とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ)   作:マッスーHERO

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短くするはずが、結構長くなりました。
オリ設定多数ありです。


光の巨人
総監の正体


「お前らに教えるならシュレディンガーの猫で例えるとわかりやすいか。箱の中の猫が死ぬ世界と生きる世界が同時に存在するって話。それと同じでこの世界とは別にまったく違う世界が存在する。お前らのような異能の力を持つ世界や俺たちのように悪と戦う戦士のいる世界が」『迷うぜ!究極の選択』より伊達健太のセリフより抜粋

 

 

様々な世界が平行にお互いの世界と干渉せずに存在している。今回の話は上条達の世界とは違う世界で起こったある事件から始まる。

 

 

 

かつて、世界…いや宇宙滅亡の危機を二度、人とある二人の戦士によって乗り越えた世界…宇宙へと活動範囲を伸ばした人類たちの宇宙、人はそれを新たなる開拓者たちの世界『ネオフロンティアスペース』と呼んだ。

 

約10年前、ネオフロンティアスペースの火星。そのとある霊園には二つの小さな墓が並んで立っていた。その墓の前には喪服姿の三人の人影があった。一番高齢の女性が墓の前にかがみ、花を二つの墓に備える。

 

「ゴンドウ参謀…ミヤタ参謀…グランスフィアとの戦いから5年…今日が5回目のアスカ記念日になりました」

 

この女性の名はシイナ・サエコ、地球平和連合TPCの総監である。

 

「フカミ総監が退任し、本来ならミヤタ参謀が総監となるはずだったのに…」

 

「輸送船の査察中に宇宙怪獣に襲われて…」

 

「ですが、護衛で着艦していたウイングで輸送艦を怪獣から守って…立派な最後でした」

 

シイナはゆっくりと体を翻し、後ろの二人を見る。

 

「私は総監としてなにもすることはできなかった…」

 

「そんなことはありません!あなたの作り上げた、スーパーGUTSマーズ、スーパーGUTSアース…いやネオスーパーGUTSはこれからも多くの人々を守り続けるはずです!」

 

二人のうちの一人である男性が熱くシイナに言う。彼の名はヒビキ・ゴウスケ参謀。かつてスーパーGUTSの隊長として勇敢に戦った男である。

 

「ありがとうヒビキ参謀。今後はあなたたち二人がTPCを支えていったください」

 

「はい!副参謀として次期参謀を命がけで支えていく所存です!」

 

「…本当にいいんですか…私程度の人間にTPC総監が務まるとは…」

 

「いいえ、あなたこそTPC総監にもっともふさわしいと私は信じています!」

 

ヒビキは横の女性に強く言い、横の女性はその言葉を受けて少し微笑む。

 

「ありがとう。あなたが下についてくれるならとても心強いわ」

 

「あなたは本当に部下に恵まれてるわね。GUTS時代の部下が二人もTPCに戻ってくれたんでしょう?」

 

「PWIやアストロノーツ…二人ともあんなにいい職を捨てるなんて…バカみたいだわ」

 

「それだけあなたを信頼しているからこそ力になりたいんですよ」

 

「西アジア支部のムナカタ君も本部に異動願いを出してるし、スーパーGUTSのメンバーも将来的にはTPCの様々な役職に就く…世界を救った戦士たち…新しいTPCを動かすのにふさわしい人たちね」

 

三人は再び墓に体を向け、手を合わせる。

 

「二人もきっと喜んでいるわ…」

 

その時、ヒビキのW.I.T.と呼ばれる情報端末からアラームが鳴り響く。

 

「どうした!?」

 

[大変です!ダ、ダイオリウスが、火星の大気圏を突破しました]

 

「なんだと!?ダイオリウスが!」

 

「ダイオリウス…確か6、7年前にガゼル号を襲った…」

 

「でも、ダイオリウスは大気圏を越えられないのでは…」

 

[亜種と思われます…防御衛星ペガサスを破壊し、火星基地に真っ直ぐ向かっています]

 

三人に緊張が走る。

 

「待機中のスーパーGUTSマーズを出場させろ!」

 

[それが…木星付近に出現したガイガレード撃退のために…]

 

「なら地球のネオスーパーGUTSは!ガロワ(月面基地の名称)の防衛チームは!」

 

[地球ではダイゲルンが…月面には…バゾブが…]

 

「なんだと…なぜそんなにたくさんの怪獣が…」

 

「現在出場できる部隊はいるの?」

 

[太陽系の新特設チーム『ウイング・ザ・ティガ』が出撃しました]

 

「ウイング・ザ・ティガ…ガッツウイング系統のスペシャルチームか…」

 

「とはいえ新設チーム…訓練学校のエリートとはいえ、実戦経験は皆無だったはずでは…」

 

「すぐに本部へ戻りましょう!」

 

墓に背を向けて三人が走り出した。

 

 

小一時間後、本部に戻った三人を待っていたのはTPC職員たちの焦りがにじみ出た喧騒であった。

 

「状況は!?」

 

「ヒビキ参謀!ダイオリウスは少しずつ高度を下げています。ウイング・ザ・ティガもすでにブルートルネードが全滅…ガッツシャドーとクリムゾンドラゴンも数えるだけしか…」

 

「コウダ隊長と連絡は!」

 

「とれません…恐らくは光速戦闘中で…通信不能かと…」

 

「地球のサエキ隊長とフドウ副隊長は!」

 

「ダイゲルンを撃破し、月面でバソブと交戦中です。ただ…苦戦が続いており…」

 

「くっそ!」

 

職員の報告を聞いたヒビキは机にこぶしを叩きつける。一方、次期総監と呼ばれていた女性は冷静にスクリーンを見ていた。そして近くの職員に尋ねる。

 

「…火星基地にウイングかイーグルはありますか?」

 

「えっ、一応ゼロ(ガッツウイングゼロ)が二機ありますが…」

 

「整備状況は?乗り手は?」

 

「整備は万全ですが…乗り手は…」

 

「ありがとう、ヒビキ参謀!」

 

「なんですか?」

 

ヒビキが女性に近づく。

 

「『TPCの荒鷲』の実力…衰えていませんか?」

 

「…ええ!もちろんですとも」

 

 

 

数分後、火星基地のドッグにはGUTSの隊服を着た女性とスーパーGUTSの隊服を着たヒビキが二機のガッツウイングゼロの前に立っていた。

 

「悪いわね…突き合せちゃって」

 

「いえいえ、そろそろ飛びたいと思っていたところです」

 

二人がガッツウイングゼロに乗り込む。そのとき、通信機からシイナの声が響く。

 

[二人とも…死なないで。あなたたちはTPCに必要な人間よ!]

 

「…私たちだけじゃありません…すべての人がTPCには必要なんです」

 

「ええ!ウイング・ザ・ティガの連中も必ず連れ戻しますよ」

 

「行ってまいります。ガッツウイングゼロ、---。発進します!」

 

「同じく、ヒビキ!出るぞ!」

 

二機のウイングゼロがドッグから発進した。

 

 

『ダイオリウス…かつて木星衛星軌道上のステーションで生まれたスペースチルドレンの乗った輸送船ガゼル号を襲い、卵を植え付けて地球に送り込もうとした昆虫型の怪獣である。建設中の宇宙ステーションや防御衛星ユニコーンを破壊し、多くの死者を出すもこの世界の戦士によって倒された怪獣だった。今回のダイオリウスはその亜種とみられ、体表が異常に固く大気圏への侵入を可能にしている。一方で今回の個体は雄のようで繁殖能力はなかった。触覚からの光線が武器である』後のTPCの記録から抜粋

 

ウイングゼロが現場に到着したとき、ウイングクリムゾンドラゴンが4機、ガッツシャドーが5機かろうじてダイオリウス亜種と戦っていた。

 

[こちらTPC参謀ヒビキだ!状況を教えろ!]

 

[ヒビキ参謀!?私はウイング・ザ・ティガ・クリムゾンドラゴン小隊、通称パワー小隊の隊長です。現在ブルートルネード小隊、通称スカイ小隊が全滅。今はガッツシャドー小隊、通称マルチ小隊と連携してダイオリウスを攻撃中です]

 

[ヒビキ参謀!私はマルチ小隊を指揮します!]

 

[了解!よし、パワー小隊の餓鬼ども!俺についてこい!]

 

[[了解!]]

 

ヒビキの乗るウイングゼロがダイオリウスの正面に周り。

 

[こいつは触覚から光線が厄介だ!俺が気を引くから、パワー小隊は触覚を撃ちまくれ!]

 

[パワー了解!]

 

[私は背中に周り、翼の付け根を攻撃するわ。マルチ小隊はステルスシステム姿を消し、弱点と思われる、腹や目を重点的に攻撃しなさい]

 

[マルチ了解!]

 

ウイングたちが散開し、ダイオリウス亜種を攻撃していく。

 

「ほらほら!こっちだ!」

 

ヒビキのウイングゼロがダイオリウスの気を引くように飛行する。ダイオリウスの光線がヒビキの機体を襲うがヒビキは素晴らしいアクロバティック飛行で光線を回避する。

 

[すげえ!]

 

[あれがTPCの荒鷲、前スーパーGUTS隊長か…]

 

[餓鬼ども!呆けてないで仕事しやがれ!]

 

[了解!]

 

クリムゾンドラゴンたちが触覚を攻撃し始める。

 

[マルチ小隊、私たちも続くわよ!]

 

[了解!]

 

[了解!]

 

ヒビキとパワー小隊の活躍を見た、女性はマルチ小隊に攻撃開始の合図をだす。それを受けてマルチ小隊のガッツシャドーはステルスシステムを稼働し、姿を消しながらダイオリウスの各部を攻撃し始める。

 

[パワー3!右触覚破壊に成功!]

 

[マルチ4!左目破壊に成功!]

 

ウイングたちの攻撃により、ダイオリウス亜種も少しずつ弱りはじめ高度を下げはじめた。

 

「よっしゃ!このまま一気に勝負を決めてやろうぜ!」

 

ヒビキがダイオリウスに突っ込み、レーザーで左触角を吹き飛ばす。しかし…

 

「グォォォ!」

 

ダイオリウスは最後の力を振り絞りヒビキのウイングゼロに突っ込む。

 

「な、なに!?」

 

いきなりのことでヒビキも回避行動がとれない。そのとき、もう一機のガッツウイングゼロが間に割り込んだ。

 

[な、なにを!?]

 

[ヒビキ参謀!今のうちに…]

 

[くっ!了解!]

 

ヒビキのウイングゼロを中心に残っていた機体全てがダイオリウスに攻撃をしかける。

 

「グォォォォォォ!!!」

 

ダイオリウスは攻撃を受けて爆発四散する。しかし女性の乗っていたガッツウイングゼロは高度を下げながら落下していく。

 

[参謀!脱出を!]

 

[…脱出システムが…]

 

[なんですって!?]

 

[聞いて!ヒビキ参謀!新た…TPCに、私のよ…な人間は必要…ないわ。]

 

[なにをいっているんです!あなたこそ、地球星警備団の意思を継ぐあなたこそ、新たなTPCを引っ張れる人です!]

 

[…闇との戦いの時、私は結局ウルトラの光…頼らざる終え…かった。でも、あなたは光とともにグランスフィアと戦い…勝利…た。貴方ならきっと]

 

[馬鹿なことを言うな!あんたを慕う人たちを、その思いを消すんじゃねえ!生きてくれ!参謀!]

 

[…人類に…未来あれ…]

 

[参謀!参謀!ーーー参謀!!!]

 

ガッツウイングゼロは火を噴きながら墜落していった。

 

 

この事件により、次期総監候補の女性は表舞台を去り、ヒビキ・ゴウスケがくりあがりで総監となった。その後のTPCの調査で怪獣の大発生は別次元から特殊な波動によるものであることが判明した。誰もその波動が十年後に起こるある事件の始まりとは気づかなかった。

 

 

 

時と次元は変わり、現代の上条たちの世界

 

イギリス清教・聖ジョージ大聖堂では最大主教ローラ=スチュアートにステイル=マグヌスがある報告をしていた。

 

「TPC本部は発見できないようです。地上は探しつくしましたし、あとは地下か…」

 

「そう、深海にあれだけの戦闘機を潜めているとは思えないし…だとすれば…」

 

「なにかこころあたりが?」

 

「私たちが中々いけないところかもしれないわね…」

 

「えっ?」

 

一方そのころTPCのダヴライナーという飛行機が学園都市付近を飛行していた。ダヴライナーには、学園都市統括理事会の親船最中とアメリカ大統領ロベルト=カッツェが乗っている。このダヴライナーは特殊な機体で、内部の装飾はまるで応接室のようだった。二人の前にはTPC航空部の飛羽高之が座っている。

 

「しかしまあ、その総監ってのはずいぶんヒップが重いんだな。俺たちクラスを呼び出すなんて」

 

「すいません。様々な理由からどうしてもそちらへ出向くことが出来ないのです。それにあなたがたにTPC本部を一度見てほしかったので」

 

ロベルトの言葉にすまなそうに返答する飛羽。

 

「冗談さ。それにしても、各国が裏で血眼になりながら探しているTPC本部に招かれるなんて光栄だね」

 

「どこにあるのですか?TPC本部は?」

 

「親船様は、いや学園都市側はもうわかっているのではないのですかな?」

 

飛羽の言葉に親船は少し微笑む。

 

「…地上は衛星から筒抜け、地下にそんな巨大な基地をすぐには作れない。となると海中か…」

 

親船は指を上に向ける。

 

「空…それも学園都市上空」

 

「…なんだと?」

 

親船の言葉にさすがのロベルトも驚く。

 

「さすが、学園都市統括理事会の一人…いい勘ですね」

 

「勘ではないですよ。以前学園都市上空に現れた化け物を倒した時の現地への到着時間がフランキスカの緊急コールからあまりにも速すぎる」

 

「それに学園都市上空なら…航空機も通らない、だがそんな巨大空中空母が…」

 

「そろそろ見えますよ」

 

飛羽の一言で二人が窓の外を見る、そこには…

 

「…」

 

「ク、クレイジー…」

 

「あれがTPC本部、正式名称『エリアルベース3号』通称『TPCフェニックスベース』です」

 

窓の外にはまるで島のような巨大な空中母艦が存在していた。上部にはピラミッドのようなものが存在し、各部に様々な武装やハッチが点在している。その周囲を様々な戦闘機が飛行していた。

 

「まもなく着艦します」

 

タヴライナーがフェニックスベースの下部のハッチから内部に着艦した。

 

 

 

数分後、艦長兼総監室と呼ばれる立派な応接室のような部屋に通された二人は、部屋のソファーに静かに座っていた。

 

「アメリカと学園都市…双方を脅すには十分な戦力だ…」

 

「そうですね…」

 

「…ミセス親船。あなたはさっきから違うところが気になってるみたいだが?」

 

「いえ…ここまでの艦内の通路に段差がなくて、バリアフリーなんだなと…」

 

「確かに…って、そんなことより今はTPCの総監とどう話すかだ。下手に敵に回せば…世界滅亡もありうる」

 

ロベルトが珍しく狼狽しているが、親船は穏やかだった。

 

「(現役のころと同じ…やれることをやるだけです)」

 

親船の心はすでに決まっている。この場でやれることはすべてやる。未来の子供たちのために。

 

「お待たせしました」

 

その時、部屋に一人の男が入ってきた。

 

「この艦の艦長、TPC総監の補助をしているムナカタ・セイイチです」

 

「ほお、つまりあんたがこの艦のサブキャプテンか?」

 

「一応そういうことになりますかな…では、総監をここに連れてきます」

 

そういうとムナカタは一度ドアを開けながら、部屋を出た。

 

「いよいよか…」

 

「(部屋の感じからおそらく女性、艦内のバリアフリー、連れてくる、私と同じ高齢かあるいは…)」

 

「総監をお連れしました」

 

ムナカタに介助されて車いすに乗った女性がゆっくりと部屋に入ってきた。

 

「私がTPC総監、イルマ・メグミです」

 

「おお…ビューティフル…」

 

「なるほど…私たちの前に姿を見せられなかったのはこのためですか」

 

ムナカタはイルマを二人の対面に移動させると、自分は横に直立不動の姿勢をとる。

 

「いやあ、秘密組織の総監がこんな美人な方なんて」

 

「あら、お世辞がうまいのね。日本語もとてもお上手だわ」

 

「そのお怪我は…」

 

「ええ、若くもないのに無茶した代償です」

 

このイルマこそGUTSの元隊長であり、あの5回目のアスカ記念日にウイングゼロでダイオリウスと戦った女性である。あの後奇跡的に助かったが、後遺症を負い表舞台から姿を消していたのだ。

 

「本日はお忙しいところ本当に申し訳ない…ですが、あなたたち二人にどうしても知っておいてもらいたいことがあってお呼びしました」

 

この後、イルマは優しい口調で信じられないことを語り始めた。自分たちはここよりも科学の進んだ平行世界から来た組織であり、異次元の敵と戦っていること。あのヒーローたちは別次元の戦士たちのものであること。そして…

 

「今までのは序章にすぎません…おそらくこれ以上の脅威がこの世界を襲うでしょう」

 

「そんな馬鹿な…」

 

「我々の出動範囲は日に日に大きくなっています。今はユーラシア、アジア、オセアニアくらいですんでいますが…」

 

「今後は俺の国やヨーロッパ、南米…世界すべてが襲われるというのか…」

 

「学園都市への攻撃も過熱するというのですか…」

 

「今日あなた方を呼んだのは、今後のTPCとの連携についての相談、そして新たな戦士を受け入れる準備をしてもらいたいのです」

 

「新たなる戦士?」

 

「彼らはこの世界を命がけで守ろうとするでしょう…私たちはこの世界で彼らを死なせるわけにはいかないのです。彼らは私たちの恩人なのだから」

 

 

 

会談が終わり、二人を乗せて去りゆくタヴライナーをイルマは窓から見ていた。

 

「ねえ、リーダー。私の言葉、彼らには届いたかしら?」

 

「学園都市は何を考えているかもわかりませんが、とりあえずあの二人に少しは届いたと私は感じました」

 

横にいるムナカタが答える。

 

「それにしても、私も偉くなったものね…あの日、私の戦いは終わったはずなのに」

 

イルマの脳裏にあの日のことがよみがえる。

 

 

 

ダイオリウス亜種に撃墜されながらも奇跡の生還を果たしたイルマは千葉県房総半島付近の別荘に隠居していたが、十五回目のアスカ記念日から数か月後、そこにヒビキとムナカタがやってきたのである。

 

『今日は当然訪問して申し訳ない』

 

『いえいえ、それにしても珍しい組み合わせね。TPC総監と西アジアTPC支部長が今日はどうしたの?』

 

『イルマ参謀、へたな前置きを考えられるほど私は頭がよくない。単刀直入に言わせてもらう。あなたに新たな組織の長になってもらいたい』

 

『新たな組織…冥王星にでも作るの?』

 

『いえ、地球にです』

 

『地球…ネオスーパーGUTSが十分に守っていると思うけど?』

 

イルマが車いすを巧みに操り、ブランデーの瓶とグラスをテーブルに置く。

 

『イルマ隊長…私、酒は…』

 

『たまにはいいじゃない。総監はどうです?』

 

『ええ、いただきます』

 

嫌がるムナカタをよそにヒビキはグラスにつがれたブランデーを口に含む。

 

『今回の組織は地球は地球でも別の次元の地球なんです』

 

『冗談がうまくなったわね総監…』

 

『私がわざわざ火星から冗談を言いに来るとでも?』

 

ヒビキは真剣な目でイルマを睨む。

 

『信じられん話かもしれんが、少し聞いてくれ。先日のスフィア事件のすぐ後、私以外の元スーパーGUTS隊員がアスカの声を聴いたというんだ』

 

『アスカ・シン…15年前闇の中に消えたあの戦士ですか?』

 

『ええ、その話を聞いたとき、俺はすごく腹が立った。だってそうでしょう?アスカの奴は隊長の俺には何も言わずにどっかにいっちまったんだから…ところが先日、そのアスカがあの戦士の姿で俺の前に現れやがったんですよ』

 

『えっ?』

 

『俺も信じられなかった。総監室で一人でいたら突然目の前が光ってあの戦士が現れたんですから』

 

ヒビキは再びブランデーに口をつける。

 

『あいつは俺に自分がいろんな世界、次元を旅していて他の世界にも俺たちのような防衛隊があることやある世界がピンチであるなんて信じられないことを言い出しまして。自分では助けにいけないので俺たちの力を貸してほしいといって消えたんです』

 

『…』

 

『信じられん話だが、私の元部下のナカジマにアスカからのメッセージを伝えたところ、別次元の防衛隊との連絡に…成功した』

 

『本当ですか!?』

 

『だが、今のままでは我々が協力することはできない…思想ややり方の違う組織をまとめるにゃああんたのようなカリスマ性のあるリーダーが必要なんだ』

 

ヒビキはソファから立ち上がり、床に膝をつくとそのままイルマに土下座する。

 

『ヒビキ総監!やめてください!』

 

『頼む!このままではこの世界やほかの世界が闇の攻撃やグランスフィア以上の脅威に巻き込まれちまうんだ!』

 

『とにかく!顔を上げてください!』

 

ヒビキが顔を上げる。

 

『…わかりました。その話お受けします』

 

『ほ、本当ですか!?』

 

『ただし、条件があります』

 

イルマは横で無言のまま話を聞いていたムナカタを見る。

 

『現TPC西アジア支部長ムナカタ・セイイチ、TPCコスモアドベンチャー部隊シンジョウ・テツオ隊員、TPC火星基地の開発担当長ホリイ・マサミ、TPCガニメデ基地長ヤズミ・ジュンの四名ともう一名ある人物を連れていく許可をください』

 

『すでに私を含めた彼らへの出向依頼は取れていますよ隊長。もちろんそのある人物に関しても』

 

『それ以外にネオスーパーGUTS副隊長フドウ・ケンジ、スーパーGUTSマーズ科学班主任ナカジマ・ツトムの二人とTPC隊員数十名の出向が決まっています』

 

『では、今日中に出向者のリスト、TPCおよび他次元防衛隊の戦力と新生TPCに譲渡可能な戦力その他もろもろをここに用意してください』

 

『そういわれると思ってすでに用意はできています』

 

ムナカタがカバンから様々な書類を取り出してイルマに渡す。

 

『さすがねリーダー。では、明日から早速他次元の組織との連絡を始めます』

 

 

 

 

「ところでムナカタリーダー。ノアスペースとの連絡はどう?」

 

「なかなか取れていない状況です。敵もあの世界を危険と考えているんでしょう」

 

「伝説の戦士、ウルトラマンノア…次元すら破壊する能力を逆手に取られるとはね」

 

「あの世界は大量の爆弾で壁を作られているのと同じような状況の上、次元を超えようとしてもエネルギーを多く消耗してしまいますからね」

 

「では、あれの完成は…」

 

「残念ですが間に合いそうにありません…」

 

その時、突然部屋のドアがノックされ、一人の青年がドアを開けて部屋に入ってきた。

 

「失礼します。イルマ総監に早急に知らせたいことがありまして」

 

「総監、私は席をはずします」

 

ムナカタが部屋を出ていき、部屋には青年とイルマだけになる。

 

「話は何かしら、ミウラ隊員?」

 

「はい、大気圏内で強力な光エネルギーが観測されました。おそらくは…」

 

「あの戦士…ついに来たのね」

 

「もう少し観測を続けてみます」

 

ミウラと呼ばれた隊員がイルマに背を向けて部屋を出ようとする。

 

「…すまなかったわね。PWIからあなたを引き抜いてしまって」

 

「いえ、とても光栄でしたよ。私なんかを引き抜いてもらえるなんて」

 

ミウラはもう一度身をひるがえし、イルマを見る。

 

「あの時ティガとともに世界を守れたように、もう一度いろんな世界を守りたいんですよ…あなたもそうでしょ?ねえ母さん」

 

「この艦では私は総監よ。ミウラ・トモキ隊員」

 

二人は笑いあい、窓から空を見上げた。

 

 

 

大気圏を突破し、学園都市にまっすぐ近づく赤い光の玉があらたな戦いの始まりを告げていた。

 

 

 

続く




御「今日から新章スタートよ!」

黒「新章一発目でいきなりとある勢が空気になってますの…」

佐「まあまあ次は私たちの回ですからよしとしましょう」

初「今回はティガ・ダイナのいわゆるTPCシリーズを中心としたオリジナル設定などがたくさん出てましたね」

御「では今日登場のレジェンドとTPCを紹介するわよ」

地球平和連合 TPC

正式名称『TerrestrialPeaceableConsortium』
表向きにはアメリカが主体となり作られたとされているが、その実態は様々な次元の組織が融合し完成した組織である。
様々な次元世界を侵略しようとするリベンジャーに対抗するため日夜活動している。
主にスーパー戦隊やウルトラマンシリーズの組織が母体となっており、出向者を出していない防衛隊などもデータや技術を提供している。(ノアスペースのTLTは連絡がうまく取れておらずデータが不足している)
学園都市内にTPC技術局、正式名称『科学アカデミア』や新設予定のTPCレスキュー、他にも海洋研究局なども存在している。
『とある』世界だけでなく他世界にも目を光らせている。

エリアルベース3号 通称TPCフェニックスベース

新設されたTPC本部兼前線基地の巨大空中空母。
『ウルトラマンガイア』のエリアルベースをさらに大きくし、上に『ウルトラマンメビウス』のフェニックスネストを載せたような外見である。
リパルサーリフトの性能向上で様々な場所で静止することができ、現在は魔術結社や他国・学園都市から攻撃を防ぐため学園都市の遥か上空で静止している。
かつての戦いの反省から360度あらゆる場所から戦闘機などの発進が可能でバリア・ステルスシステムも完備されている。
戦闘力も高くシュミレーション上ではゾーリムやモキアンとも十分戦える。



イルマ・メグミ   登場作品 ウルトラマンティガ・ダイナ

GlobalUnlimitedTaskSquad略称GUTSの隊長であり。ウルトラシリーズで初の女性隊長。
隊長としての優れた能力を持ち、部下を信頼する隊長だった。
地球星警備団ユザレの遺伝子を持ち、二人のウルトラマンを導いた女性でもある。
戦闘機の操縦能力も高い。
七年後のウルトラマンダイナではTPC参謀となっていた。

オリジナル設定
次期TPC総監は確実と思われていたが、5回目のアスカ記念日にダイオリウス亜種に撃墜され、体に深い後遺症を負うも奇跡的に生還した。
その後は、表舞台から去りGUTSの基地だったダイブハンガーの見える別荘で隠居していたが、ヒビキの要請で新TPCの総監として再び戦いの道を選んだ。
怪我はだいぶ良くなっているが、長時間の歩行は不可能で車いすを使っている。

ミウラ・トモキ  登場作品 ウルトラマンティガ

イルマの一人息子。小さいころからコンピューターの操作が得意で、ウルトラマンティガを助けたこともある。

オリジナル設定
PWIに入社していたが、イルマに引き抜かれ新TPCの隊員となった。

御「イルマ隊長の役者さんは病気を患って失踪されてたのよね」

黒「ですが、再び役者に復帰されましたの」

佐「女性として尊敬できる方ですよね」

初「今後もこの小説で活躍します。ご期待ください」


ムナカタ・セイイチ  登場作品 ウルトラマンティガ・ダイナ・超ウルトラ8兄弟

GUTSの副隊長として活躍し、ダイナではTPC西アジア支部の教官として登場しスーパーGUTSとも協力して戦った。酒にめっぽう弱い(いわゆる下戸)
パラレルワ-ルドでは市の職員となっていた。
防衛隊にいたころイルマに助けられたことがある。

オリジナル設定
TPC西アジア支部長となっていたが、再びイルマを助けるために『とある』世界にやってきた。
ヒビキの話を聞いたとき、かつて自分の部下でウルトラマンティガだったマドカ・ダイゴとあった際にかつて自分が他の世界で戦ったと(超時空の大決戦のこと)言っていたのを思い出し、彼の言葉を信じた。
現在は航空部隊のリーダーとともにエリアルベース3号の副艦長的な役割をしている。

使用機体 ガッツウイングEX-J〈エクストラジェット〉

全長30m
最高速度:マッハ7(合体時)、α号マッハ5.3、β号マッハ5.8
乗員6名(α号4名、β号2名)

ガッツウイング2号をベースにした改良機。αとβに分離する機能を持ち高い戦闘力を持つ。
この世界で新造されたものである。その理由はさまざまな世界の技術をもとの世界に持ち帰ってしまうと世界のパワーバランスが損なわれてしまうため、この世界および他の世界では新造されたもの使用するというTPCの決まりのため。
高い技術力で作られたために、旧エクストラジェットの再合体不可能やハイパーレールガン不搭載の問題は解決されており、ガッツシャドー由来のステルス機能やマニューバーシステムによりハイパーレールガンからのスペシウム砲の発射機能も搭載されている。
原典では珍しいウルトラマンに撃墜された機体。


御「今後もTPCは嵐を巻き起こしそうね」

黒「次回はあの戦士も来ますしね…」

佐「次回から頑張らないと…」

初「それでは次回予告です」


次回予告

長い旅を終えてついにあの戦士が学園都市にやってくる。
御坂たちは新たな別れと出会いを乗り越え何をみるのか?

『時を超えた再開』
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