きているダンジョンの情報はギルドの掲示板で確認することができる。さらにダンジョンの変遷に合わせる形で発行される上位危険種・接触禁止種が討伐対象となる緊急クエストは報酬が高めに設定されるため、所謂美味しいクエストになるのだ。

 

「今変遷が起きているのはメカトロファクトリーだね。合わせて発行されてる緊急クエストの討伐対象はチャイルドホエールとシュジンコウキか。これだけなら特に問題は無いかな。時間も惜しいから早速行ってみようか」

 

ネプギア達は緊急クエストを受注。変遷が起きているメカトロファクトリーに向かった。プラネテューヌとリーンボックスが接近するまでは後一週間。次なる戦いに向けて舞達は特訓に励む。

 

特訓は順調に進み開始日から特に何か異変などが起きることもなく一週間が経過。リーンボックスに渡ることができるようになった。結果としては舞達の実力はさらに上昇。その中で特に大きな成果となったのがアイエフとコンパ。舞と共に強敵を打ち破ったことで新たな力を習得することに成功している。お披露目は次の戦いに持ち越しだ。

 

「この一週間、中々楽しかったよ。それにしても、大きい舞姉を筆頭にみんな本当に強いねー。それもまだまだ成長の余地があるし。僕も負けてられない。この世界のプラネテューヌの守りは僕が引き受けるよ。舞姉達は今やらなければならないことに集中してね」

 

凛と別れた舞達は接岸場に向かう。ゲートの先に広がるのは次なる目的地、雄大なる緑の大地リーンボックス。舞の体から発現したハード・リンクの光は桃色と白色。それは双子の白の女神候補生の妹の方と結晶の女神龍の輝き。

 

「ここから旅の後半戦…と言ったところかな。どんな敵が待っているかわからないから気を引き締めて行こう」

 

守護女神(ハード)戦争の裏で暗躍を続けるマジェコンヌ。このまま四つの大陸を回り切るまで何も仕掛けてこないというのは考えにくい。気を引き締めたらゲートを通過。リーンボックスに足を踏み入れる。自然と調和した街並みは元の世界と変わってはいなかった。手始めにハード・リンクの光を頼りにこの大地で待つ仲間の元に向かうことに。

 

「やっと来たのね。待ちくたびれちゃったわ」

 

『無事に合流することができて何よりだ』

 

薄い茶色の長髪に桃色と白色を基調とした服と帽子。肩にかけた青い鞄。双子の白の女神候補生が妹のラム。その肩に乗っているのは蒼と白の甲殻に身を包み赤色の瞳を持った小さな龍。初代結晶の女神のシオンである。

 

「ハード・リンクを通して知ってはいたけど、改めてその姿には驚かされたよ。ブランが見たらどんな顔をするか…」

 

何と今のラムは舞と同じ身長まで成長している。

 

「ふっふーん。いつまでも子ども扱いしないでよね。シオンのおかげでこの姿なら魔法以外にも他の武器が使えるようになったんだから」

 

ラムは舞と合流するまでの間にシオンの指導で自身の体の成長に加えて、近接武器の扱いを練習していた。ラムの体が成長しているのは女神化の仕組みを元に組み上げた永続効果魔法によるもの。守護女神は女神化を行使する際に体内から放出されたシェアを纏うことで体格・髪の色などが変化し、体を守護する鎧であるプロセッサユニットを装着することで戦闘力を飛躍的に向上させることができる。ラムが使っている魔法は変化させるのを体格のみに限定。シェアの代わりに魔力を用いている形だ。

 

『さて、無事に合流できたところで早速教会にでも行ってみるか?』

 

「まさかとは思うけど、ラステイションみたいに反女神派の人間に占拠されてるの?」

 

『そのようなことはないが、我らもまだグリーンハートと面会ができていない状況なのだ。ひとまず我とラムで教会まで案内する。会えなかったとしても日を改めればよかろう』

 

ラムとシオンの案内で舞達はリーンボックスの教会に向かう。

 

「こ、ここがリーンボックスの教会です? プラネテューヌとはまた違った感じがするです」

 

「ベールは今頃どうしてるのかしら…?」

 

「ノワちゃん。ベールってグリーンハート様のこと?」

 

「そうよ。記憶喪失のあなたにはわからないと思うけど、私達は守護女神としての名前と下界で活動するための人間としての名前を持っているの」

 

「ふ~ん。普段はどっちで呼んだ方がいいの?」

 

「女神としての名前の方でしょうけど、あなたも同じ女神なんだし、好きにすればいいんじゃない?」

 

「そういえばそうだった! それならわたしもノワちゃんみたいに呼び捨てでいいよね?」

 

「会えて話ができた時にはそれでいいと思うよ。ただ、今は面会を希望してる立場だから会うまでの間はグリーンハート様で統一しておこうか。ところで、アイエフ。さっきからまたケータイ見てるけどブログが更新されたの?」

 

「察しがいいわね。ついさっきブログの更新があったからグリーンハート様は教会にいるはずよ」

 

「そういうのってさ、女神様じゃない別の人が記事を書いて更新してるパターンだよ。というかわたしだったらそうしてるね!」

 

「ドヤ顔で人の夢を壊すような発言しないで。あんたとグリーンハート様、どっちがすごいかなんて比較するまでもないわ」

 

「おおう…。わたしのボケが通用しないなんて…。今思ったんだけど、あいちゃんって普段はクールでかっこよさげな感じだけど、意外と乙女な一面あるよねー。その信仰心をわたしにも向けてくれないかなぁ? そうすればわたしの主人公補正と相まってさらにレベルアップしちゃうよ?」

 

「乙女で悪かったわね…。それと向けて欲しいのならせめて舞みたいにしっかりしてくれたら考えてあげるわ」

 

「まあまあ…。ネプテューヌはやる時はやる子だから言い合いはそこまでにしよう?」

 

「舞さんの言う通りです。あまりうるさくすると今回の賭けの報酬のプリンは無しにするですよ?」

 

「「すみませんでした!!」」

 

これが舞とコンパの手作りプリンの偉大さである。パーティ内の争いは大抵のことならこれで何とかなってしまうのだ。言い合いが収まったところで舞達はリーンボックス教会の中に入る。

 

「すみません。グリーンハート様にお会いしたいのですが、いらっしゃいますか?」

 

舞は普段とは異なる丁寧な口調で受付にいた初老の男性に話しかけた。

 

「お若いのに随分と丁寧な口調だの。感心するわい。ワシはイヴォワール。お嬢さん、グリーンハート様に謁見を希望か。会わせてやりたいのは山々なのじゃが、既に本日の面会時間は終わってしまってのぉ…」

 

「そうですか…。終わってしまったなら仕方が無いですよね。明日はどうなんですか?」

 

「すまぬのぉ。グリーンハート様は常に公務でご多忙の身。次に面会時間を設けられるのがいつになるのか今の時点では答えられぬのじゃ」

 

「そうですか。公務(ゲーム)なら仕方ないですよね。わかりました。また機会を改めます」

 

「あれ? 何か舞の台詞が変じゃなかった?」

 

「お姉ちゃん、突っ込みは駄目。舞さんが言った通りで公務(ゲーム)なんだから仕方ないよ」

 

「そうよね。公務(ゲーム)なんだから仕方ないわよ。別に今日が駄目でも次があるだろうし」

 

「むー。またお仕事(ゲーム)なの? この前もそれで会えなかったのにー」

 

「えっ…。なにこれ。わたしの耳がおかしいのかしら…?」

 

「同感だわ…。本当にどうなってるの?」

 

「おかしくなんかないから心配することないよ。公務(ゲーム)が忙しくて会えないのならこれ以上の交渉は無意味だね。当分はリーンボックスに滞在することになるんだし、会える機会は自然とやってくると思う」

 

『最悪ルウィーに向かう時までに会うことができなかったとしても、機が完全に無くなるわけではない』

 

「ということでまた来ますね。もし都合のいい時間がわかったら教えてください」

 

「わかった。話を聞くところ、旅の途中かの? リーンボックスで楽しんで行ってくだされ」

 

舞達は教会を後にした。仲間との再会は果たしたが、グリーンハートには謁見は叶わずの結果。次の目的地のルウィーに渡れるようになるまではまだ期間はある。舞達は一旦街に戻って今後の策を話し合うことにするのであった。

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