とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ)   作:マッスーHERO

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今回は超電磁砲Sの設定を参考に春上と枝先が同居しているシーンをいれたいと思います。
それから今後は遅れそうな場合は作者の活動報告で書きます。
あとこの話が終わったら特別なはなしをやります。

先日間違えて一部の方をブロックリストに入れてしまった、可能性があります。
すべて解除しました。申し訳ありません。


秩序の光(前篇)

皆さんは覚えているだろうか?ギャラクシーメガとゴーカイオーが初めて戦った日のことを…

 

「ジュワ!」

 

あの日、誰にも知られないところである戦いが行われていた。その場所とは、宇宙空間…それも太陽系三番惑星地球の衛星軌道付近である。

 

「ハァ!」

 

戦っているのは二人の巨人…片方は見た目こそメビウスに近いが体色はシルバーメインに紫のラインが入っており、胸に輝くカラータイマーはすでに赤く点滅を初めている。片方の巨人は黒い体色で顔の部分は赤く発光し、腕は少し太い。二人は宇宙空間で激突を続けながら地球に向かっていた。

 

「ハァ…デュワァ!!」

 

紫ラインの巨人の腕から光線が放たれ、黒い巨人を襲う。黒い巨人は苦悶の声をあげるとジェルのような球体となり地球に落下する。それを追う紫ラインの巨人。しかし…

 

「…ヘァ」

 

巨人のカラータイマーが点滅を早める。巨人は必死に球体を追うがついにカラータイマーの光が消えてしまう。巨人はゆっくりと透明になり、やがて大空に消えていった。

 

 

この事件は巨大怪人の騒ぎで誰にも気づかれることなく、TPCすらもまだフェニックスベース配備前だったこともあり、気づくことはできなかった。

 

 

 

時は進み、現在の地球、学園都市上空のTPCフェニックスベースの格納庫

 

二人の男がヘルメットを脇に抱えながら、巨大なカーゴを下部につけた戦闘機に向かっていた。彼らの後ろには梶尾やアイハラをはじめとした隊員が敬礼をして、二人を見送っている。

 

「他次元怪獣輸送任務、頑張ってください!フブキギャップ、ドイガキ隊員!」

 

梶尾の声援にメットを掲げて答える二人。二人は『テックライガー2号』と呼ばれる機体に乗りこむと各計器類をチェックし始める。

 

「チェック終了!テックライガー2号、発進準備完了しました」

 

[了解しました。コスモスペースへのゲートは基地の上空に設置ずみです。念を押しますが次元航行中は通信がほとんどできません、注意してください]

 

「了解。帰投予定日はこの世界の時間で82時間後を予定、テックライガー2号発進!」

 

フブキの操縦でテックライガー2号がベースより発進し、上空にある虹色の穴へと向かう。

 

「これより次元航行に入る。ドイガキ!衝撃に注意しろ!」

 

「ええ!?衝撃があるんですか?」

 

「馬鹿、冗談だよ冗談」

 

テックライガー2号が全速力で虹色の穴へと飛び込む。テックライガー2号が完全に姿を消し、同時に穴も消滅した。

 

 

 

 

場所は替わって、地上の学園都市・第七学区のとある病院の食堂。昼のピークも過ぎて閑古鳥がないている食堂のすみのテレビにはウルトラマンメビウスと両手が鞭のような怪獣との戦いが映し出されていた。

 

[今朝、静岡県の山中に現れた怪獣と戦った巨人。TPCはこの巨人をウルトラマンメビウスと命名し、学園都市での怪獣撃退などの行動からメビウスには敵性はないと判断したことを発表しました]

 

画面のなかのメビウスは怪獣をジャイアントスイングで空へ投げ飛ばし、メビュームシュートを放って怪獣を倒す。そして空へと飛び立たった。

 

[このウルトラマンメビウスはこれまで確認されている巨大ロボとは明らかに挙動などが違い、一種の生命体ではないかという意見が多く…]

 

「誰も思わないだろうなぁ…本人はカレー食べながら見てるなんて…」

 

テレビを見ていた佐天が視線を画面から外し、反対に向ける。そこにはたくさんの空のカレー皿に埋もれそうになりながらもまだカレーを食べ続ける重福の姿があった。重福の横にはひきつった顔の初春と一緒になってカレーを食べている春上もいる。

 

「そんなに食べて大丈夫ですか?」

 

「いやあ、この世界では戦闘に予想以上のエネルギーを使ってしまうので、どんどんお腹がすいて」

 

「へ、へええ…」

 

どんどん消滅するカレーに引き気味の初春。

 

「すいません。おかわりください」

 

「まだ食べるんですか!?」

 

「やっぱり、地球来たらカレーを食べないと。この世界にもあって本当によかったです」

 

「でも、大変ですね。学園都市外の怪獣まで倒しにいくなんて」

 

佐天の言葉に重福は笑いながら首を振る。

 

「いえいえ、これも僕の任務の一つですから」

 

「仕事熱心ですね…そういえば前にミライさんは地球防衛やこの世界への侵入できるかのチェック以外にも任務があるっていってましたよね?それってなんなんですか?」

 

佐天がふと思い出したように重福に言う。

 

「僕も気になるな」

 

突然の声に四人が振り向くとそこには白衣姿のテッペイの姿があった。

 

「よかったら教えてくれないか、ミライくん?」

 

「ええ、実は人探し…いえウルトラマン探しなんですよ」

 

「ウルトラマン…」

 

「探し…なの?」

 

ミライの言葉に全員が首をかしげる。

 

「はい、この世界にいるはずのもう1人のウルトラマンを探すことを頼まれました。これは厳密には任務ではないんですけどね」

 

「でもM78星雲から来たウルトラマンは君だけじゃないのかい?」

 

「それはですね。初春さん、ちょっとメモリーディスプレイと端末を貸してもらえますか?」

 

「はい、どうぞ」

 

重福は初春からメモリーディスプレイと端末を受け取り、手慣れた手つきで操作する。

 

「操作うまいですね」

 

「元々ミライくんは戦闘機の操縦もしていたからね」

 

「あ、これだ」

 

重福は端末のスクリーンを佐天たちに見せる。そこには複数のウルトラマンの姿が映し出されていた。

 

「ウルトラマンにも色々いて、M78星雲で生まれた戦士以外にも他の星で生まれた戦士…レオ兄さんやゼアスさんはこれに当たります。他に地球の力で戦ったガイアさんや出身が不明な戦士もいるんです」

 

一通り解説したあと重福は端末をさらに操作して青いウルトラマンの画像を出す。

 

「これが僕の探しているウルトラマン。かつて僕たちのM78スペースとは違うコスモスペースという宇宙の地球を守った、ウルトラマンコスモスです」

 

「へえ…あれ?このウルトラマンはミライさんとは違う宇宙のウルトラマンなんですよね?どうしてこの世界に来たとわかるんですか?」

 

初春がそんな疑問をぶつける。

 

「コスモスさんは僕の知り合いのウルトラマン…この世界への侵入法を発見したウルトラマンと知り合いだったんですが、突然この世界に行くと連絡してきたきり消息を立っているんです」

 

「でも、このウルトラマンは1人で次元を越えられる力を持ってるんだろう?それなら大丈夫じゃないのかい?」

 

「いえ…コスモスさんは元々慈愛の戦士と僕らの宇宙にも届くほどの実力を持っているんですが…さすがに次元を越えるのはつらいらしく、以前は人間と融合してもタイプチェンジ能力を一時失って戦っていたらしいですから、ひょっとすると危険な状態かもしれません」

 

「でも、連絡もできないのにこの地球にいるかもわからないウルトラマンを探すのはたいへんな…」

 

そこまで言って突然春上が机に突っ伏す。

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

その姿を見て重福とテッペイは慌てるが、佐天と初春は慣れたように春上の腕を片方ずつ持ち、体を支える。

 

「大丈夫ですよ、少し疲れてるだけですから…佐天さん、今日はお願いします」

 

「了解~」

 

「「?」」

 

 

 

 

その日の夜、ある寮の一室では春上が元気に料理を作っていた。出来上がった料理を春上が机に運ぶ。

 

「お待たせなの~」

 

「わあ美味しそう!」

 

机にはすでに枝先絆理が座っていた。春上はなべつかみで土鍋を机に置く。

 

「今日のメニューは…ジャーン、鍋焼うどん…なの」

 

「うーん、いいにおい!」

 

春上と枝先は同じ部屋に住んでいたが、枝先が再入院していたために一時春上は初春の部屋に泊まっていたのだ。枝先も無事に戻ってきたので再び二人暮らしを始めた二人だが…

 

「あれ?衿衣ちゃん、味付けかえたの?」

 

「(ギクッ!)い、いやその…そう!佐天さんにおしえてもらったなのなの!」

 

「なんかしゃべり方へんだよ?体調悪いの?」

 

「そ、そんなことないよ…じゃなかったなの~」

 

「?」

 

二人というより春上はどうもどこかおかしい。当たり前だ、ここにいる春上は偽物なのだから…

 

「(うー、御坂さんのときもそうだったけど…つらいなあ、他人のふりするのも)」

 

そう、彼女は春上衿衣ではなく佐天涙子がマジピンクの能力で変身した姿なのだ。では、本物の春上はというと…

 

「はずせえ!プリン食わせろ!」

 

「もうないですよ…モモタロスさん」

 

「夜の町へ出掛けさせてよ初春ちゃん」

 

「ウラタロスさんは春上さんの性別考えてください…」

 

「よっしゃ、寝るで!」

 

「そのまま寝てください、キンタロスさん」

 

「遊びたーい」

 

「リュウタくんはすこし大人しくなってください」

 

初春の寮の部屋の二段ベットの下の段に両腕を手錠で繋がれた状態でよこになっていた。あたりまえだが新手のSMプレイなどではない。彼女は今、電王の力を受け取り、四人のイマジンを従えているが彼らはそうとうなじゃじゃ馬であり、とくにリュウタロスは周りを巻き込んでダンスをしたり、動物をいじめた子供をやっちゃいそうになったりとかなり危ない。そんな状態の春上は最近色んなところで倒れたり、らしくなく愚痴を言ったりしているために枝先とはいっしょにはとてもできないため、佐天と初春が交互に春上に変装(変身)しているのだ。

 

「はあ…なんか最近四人とも妙にいらついてますね?」

 

「仕方ねえだろ!なんか最近イマジンとはちげえがやばい気配を感じんだよ!」

 

「先輩がそんなにイラつくから居心地悪くてね」

 

「Zzz…」

 

「遊びたーい!」

 

「はいはい、わかったから落ち着いてください」

 

初春は四人の言葉を聞き流して就寝の準備を始めた。後になって考えてみると、この時のモモタロスの発言はとてつもない意味を持っていたのだが、この時は誰も気づいていなかった。

 

 

 

次の日

 

学園都市・第七学区の学舎の園は騒然としていた。突如空中からフクロウ型の怪人が女子生徒に襲いかかったのだ。フクロウ型の怪人『オウルイマジン』は脇に1人の女子生徒を抱えている。

 

「もうすぐお前の望みが叶うな」

 

「違う!私は『能力を強くしたい』って願ったのよ!」

 

「だからお前より強い能力のやつを何人か殺れば契約成立だ!」

 

「そんな…」

 

オウルイマジンがまた地上の女子生徒を襲おうとする。しかしその時、五つの影がオウルイマジンを襲い、そのうちの1つが捕らわれた女子生徒を救出する。オウルイマジンはそのまま地面に叩きつけられ苦悶の声をあげる。

 

「な、何者だ!?」

 

「ホワイトスワンですわ!」

 

「レッドホーク!」

 

「ブラックコンドルですの!」

 

「イエローオウル!」

 

「ブルースワロー!」

 

「鳥人戦隊!」

 

『ジェットマン!』

 

空中で名乗りをした五人は女子生徒を救出したブラックコンドル以外がオウルイマジンに向かっていく。

 

「ブリンガーソード!」

 

「ウイングガントレット!」

 

「ビークスマッシャー!」

 

「バードブラスター!」

 

四人の連続攻撃を避けるために上空へ飛び立つオウルイマジン。それを追撃しようと追う四人にオウルイマジンは羽根を投げつける。羽は爆発を起こし、ジェットマンたちが爆煙に飲まれる。

 

「ふふふ…」

 

「なにが面白いんですの?」

 

「なに!?」

 

テレポートで後ろに回ったブラックコンドルの回し蹴りでオウルイマジンが地面に叩きつけられる。爆煙が止み、無傷の四人とブラックコンドルも地面に降り立つ。

 

「一気に行かせてもらいますわ!ジェットストライカー!」

 

ホワイトスワンの呼びかけでどこからともなく赤いバギーが現れ、空中にジャンプした後変形し巨大なバズーカ砲に変形する。バズーカ砲『ファイヤーバズーカ』を五人が支える。

 

「ファイヤーバズーカ、スタンバイですわ!」

 

『OK!』

 

「スコープ・ロック!」

 

オウルイマジンにバズーカの照準が合い、ホワイトスワンがコントロールパネルのボタンを押す。

 

『ファイヤー!』

 

砲塔から火の鳥のような光弾が発射され、オウルイマジンに直撃する。

 

「なああああああ!」

 

オウルイマジンが爆発を起こし、四散したのを確認してジェットマンたちは飛び立った。

 

 

 

すぐあと、第七学区のファミレスには戦いを終えた常盤台五人組の姿があった。

 

「わたくしたちのチームならどんな怪人も楽勝ですわ!ほーほほ」

 

婚后が扇子を広げながら得意げに言う。

 

「初春や佐天さん、春上さんが大変な時ですもの、私たちで少しでも頑張らないと」

 

「そうですわね」

 

湾内や泡浮も笑いながら言う。御坂と白井は春上の状態を知ったとき、すぐに彼女たちに連絡をとり、怪人討伐を手伝ってもらうようになったのだ。幸い、五人ならジェットマンやチェンジマン、フラッシュマンとして戦闘もできるし、固法も腕が治り無事にアクセルとして前線に復帰している。おかげで三人が抜けている穴を十分埋めることができていた。

 

「枝先さんのこともありますし…当分は私たちで頑張らないといけませんの」

 

「みんな、ありがとう…ん?」

 

ふと、窓の外を見た御坂。その視界の端にくらい路地へと入るある人物の姿が一瞬だが映った。

 

「どうかしましたの?お姉さま」

 

「いや…ねえ、黒子。あそこの路地って工事中で通り抜けできないわよね?」

 

「ええ…そこの入り口にもでかでかと看板が立ってますの」

 

「(気のせいかな)見間違いだったみたい。なんでもないわ」

 

 

 

 

その日の夜、枝先たちの寮の一室の二段ベットの下の段には落ち着かない様子で横になる春上(初春の変身)がいた。

 

「(うーん、いつも上の段だからなのか…あまり落ち着かないなあ…)」

 

とりあえず今晩初春はちゃんと春上を演じられたが、これから先もこんな生活を続けるわけにはいかない。

 

「(かといって…イマジンやヒーローたちのことを話すわけにも…zzz)」

 

ようやく眠りについた初春。しかしその安眠が打ち破られたのは、それから数時間後のことだった。

 

 

突如、爆発音と振動がベットを襲う。春上(初春)は飛び起き、時計を確認すると深夜5時を回っていた。春上(初春)はベットからとびだし、ベランダへと出る。周囲を見渡すと第二学区方面の空が赤く染まっていた。春上(初春)はすぐにアクセルラーを取り出し、佐天にコールする。数秒後にスピーカーから飛び出したのは佐天の緊迫した声だった。

 

[初春!いま、第二学区で巨大怪人が暴れてるの!]

 

「なんですって!?」

 

[御坂さんたちがデカレンジャーロボで迎撃してて、私と春上さん、固法先輩は避難とか救助を手伝ってる!]

 

「私もすぐに向かいます!幸い、枝先さんはこの騒動に気づいてないみたいですし」

 

[…わかった。かなりひどい状態になってるから…気を付けて!]

 

アクセルラーを着ると、春上(初春)はジャンバーを羽織りドアから飛び出した。

 

 

 

第二学区はこの世の地獄となっていた。学校などは少ない学区だが、それでも人の悲鳴が鳴りやまない。

 

「ゴーカイイエロー、キンタロス!こっちに逃げ遅れた人がいるわ!手伝って!」

 

「はい!」

 

「わかったで!」

 

アクセルの指揮のもと、ゴーカイイエローと電王・アックスフォームがエレベーターのドアを破壊し、救助を手伝う。周りにはがれきをマグネットキャノンで移動させるフォーゼ、消火活動をするレッド抜きのシンケンジャー、避難誘導を手伝うオーイエローなど様々なヒーローが活動している。それをよそにデカレンジャーロボが黒い怪人と白熱した戦いを繰り広げていた。

 

「ジャッジメントソード!」

 

デカレンジャーロボのジャッジメントソードを太い腕で弾く怪人。

 

「か、固いですの」

 

[あの怪人のデータは解った、湾内さん?]

 

[はい、どうやら『ワロガ』という怪人のようです]

 

[この怪人、ビルや施設ばかりを狙うなんて…なんて卑劣な]

 

ワロガという怪人はデカレンジャーロボが来てからも迎撃より破壊活動を優先しているようにも見え、両腕から光弾で次々に施設を破壊している。

 

「何か弱点はありませんの?」

 

[光に弱いというデータがありますわ]

 

「それなら…これですの!」

 

デカレンジャーロボがジャッジメントソードをしまい、右腕のパトアーマーのサーチライトでワロガを照らす。ワロガは両腕で光を遮って必死に防ごうとしている。

 

[効いてるわ!]

 

「一気にとどめを刺しますの!」

 

デカレンジャーロボが一気に接近してワロガを追撃するが、ワロガは太い腕で反撃する。

 

「光が弱点のはずでは…」

 

[耐性がついているのかも…黒子!ジャスティスフラッシャーよ!]

 

「ロジャーですの!パトエネルギー全開!」

 

シグナルキャノンを構えたデカレンジャーロボがワロガを狙う。

 

「ジャスティスフラッシャー!」

 

シグナルキャノンからエネルギー弾発射されるが、ワロガの腕に弾かれる。その様子を下で見ていたゴーカイイエローとアクセル、電王が驚く。

 

「ジャスティスフラッシャーも効かないなんて…」

 

「ゴーカイオーが出せれば、加勢できるのに」

 

ゴーカイオーは現在他のマシンとともにオーバーホール中で出撃ができない。ギャラメガやボイジャーも前回の戦闘でダメージで出撃不能である。三人が悔しがっていると、ワロガが突如三人に向けて攻撃を仕掛ける。

 

「伏せるんや!」

 

電王・アックスフォームが二人をボディーアタックの要領で地面に伏せさせる。幸い直撃は避けたためにダメージはなかったが、近くにあった自動車関連の学校の施設が吹き飛ぶ。ワロガはまたしても三人に攻撃を仕掛けようとするが、突如巨大な影のタックルでバランスを崩し不発に終わる。その巨大な影はデカバイクロボだった。

 

[白井さん!遅くなりました。デカバイクのオーバーホールを待っていたら一時間以上かかってしまって…]

 

「いいえ初春、ナイスですの!超特捜合体!」

 

デカレンジャーロボとデカバイクが合体し、スーパーデカレンジャーロボが完成する。

 

「猪突猛進ですの!ガトリングパンチ!」

 

頭と背中に装備された3基のハイパーブースターが唸り、猛スピードでワロガに突っ込む。

 

「これでおわりですの!」

 

ところがワロガの姿が忽然と消え、ガトリングパンチは不発に終わった。

 

「ど、どこにいきましたの?」

 

[落ち着いて黒子。反応がないわ、逃げたみたい]

 

スーパーデカレンジャーロボはあたりを見渡すがどこにもワロガの影はない。

 

「…ずいぶんあっけない幕切れですの」

 

時刻は朝の7時前、夜明けの光がスーパーデカレンジャーロボを照らしていた。

 

 

 

数時間後、第七学区の病院のロビーはたくさんの被害受けた患者でごったがえしていた。テッペイと王一人の医師が応急処置をしていた。

 

「明日夢くん!そっちはどうだ!」

 

「手術が必要な重篤な患者はとりあえずいません!」

 

「(TPCレスキューの完成がもう少し早ければ)…今はそんなこと考えてるときじゃない!こっちに包帯と消毒液を!」

 

手術室でもカエル顔の医師と伊達明が賢明に手術を続けていた。

 

「(すげえ、速度だ…追いつけねえ)」

 

「ペアン」

 

「はい」

 

「すごいはね、あの二人…」

 

「ええ三人連続で手術なのに速度が衰えてないわ」

 

 

一方、第二学区では、黄泉川をはじめとするアンチスキルの実況検分兼がれきの撤去が行われていた。黄泉川がふと地面に落ちたある看板を見つけた。そこには『警備員訓練場』と書かれていた。

 

「結構つらいもんじゃん…昨日まであったもんがなくなるってのは…」

 

「君!止まりなさい!」

 

その時、一人の学生がアンチスキルの静止を無視してがれきの山に向かっていく。学生はがれきを血だらけになりながらどけていく。そして車のエンブレムのようなものを発見し、それを持ちながら号泣する。

 

「鉄装、あいつは?」

 

「あの子は確か、第二学区でも有名な自動車関連学校の自動車部の部長ですよ。大会二連覇を狙って新しいマシン…確か『シューティングスター』っていうのを開発中ってネットニュースで見た気がします」

 

「…」

 

黄泉川の目にその学生の姿が焼き付いていく。

 

「(情けない話じゃん…餓鬼どもの夢すらまもれないなんて…)鉄装!がれきの撤去続けるぞ!」

 

「はい!」

 

 

 

同じころ、第七学区の街を固法と佐天が歩いていた。手にはお菓子やジュースの入った袋がある。

 

「ごめん、佐天さん。あなたも疲れてるのに・・・」

 

「いえ、御坂さんや白井さんたちはもっとつかれてるでしょうし…こんなことぐらいしかできませんから」

 

二人は177支部で行われている対ワロガへの対策会議を一時抜け出し、スーパーでお菓子などを調達して戻るところだった。

 

「でも、過去の例でワロガは夜になると現れるかもしれないんですよね…大丈夫なんでしょうか?」

 

「TPCも戦闘機の用意ができてるらしいし、スーパーギャラクシーメガを対ワロガように改良してるって星川先生から連絡があったらしいから、大丈夫よ」

 

TPCは学園都市がいの怪獣の対処に追われており、今朝の戦いには参加できなかったのだ。

 

「そうですね…あ!ごめんなさい」

 

佐天が赤いスーツの男とぶつかってしまう。転んだ佐天に男はてを貸す。

 

「大丈夫?」

 

「ええ…!?お前は!」

 

佐天は男の手を弾いて立ち上がり、そして男と距離をとる。

 

「どうしたの佐天さん?」

 

「固法先輩!こいつの顔をよく見てください!」

 

「え?…はっ!」

 

固法も男と距離をとり、身構える。

 

「なんのようですか…バスコ・ダ・ジョロキア!」

 

「そうあせらなくてもいいよ、佐天涙子ちゃんにええと…ああ固法美偉ちゃんだったね」

 

赤いスーツの男はかつて佐天を戦闘不能にし、固法の腕を折ったバスコだった。

 

「そんなに身構えないでよ。こんなところじゃなんだから近くでお茶でもどう?」

 

「ふざけないでください!」

 

「あなたには右腕の借りがあるから、かえさせてもらうわ!」

 

バスコは二人に向かい笑うとカリブレードとカリブラスターを取り出し、地面に落としたあと、両手を上げる。

 

「戦う意思はないよ。ちょっと話がしたいだけさ」

 

「(固法先輩…どうします?)」

 

「(とりあえず聞くだけ聞いてみましょう。もしもの時は命を懸けてもとめるわ…)」

 

二人はとりあえず臨戦態勢を解く。バスコは両手を下げるとすこし二人に近づく。

 

「で、話というのはなんですか?」

 

「簡単な話さ、あのワロガってやつのことさ」

 

バスコの言葉に二人は内心驚く。

 

「ちょっとまって、あなたがそんな話をしてメリットはないはずよ?どうして…」

 

「理由は二つ。一つはあいつの作戦があんまり好みじゃないってこと、もう一つは…そこの涙子ちゃんに敬意を評してかな。結構君のこと気に入ってるからさ」

 

「う~ん、嬉しいような…いやなような…」

 

佐天の困った顔をみて、にやにやと笑うバスコ。

 

「あのワロガってやつの過去のデータとあいつのエネルギーがどこへ行ったのかを調べてみな。それから涙子ちゃん」

 

「は、はい!?」

 

「『何かを得るためには何かをすてなきゃ』…君たちは捨てられるかな?」

 

それだけ言うとバスコは忽然と姿を消した。

 

はたしてワロガを倒せるのか?コスモスはどこにいるのか?バスコの言葉のいみとは?中篇に続く

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