とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ) 作:マッスーHERO
前回までの3つのあらすじ。
一つ、ジャッジメントによる仮面ライダーたちとの強引な対話作戦が企画される。
二つ、エージェントアブレラにより第7学区中にドロイドが撒かれ、町は大混乱に
そして3つ…仮面ライダーオーズ=御坂美琴は後輩白井黒子を庇い倒れてしまった。
カウント・ザ・メダル、現在オーズの使えるメダルは…
タカ
クワガタ、カマキリ、バッタ
ライオン、トラ、チーター
サイ、ゴリラ、ゾウ
シャチ、ウナギ、タコ
絆とジャッジメントと赤いコンボ
御坂は地面に突っ伏し、動かない。そんな御坂に黒子が駆け寄る。黒子は御坂を起こすが御坂からの反応はない。
「お姉さま!お姉さま!お姉さま!」
ゴーカイイエローとボウケンピンクはイーガロイドを何とか突き放し、バスタードと彼女達の間に立った。しかし、彼女達はイーガロイドとの戦いの疲れで地面に膝をついてしまう。
「白井さん!御坂さんを連れて逃げて!」
ゴーカイイエローが叫ぶが、黒子は御坂を前に呆然としており反応がない。固法が黒子達の側に走る。
「白井さん!しっかりして!」
「お姉さま…お姉さま…」
黒子は御坂を揺するだけで近くにいる固法にすら気づいていなかった。そんな彼らにバスタードはライフル銃を向ける。
「さて、これで止めだ」
「うっ…」
「そんな…」
バスタードが引き金を引こうとする…そのとき、
[Elek Limit break]
[Metal Maximum drive]
「ライダー100億ボルトブレイク!」
「メタルツイスター!」
「百花繚乱!」
フォーぜ・エレキステイツ、ダブルの左半分が銀色になり、メタルシャフトを装備した、ダブル・サイクロンメタル、烈火大斬刀を持ったシンケンブルーがバスタードに飛びかかった。
「ほう…」
バスタードは近くにいたイーガロイドを投げつけて盾にする。イーガロイドは不意をつかれて、攻撃を防げず爆発した。
「こいつ、仲間を盾に…」
「何てやつぜよ…」
「最低なんだよ!」「許せない…」
「仲間?こいつらは機械、それに他人は皆俺に利用されることにだけ存在意義がある!」
バスタードはそう言うと剣を取りだし、フォーゼ達に斬りかかる。フォーゼとシンケンブルーは立ち向かう。
「風斬、インデックス!御坂たちを安全なところに!」
「解ったんだよ!」「わかりました!」
ダブルは懐から特殊な携帯電話スタッグフォンを取りだし、ボタンを押す。すると空から前部は黒、後部は赤く翼の付いたマシーン、ハードタービュラーがやって来た。更にどこからともなく、マッシグラーも自動走行でやって来た。
「あなた、運転できる?」
「えっ、まあ…」
ダブルは固法に訊ねる。固法は困惑しながらも頷く。ダブルはハードタービュラーに黒子と御坂を乗せる。
「あなたは彼女たちをお願いします。私たちは第7学区の病院に彼女たちを運びます」
ダブルはゴーカイイエローたちを指さし言う。そしてハードタービュラーに跨がり、空へと飛び上がった。固法はヘルメットを被るとボウケンピンクとゴーカイイエローに乗るように言う。ゴーカイイエローはボウケンピンクを肩で支えて、運ぶ。
「固法先輩、初春を…。私はまだいけます」
「あなた、佐天さんなのね…」
その時ボウケンピンクの変身が解けて、初春の姿に戻る。初春は意識こそあるが腕を押さえている。固法と初春はマッシグラーに跨がる。
「佐天さん…」
「気をつけて」
「はい!」
マッシグラーが発進し、見えなくなるとゴーカイイエローはゴーカイサーベルを構えてバスタードの元へ向かった。
「わたしも戦います!」
「ああ、助かる」
「よろしくぜよ」
三人はバスタードに向かい武器を構える。
「イーガロイドも居なくなったし、引き時かな…」
そう言うとバスタードは煙幕のようなものを体からだした。煙が晴れるとそこにバスタードは居なかった。フォーゼ達は呆然とその場に立ち尽くしていた。
第7学区、病院の一室のベッドには御坂が横たわっていた。その横の椅子には黒子が座っており、心配そうに御坂を見ている。壁際には佐天、固法そして腕を吊った初春が立っていた。御坂を診ていたカエル顔の医者は黒子達に告げる。
「酷い怪我ではないね。脳に少し衝撃を受けて気を失っているだけだよ。これならすぐに意識も戻るだろう」
その言葉に固法達は安堵する、医者は今度は初春の方を見ていった。
「君の腕の怪我もただの打撲だよ。ただし、今日一日は念のため固定吊っておいたほうがいいね」
「ありがとうございます」
「じゃあ、何かあったら呼んでね」
医者はそのまま病室から出ていった。病室はしばらく沈黙する。沈黙を破ったのは初春だった。
「白井さん…ごめんなさい!私が白井さんの言う通りにしてれば…」
「いいえ、初春のせいじゃありませんの…」
黒子は初春の方を見ずに答えた。固法はベッドサイドのオーズドライバーを持ち上げる。
「にわかには信じられないわね…こんなものであんな力がだせるなんて…」
「私たちにも詳しいことは解りません…」
初春がそう答えた。固法はドライバーをベッドサイドに戻す。
「で、どうして私たちにこの事を隠してたの?」
「それは…」
「お姉さまでしょう、初春」
「えっ?」
「お姉さまが言ったんでしょう。私たちを戦いに巻き込まないようにかあるいは、私たちにこの力を取り上げられるのを恐れたかのどっちかでしょう、初春」
「は、はい…」
初春は黒子を見る、こちらからは背中しか見えないがひょっとすると泣いているかも知れないと初春は思った。
「そういえば…逢辰さんはどうなったんですか?」
佐天は空気に耐えられなくなり話題を変えるかの様に言った。
「当分は入院が必要みたい…」
「そう…ですか…」
その時、黒子は突然立ち上がった。三人は驚く。
「ちょっと…散歩してきますの…」
黒子はゆっくりと病室を出ていった。残された三人はバスタードへの対策を考案していた。
「あいつは色々な武器を持ってる…あいつに勝つにはあのビームを何とかして…」
「佐天さんの豪快チェンジで色々な攻撃を仕掛けるしかない…でもあの茶色いイガグリ頭の怪人はどうしましょう?」
「そうだよね…あいつも結構強いし…」
「どっちにしても、初春は戦っちゃ駄目よ。その腕じゃ」
固法は初春の腕を指さし言った。
一方、その頃。病室から出た黒子は待ち合い室の近くに来ていた。黒子はオーズ=御坂が自分を庇った時のことを思い出していた。
『お姉さま!』
『黒子、ごめんね。隠してて…』
あのとき御坂は黒子にそんなことを言っていた。黒子は自分が情けなく思えていた。
「(私が弱いから…あの力に選ばれなかった…だからお姉さまがあんな目に…露払い失格ですわ…)」
カチッ、カチッ、カチッ
「ん?」
黒子は何かを押す音に気づいて辺りを見渡す。待ち合い室には人がたくさんいた。そのなかにカメラスイッチをカチ、カチと押す上条の姿を黒子は見つけた。上条も黒子に気づいたらしく、カメラスイッチをポケットに入れて立ち上がり黒子の元へ歩いてきた。
「あのフォーゼとか言うのに変身してたのはあなただったんですね。」
二人は屋上に来ていた。屋上に人気はなく、こうゆう話をするにはうってつけだった。
「まあな、それで御坂はどうなんだ?」
「思ったより軽傷ですが…まだ意識が戻りません…」
「そうか…すまない」
「なんであなたが謝るんですの?」
「俺たちがもっと早く駆けつけてれば御坂は…」
黒子は前からこの男が気に入らなかったがその反面、御坂が認めた男ということで興味もあった。ふと、黒子は上条にたずねた。
「あなたは何故戦うんですの?今までも関係のない戦いに何度も挑んで、今もあんな怪人に立ち向かうのは何故ですの?」
「何故かって?理由なんてないよ。誰かが泣いてしまう幻想をぶち壊したい、ただそれだけさ。それに…」
上条は黒子の目を真っ直ぐ見て。
「その思いは御坂も同じだと思うぜ…」
「…」
黒子は何故御坂が上条を気にしているのか少し解った気がした。そして一つの決心をした。
「上条さん…お姉さまを頼みますの…」ヒュン
「白井!?」
黒子はテレポートでどこかへ行ってしまい、上条はその場に一人取り残された。上条は屋上から見える景色を見渡して、
「白井…無理するなよ…」
そう心配そうに言った。
ドーン!!突然の爆発音に驚く固法たち。
「何?」
「まさか…」
「また来たの…」
固法たちは病室を出た。ロビーのテレビには第7学区を襲うアーナロイド達の姿があった。佐天はテレビに向かい怒りの表情をあらわにしていた。初春は腕の包帯を外す。
「初春さん…駄目よ」
「私だってジャッジメントの一員です…御坂さんを傷つけた責任くらいはとらせて下さい…」
「初春さん…」
「よくいった、初春!さあ、御坂さんの敵をうちにいこう!」
三人は病院から出る。すると入り口にはリュックを背負った黒子がいた。
「白井さん…」
「私を置いてきぼりにする気ですの?」
黒子は自信に満ちた表情を見せた。その表情を見て固法は一抹の不安を覚えた。しかし佐天は笑顔を見せる。
「よし!皆さん行きましょう!」
その頃、病室に一人取り残された御坂は夢を見ていた。
一人の男が戦っている。恐竜のような敵との戦いで倒れた男は禍々しいオーラを出す。するとそこへ火の玉が飛んでゆき男は我に変える。火の玉は右手が怪物のような形の男が放ったものだった。右手が怪物のような男は戦っていた男に叫ぶ。
『×××!これ使え!』
男はそう言うと赤いメダルを二枚投げる。そして最後に怪物のような右手からタカメダルを出して倒れる。戦っていた男は三枚を受け取るとオーズドライバーにセットする。しかしタカメダルにはひびが入っていた…
『駄目!』
御坂は叫ぶ。だが男はオースキャナーを構える。
『変身!』
男は御坂が見たことのない赤いオーズになり、空へと飛び上がった…
敵が倒れ、変身が解除された男は空から落ちる。そんな彼に右手だけになった怪物が近づいてくる。彼は怪物にてを伸ばすが、怪物は消え彼の手には割れたタカメダルだけが残っていた。
気づくと御坂は最初にオーズの力を託された喫茶店のような場所にいた。カウンターにはオーズではなく、先ほどメダルを投げた男がアイスキャンディを舐めていた。
『あなたは…』
『まさか、こんな模造品に俺の意識が宿るとはなあ。これもあのバカの欲望のデカさのせいかもなあ』
『オーズの仲間なの?』
『まあ、そんなもんだ。お前がこの世界のオーズか…あいつと同じでバカな真似しやがる俺が助けてやらなきゃ死んでたぞ、お前』
『助けてくれたの?でもなんで、私はあの人とは違うのに…』
『ふん!あのバカの選んだ奴がどんなやつか興味があっただけだ…だが、もう次はないぞ』
『ねえ?貴方とあの人もこんな戦いを続けてたの?辛くは…なかった?』
『ふん!なにを聞くかと思えば、俺は人間じゃないし、あのバカはバカで人助けが趣味のような奴だったからな。ただ、奴が辛いと感じたことはあったかもしれないがな…』
男は顔をを下げる。御坂はカウンターに座る。
『ねえ?どうすればあいつに勝てるの?』
『なんだお前?まだ戦うのか?』
『当たり前よ!だって友達を…パートナーを守るためだもん…』
男は顔をあげると、わらいだす。
『ハッハッハ!やっぱお前、あのバカとそっくりだな』
『何よ?おかしい』
『いや、その欲望大切にしろよ…じゃあな』
『あ、ちょっと…』
御坂の視界が白く染まった。
目が覚めると御坂はベッドで横になっていた。横には人影があった。その人影は御坂と全く同じ顔をしていた。
「あんたは…」
「どうも、と御坂は素っ気ない挨拶を返します」
その少女はかつてとある目的から御坂美琴のDNAから造られたクローン『妹達(シスターズ)』の一体、10032号だった。
「お姉さまが搬入されたと情報を得ましてお見舞いに来たと御坂はこれまでの経緯を説明します」
「そう…!これ…」
御坂の腰には何故かオーズドライバーが付けられており、タカメダルだけがセットされていた。
「ああ、それは病室に入ったらベッドサイドのベルトとメダルが光っていたのでとりあえず付けてみたと御坂は簡潔に説明します」
「驚かないの?これ見ても…」
御坂が訊ねると10032号(これ以後は御坂妹と呼称する)は鞄からダイヤルのようなものが付いたベルトを取り出した。
「!それ…」
「どうやら、お姉さまと御坂たちは同じ境遇にあるようですと御坂は驚愕の事実をお姉さまに伝えます」
「そう…!ところで黒子たちは?」
「恐らく、例の怪人にリベンジしに行ったと御坂は推測します」
「!」
御坂はベッドから立ち上がると身支度を整え始める。
「今行っても危険だ、と御坂は一応お姉さまに忠告します」
「一応ってことは私がその忠告を聞かないって解ってるのよね?」
「まあ、お姉さまですからと御坂は半ばあきれぎみに言います」
御坂と御坂妹は病室から出ていった。
第7学区、衣料販売店セブンスミスト付近。バスタードはイーガロイド達と共に建物を壊して進んでいた。
バスタードは高笑いをしながら叫ぶ。「出てこい!誰が相手でもこいつでぶっ飛ばしてやる!」
バスタードは新しくガトリング砲を装備していた。アブレラがオーズを倒したことで与えたものである。
「そこまでです!サバイバスター!」
「ゴーカイガン!」
突如銃撃がバスタード達を襲った。
「来たか…」
「派手に行くわよ!初春!」
「ええ!」
ゴーカイイエローとボウケンピンクはゴーカイサーベルとサバイブレイドを構えてバスタードに突っ込む。しかしイーガロイドに阻まれる。
「くっ!」
「邪魔しないで下さい!」
二人はバスタードに近寄れない。バスタードはガトリング砲でイーガロイドごと二人を撃とうとする。その時、
ブーン!
バイクに乗った固法と黒子がバスタードに突っ込む。バスタードはガトリング砲を彼女たちに向けるが黒子の投げたスタングレネイドで視界を塞がれる。
「くっ、ちょこざいな!」
「くらいなさい!」
黒子は後ろからジャッジメントに支給されている拳銃を構えて撃つがバスタードにはダメージを与えられない。
「なんだ?その程度か?」
バスタードはライフル銃を構えてバイクを撃つ。直撃はしなかったがバランスを崩し、黒子と固法は振り落とされる。
「うわあ!」
「くっ…」
「白井さん!固法先輩!」
黒子は立ち上がると鉄釘をテレポートさせて攻撃するが、当たらない…
「だから、当たらないと言ったろ…バカなのか?」
「やってみなきゃ解りませんわよ!」
黒子はリュックからスタングレネイドを取りだしバスタードの近くにテレポートさせる。強烈な閃光でバスタードは身動きが取れなかった。目がなれたとき黒子は何処にも居なかった。
「逃げたのか?」
「まさか!ここですわよ!」
黒子はバスタードの真上にテレポートし、そのまま落下して、バスタードにしがみつく。
「なんだ?」
「この距離なら防げないでしょ!」
黒子の背負っていたリュックからたくさんのダイナマイトがこぼれる。
「!」
「白井さん!」
「まさか、自爆するつもり!?」
さすがのバスタードも狼狽する。
「正気か?お前も死ぬぞ」
「私の命は天に預けましたの!」
黒子は持っていたリモコンのスイッチを押す。大爆発が起こり、二人の姿が爆風で隠れる。
「白井さん!!」
「は…はいですの」
固法が叫ぶ。すると、近くの物影から黒子が現れた。イーガロイドを遠ざけて二人も固法の方へ歩いてきた。
「バカ!なんて無茶したの」
「そうですよ…」
「もし、死んじゃったらどうする気だったんですか!」
「生憎私はまだ死ねませんの。お姉さまをものにするまでは!」
その時煙から大量の弾丸が四人に飛んできた。
「危ない!」
「うわあ!」
あまりの攻撃の勢いにゴーカイイエローとボウケンピンクは変身が解除されて、倒れる。黒子と固法もかすり傷だが傷をおってしまう。
「なかなかいい攻撃だったぜ」
「そんな…無傷だなんて」
「あ、あり得ませんの…」
バスタードには黒子捨て身の攻撃も効かなかった…バスタードは四人にガトリング砲を向ける。
「死ね!」
「させないわ!」
[ライオン!トラ!チーター!ラタ、ラター、ラトラータ!]
「何!?」
間一髪、オーズ・ラトラータコンボのタックルでバスタードのガトリング砲は外れる。オーズは途中で病院付近の敵と戦うと言って御坂妹と別れて、ここに来ていたのだった。
「御坂さん!」
「お姉さま…」
「遅くなったわね…さあ、行くわよ!」
オーズはトラクローでバスタードに挑む。バスタードは剣を取り出した。
「しぶといやつだ、今度は確実にあの世に送る!」
「やってみなさい!」
オーズは高速移動して、バスタードを翻弄するが、バスタードはガトリング砲を取りだし攻撃する。
「きゃあ!」
オーズは攻撃を受けて変身が解除されてしまう。
「どうやら…全くダメージがないわけじゃないようだな」
「くっ!」
「これで終わりだ!」
御坂に向かいバスタードがガトリング砲を構える。
「お姉さま!」
黒子は御坂の元へ走る。
「黒子!来ちゃダメ!」
御坂の制止も聞かずに黒子は御坂のもとへたどり着いてしまう。
「二人とも、あの世に送ってやろう」
ガトリング砲が容赦なく二人を襲った。
「御坂さん!」
「そんな…」
「…」
残された三人はその光景を呆然と見ていた。
「ん?」
バスタードが驚いた。何故ならガトリング砲で死んだはずの二人が無傷だったからだ。よく見ると黒子の腕章とポケットから光が漏れている。
「これって…」
「なんですのこの光は…」
更に固法の腕章からも光が漏れ始める。
「固法先輩の腕章も光ってる」
「何よ?これ?」
「佐天さんこの光は…」
黒子はポケットからクジャクとコンドルのメダルを取り出す。
「あんたが持ってたの?」
御坂はメダルを受けとる。だが、腕章の光は消えていない。バスタードはガトリング砲で再度彼女達を撃つが光に阻まれてしまう。二人が不思議がっていると佐天達が彼女達の元へやって来る。
「大丈夫?二人とも…」
「ええ、でもこの光は…」
二人は腕章を外す。すると、腕章の裏側に何かついている。
「あ!それって…」
「私があげたお守り!」
佐天が驚いた。確かに腕章の裏にお守りが縫い付けられていた。
「なるほど、いつも肌に離さない場所だわ…」
「私も付けてますよ。佐天さん」
「でも、なんでお守りが…」
二人はお守りを開ける。すると黒子の物にはあの白い人形が入っており、固法の物にはカードが入っていた。
「これが例の…」
「私たちにも…」
光がいっそう強くなり、五人を包んだ。
気づくと黒子は何処かの会議室のような場所にいた。会議室にしては、カラフルな場所で壁にはPoliceと書かれた犬のようなマークがついていた。
「警察署…にしては、カラフルですわね…」
その時、扉が開き誰かが入ってきた。
「!誰ですの!」
その人物は黄色いスーツとマスクを着けており、胸には4のマークが付いており、ゴーカイイエローやボウケンピンクに近いものがあった。
「まさかお守りにレンジャーキーが入るなんて信じられないわ。おかげてあなたに力を託すのにこんなに時間が掛かってしまったわ」
その人物は椅子に座ると黒子にもそれを促した。黒子は椅子に座り、手を机に置く。
「あなたは何者ですの?」
「何者…か、この姿の私のコードネームはデカイエロー、特捜戦隊デカレンジャーのね」
「そうですか、ではデカイエローさん。私はあなたに一言言いたいことが「何故あんな危険な力を私の先輩や友人に託したんですの?」!?」
黒子はデカイエローに自分の言おうとしていたことを言われて驚く。そして彼女の手が机を触っていることに気づいた。
「あなたも能力者ですの?」
「ええ、あなた達の世界で言うところの原石かしら、レベルは…わからないわ」
デカイエローは机から手を離して言った。原石とは学園都市で能力開発を受けずに能力を開花させたもののことである。
「(机ごしに相手の考えを読みきるなんて…レベル3いや4クラスかも知れませんの…)」
「その事に関しては謝ることしかできないわ。でもそうしなければあなた達の世界は滅ぶ。だからこそよ」
「世界が滅ぶ…まるでSFか何かですわね」
黒子は茶化しながらもデカイエローの話を真剣に聞いていた。
「まあね、私があなたの立場ならきっと信じなかったわ。でもね、あなたも見たでしょ。あの怪人やヒーロー達を…」
「…」
黒子は黙ることしかできなかった。そのことに関しては何も言うことが出来なかったからだ。
「あなたの友人たちに辛い戦いを強いてしまったのは本当にごめんなさい。それでも私はあなたの世界を守りたいの…」
「だったら、何故あなた方の手で守ってくれませんの」
「できないの。奴らはそのために私達の力が全開にできないあなた達の世界を標的にしたの。そして、あいつも…」
デカイエローが机のコンピューターを操作すると机の中央に立体映像が投射される。そこにはバスタードの姿が写されていた。
「これは…」
「アームド星人バスタード…かつて兵器産業で栄えたアームド星最後の生き残りよ」
「最後の…」
「奴はあろうことか自分の生まれ故郷で大量殺人を犯した上に最期はアームド星を爆破したのよ」
「星を…爆破…」
「信じられないって顔ね。でも、それはこっちの世界ではかなりの頻度で起こってるのよ。そしてこいつはいくつもの星で殺人を起こした。動機はただ単に暴れたいから…ふざけてるわ」
デカイエローは拳を握る。
「そして、奴は私達の世界の地球でも殺人を犯した。その時は私達が奴をデリート寸前まで追い詰めたけど結局逃げられたの…その後奴はビーズ星で宇宙警察の戦士に敗れて死んだはずだったんだけど…」
黒子はデカイエローの話を全て理解できた訳ではなかった。理解できたのはバスタードが犯罪者であり、デカイエローはそれを追う警察組織の一員だと言うことだ。
「白井、黒子さんだったわね?私は奴をどうしてもデリートしたい…そしてあなたの世界を守りたいの。そのために力を貸してくれないかしら?」
黒子は少しの間顔を伏せて、やがて顔を上げて言った。
「正直、私はあの力のせいでお姉さまや初春達が傷ついたと思っています…それでも」
黒子は立ち上がる。
「ジャッジメントとして、そんな凶悪な犯罪者は野放しに出来ません。それに私がお姉さまを再び支えるにはその力が必要なようです。あなたの話を全ては信じられませんが…その力、頂けますか?」
デカイエローは黒子を少し見つめる。
「やっぱり、貴女は私が思った通りの人ね…この力は危険な力だけど貴女ならきっと…」
すると、黒子の視界が白く染まり始める。
「私も…あなたの世界に生まれたかった…必ず守ってね!それから、これ持っていって」
デカイエローは最後にそう言った。
気がつくと黒子は元の場所にいた。
「白井さん…」
固法は人形を持って黒子を見る。彼女も誰かに力を託されたのだろう。二人の人形とカードが光になる。黒子の手にその光が集まり、小型の特殊端末SPライセンスになる。更に固法の腰に光が集まり、変身ベルトアクセルドライバーになった。固法の手には赤いAと書かれた、ガイアメモリが握られている。
「黒子、固法先輩。あなたたちも貰ったのね」
「ええ、お姉さま」
「御坂さん、詳しい話は後よ」
バスタードはイーガロイド達と御坂達を攻撃しようとする。
「変身する前に殺せ!」
「させるか!」
バスタードの攻撃より先にミサイルがバスタード達を攻撃した。御坂達はミサイルが飛んできたほうを見るとそこには、
「仮面ライダーフォーゼ。お前の幻想を殺させてもらうぜ!」
「「さあ、貴方の罪を数えてください(るんだよ)!」」
「シンケンブルー!」
「メガブラック!」
「ピンクターボ!」
「今回も特にない…」
そこには、フォーゼ、ダブル、シンケンブルー、メガブラック、ピンクターボ、キバの六人が立っていた。
「あのイガイガ頭は俺たちが引き受けた!御坂達はあいつを!」
フォーゼが叫ぶと六人はイーガロイドに立ち向かう。
「皆、行くわよ!」
「はいですの!」「ええ!」「「はい!」」
黒子と固法は各々の変身アイテムを構える。
「エマージェンシー!デカレンジャー!」
[コールを受けたSPライセンスから形状記憶宇宙金属デカメタルが放出され黒子の体で定着し、デカスーツとなるのだ]
「フェイスオン!」
黒子が叫ぶと顔にマスクが装着される。黒子は黄色いで胸には4と書かれたスーツを装着した。
「さあ、振り切るわよ!」
固法はガイアメモリのボタンを押す。
[Accel]
ガイアメモリからガイアウェスパーが鳴り響く。
「変…身!」[Accel]
ベルトにガイアメモリを差し込みスロットを回すと
彼女の体が赤いスーツに包まれ加速の記憶を武器に戦う仮面ライダーアクセルへと変身した。
「力、貸してもらうわよ」
御坂は黒子から受け取ったメダルをタカメダルと共にベルトにセットする。
「変身!」
[タカ!クジャク!コンドル!タージャードルー!]
御坂の体が頭はタカヘッドの強化型のタカヘッドブレイブ、腕はクジャクアーム、脚は棘の付いたコンドルレッグと体が赤い、オーズ・タジャドルコンボに変身した。
「豪快チェンジ!」「レディ!ボウケンジャー!スタートアップ!」
[ゴーカイジャー!]
佐天と初春も変身する。五人は並び立つ。
「デカイエローですの!」
「仮面ライダーアクセル!」
「ゴーカイイエロー!」
「ボウケンピンク!」
「はあ!」
五人は名乗りを終える。バスタードは怒りに満ちた顔で五人、特にオーズとデカイエローを見る。
「デカレンジャー…それに、その赤いボディ…あの宇宙刑事を思い出す。お前らは徹底的に叩き潰す!」
バスタードは小型銃でオーズとゴーカイイエローを撃つ。
「またこれ?チェンジができない…」
「あれは私が何とかしますの!皆さんは奴の気を引いてください!」
「解ったわ!」
「行くわよ!」
何処からともなくメダジャリバーを取り出したオーズ、同じように赤い剣エンジンブレードを取り出したアクセル、ゴーカイサーベルを構えたゴーカイイエロー、サバイブレイドを構えたボウケンピンクがバスタードに突っ込む。四人の攻撃を何とか防いだバスタードは逆に四人を吹き飛ばす。
「きゃあ!」
「うわっ!」
「蜂の巣にしてやる!」
「させないわ!」
バスタードがガトリングを構えて攻撃するがオーズは体の中央に付いているオーランドサークルというマークから盾のような武器、タジャスピナーを出して左手に装着し、ガトリングの弾を弾く。
「今よ!黒子!」
「はい!」
「何!」
バスタードがオーズに集中していると後ろから突如デカイエローが現れ、小型の銃を奪い取る。
「佐天さん!これを!」
デカイエローはゴーカイイエローに銃を投げる。ゴーカイイエローがそれを操作して自分を撃つ。
「やった!これで、豪快チェンジ!」
[ゴーグルファイブ!]
「ゴーグルピンク!ゴーグルリボン!」
ゴーカイイエローは大戦隊ゴーグルファイブのゴーグルピンクに豪快チェンジし、ゴーグルリボンでガトリングを縛り、バスタードから奪う。
「くっ!ならば!」
バスタードはライフル銃を取り出すが…
「させません!ボウケンボウ!」
ボウケンピンクがマジックハンドのような武器、ボウケンボウでライフル銃を掴む。更にバスタードに向かいデカイエロー、アクセルの二人が突っ込む。デカイエローは十手型の武器ディースティックを構えており、アクセルもエンジンブレードを構えていた。
「喰らえ!」
「ディースティック!」
二人の攻撃でバスタードはよろける。更にオーズは背中から六枚の羽を出して飛翔する。
[スキャニングチャージ!]
「喰らいなさい!セイヤー!」
オーズ・タジャドルコンボの必殺技であり、コンドルレッグを展開して放つプロミネンスドロップを喰らい、バスタードの全ての武器とハイパーマッスルギアが砕け散った。
その頃、イーガロイドと戦っていた六人は…
「そのイガイガ頭、ムカつくのよ!」
「えっ?」
ピンクターボの言葉にフォーゼは狼狽した。イーガロイド達はフォーゼ達の攻撃で動けない。六人は止めに入る。
[ウェイクアップ!]
[Rocket Drill Limitbreak]
[Joker Maximumdrive]
「はあっ!」
「ライダーロケットドリルキック!」
「「ジョーカーエクストリーム!」」
「明鏡止水!」
「ロッドスナイパー!」
「ターボレーザー!」
「「ぐわああ!」」ドガーン!!
イーガロイド達は爆発した。
「吹寄…さっきのって…」
「別に一人言よ」
フォーゼはピンクターボに顔を向けて言うがピンクターボは顔を背けた。
バスタードはハイパーマッスルギアを破壊され、武器も失い逃げようとする。
「逃がしませんわ!」
「くっ!」
バスタードの前に五人が立ち塞がる。デカイエローはSPライセンスをバスタードに向ける。
「アームド星人、バスタード!アームド星の破壊および数々の星での大量殺人、そして私の大事なお姉さまと親友を傷つけた罪でジャッジメントですの!」
[ジャッジメントタイム]
SPライセンスのボタンを押すと蓋が開き上下二つの画面に丸とばつが点滅する。
[アリエナイザーに対してはスペシャルポリスの要請により、遥か宇宙の彼方にある宇宙最高裁判所より判決が下される]
点滅が止み、赤いばつが光輝く。
「デリート許可ですの!」
「何故…お前らごときに俺が…」
「あんたには一生わからないわ。仲間を何とも思わないあんたにはね!」
オーズはタジャスピナーの蓋を開き、セルメダル七枚を入れて蓋を閉じ、レバーを引く。タジャスピナーが回転し始める。オースキャナーでタジャスピナーをスキャンする。
[ギ、ギ、ギ、ギカスキャン!]
「固法先輩!これを!」
「ありがとう、初春さん!」
ボウケンピンクはハイドロシューターを構える。そして、自分のサバイバスターをアクセルに投げる。ゴーカイイエローはゴーカイガンを構え、レンジャーキーをシリンダーに差し込む。
[ファイナルウェーブ!]
最後にデカイエローがディースティックとディーナックルという武器を合体させたディーショットを構える。五人の武器がバスタードを狙う。
「くそう!」
「ゴーカイブラスト!」
「シューターハリケーン!」
「サバイバスター!」
「ストライクアウト!」
「セイヤー!」
四人の銃激とオーズのセルブレイズがバスタードに直撃する。
「認めん、認めんぞ!」ドガーン!
バスタードは断末魔を上げて爆発した。
「や、やった!」
「勝ったー!」
ボウケンピンクとゴーカイイエローが抱き合い喜ぶ。デカイエローとアクセルは構えていた武器をおろして、ほっとしているようだった。その時オーズが変身を解きながら倒れた。
「お姉さま!」
「御坂さん!」
倒れた御坂に四人が変身を解いて駆け寄る。
「お姉さま!お姉さま!」
「白井さん、大丈夫よ。気を失っただけみたい」
御坂の表情はとても満足しているようだった。
次の日、ジャッジメント第177支部。
「ダメですの!」
「なによ!協力してあげるって言ってるじゃない!」
「御坂さん、落ち着いて!」
「はあ、なんかこれ見るとほっとするねえ」
そこでは御坂と黒子が喧嘩をしていた。腕を吊った初春はそれを止めようとし、佐天はそれを見ながらジュースを飲んでいる。
「一般人は黙っててくださいの!」
「私達、もう一般人じゃないじゃない!」
「もう!固法先輩はどこいったんですか!?」
「お見舞いだってさ」
御坂と黒子は今後の怪人との戦いのことで争っていた。黒子は御坂と佐天は一般人なのでもう戦わなくてもいいと主張し、御坂はこれからも戦うと主張していた。固法は逢辰の見舞いに行っていた。御坂は黒子の髪を掴む。
「いい加減にしないとこのツインテール引っこ抜くわよ!」
「その前にお姉さまの服をテレポートさせますの!」
「止めてください!」
「はあ、平和だねぇ」
第177支部には二人の声が響いていた。
同じ頃、第7学区の病院の個室では、
「お花、ここに置きますね」
「ありがとう」
固法は逢辰の見舞いに来ていた。固法は花瓶に花をいけてベッドサイドに置いていた。そのあと彼女は逢辰の横になっているベッドの側の椅子に座った。 固法は少し黙りこむが意を決してアクセルメモリを見せる。
「逢辰さん…」
「皆まで言わなくてもいいわ…他の人たちも貴方のようにいい人達だといいけど…」
逢辰は窓の方を向き黙りこんだ。固法はそっと病室を出た。それから少したち、彼女の病室に一人の老婆が入ってきた。逢辰は彼女を見て驚く。
「貴女は…」
「どうも、今回は貴女にとても迷惑をかけてしまったわね」
老婆は親船最中という人物だった。学園都市統括理事会の一人であり、今回のヒーローたちとの対話作戦の立案者でもあった。
「すいません…今回は」
「いいえ、私の方こそごめんなさい。あんなことを言い出さなければ貴女はこんな目に会いませんでした…」
親船は椅子に座り、逢辰のことを見る。
「お話を聞いたときはびっくりしました。私のような一介のジャッジメントに貴方のような方が直接指示を出すだなんて」
「ええ、あの戦士達が学園都市にとってどんな存在かどうしても見極めたかったのです。ですが…必要なかったかもしれませんね」
「はい、彼女達ならきっと大丈夫だと私も思います」
逢辰と親船は窓の外を見ていった。
固法さんの変身するヒーローは当初デカブライトでしたがある事情からアクセルに替えました。次回は特別編です。