とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ) 作:マッスーHERO
今回から仮想BGMというものを導入しました。(イメージソングみたいなもんです。)
曲名だけなら著作権に引っかからないという話なので、曲名のみ書こうと思います。
特撮、とある以外の曲も使うので参考にしてください。
(いつもつかうとは限りません)
水面が揺れ、飛沫を立てる。神奈川県某所のスポーツジムのプールでは一人の女性が黙々と25Mプールを泳いでいた。女性がプールの壁をタッチするとともに水面から顔を出し、ゴーグルを外す。
「はあ…」
まず女性の口から出たのはため息だった。このため息の理由は別にタイムが遅いとか、疲れたとかという感じの理由ではない。その理由はとなりのコースにあった。
「相変わらず綺麗だよな、上条さん…」
となりのコースを泳ぐ女性の姿に見とれてしまう女性。別にそっちの気があるわけではない。あれで一児の母ということに驚いているだけだ…まあ自分もだが。そんなことを考えながら御坂美鈴はプールサイドへと上がった。
「御坂さん知ってます?この近くに美味しいステーキ屋さんが出来たんですよ」
「ス、ステーキですか…」
スポーツジムから出た二人は、一緒にお昼を食べようということになり、詩菜と呼ばれた女性がこんな提案をした。美鈴はすこし悩む(主にカロリー面)が晩を減らせばいいかと詩菜の意見に賛成した。この二人は古くからの知り合いと言うわけではない、結構最近の知り合いだ。子供たちが下宿しており、夫が単身赴任中であるなどの共通点から知り合いとなったのだ。
「へえ、ステーキハウス『ブラック』かぁ」
詩菜の道案内で美鈴たちがたどり着いたのはいかにもという感じのステーキハウスだった。今時珍しい木製の手動ドアを開けると香ばしい肉の香りが美鈴たちを包み込んだ。昼時より時間がずれているからか店に客はいない。美鈴たちはキッチンの近くに座った。そこへメニューをもった女性がやって来る。
「いらっしゃいませ。あら、詩菜さん。また来てくれたのね」
「こんにちわ、玲子さん。こちらは私のお友達の御坂美鈴さんです」
「こんにちわ」
「こんにちわ、今後ともご贔屓お願いします。あ、そういえば詩菜さん。また、光太郎さんと新しい写真を撮ったのみる?」
「はい、ぜひ」
二人の話が熱中するなか美鈴はメニューを見つつ、店のなかを観察していた。キッチンの中では男二人が調理をしており、店のいたるところにはその片方と誰かの写った写真が飾られていた。
「(なるほど、上条さんがはまるわけだ)」
写真のなかにはこの辺を空から撮っていたものもあり、キッチンで働いてる男性の一人(おそらく光太郎)と玲子がヘリコプターの前で並んでいる写真もあった。詩菜の趣味は原動機付きパラグライダーなので、その繋がりで常連となったのだろう。他にも光太郎と思われる男性とツナギを着た青年がロケットの前で肩を組んでいる写真や『新佐原航空』と書かれた看板の前で二人の女性と並ぶ光太郎の写真、自由の女神の前で先程とは違う二人の女性と笑いあう写真、キッチンの片方の男といっしょに店の前で撮ったと思われる写真なども飾ってあった。
「御坂さんも、このRXステーキでいいですか?」
「あ、はい。それでお願いします」
詩菜の言葉に美鈴が頷きながら答えた。
程なくして玲子が料理を運んできた。
「へえ、海苔がのってる」
「うちの店長のこだわりなの」
「でも、なんでマスタードでRXって書かれてるんですか?」
「それは内緒よ」
玲子はそう言うとキッチンの方へと戻っていく。
「あ、美味しい!」
「でしょ?このニンニクのソースも美味しいのよ」
それから数分後、ステーキに舌づつみをうった二人は満足気に店を出た。
「美味しかったです、上条さん」
「そう?よかったわ。もしよかったらこのあと空いる?いっしょに電気屋さんについてきてほしいの」
「電気屋さん?ええ、空いてますけど…なにか買うんですか?」
「ちょっとブルーレイデッキをね」
「あれ?先日新しいのを買ってませんでした?」
「あらあら、御坂さん的には人の家庭の恥部を知りたいのかしら?」
「(あ、また旦那に投げたな)」
二人はそんな会話をしつつ、電気屋に向かう。
しかし、そんな二人を付け狙う怪しい影の存在に二人は気づいていなかった。
「あれが、幻想殺しと超電磁砲の母親か…よし、リベンジャークライシス部隊最強の闘士、怪魔妖族スカル魔スターよ、やつらを捕らえろ!」
「は!」
奇抜な格好の女性は傍らの骸骨に黒いローブの怪人スカル魔スターにそう命令する。スカル魔スターは戦闘兵チャップとともに二人に迫る。
「とお!!」
しかし、謎の影がスカル魔スターをキックで吹き飛ばす。数体のチャップももう一つの影に阻まれ、二人はその間に大通りの方へと消えてしまった。
「くっ!何者だ!?」
「おいおい、冗談じゃないぜ。お前に忘れられるほど年をとってはいないんだがな。マリバロン!」
「おれも忘れてもらっちゃこまるけどな」
二人の男はマリバロンと呼ばれた女性とスカル魔スターたちの前に並び立つ。
「私の名を知っている?…ま、まさか貴様たちは!」
「TPCがヒーローたちの身内が狙われる可能性を考えていないとでも思ったのか?」
「ヒーローに選ばれた奴らの身内を守るために兄貴や歴代の戦士たちが護衛についていたのさ!」
二人は襲い掛かるチャップを軽く吹き飛ばす。
「佐原兄弟の両親を殺し、今またヒーローたちを苦しめるために肉親を利用しようとするクライシス!そしてリベンジャー!…ゆ゛る゛さ゛ん゛!! 」
「兄貴!チャップは俺に任せてくれ!」
「やはりお前たちは…南光太郎!霞のジョー!」
二人の名を叫ぶマリバロン。それにこたえるかのように南光太郎は右手を天にへと掲げ、徐々に下へと下ろしていく。
「変…身ッ!」
下りきった腕を横に広げると同時に光太郎の腰にベルトが出現する。そして太陽の煌めきと共に光太郎の体は黒いボディの戦士へと変化していく。
「俺は太陽の子!仮面ライダーBLACK!RX!」
仮想BGM:『仮面ライダーBLACK RX』
ブラックRXはファイティングポーズをとり、怪魔妖族スカル魔スターに挑む。
「行け!スカル魔スター!」
「おおお!」
スカル魔スターの持つ鎌がブラックRXの命を刈り取らんと振りかざされる。
「とお!」
しかしこの鎌の側面をキックして弾いたRXは強烈なストレートパンチでスカル魔スターを吹き飛ばす。さらにRXの体が発光し、別の姿へと変化する。
「俺は悲しみの王子!RX!ロボライダー!」
名乗りを決めながら右腕に銃を出現させるロボライダー。
「ボルティックシューター!」
「ぬわ!」
銃撃を喰らい倒れるスカル魔スターを追撃しようとロボライダーはさらに体を変化させる。
「俺は怒りの王子!RX!バイオライダー!」
体をゲル化させ、スカル魔スターを攻撃するバイオライダー。しかしマリバロンはその姿を見て、微笑んでいた。
「(ふふふ、バイオライダーの弱点はすでにスーパーアポロガイスト殿の戦いで確認されている。かつての友の戦法であの世に落ちるのね…RX!)」
ゲル化したバイオライダーがスカル魔スターへの攻撃を一時やめて、距離をとる。
「今だ!スカル魔スターよ!」
「おお!」
スカル魔スターがゲル化バイオライダーに迫る。最強ライダーRXの数少ない弱点をつこうと…しかし、ゲル化バイオライダーの逃走はフェイントだった。一時スカル魔スターから離れたゲル化バイオライダーは再度スカル魔スターに近づき、その体にまとわりつく。
「な、なに!?」
驚愕の声をあげるマリバロン。バイオライダーはそのままスカル魔スターの動きを封じつつ実体へ戻り、抜刀したバイオブレードでスカル魔スターを切り裂く。
「確かにバイオライダーの弱点は実体へ戻る際のわずかな隙だ!かつて俺はそこを信彦に…いやシャドームーンにつかれたことがある。だがそれはまだ俺が若さゆえにRXの力を過信していたからだ!新たなライダーたちが生まれ、RXを超えたものも少なくない。だからこそ俺自身も日々の鍛練を忘れず、今も進化している!そんな戦法は通用せん!」
バイオライダーはRXへと姿を戻す。
「リボルケイン!」
ベルトから数々の怪魔怪人たちを地に伏せてきた光の杖、リボルケインを取り出すRX。最後の悪あがきとばかりにスカル魔スターは鎌で横方向へ大振りにふるがRXはこれを回転ジャンプで避け、リボルケインでスカル魔スターを突き刺す。
「ぬぉ!?」
リボルケインからエネルギーがスカル魔スターへと送られ、突き刺された部分から溢れた光の粒子が飛び散る。数秒後、RXはリボルケインを引き抜き、スカル魔スターへと背を向けてポーズを決めた。
「ナァァァァ!!」
小規模の爆発でスカル魔スターは木っ端微塵に吹き飛ぶ。その姿を見て、驚くマリバロンにRXはリボルケインを向けた。
「マリバロン!貴様はクライシス皇帝に処刑されたはず…なぜ再びリベンジャーとして皇帝に従う?」
「皇帝?ふふふ、リベンジャーにクライシス皇帝はいない…我らは選び抜かれた最強の組織だからな。私はあの方の命令で動くのみ」
「あの方?…!もしや…」
「RX!いずれ勝負をつけてやる!首を洗って待つのだな!」
それだけを言うとマリバロンは姿を消した。変身を解除した南光太郎の側にチャップを撃退した霞のジョーと玲子が駆け寄ってくる。
「光太郎さん、大丈夫?」
「ああ、心配はないよ…だが、やはり僕の変身能力も制限されてしまうようだ」
「くっそ!兄貴が本気ならリベンジャーなんてあっという間に壊滅してやるのにな!」
「いや、やつらを甘くみないほうがいい…おそらくはあいつも甦っているはずだからな」
「他の人たちは…詩織さんや美鈴さんの旦那さんたちは大丈夫かしら?」
「ああ、たよりになる後輩たちが護衛についているから大丈夫さ」
光太郎は空を見上げてそういった。
その頃、アメリカのとあるレストランでは…
「やっぱり禁酒は無理だ。うまいもん」
「はあ…」
「なんでこの人がここにいるんすか…」
三人のスーツ姿の男がテーブルを囲んでいた。禁酒に失敗した男は御坂旅掛、ため息をつくのは上条刀夜、もう一人は田中という男である。もともと刀夜と田中は外資系企業の営業担当でともに証券取引対策室に所属しており、今回は二人でアメリカのある企業との交渉に来ていた。それが一段落し、何かうまいものでも食べようかと思い、このレストランに入ったところ、この御坂旅掛と対面したのだ。彼らは過去にもロンドンでであったことがあるのだが、その時は最終的に無人で空を飛ぶセスナ機を爆破して死んだふりまでする貴重な体験をしたということで田中はかなり神経質になっていた。
「それにしても、どしたの?その顔の傷?サラリーマンは顔も武器なんだから気を使わなきゃだめだよ」
「あ、これはその…いろいろあって」
刀夜の頭の傷を気にする旅掛だが、田中にはその理由がはっきりとわかっていた。この刀夜という男はかなりのフラグ体質でことあるごとに女と騒動になるのだ。さらに言えばこの刀夜という男には立派な奥さんがおり、夫婦喧嘩で何度となく負傷している。今回もそれだろう、おそらく決め技は『青盤箱投〈ブルーレイデッキクラッシュ〉』と見える。それでもましな方だ、以前には『電子計算機激〈コンピュータインパクト〉』で腕を三角巾で吊ることになったのだから…
そんな彼らとはすこし離れたところで、二人の男がテーブルを囲んでいた。片方はまさに旅人と言うような格好をした男、もう片方はジャケットを着こんだ大学生っぽい男だった。
「いやあ、まさかこんなところでヒロムくんに会えるとは思わなかったよ」
「俺も映司さんに会えるとは思いませんでしたよ」
二人は食事をとりながらお互いの再開を祝っていた。
「どうだい、特殊エネルギーの探索は?」
「あまりはかどってはいませんね…護衛といっしょにしなければならないってのもありますから」
「僕みたいに気楽に旅だけしてればいいってわけでもないからね」
「いやいや、映司さんだって大変でしょ。相手は世界をまたにかけてるわけですし…」
「ははは、もっと危険なところを色々とまわってたから、それと比べれば軽いものだよ」
映司と呼ばれた青年はサラダを手に取る。
「でもいいのかい?ずっと戦ってきてようやく自分の時間を勝ち取ったのに…こんなところでこんな危険な任務を…」
「いえ、もともと色んなところを旅してみたかったですし…それに俺のなかのワクチンプログラムが…父さんと陣さんが俺に平和のために力を使えと言ってる気がするんです」
「そっか」
「映司さんこそ大事な相棒を甦らせるために世界を回っていたんじゃないんですか?」
「こっちの世界にも錬金術が存在していることをしって、ひょっとしたらアンクをもとに戻す方法があるかもしれないと思ってね」
二人は様々なことを語り合う。そして話は今後の予定についてになった。
「上条さんは一時日本に帰国するから、俺はその間にヨーロッパに先回りしようと思うんだ。魔術系はヨーロッパのほうが盛んらしいからね。日本には光太郎さんもいるし、TPCの戦闘機が帰国する飛行機を護衛してくれるらしいから」
「俺は護衛任務を他に引き継いで、一旦日本経由してもとの世界に戻ろうと思います。エネトロンの備蓄もあとわずかですし、姉さんにも顔を見せないといけませんから。そのあとはオーストラリアに行ってみようと思ってます。わずかですが特殊エネルギーの反応があるので」
「日本…学園都市かあ、いつか行ってみたいな」
「よかったら一緒にどうですか?」
「…いや、止めておくよ。まだ僕とこの世界のオーズは出会うべきじゃない」
そういいながら映司は懐から三枚のメダルを取り出す。そこには様々なヒーローたちの紋章が刻まれていた。
「この力はまだ完全じゃない…そもそもまだ彼らはこの力を扱うには未熟すぎる…だけど、いつか…」
「…そうですね。でも映司さんは羨ましいですよ。うちはヨーコが決めましたからね。しっかりした人に渡ったのかどうか…」
二人がそんな会話をする一方で刀夜たちはと言うと…
「上条さんといっしょにいると命がいくらあっても足んないですよ!」
「おいおい、人を疫病神みたいに言わないでくれ」
田中はすっかり泥酔していた。
「だってね、このところ出張いくたんびに今はやりの怪人に襲われてんですよ」
「へえ、怪人。俺もこの間ペルーあたりで見たな」
「そのたんびにへんてこなヒーローに助けてもらってるから事なきを得てるけど…そろそろ出てきますよ!ほら、そこのドアを開けて…」
田中の冗談は辛くも当たってしまった。丁度指を指したドアから大量のミイラ男のような怪人がなだれ込んできたのだ。
「うっそぉ!?」
「わ、わ、わ…」
「おお」
三人がそれぞれミイラ男のような怪人『屑ヤミー』に対してリアクションをするなか、レストランの店員たちが散弾銃で応戦する。
「おお、さすが銃大国アメリカ!」
旅掛が冗談まじりにそう言う。怪人は銃撃で怯むが倒れてもすぐ起き上がってしまう。
「に、逃げましょう、裏口から!」
よいの覚めた田中は裏口へと向かうがそこからも屑ヤミーがなだれ込んできていた。
「これって、労災保健はおりるのかな?」
「じょ、冗談言ってる場合じゃないっすよ、上条さん!このままじゃ、殺されちゃいますよ!」
その時、一体の屑ヤミーが刀夜たちに遅いかかった。
「うわぁ!もうだめだ!」
田中はうろたえて目をつぶる。しかし、その後に来るはずの衝撃がなにもこない。気になった田中が目を開けると彼らの前に一人の戦士が立ち塞がり、屑ヤミーたちを追い払っていた。
「はあ、セイヤ!」
この戦士、皆さんにも馴染みぶかい仮面ライダーオーズと同じ姿をしている。しかし身長は御坂オーズよりも高く、にじみ出るオーラにも何らかの迫力を感じる戦士だった。オーズは トラクローを展開し、周囲の屑ヤミーを撃退していく。
「逃げてください!」
オーズの言葉を受けて三人は物影に隠れる。
「ハァ!」
仮想BGM『Anything Goes!』
刀夜が辺りを見渡すともう一人赤いスーツの姿の戦士が屑ヤミーたちと戦っていた。その戦士の姿はかつて滝壺が変身したレッドバスターに酷似しているが、オーズ同様背が高く、滝壺レッドバスター以上の風格がある。
「一気に決めましょう!来い、ニック!」
[Set!Are You Ready?]
「OK!」
レッドバスターはモーフィンブレスにグラスのようなものをセットする。同時に電子音と何者かの声が周囲に響きわたる。
[Powered Custom!]
[It's morphin time!]
「パワードモーフィン!」
掛け声と共にレッドバスターの周囲にアーマーが出現し、彼の体に装着される。
「俺もいきますか!」
それを見たオーズも新たなメダルをベルトにセットする。
[スーパータカ!スーパートラ!スーパーバッタ!スーパー!タトバ!タ・ト・バ!スーパー!!]
電子音共にオーズの姿が変わり、頭はタカヘッドブレイブに酷似しているが、胴はトラクローの強化され、足はバッタレッグが強化された姿へと変わる。
「ハァ、セイヤー!」
「ハァ!」
勇ましい掛け声と共に二人の姿が消える。
「What´s!?」
周りから驚きの声があがる。それと前後して屑ヤミーたちが吹き飛んでいく。あるものは真っ二つに裂け、あるものは胴体に穴をあけて倒れる。倒れた屑ヤミーたちは消滅し、割れたメダルへと変わっていく。
「ボルカニックアタック!」
[It's time for special buster]
[スキャニングチャージ!]
「セイヤー!!」
姿を現したレッドバスターとオーズは残る屑ヤミーを殲滅するべく、必殺技を発動する。まずレッドバスターはチーターのようなオーラを身に纏い、屑ヤミーたちに突っ込む。オーズもまた、背中から羽を生やし、屑ヤミーたちに強力なキックを決めた。二人の強力な必殺技が無数にいた屑ヤミーたちを消滅させた。
「Oh!Nice Fight!」
「yeah!」
周囲が歓声に包まれ、たくさんの拍手が二人に贈られる。どうやらほとんどの客がショーか何かだと思っているようだ。レッドバスターはとくに気にしていないようだが、オーズはペコペコお辞儀をする。拍手が治まったところで二人は再び姿を消した。
騒ぎが治まったあと、レストランに映司とヒロムがこっそりと戻ってきた。
「たく、飯時ぐらいおとなしくしていてほしいもんですね」
「まあ、彼らも仕事だからね」
冗談を言いつつ、レジへと向かう二人。
「会計お願いします」
「ああ、そちらのテーブルは先ほど別のお客様からいただいております」
「え、そんなはずはないんだけど…」
「ちゃんといただいております。それから『ご苦労様』と伝えてくれと託を頼まれました」
二人は困惑しつつ目を合わせる。しかし映司はすぐにその主の正体を察した。
「なるほど、親も只者じゃないようだね」
「え…まさか…」
「多分御坂さんのほうだろうね」
数分後、二人は店の外へと出て、通りを歩いていた。ヒロムは赤いバイクを引きずっている。
「じゃあ、俺はここで」
「あ、そのまえに…」
別れ際にヒロムは数枚のドル札を映司に差し出した。
「いやいや、僕はちょっとのお金と明日のパンツがあれば大丈夫だからさ」
「そのちょっとのお金がないんでしょう?」
[そうだぜ、さっきあんたと会う直前に浮浪者の人が金をもらったって喜んでたからな]
突然バイクから声が響く。その言葉に映司はすこし恥ずかしがる。
「…いや、でもな…」
「大丈夫ですよ、今日の宿泊代とヨーロッパへの渡航代を差し引けば、ちょっとのお金になりますから」
そういうとヒロムはドル札を映司のポケットにねじ込んだ。
[俺たちはTPCからたんまり軍資金をもらってるから心配しないでいいぜ]
「他人のこともいいですけど、自分の任務のほうもしっかりやってくださいよ」
[たく、もう!ごめんな、ヒロムはこういうやつなんだ]
「いや、ありがとう。そういうことならありがたくもらっておくよ」
二人はそういって笑顔で別れ、別の道を歩き出した。
刀夜と田中の二人と別れた旅掛は大通りを一人歩いていた。
「あの二人が何者かは知らないけど、俺たちのことを影で守ってくれているなら、邪険にするわけにもいかないな。それにしても…俺もキザなことをしすぎたかな…財布が氷河期だ」
そんなことを言いながら、旅掛は夜の街へと消えていった。
場所は変わり、いつもの学園都市。人が目まぐるしく動き回るこの街…そこに突如として巨大な影が2つ現れた。1つは以前から登場しているアイハラ リュウの駆るガンウインガー。もう一機は以前バードンとの戦いで活躍した『ガッツイーグルαS<アルファスペリオル>』である。
「くっ!」
コクピットで舌打ちをするのはリュウだった。先程から後ろのαSをまくことができない。ビルにミサイルを撃ち込んだりして倒壊させ、相手をまくことはできるかも知れないがそんなことはリュウにはできない。できるわけがない。かつてそれをしたウルトラマンを糾弾したリュウにはできるわけがない…それを知ってか知らずか相手もしてこない。それが悔しかった。だが、同時に燃え上がりワクワクする敵もそうはいなかった。
「すごい挙動をしやがる」
実はαSのパイロットも前方のガンウインガーをなかなか撃てずにいた。
「サイズはほぼ同じだが…あっちのは多目的戦闘機…こちらは市街戦特化機体…それで後方をとってるのに止めがさせないとは…」
コクピットのフドウ・ケンジは焦りさえ感じていた。αSの機体速度はウルトラマンさえも上回るマッハ11。それでさえ追い付けない=速度が出ない、このビル郡をあれだけの挙動で飛行している時点で神業なのだ。
「勝負は…このあと…俺が勝つにはそうするしかない!」
ケンジが操縦悍を握り直す。そしてその時は来た…
「ここだ!」
第六学区にさしかかったところでケンジの操るαSのレーザービーム『ネオジーク』が発射される。これを降下して避けるガンウインガー。
「な、なに!?」
突如として前に現れた障害物にリュウは驚く。それはジェットコースターのレールだった。
「なめるな!」
レールを巧みに避けるガンウインガー。しかし…
「しまった!」
リュウが焦りながら言った。彼の目の前には回避不能な障害物があったからだ。そう、学園都市外周部の壁だ。
「あの壁を越えるには上昇かターンしかない…でもαSの命中率ならどっちをとっても撃墜だ!」
αSのネオジークの命中率は怪獣に突き刺さった鉄パイプを正確に撃ち抜くレベル…ケンジは勝利を確信していた。
「…」
ガンウインガーは外周部の壁へと突っ込む。ギリギリまで上昇しない作戦なのだろう。だが、壁の直前でついにガンウインガーは上昇した。
「もらった!」
αSのネオジークがガンウインガーを撃ち抜き、爆発させる。
「ふう…」
息を吐くケンジ。しかし…
[Danger]
「ロックオン警告!?」
αSのコクピットに警告音が鳴り響く。それと前後してガンウインガーの爆煙の中からガンスピーダーが飛び出した。
「まだ、勝負はついちゃいねぇぞ!」
「くっ!」
ガンスピーダーとαSの攻撃が交差し、双方の機体に同時に着弾した。
Drawと表示されるスクリーンをハルサキが驚いた表情で見つめていた。
「す、すごい…どちらもとんでもない飛行テクニックだ」
ここはTPCフェニックスベースの格納庫。今までの戦闘は全てシュミレーターによるものだったのだ。コクピットからリュウとケンジが降り、固く握手を交わす。
「汚い手を使って悪かったですね」
「いえ、機体性能をフルに使った戦いですから、あれも戦法のひとつですよ」
お互いに笑いあう二人。
「これから飯でもどうです?」
「いや、私はムカイさんとαSの調整があるので遠慮させてもらいます」
そう言うとケンジはαSの方へと戻っていく。一人残されたリュウにハルサキが近づいてきた。
「とんでもない人ですね。どうやったらあんなに自由に機体を操れるんでしょうか?」
「…あのαSって機体によほど思い入れがあるんだろう。市街戦特化機体といえども、あそこまで操るには並大抵のことじゃない…あのαSには何があるんだろうな?」
「ムカイさん、ネオジークの発射速度がわずかですが遅れているのでそこの調整をお願いします」
「了解…それにしてもお前の乗るαSはすごいもんだな。カリヤやシンジョウ…いやアスカの乗ってたαSよりも高性能の機体に見えるよ」
「…兄貴よりもですかね?」
「!」
「乗ってるとたまに兄貴とアスカ隊員の2つのαSが横を飛んでるような錯覚を覚えるんですよ。俺に最善のルートを二つ教えてくれるんです…俺はそのどっちかを選んでるにすぎません…」
フドウ・ケンジ…彼には兄がいた。フドウ・タケル、優秀なパイロットだった。しかし、タケルはある機体のテストパイロットに選ばれ、その機体のエンジントラブルで殉職した…。ケンジはそのことで目標を失い、自暴自棄になって絶望していた自分を助けてくれたのがアスカ・シンという男だった。しかし彼もまたある機体と共に光の彼方へと消えてしまった。そう…この『ガッツイーグルアルファスペリオル』こそタケルの命を奪い、アスカと共に去った機体と同型の機体でなのである。
「ネオスーパーGUTSにガッツシャドーが導入されても…こいつが量産化されて、こいつのカスタム機が登場してからも、お前はこいつのノーマルタイプにこだわっていたなあ。しかもこいつに乗り続けるために市街戦の多い、ネオスーパーGUTSに残ったわけだしな」
「こいつには不思議と恨みがないんです…兄貴やアスカ隊員の魂が乗ってる気がするからかもしれません」
「再現には骨が折れたんだぞ。丁寧に乗れよ」
「ええ、俺はこいつで次もまた空を飛びますよ…いつかあの人とともに空を飛ぶために…」
ケンジはそういいながらαSを見上げた。
さて、ここまでは4人の戦士の物語を語った。あるものは一度守ることのできなかったものを守るために…あるものは失った友を取り戻すために…あるものは失った過去の分の未来を掴むために…あるものは兄に、そして自分の目標だった男にすこしでも追いつくために…懸命に戦う戦士たちを今回は描いた。
最後にもう一人…戦う覚悟を決めた戦士の物語でこの話をしめたいと思う。
白いコートを羽織り、フルフェイスメットをかぶった一人の男が暗闇を一人歩いていく。
「いくのか?」
その男を一人の金髪の男が呼び止めた。
「トールか?」
「…せめてマリアン=スリンゲナイヤーに別れを告げるくらいの時間はあるんじゃないのか?」
「彼女が目覚めるのを待っている間に…あの女はとんでもないことをしでかす…彼女にはすまないと伝えてくれ」
「…無意味に生き残ることはないのか?」
「ない。この力を得た我々の戦いに勝利者も生存者もいてはならない」
「ベルシ、そいつの力は正直言って全能の俺でも手こずる力だ。できることなら経験値にしたかったんだがな…」
トールはベルシにそういうと、闇のなかへと消えていった。
「…決着をつけよう。忌々しきあの街で…」
ベルシは自らの切り札『ヴィーティング』という剣ともう一振りの短剣を懐に入れて、闇の中へと消えていった。
今まさに止まった時間が再び動き出そうとしていた。
御「ど、どういうことなの…」
黒「リクエストがとんでもないことになってますの…」
佐「作者がこんなに前書き書くのをはじめてみましたよ」
初「ネタギレで非常事態宣言ならわかりますけどネタ有りすぎで非常事態宣言する人は初めてな気がします」
御「しかし作者も男…寺山さんのオリキャラや鈴神さんの原案を採用した以上、他の人の意見をないがしろにすることはできないわよ」
黒「逃げ場はないですの」
佐「背水の陣ですね」
初「長い戦いですね…」
注:二次小説の後書きです。バトル漫画の戦いの前の決意表明とかじゃありません。
御「今回も特別編扱いね」
黒「とある勢よりも特撮勢にスポットを当ててましたの」
佐「最後の一人以外はかなりメジャーな人たちよね」
初「たまに作者はよくわからないマイナーキャラを登場させますよね」
御「でも、今回登場したフドウさんはかなりの有名どころよ」
黒「では早速キャラ紹介ですの」
南光太郎/仮面ライダーBLACKRX(BLACK) 登場作品仮面ライダーBLACK・BLACKRX
仮面ライダーでも最強クラスの実力を持つレジェンドの一人。仮面ライダーBLACKとしてゴルゴムを、パワーアップし仮面ライダーBLACKRXとしてクライシス帝国を壊滅させた実力者。19歳の誕生日にゴルゴムに拉致され、改造手術を受けて仮面ライダーBLACKへと変身する能力を得た。クライシス帝国との戦いの中で変身能力を奪われるも太陽の光でRXへの変身能力を得た。ヘリコプターの免許を持っている。『ゆ゛る゛さ゛ん゛』『〇〇の仕業だ』『そのときふしぎな事が起こった』などの名セリフもこの作品から誕生した。(『もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな』はコラです)
(ここからオリジナル設定)先輩ライダーの要請でとある世界へとやってきて、上条と御坂の実家の近くにステーキハウス『ブラック』を開店しつつ、二人を見守り、護衛している。今現在も高い実力を誇り、襲い掛かってきたスカル魔スターを瞬殺した。彼自身も変身能力の低下は避けきれず、変身時間は三十分しかない。彼の変身するRXはこの作品内でも最強クラスのライダーであることが一方通行やスーパーアポロガイストが言及している反面、すでにディケイドやシャドームーンとの戦いでの弱点をリベンジャーに知られており、そこを突かれる場面もあったが、歴戦の戦いでの経験値がその弱点を補っている。ちなみに彼と写真に写っていた人物はいずれもBLACKやRX時代のサブキャラである。
御「同時に登場した玲子さんや霞のジョーもRXで登場したわよ」
黒「特撮最強談義の常連ですの」
佐「ディケイドにも登場したよね」
初「ステーキハウス経営は中の人ネタですね」
御「というか『もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな』ってコラなの?」
黒「ええ、本当は『ここはRXに任せよう』ですの」
佐「まあ、沖さんはそんなこと言いませんよね…」
初「あんまりに自然すぎてわからないくらいRXがつよいってことですよ」
御「まあそうよね…」
フドウ・ケンジ 登場作品 ウルトラマンダイナ
ウルトラマンダイナ第39話「青春の光と影」に登場したTPC職員。
かつて主人公のアスカのライバルだったフドウ・タケルの弟。兄の死に目標を失い、アスカやスーパーGUTSを見返すためにTPC警務局直属・ブラックバスターへと入隊するもアスカとの任務のなかで自分を見つめ直し、スーパーGUTSへの入隊を目指して訓練学校ZEROへと戻った。
(ここからはオリジナル設定)ダイナ最終回後、念願が叶いスーパーGUTSに入隊する。兄やアスカの意思を次いで戦いいつかアスカとともに空を飛ぶために、彼と兄に因縁深い『ガッツイーグルアルファスペリオル』を愛機に戦い続けた。その後、スーパーGUTSマーズに誘われるが、αSの持ち味の市街戦が多いことやアスカの守った地球を守り続けたいとの願いからネオスーパーGUTS(スーパーGUTSアース)に残り、副隊長となった。今作ではヒビキ総監の勅命を受けてとある世界のTPC航空部へと入隊、ブラックバスター時代の経験なども活かして諜報活動や調査なども行っている。飛行テクニックは非常に高く、リュウと互角以上の航空戦を繰り広げた。
ガッツイーグルαS<アルファスペリオル>
全長:14m
全幅:9m
最高速度:マッハ11
乗員:2名
武器の命中精度と運動性能・最高速度に特化した機体でネオジークという赤い熱線を攻撃武器とする。
開発当初は特別な機体のイメージがあったが、ネオスーパーGUTSでは量産化されて訓練生も使う機体となっている。命中精度は劇中でも記載したが、怪獣に刺さった鉄パイプを撃ち抜くほどである。
機体下部に大型砲スパークボンバーを装備しているが本編では使用されていない。
今作ではステルスおよびマニューバシステムが組み込まれており、下部の大型砲からスペシウムを含んだ破壊光線を発射する。
バードン戦では毒袋を一撃で撃ち抜いた。
御「この人の登場話はアスカ役のひとも絶賛してたそうね」
黒「隠れた名作の一つですの」
佐「ケンジさん役の人はグランセイザーにも登場してたよね」
初「この話がウルトラマンダイナ終盤への重要な話にもなりましたよね。ちなみにムカイさんは43話に登場していて、役者さんはウルトラマンジャックのアクターさんです」
御「今後の活躍に期待ね」
御「さて、今回のお話でもっとも重要なのは、やっぱり最後のあれね」
黒「ええ、新約三巻からのIF展開だったこの作品に四巻のキャラが出てくるとは…」
佐「そうですよね」
初「原作コピーのピンチですね」
御「い、いやそういうことではなくて…」
黒「そもそもバゲージシティが舞台じゃない時点でコピーの仕様がありませんの」
佐「ちょっと黙ってろよ初春」[ファイナルウェーブ!]
初「グワァ!」
しばらくお待ちください
御「ベルシの登場、フューチャーとの戦い…」
黒「リベンジャーとの戦い…」
佐「そしてリクエストとの戦い…」
御「ちょっと佐天さん…」
黒「身も蓋もないことを…」
佐「事実だからしょうがない…あんなこと書いたんだから、作者も命をかける覚悟でしょう」
御「来る12月27日はこの小説の一年記念…なにか考えないと」
黒「遠回りにリクしてませんの?」
佐「というわけで来週は鈴神さん原案の第二弾をおおくりします」
御「お楽しみに」
次回予告
学園都市に宗教誕生?
宇宙に夢を、星に願いを…ゾディアーツ軍団に隠された作戦の末に、ついに上条とあの組織が…そしてあの男が対面する。
その時、あの男の口からでた驚くべき言葉とは?
『邪教の凶星・忘却の友』