超次元ゲイムネプテューヌ 銀陽の女神 Re;Birth   作:ミオン

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Game4:予想外の出来事

空から落ちてきたネプテューヌが突き刺さっていた場所に到着した舞達。その場所を探索していたコンパと出会う。今後の計画を彼女のアパートの部屋で立てることになった舞達がその場所を後にしようとした矢先に地面が突如崩落した。

 

異変を察知した舞とネプギアが翼のプロセッサユニットを部分展開。ネプテューヌとコンパの体を持ち上げて飛ぶことで事なきを得たが、後少し遅れていたら崩落に巻き込まれていた。舞とネプギアは離れた場所に着地する。

 

「危なかった…。対応が間に合ってよかったよ」

 

「いやーまさかもう一回落ちそうになるとは思わなかった。また頭から落ちたら流石のわたしでも危ないところだったよ…」

 

「急に体が浮いたからびっくりしたです…。お二人の背中のそれは何ですか?」

 

「これはプロセッサユニットと言って、わたしと舞さんの装備の一部ですね。詳しいお話は街に帰ってからしたいところなんですが…」

 

舞は銀色の太刀、ネプギアはマルチプルビームランチャーを構えて既に戦闘態勢に入っていた。周囲にはモンスターの姿は見受けられないが、二人の視線は崩落によって先程の場所にできた大穴に向いている。穴の中からモンスターの咆哮が響いてきた。

 

「ねぷっ!? 何このいかにもな唸り声!? まさか、この流れからのボス戦!?」

 

大穴の中から一体のモンスターが飛び出してきた。大きな蜘蛛型のモンスターで背中には甲冑を着た人型の上半身がついている。さらに人型の右手には大剣が握られていた。明らかに通常のモンスターと雰囲気が違う。

 

「ひゃあっ! 大きなモンスターさんが出てきたですっ!」

 

「帰る前にこいつを何とかしないといけないみたいだね…。見たことの無いモンスターだけど、ここは押し通らせてもらおうかな。ネプギア、準備はいい?」

 

「はいっ!」

 

ネプギアの手に握られているマルチプルビームランチャーが元のNの形をした薄紫色の結晶に戻った。さらに舞の手には銀色の太陽の形をした結晶が現れる。その結晶を胸に当てると二人の体が光に包まれる。眩い銀色と薄紫色の光を前にモンスターは怯む。

 

手始めに舞のパーカーワンピが光となって弾け飛ぶ。代わりに体を守護するのは白銀色のボディスーツ。それに加えて腕を守護する籠手、腰を守護するスカート状の防具、足を守護するブーツ、頭を守護するティアラが装着される。最後に背中の銀翼が光に包まれて大きな翼に変化すると、髪の色が黒色から銀色に変わった。

 

続けてネプギアのパーカーワンピも同様に光となって弾け飛ぶ。体を守護する白のレオタードのような衣装を軸に、両肩と腰を守護する薄紫色の花びらの形をした小さな機械パーツと足を守護する白い羽の装飾がついたブーツが装着される。翼のプロセッサユニットの形状はそのままに、十字キー型の髪飾りが薄紫色のNの形の髪飾りに変化すると、髪の色はさらに明るみを増した薄紫色に変わった。

 

真の姿を現した舞とネプギアは大地に降り立つ。これが体内に秘められたシェアの力を解き放ち、守護女神としての力を最大限に行使する女神化。女神化を行使することで二人の戦闘力はさらに強化される。

 

「銀の女神、シルバーハート! ここに見参!」

 

「紫の女神候補生、パープルシスター・ネプギア! 変身完了ですっ!」

 

「おお! カッコイイ! 舞とネプギアが変身した!」

 

「とっても綺麗です…! 見とれてしまいそうになるです…」

 

女神化した二人の姿がネプテューヌの視界に映ると同時に頭の中に不思議な光景が流れてきた。空の上に浮かぶ虹の橋で繋がれた大地。近未来的な都市。黒と紫を基調とした特徴的な鎧を纏った紫色の髪の女性の姿。

 

「ねぷっ!? 今のは…?」

 

突如として頭の中に流れてきた光景が気になる所ではあったが、体勢を立て直したモンスターが再び咆哮を上げる。ネプテューヌは紫の太刀、コンパは護身用として持ち歩いている大きな注射器を構えた。全員が得物を構えたところで穴の中から現れたモンスターとの戦闘が始まった。手始めに舞はある魔法の詠唱を始め、ネプギアは銀と金の長剣を頭の上で交差させる。

 

「アナライズ!」

 

舞が魔法を発動すると舞の体から放たれた銀色の光がモンスターの体を包み込む。モンスターを包み込んだ銀色の光は舞の元に戻ると体の中に入った。

 

「門番蟲…。聞いたことの無い名前だね。攻撃属性は雷属性。弱点属性は火属性か…」

 

舞が使った魔法は敵の情報を解析する補助魔法。これを使うことで敵の名称と種族。攻撃属性に弱点属性を把握することができるのだ。門番蟲の情報を把握した舞は赤色の結晶を取り出す。それを銀の太刀の刀身に当てると結晶が太刀の中に取り込まれた。これはアリアが開発した属性クリスタルで武器に使うことで属性を纏わせることができるという物である。

 

「鬼神化っ!」

 

銀と金の長剣を交差させたネプギアの体に薄紫色の炎のようなオーラが纏わりついた。ネプギア自身の体力を消費して攻撃力と反応速度を強化する双剣術の奥義。本来は舞がプレイしたゲームに登場する技なのだが、ハード・リンクによって舞と繋がったネプギアは舞のゲームの記憶から様々な技を習得しているので使うことができるのだ。

 

門番蟲の背中の人型が握る大剣が雷属性の魔力を帯びる。振るわれた大剣の一撃を舞が太刀で受け止めた。受け止めた隙に鬼神化状態のネプギアが突撃。懐に潜ると二刀流による乱舞を叩き込む。ダメージが入っていることを表している蒼色の光が漏れ出した。

 

痛みに悶える門番蟲は体を奮わせて暴れまわったが、ネプギアと舞は既に距離を取っていたのでダメージは無い。続いてネプテューヌとコンパが側面から攻め立てる。コンパが胴体に注射器を突き刺して麻痺毒を注入。ネプテューヌは足を集中攻撃することでダウンを奪った。

 

「いい連携だね。ネプギア、決めるよ!」

 

「わかりました!」

 

舞とネプギアの間に薄紫色の光の線が現れた。これがハード・リンクの光。強力な技を放つ際にも可視化状態になる。最初にネプギアが怒涛の連撃を叩き込み門番蟲の体を宙に浮かせた。続けて舞が背中のプロセッサユニットを駆使して縦横無尽に飛び回りながら炎の斬撃を連続でお見舞いして門番蟲を地面に叩きつけた。

 

「「スカーレットファング!!」」

 

地面に叩きつけられた門番蟲は動かない。体が完全に消滅しないところを見るとまだ倒し切れていなかったようなので、舞がとどめを刺そうとしたが、門番蟲の体が黒い光に包まれる。光が晴れると門番蟲は体を紫色に染めて再び立ち上がった。性質の悪いことに傷が完全に修復されている。舞とネプギアはこの現象に心当たりがあった。

 

「汚染化…!」

 

汚染化。それは舞達がいたゲイムギョウ界で確認されていた現象のこと。ゲイムギョウ界に満ちた犯罪神マジェコンヌの瘴気に当てられたモンスターの体が汚染され狂暴化するという事例があった。汚染化モンスターは汚染前と比較すると戦闘力と耐久値が飛躍的に上昇。さらに周囲に生息するモンスターにまで影響を及ぼすと言われている。対処方はただ一つ。完全に消滅させることのみ。舞達は再び武器を構えて戦闘態勢に入ったが、さらに予想外の事態が起きる。

 

「このタイミングで解除されるなんて…! でも、諦めませんっ…!」

 

何と舞とネプギアの女神化が解除され、元の状態に戻ってしまった。この世界で女神の力を最大限に行使するにはまだまだシェアの積み上げが足りていない。女神化時の活動時間は最大で見積もっても三分程度に限られる。だが、舞とネプギアに諦めると言う選択肢は存在しない。再度戦闘になると思われたが、汚染門番蟲は何故か穴の中に逃げて行った。戻って来る気配は無い。

 

「逃げて行った…です?」

 

「そうみたいだね。できれば追撃したいところだけど…」

 

「こういう時って一旦街に戻った方がいいのかな?」

 

「そうですね。この穴の先がどうなっているのかもわかりませんし…。一度体勢を立て直してからもう一度来た方がいいと思います」

 

汚染門番蟲が逃げ込んだ穴の先にはかなり広い空間が広がっていると思われる。未知の領域に乗り込むのは危険を伴う。生息しているモンスターの情報と内部の構造がわからない以上、追撃をかけるのは難しい。再び汚染門番蟲と遭遇しても倒せなければ意味が無いのだ。次は確実に討伐できるように念入りに準備をしてこなければならない。

 

「悔しいけど、ここは一時撤退だね。コンパ、アパートの部屋まで案内してもらってもいいかな? 作戦の練り直しと今後の計画を立てたい」

 

「はいです。みんなで話し合えばきっと解決策が見つかると思うです」

 

舞達はバーチャフォレストを後にしてプラネテューヌの街に戻る。コンパが住んでいるアパートは街の中心から少し離れた閑静な住宅街の一角にあった。日当たりがいい上に食料品などを買い揃えることのできるスーパーが近場にあるので立地条件は非常にいいと言える。

 

「ここがわたしの部屋です。鍵を開けるですよ」

 

鍵を開けてもらい舞達は部屋の中に入る。部屋の中は綺麗に掃除されていた。見通しのいい大きな窓と布地に描かれたハートの模様が特徴的なカーテン。ふかふかの大きなピンク色のソファと絨毯。部屋の中央に置かれた大きめのテーブル。巨大な注射器の形のクッション。壁にあるハンガーにかけられた人気ブランドの洋服。タンスの上に置かれているのはピンク色のタコのような生物と黄緑色の猫のように見える生物のぬいぐるみ。部屋の片隅にある勉強机の本棚には医療知識の参考書が置かれている。

 

「ここなら落ち着いて話ができると思うです。先に飲み物を用意するですね。と言っても今はお茶しかないですが。今度買い物に行った時はジュースを買ってくるです」

 

コンパは冷蔵庫からお茶を取り出すと人数分のコップを用意して注いだ。部屋の中央にあるテーブルを囲むように四人で座ると話を始めることに。

 

「そう言えば、まだお二人の名前を聞いて無かったですね? 教えてもらってもいいですか?」

 

「本当だ。すっかり忘れていたよ。じゃあ、改めて。私の名前は神奈 舞だよ」

 

「わたしはネプギアって言います。よろしくお願いしますね」

 

「わたしはネプテューヌだよ! さっきも名前を言った気がするけど、二人に便乗しておくね!」

 

「よろしくです! 改めてお話を聞かせてもらってもいいですか? 力になれるかどうかはわかりませんけど…」

 

「いいよ。少し長い話にはなるけどコンパには知っておいてほしいことだから」

 

舞とネプギアはコンパにこれまでのことを簡単に説明する。元の世界でのことは混乱を招いてしまう危険があるので省略して説明を進める。銀色と薄紫色の流れ星の正体は自分達であることは明かした。夜のバーチャフォレストで目が覚めたので辺りを散策していると偶然地面に突き刺さっていたネプテューヌを見つけたということにした。

 

「舞さん達もお空から降ってきたですか…? ねぷねぷと違って記憶喪失では無いんですよね?」

 

「今さりげなく言ったけど、わたしの名前を呼びづらい人にわたしが提示する三つの名前の一つを当てるなんて、こんぱは何かすごい物を持ってるね! 間違いないよ!」

 

「そうですか…? 声に出さないように頭の中で何度か言ってみたんですけど、名前が上手く言えなかったのでこの呼び方にしたです。嫌だったですか…?」

 

「いいよー。わたしの名前って言いづらいと自分でも思うくらいだし。ちなみに後二つはねー」

 

「ねぷ公とねぷえもん。ですよね?」

 

「ねぷっ!? 何でネプギアが知ってるの?」

 

「ふふっ…。教えてほしいですか?」

 

「とーぜん! このネプテューヌ、謎を前にして黙って引き下がるわけにはいかないからね!」

 

ネプギアがネプテューヌの妹であるということは伏せている。イストワールと会話した夢の中ではネプギアはネプテューヌの事をお姉ちゃんと呼んだが、ネプテューヌはそれについては突っ込んでこない。単に忘れているだけなのかはわからないが。ただ、今の状態だとネプギアがネプテューヌのことを下手に呼ぶことのできない状態。それを見兼ねた舞はバーチャフォレストに出発する前に思念通話でネプギアにとある提案を送っていた。ネプギアはそれを実行に移しているだけである。

 

「なら、お姉ちゃんって呼ばせてください」

 

「ねぷっ? いきなりのお願いだね? いいよ。お姉ちゃんって呼んでも」

 

「よかったね。ネプギア?」

 

「はい…! ありがとう、お姉ちゃん」

 

「ぐはっ…! 何て威力っ…! ここまで可愛い妹を持つことになるとは思わなかったよ…! わたしのことをお姉ちゃんって呼ぶってことはネプギアってわたしの妹なの?」

 

「そうだよ? 今のお姉ちゃんに詳しいことを話すと絶対に混乱すると思うからこれ以上は話せないけどね。さっきのことは妹だから知ってたってことにしておいてほしいかな。だから、頑張って記憶を取り戻してね? わたしもお手伝いするから」

 

「こんなに可愛い妹のことを忘れるなんて数えるどころの罪じゃないよ! 是が非でも取り戻さなきゃ! よーし! 頑張るぞ!」

 

ネプテューヌがやる気になったところで話を元に戻して今後の計画を立てることに。最初に解決しなければならないのは大穴の奥に逃げ込んだ汚染門番蟲の討伐。それを解決したとしても課題は山積みの状態。

 

これから先の旅でどのような出会いと戦いが待ち受けているのかはまだわからない。楽しい気持ちと不安な気持ちが入り混じるところではある。今後の計画の話し合いは夕方まで続き、明日の朝から行動することになった。

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