とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ) 作:マッスーHERO
第七学区の病院の一室では、春上と初春、佐天が一人の少女と退院の準備をしていた。
「ただの検査入院がこんなに長くなるとは思わなかったよ」
入院していた少女、枝先絆理は三人にそう言うと荷物を持ちあげる。
「病院があんな化物に襲われて、入院が延びちゃうなんて」
「でもよかったの。絆理ちゃん襲われた時は病院の外を散歩してて、すぐ逃げられたんでしょ」
「確かに良かったよね。ここも襲われたのに患者さんの被害はほとんどなかったんだもんね」
春上と佐天がそう言うと残った荷物を持ち上げる。枝先絆理は二学期のはじめに退院し、佐天たちと同じ柵川中学に通っていたが、数日前に体調を壊し、念のために検査入院をしていた。数日だったはずの入院だったが、怪人が病院を襲撃したことで入院が延びて、今日退院することになったのだ。
「病院の復旧は終わったみたいですね」
「でも、婦長と先生が数人怪我しちゃって、外部から新しい婦長と先生を呼んだらしいよ。私の担当の先生もそうだもん」
初春の問いに枝先が答える。四人が病室を出るとそこに白衣を着た男が立っていた。
「あ、枝先さん。今日退院だってね。おめでとう」
「あ、テッペイ先生!ありがとうございました」
「この人が絆理ちゃんの担当の先生なの?」
「そうだよ」
「はじめまして。クゼテッペイです。よろしく」
テッペイはそう言うと枝先の方に体を向け直す。
「何ともないとはいえ、暫くは安静にしてね。それじゃ」
「は~い」
そう言うとテッペイは別の病室の方へと歩いていった。四人は再びロビーへと歩きだした。
「そう言えば…御坂さんと白井さんは?」
「え…白井さんは今日は仕事で…み、御坂さんはロビーで待ってるって」
佐天が少し慌てて答えた。
その頃御坂は病院の外にいた。御坂はケータロスで誰かと通話をしているように見えるが、本当はケータロス内のモモタロスたちと喋っていた。
「いい!絶対に枝先さんの前で春上さんに憑いちゃだめよ!」
[なんでぇ!?つまらないよ!]
[いいじゃねぇか、バレなきゃ]
「バレるに決まってるでしょ!二人はテレパスで繋がってて、昔からの付き合いなのよ!私たちでもわかったのよ!」
[確かになあ…]
[前にリュウタが入った時も…]
「入った!?とりついたの?」
[とりついて、ブレイクダンスや]
[さすがにあれは不味いと思ったけどよ…]
[なんで、なんで?絆理ちゃん喜んでたじゃん]
「ああ、もう!あんたたち!出てきたらケータロスごと高圧電流で黒こげにしてやるからね!」
[怖っ…]
[コハナよりやばいで…]
「そう言えば、襟衣ちゃん。いつの間にブレイクダンス出来るようになったの?また今度見せてね!」
「えっ…う、うんわかったの…」
「「…」」
四人が他愛もない会話をしながらロビーにたどり着くと、そこにはモモタロスたちに説教した後の御坂が立っていた。
「御坂さん!」
「枝先さん!ごめんね、あんまりお見舞いいけなくて…」
「いいよ、大したことないもの」
御坂が合流し、五人になった佐天たちは病院の外へ出ていく。その姿をカエル顔の医者が二階の窓から見ていた。カエル顔の医者の後ろでは一人の男が自販機とにらめっこしていた。
「いちごおでん…気になる。しかし、問題は味か…」
髭を蓄え、白衣を着た男はカエル顔の医者には全く気づいていないようだ。カエル顔の医者は男に話しかける。
「伊達先生。昨日は助手お疲れさまでしたね?」
「ん?ああ、どうも。昨日の手術、すごかったですね。あんな術式、はじめてみましたよ」
「(スパイのようには、見えない…かといってただ者ではないね?)」
カエル顔の医者は伊達の顔を見ながら心のなかでそう思っていた。この男、伊達は数日前にTPCから派遣された三人の医者と一人の看護師の内の一人である。どんな人間が来るかと警戒したカエル顔の医者は当初、拍子抜けだと思っていた。四人はスパイの気配や内部から工作しようとする意思が全く見られなかったのだ。しかし、彼らの技術力の高さと処置の速さはそこらのベテランを大きく上回っており、先日の手術でも助手とはいえ、伊達の腕に感心したのである。
「なにをしているんだね?」
「いやあ、俺っておでん好きなんですよ。でも…このいちごおでんてのを買うのは少し勇気が…」
伊達は暫く悩んでいたがやがてお金を入れて、いちごおでんのボタンを押す。
「何事もチャレンジだ。いただきます!」
伊達は意をけっして、いちごおでんに挑んだ。
その頃、ジャッジメント177支部では、黒子と固法が書類をまとめていた。
「なんで、こんな日に書類を書かなきゃいけないんですの…」
「仕方ないでしょ、あなたのだけおわってないんだから…ほら、私も手伝ってあげるから」
その時、177支部の電話が鳴る。
「はい、こちら177支部…第七学区の二ヶ所に怪人出現!わかりました!」
固法は電話を切ると地図を開く。
「離れてるわね…」
「二手に別れますか?」
二人が対策を考えていると黒子のSPライセンスが鳴る。
「もしもし…初春ですの?」
その頃、五人は近くの喫茶店に入っていたが爆発音が響いたため、枝先を春上に任せて三人は外へ出ていた。初春はアクセルラーを握りながら周りを見渡す。
「近くのビルが1つ、倒壊する可能性があります…おそらく怪人によるものじゃないでしょうか…」
[あなたたちのいるところはもう一体の怪人近くですの。私たちは別の怪人を追いますから、初春たちは怪我人の救護と怪人の駆逐を]
「解りました!」
初春は通話をきると今度は普通の携帯電話で春上に電話をかける。
「この辺りは不味いので枝先さんと離れてください。怪人は私たちがなんとかします」
[わかったの]
初春は再び通話をきると御坂と佐天を見る。
「あのビルの中は相当やばいわ…怪人は私が何とかするから佐天さんと初春さんはあのビルの怪我人を」
「解りました!」
三人は路地裏へと入り、変身アイテムを取り出す。
「変身!」
[タカ!トラ!バッタ!タトバ!タトバ、タトバ!]
「豪快チェンジ!」
[ゴーカイジャー!]
「レディ!ボウケンジャー、スタートアップ!」
177支部でも黒子と固法が変身アイテムを構える。
「エマージェンシー!デカレンジャー!」
「変…身!」
[Accel]
五人は変身すると、オーズはライドベンダーに乗り込み。ゴーカイイエローとボウケンピンクはビルの方へ、アクセルとデカイエローはテレポートでもう一体の怪人を殲滅に向かった。
第七学区の大通りには、三匹の犬の頭持ったケルベロスのような怪人が口から火を噴きながら暴れまわっていた。
「こんな街、燃やし尽くすのは火山を噴火させるよりは簡単な仕事だ!」
「やめなさい!」
そこへライドベンダーに乗ったオーズが現れる。怪人はオーズに向かい火を噴く。オーズはライドベンダーから飛び降りて、火をよける。火に覆われたライドベンダーは中のカンドロイドごとドロドロに溶けてしまう。
「す、すごい火力…」
「わが名は火炎サイマ獣ヘルゲロス!まずはお前から燃やし尽くしてやる!」
ヘルゲロスと名乗った怪人は再びオーズに火を噴く。オーズは横っ飛びしながらメダルをチェンジする。
「火には水よ!」
[シャチ!トラ!バッタ!]
オーズはシャチヘッドから水流を発射してヘルゲロスの火と相殺させる。
「やるな!」
「あんたもね!お次はこれよ!」
[シャチ!カマキリ!チーター!]
オーズは高速移動で火をよけるとカマキリソードでヘルゲロスを切り裂くとヘルゲロスはオーズを殴って反撃する。
「これは手こずりそうだわね…」
「ふふふ…」
ヘルゲロスは不気味な笑みを浮かべながら、オーズのカマキリソードを掴むと投げ飛ばす。オーズは受け身をとり、素早く立ち上がる。
「仕方ないわね…奥の手よ!」
[シャチ!ウナギ!タコ!シャ、シャ、シャウタ!シャ、シャ、シャウタ!]
オーズはシャウタコンボに変身するとヘルゲロスに向かい走り出した。
そのころ、ボウケンピンクとゴーカイイエローは先ほどの倒壊しそうなビルに入り込んでいた。中はヘルゲロスの火により、あちこちで火災が起こっている。廊下には何人かの人が倒れてうめき声をあげている。
「酷い…」
「初春…とにかく今はけが人を助けよう!豪快チェンジ!」
[ゴーゴーファイブ!]
ゴーカイイエローはゴーピンクに豪快チェンジするとけが人たちの手を握りはじめる。ゴーピンクのアンチハザードスーツと呼ばれる強化スーツにはけが人の手を握ることで瞬時にその人の体調を診断したり、応急処置の方法も知ることができるのだ。
「応急処置キットがありました」
「ありがとう。この人は大丈夫。この人は…」
ゴーピンクとボウケンピンクは次々にけが人を処置する。廊下の人々の手当てを終えた二人は更に奥に向かう。
「エレベーターの中に生命反応がある!ウイングスプレッダー!」
「サガスピア!」
ゴーピンクはカッターのような武器ウイングスプレッダーを、ボウケンピンクは槍型の武器サガスピアーをエレベーターの扉の間にはさみ、扉を強引に開く。中には数名の人が倒れていた。二人はエレベーター内の人々を助けだして、手当てをしていく。しかし…
「この人が最後ね…あれっ?応急処置セットが…」
最後の人の手当てをしようとしたところで応急処置セットが尽きてしまった。
「この人の火傷はひどい…どうしよう…」
ゴーピンクは周りを見渡す。あるのは自販機やソファーなどしかない。
「どうすれば…」
ゴーピンクとボウケンピンクはその場にたたずんでいた。
そのころ第七学区の窓のないビル周辺では…
「ひゃははははは!能力者なんか目じゃねええ!」
騎兵の記憶のこめられたメモリで変身したライダードーパントはバイクに乗って、周囲の人たちを襲っていた。そこへアクセルとデカイエローがテレポートで現れる。
「そこまでですの!」
「やめなさい!」
「うるせえ!」
ライダードーパントはバイクでアクセルたちに突っ込む。アクセルとデカイエローはそれを横っ飛びでよけるとデカイエローはディーショットで反撃する。
「うおっ!あぶねえ!」
「素直に投降しなさい!」
デカイエローはディーショットでライダードーパントを攻撃し続ける。ライダードーパントはたまらず路地に逃げ込む。
「乗りなさい!追うわよ!」
「はいですの!」
アクセルはバイクフォームになるとデカイエローを乗せてライダードーパントを追う。
「ばかめ!この辺りは詳しいんだ!」
ライダードーパントは路地裏を走り続ける。
「このままでは見失ってしまいますの!」
ついにデカイエローはライダードーパントを見失ってしまった。
オーズとヘルゲロスの戦いはつづいていた。シャウタコンボとなったオーズは水流攻撃と液状化でヘルゲロスを追い詰めていく。
「くっ…やるな!」
「このまま決める!」
「だが、奥の手はお前のものだけじゃない!」
ヘルゲロスはガイアメモリを取り出す。
[Flame]
ヘルゲロスはメモリを体内に挿入する。するとヘルゲロスの体が赤くなる。
「喰らえ!」
強化されたヘルゲロスが火炎でオーズを攻撃する。オーズは体を液状化させて、火をよけようとするが…
「ぐっ…体が…」
火炎があまりにも強力すぎて液状化したオーズにすらダメージを与えてしまう。オーズは倒れながらも水流でヘルゲロスを攻撃するが、ヘルゲロスの火がそれを蒸発させてしまう。
「そんな…」
「そんな程度の水は効かん!」
ヘルゲロスの火炎がオーズを包み込み。
「きゃあああ!」
「ははは、燃え尽きろ!」
ヘルゲロスはオーズを攻撃し続ける。オーズは何とかヘルゲロスの火炎から逃げ出すが…、ダメージが大きいのか立ち上がることができない。ヘルゲロスはそんなオーズにとどめをさそうとする。
「これで終わりだ!」
「うう…」
ヘルゲロスの火炎がオーズに迫る。
はたして五人はこのピンチを抜け出すことができるのか?後篇に続く
毎週更新もそろそろ無理かな…