とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ)   作:マッスーHERO

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DVD特装版のフィルム、ドリンクバーの御坂さんでした。
よろこんでいいのかかなしんでいいのか…


覚醒,チカラ〜マージ・マジ・マジーロ〜(前編)

朝というのは慌ただしい。登校、出社、ゴミ出し…様々な人間が慌ただしく、右へ左へ移動する。そんなある朝、上条の学生寮のとあるドアが勢いよく開く。そこから出てきたのは我らの上条当麻だった。上条は寮から慌てて出ると誰かを探しはじめた。程なくして上条は目的の人物を発見した。

 

「オルソラ!」

 

「あ、おはようございます」

 

表を掃いていた管理人のオルソラを見つけた上条は焦った様子で話しかける。

 

「ちょっと、今日急いでいててな!」

 

「いいお天気ですね」

 

「インデックスの朝飯をつくる時間がないんだ!」

 

「あらあら、どうされたのですか?」

 

「だからお前のところで朝飯食わしてやってくれ!」

 

「そんなにお忙しいのですか?」

 

「メモを残したから、起きてきたらそっちにいくと思うから、悪い頼むわ!」

 

「え?別に私はいいですけど…」

 

「わかりました」

 

オルソラのワンテンポ遅れの言葉を最後まで聞かずに上条はどこかへと走っていった。

 

「はあ、はあ、ばかやろう!ウルトラマンだとか言ってもいいとこばかりじゃねえな、まったく!」

 

上条がこんなに急いでいるのにはわけがあった。先日、突如として現れて怪獣を倒した戦士、ウルトラマンメビウス。彼の活躍はかならずしもいいことだけではなかった。彼と怪獣との戦闘の余波で鉄道関連が影響をうけ、遅れが生じたのである。普通なら遅延証明だのを貰って、何とかするのだが…上条は本来電車通学ではない。そのため、通常より早くでないと間に合わないのだ。

 

「くっそお!不幸だぁ!」

 

 

 

 

「まったく!モグモグ、とうまはモグモグ、しょうがないんだよ!」

 

「口を閉じて食べなさい。修道女として情けないですよ。ほら、シスターアンジェレネも!」

 

管理人の部屋ではインデックスとオルソラたちが朝食をとっていた。ルチアがインデックスとアンジェレネを注意する。

 

「まったくどうしてこんな人には力が宿って、私たちには宿らないのか…」

 

「シスタールチア。そのセリフ、ひがみにきこえちまいますよ」

 

テレビを見ながら アニェーゼがルチアに言う。オリオンゾディアーツとの戦いから結構たつが、三人のレンジャーキーは白いままでいっこうに覚醒する気配はなく、彼女たちもなかなか戦いに参加できないでいた。

 

「(多くの場合、戦いのなかで力が覚醒することが…命の危機におちいったときにも多いらしいですが、そこまで無理して怪我してもしょうがねぇですしね)」

 

アニェーゼの考えた通り、ライダーも戦隊もウルトラマンもいまのところ例外なく怪人との戦いや命の危機に力が覚醒している。上条も土御門もインデックスも御坂も一方通行も…かといって、どこかの特撮ヒーローのように病院の屋上から飛び降りしたり、飛行機から飛び降りたりして力を覚醒させようとしても失敗すれば水の泡どころか大惨事である。

 

「まあ、慌てなくてもそのうちなんとかなっちまいますよ」

 

「そうかもしれませんが…あ!シスターインデックス!シスターアンジェレネ!もっとおしとやかに食べなさい!」

 

部屋にルチアの怒りの叫びが響いた。

 

 

 

 

「おおおおお!」

 

お昼時、上条の高校では上条当麻の戦いが始まっていた。

 

「ぐわあああ!」

 

上条が廊下にたたきつけられ、苦悶の声を漏らす。しかし上条はあきらめず再び立ち上がる。

 

「負けて…たまるか!」

 

上条は再び人垣に突っ込んでいく。そして五分後…

 

「うう…」

 

教室では半泣きの上条が椅子に座っていた。周りには土御門と青髪ピアスが憐れみの目を向けていた。

 

「上やん…俺のパンわけたるから」

 

「…強すぎんだろ。この高校の柔道部の学食への強さってなんなんだよ…」

 

「確かに…」

 

青髪ピアスが菓子パンを一つ、上条に渡す。

 

「すまん…」

 

「じゃあ俺、健太先生に呼ばれてるからちょっといってくるわ」

 

そういうと青髪ピアスは教室から出ていった。青髪がいなくなったのを確認すると土御門は上条の対面の席に座る。

 

「ところで上やん、この間の話だけどにゃあ」

 

「お、おい。いいのかよこんなところで?」

 

「俺も健太先生のやり方をまねてみたいと思ってにゃあ」

 

周りは雑音にあふれており、とても彼らの話を聞こうというものはいないだろう。

 

「この間のって、TPCの話を魔術サイドにするかって話だよな?」

 

「ああ…」

 

「別にいいんじゃないか?」

 

「いや、これは思ったより深刻な問題かもしれないぜよ」

 

土御門の言葉に上条が首をかしげる。

 

「深刻な問題?」

 

「ああ、魔術サイドにはTPCに不信感を持つものがたくさんいるんぜよ」

 

「不信感…」

 

「いまTPCは科学サイドの新しい勢力とみられているんだ。この状況でTPCのことを科学サイドに漏らせば派手な争いが起こる可能性もある」

 

「そんなことになったら…」

 

「TPCはオカルトに疎いほかの科学サイドとは違う。返り討ちにできるだろうが…」

 

「リベンジャーとの戦いに支障が出るかもしれない…ってわけか」

 

うーんと唸る上条。

 

「ねーちんがこんどこっちに来たら話すかな…」

 

「それがいいかもな」

 

 

 

 

 

 

放課後、上条と土御門は寮への帰路についていた。

 

「実はな上やん。もう一つ悩んでいることがあるんぜよ」

 

「なんだよ、藪から棒に…やばいことなのか?」

 

「ああ、かなりやばいことなんだ」

 

土御門がサングラスをとり、上条を見る。

 

「…舞花のやつがな…」

 

「舞花がどうしたんだ?」

 

「研修でしばらくこれないんぜよ」

 

「…で?」

 

「…たのむ!飯を恵んでくれ!」

 

上条が膝を曲げてがくりと倒れる。

 

「…自炊しろよ」

 

「無理」

 

「外食は?」

 

「今月ピンチ」

 

「餓死」

 

「頼むから…」

 

土御門が両手をすり合わせて頼み込む。

 

「マジ頼むから」

 

「まったく…あれ?土御門、あれ見ろよ」

 

「え?あれは…」

 

上条が指さす方向を土御門が見ると、そこには大きな紙袋を持ったアンジェレネの姿があった。

 

「あんなに買い込むなんて、すげえ食欲ぜよ」

 

「いや、もっとおかしいのはその数メートル後ろだ」

 

土御門がすこし目線をずらすとそこには剣道着と竹刀を袋に入れてもつ長身にで帽子をかぶった女と小柄でフードをかぶった厚底ブーツの少女が物陰からアンジェレネを見ていた。

 

「あれはなんぜよ?HENTAIさんかにゃあ?」

 

「アニェーゼとルチアだよな…たぶん」

 

二人はこっそりと物影にいる二人に近づいていく。

 

「何やってんだお前ら?」

 

「「わあ!」」

 

突然の後ろからの声に二人は飛び上がる。

 

「な、なんだあなたたちでしたか!?」

 

「なにやってんだ、お前ら?」

 

「ストーキングは犯罪ぜよ」

 

「なんですって!私たちのような修道女がそんなことするわけないでしょう!」

 

「じゃあ、なにしてんだよ?」

 

「じつは…」

 

アニェーゼの話によるとこの頃アンジェレネがルチアからもらっているおこづかいをすぐに使い切ってしまうため、誰かに脅されているのではないかと心配して後をつけていたのだが、アンジェレネはスーパーに入り大量のお菓子を購入していたので、どこかで食べるつもりならその現場をおさえようとしているのだという。

 

「絶対にとっちめてやります!」

 

「お前らもひまだねえ…」

 

アンジェレネは学舎の園の近くを通り、旧三沢塾の近くを抜けて第一五学区に入る。それを追う四人。

 

「こんなところになんのようがあるんだろ?」

 

「ひょっとするとこの向こうの第一三学区に用があるんじゃないのかにゃあ?」

 

土御門の言う通り、アンジェレネは第一三学区に入った。

 

「しかし、見た目によらずよくここまで歩けるもんだな」

 

「いちおう魔術師ですからね」

 

「あ、建物にはいっていくぜよ」

 

アンジェレネがはいっていった施設の表札を見る上条。

 

「『あすなろ園』…前に御坂に聞いたことあるな。確か…」

 

「置き去り〈チャイルドエラー〉の保護施設だったはずだにゃあ」

 

「チャイルドエラーというと…」

 

「学園都市に子供を文字通り置き去りにして捨てられる子供たちのこと…ぜよ」

 

土御門がなぜか拳を強く握りしめて言う。

 

「あの子、なんでこんなところに…」

 

ルチアをはじめとした四人が施設の中を見るとそこには施設の子供たちに囲まれるアンジェレネの姿があった。

 

「わあ、お姉ちゃんだ!」

 

「今日も来てくれたの?」

 

「お菓子!お菓子!」

 

アンジェレネは笑顔で子供たちに接しながら室内に入っていった。

 

 

 

「あの子は昔、両親に捨てられたんです」

 

ルチアが施設の塀に背中を預けながらいう。

 

「両親に…」

 

「だから自分とあの子たちを重ねちまったんでしょう…」

 

アニェーゼがすこし悲しそうな目で空を見上げる。うしなった両親のことを考えているのかもしれない。

 

「みんなつらい思いをしてるんだな」

 

「…でもそれが人を強くすることもあるぜよ」

 

土御門のらしくない発言に上条は少し違和感を感じた。しかしその違和感の正体を上条が追及することはできなかった。なぜならその直後に周囲に爆発音が響いたからだ。

 

「な、なんだ今の爆発!?」

 

「く!アニェーゼとルチアは施設の子供たちをたのむぜよ!」

 

土御門が爆発音の方向に向かい駆け出し、それに上条が続く。二人の周囲はしばらくの間、避難する人にあふれていたが、少し経つと人が一人もいなくなる。それを確認した二人は変身アイテムを取り出す。

 

[3・2・1]

 

「変身!」

 

「一筆奏上!」

 

二人の姿がヒ-ローの姿に変わり、走る速度がさらに上がる。やがて二人の視界に赤い甲殻を持つ怪人が現れた。

 

「久々に宇宙キター!」

 

「シンケンブルーぜよ!」

 

「来たかヒーロー共」

 

怪人はサソリのしっぽのような左手を二人に向ける。

 

「わが名はサソリネジラー。お前らに敗れた同胞の敵、取らせてもらうぞ!クネクネ!」

 

戦闘員のクネクネたちがフォーゼとシンケンブルーに襲い掛かる。

 

[Claw Giantfoot Aero Scissors]

 

[Claw Giantfoot Aero Scissors On]

 

「お前らの幻想、殺させてもらうぜ!」

 

フォーゼの四肢に様々な種類のモジュールが現れる。右腕のクロウモジュールがクネクネを切り裂き、左腕のシザースモジュールがクネクネを挟み込む。さらに右足のジャイアントフットモジュールのオーラがクネクネたちを押しつぶし、左足のエアロモジュールがクネクネを吹き飛ばした。

 

「俺も行くぜよ!秘伝ディスクセット!」

 

シンケンブルーがベルトのバックルから白いディスクを取り出し、右手のシンケンマルにセットし回す。するとシンケンマルが左手にも現れ、2本となる。さらにそれぞれのシンケンマルに異なるディスクをセットし回す。それにより2本のシンケンマルが烈火大斬刀とウッドスピアに変化する。

 

「百火繚乱!大木晩成!」

 

烈火大斬刀とウッドスピアがクネクネたちを叩き斬っていく。ほどなくしてほとんどのクネクネが倒される。

 

「どうした?こんなやつら、今更相手にならないぞ!」

 

「そうぜよ!」

 

「ふふふ、ならこいつらはどうかな?」

 

サソリネジラーが不敵な笑みを浮かべる。それと同時に二人に向かいたくさんの小さな影が襲いかかる。

 

「迎え撃ってやるぜよ!」

 

「ん?ま、待て土御門!」

 

フォーゼがシンケンブルーを止める。影をよく見るとそれはちいさな子供たちだった。子供たちは生気のない顔で二人にまとわりつく。

 

「こ、これは!」

 

「この子たち、操られているのか?」

 

「さあ、そんな子供振り払うのはわけないだろう?やってみるがいい」

 

サソリネジラーは右腕から光線を発射する。フォーゼとシンケンブルーは自分から光線を受けて子供たちを守る。

 

「ぐう…」

 

「これでは攻撃もできないぜよ…」

 

「このままいたぶってやろう」

 

サソリネジラーの光線が少しずつ二人を追い詰めていく。ピンチに陥った二人はどうなるのか?

後篇に続く

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