神のみぞ知るセカイ 続編   作:竜猫

8 / 10
─────────────────────


第8話「鍋と満月の夜」

僕、ちひろ、えり、ハクア、歩美、結、かのん、月夜、栞、天理…この全員が皿とはしを片手ずつに持ち、グツグツと音を出す鍋を囲んでいる。

 

「おい。何故こんなことになってる。」

 

「あ、ごめん。ボクとした事が気が付かなかった。もしかして、すき焼きが嫌いだった?」

 

「そうじゃない!何故、僕たちは全員で鍋を囲んでいるんだ!」

 

「確かに狭いのですね。」

 

「だからそうじゃない!」

 

僕が言いたいのはなんでお前達がいるかってことなんだ!

僕はお泊りを許したつもりはないぞ!

 

「それより早く食べようよ」

 

くそ!ちひろまで…僕の味方はいないのか!?

 

「じゃ、食べようか!」

 

「「「「「いただきまーーーーす!!!」」」」」

 

…………もうどうにでもなれ。

 

───────

────────────

──────────────────

 

僕は今、屋上にいる。

 

「へぇ。こんな所にも登れるんだ」

 

「ちひろか。ほかの奴らはどうしてるんだ」

 

はしごを登ってくるちひろを横目で見ながら

月を見る。今日は満月だ。

 

「色々だよ。お風呂とかおしゃべりとか」

 

「そうか。」

 

「うん。」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

夜風が心地よい。

それと同じように、この場には心地よい雰囲気が漂う。

なんだかくすぐったい気持ちだ。

 

「ねぇ。」

 

「なんだ。」

 

「………私さ…後夜祭のバンドの時、翼を見たんだ。」

 

なんの話しだ。

 

「翼?」

 

「…………私、悔しくて……。私だけ…女神がいなかったから恋が叶わなかったんだって…そう思うと悔しくて…。」

 

………女神でもいたのか?

それとも…まさか歩美達に翼がはえたとか?

馬鹿馬鹿しい。そんなわけないか。

 

「でもね。今はそんなことどうでも良かったんだって気付いた」

 

「だってさ…この先ずっと…桂木が一緒にいてくれるからさ」

 

やばい…。僕の心臓がバクバクいってるのがわかる。

なんだってんだ!なんでこんなに…こいつは可愛くなるんだよ!

普段はそんな予兆を見せないくせに!

これだからリアル女は困るんだ!

 

でも…まぁ…悪くない。

 

「ちひろ。お前は僕達のキスを全部覚えてるか?」

 

「…へ?………ななな、何言ってるのさ!」

 

「僕は覚えてるぞ。初めてのキスは僕が不意打ちをした。2回目のキスはちひろが強引にしてきた。3回目は僕が強引にした。」

 

「ややや、やめてよ!恥ずかしいじゃんか!」

 

「………まだ、2人が望みあってキスをしてないよな」

 

「!!!」

 

「……………ちひろ。いいか?」

 

暫しの無言………。

家から聞こえるはずの賑やかな声も聞こえない。

この世界には、僕とちひろしかいない。

そんなことすら思ってしまった。

 

ちひろは小さく頷くと共に目をつぶった。

それを確認した僕はちひろの肩に手をおいて

綺麗な星空と満月の月を背景に

 

軽く唇にキスをした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。