とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ)   作:マッスーHERO

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みなさんお久しぶりです。
このたびは更新が遅れてしまい申し訳ありません。
本来なら一話で投稿する予定が結局前後編に分かれてしまいました。
最近なにかと忙しく投稿ができず申し訳ありません。
7月終わり頃からは投稿速度を上げていけると思いますので、もうしばらくご辛抱をお掛けします…

先日の運営様による当小説にロックについて再度この場でご報告させていただきます。
運営様に確認したところどうやら以前の記念アンケートが運営規約に反していたようで、ロックがかかってしまい、一日このしょうせつが非表示となってしまいました。その後、私の方から運営様に連絡したところ、お知らせなどの投稿にも問題がある恐れがあったため、そちらの方も削除しました。運営様、読者の皆様に多大な迷惑をおかけしたことを心より謝罪いたします。


最後に、やく一月の間の更新を停止してしまい申し訳ありませんでした。
私自身すでにフューチャー編のラストとそこからつづく新たな戦いについてはすでに構想ができており、アイデア切れで失踪などすることはないと思います。
学生としての本分や友人との関係、私自身の怠慢から今回の遅延につながってしまい重ね重ね申し訳ありません。どうか今後共愚作ですがこの小説を応援いただけるようよろしくお願いいたします。


激戦(前編)

第二三学区鉄身航空技術研究所付属実験空港滑走路ではクウガ・イエローバスター・ゲキイエローとアリエスゾディアーツ・タウラスゾディアーツの戦いが続いていた。

 

「おらあ!」

 

「はああ!」

 

タイタンソードとタウラスゾディアーツの杖・グアンナがぶつかり合う。パワータイプ同士である二人の攻防だがその筋肉や運動量などが影響してか、のっそりとしたスローな戦いではなくスピーディーさも兼ねた激しい戦いとなっている。

 

「「ぐうう!」」

 

今度はタイタンソードとグアンナの激しいつばぜり合いが始まった。パワーに特化しているためか若干タウラスゾディアーツのほうが押しているようにも見えるが、クウガも負けてはいない。

 

「う、う…おりゃあ!」

 

「ぬあ!?」

 

つばぜり合いに夢中になってがら空きになっていたタウロスゾディアーツの腹部にクウガのキックが炸裂した。よろけて後ろに下がるタウラスゾディアーツ。さらにクウガは軽くバックステップして後ろに下がると、助走をつけてタイタンソードの切っ先をタウラスゾディアーツの腹部へと向けながら飛びかかった。

 

「これでとどめだ!」

 

タイタンソードを腹部へと突き刺さし、そこから封印エネルギーを流し込むカラミティタイタンを発動しようするクウガ。しかし異変が起こった。腹部に突き刺さる直前にタイタンソードに多数の傷が浮かび上がり、腹部を突いた衝撃でボロボロにおれてしまったのだ。

 

「な、なに!?」

 

「おらぁ!」

 

狼狽するクウガの胸にタウラスゾディアーツの鋭い角が突き刺さる。さらに異様な金属音とともにクウガタイタンフォームの装甲に亀裂が入っていく。

 

「ば、バカな紫のクウガの装甲がこんな簡単に…」

 

「はあ!」

 

タウラスゾディアーツの怪力がクウガを少しずつ持ち上げそのまま、上へと放り投げた。さらに落下してくるクウガにタウラスゾディアーツはグアンナの強烈な突きをお見舞いする。

 

「ぐぉあ!?」

 

突きの衝撃でもう一度舞い上がり、そのまま地面へと落ちるクウガ。グアンナの突きによって内臓に相当なダメージを与えられ、強固さが売りのタイタンフォームの装甲は見る影もなくボロボロになっている。

 

「ごほ!ごほ!ごほ!」

 

何度も咳き込みながらクウガはゆっくりと身を起こしながら装甲の傷を見た。装甲は角の刺さった部分から放射状に亀裂が入っており、穴の開いてしまった部分を触ると粉末のようなものが手についている。

 

「はあ、はあ…(穴が空くのが速すぎた…それで角が刺さった後に装甲にヒビがはいった…そうか、剣が折れたのも)おら!」

 

何か思うことがあったのか地面のアスファルトを少し砕いてタウラスゾディアーツの頭部へと投げつけるクウガ。アスファルトはタウラスゾディアーツの角に当たり砕ける散る。

 

「(角に粉末がつかない…)そうか、お前の能力は物体の高速振動か」

 

「ほう、気づいたか」

 

こう見えても浜面は元スキルアウトであり、様々な工具などにも精通している人間だ。様々な能力を知っているし、様々な工作機械の知識を持っている。 その二つの知識からタウラスゾディアーツに変身する能力者の能力が物体の高速振動であると彼は睨んだのだ。

 

「俺の能力『振動調整<シェイカーチェンジ>』はお前のいうとおり、物体を高速で振動させる」

 

「装甲に角が簡単に突き刺さったのは、振動ドリルとおんなじような原理だろ?あれ使うとすぐに穴があくわりに回りに亀裂なんかが入らないんだよな。それでそのあと振動の仕方を変えて内部から装甲を破壊したのか」

 

タイタンソードが折れたのも高速振動するグアンナを何度もうけたことが原因だろう、あのつばぜり合いでタイタンソードはすでに内部崩壊を始めていてカラミティタイタン発動の衝撃に耐えきれなかったのだ。

 

「この能力はいろいろと使い勝手が良くてな、こんな風にな!」

 

「な!体が!?」

 

タウラスゾディアーツを地面を思いきり踏むと突如としてクウガはその場から動けなくなった。地面を振動させることでクウガの足を地面から離れなくしたのだ。狼狽するクウガにタウラスゾディアーツのタックルが迫る。

 

「超なにやってんですか、浜面!」

 

クウガのピンチにアリエスゾディアーツと戦っていたゲキイエローが気づき、二人の間にはいった。

 

「激技・昇昇拳!」

 

普段とは違う紫色のオーラを右手に纏ったゲキイエローのアッパーカットがタウロスゾディアーツの顎に直撃する。能力との相乗効果で威力の増した一撃にタウラスゾディアーツは大きく吹っ飛びながら後ろに倒れピクリとも動かない。

 

「豪さん!」

 

その姿を見たアリエスゾディアーツはイエローバスターとの戦いを一時中断し、倒れたタウロスゾディアーツの元へと駆け寄った。

 

「無駄ですよ。いくら怪人の姿になったとは言っても、顎を超砕かれほどの衝撃ではしばらく立ち上がれるはずはありません」

 

ガイアメモリやゾディアーツスイッチで変身した人間は仮に骨や内臓を損傷するような怪我をおったとしても人間に戻った際にはほとんど回復する。これはおそらく怪人化によって細胞が再構築されるためと考えられているが、痛みなどは人間に戻っても残ってしまうことが多い。タウラスゾディアーツはいまのアッパーカットで確実に顎に損傷を受けているはず、ならば一度人間に戻ってもおそらくダメージは残ってしまうはずだ。

 

「それはどうですかね?」

 

しかしアリエスゾディアーツは慌てる素振りも見せず、ゆっくりと掌をタウラスゾディアーツの頭に置く。すると驚くべきことが起こった。ダメージを受けていたはずのタウラスゾディアーツが再び立ち上がったのだ。

 

「すまねえな、羅」

 

「いえいえ」

 

「…なるほどのひつじさんの能力は痛覚の超操作みたいですね」

 

「ええ、痛覚吸収<ペインアブソーバ>といって、早い話痛みを感じなくすることが出来るんですよ」

 

そういいながらアリエスゾディアーツはタウラスゾディアーツの横に並び立つ。それに相対するように並び立つクウガ、ゲキイエローそしてイエローバスター。

 

「浜面、援護射撃超お願いします。その隙に私と滝壺さんで超決めちゃいますから」

 

「頼んだよ、浜面」

 

「おう、超変身!」

 

タイタンからペガサスへとフォームチェンジし、イエローバスターから受け取ったイチガンバスターをペガサスボーガンへと変化させるクウガ。この形態でいられるのが五十秒間であることは二人も知っているため、一撃で勝負をつけるためにゲキイエローはゲキロッドをイエローバスターはソウガンブレードを構えて足に力をいれる。一方の怪人二人は各々の杖を体の前へと構えた。

 

[It's time for buster!]

 

ソウガンブレードの電子音とともにイエローバスターとゲキイエローが走りだし、クウガがペガサスボーガンのスロットルを引く。それに対して二体の怪人はじっと動かず、まるで二人を待ち受けているようだ。しかし二人はそのまま突っ込む。

 

「喰らえ!」

 

トリガーが引かれ、ペガサスボーガンの銃口から数発の空気弾が発射される。弾丸は少しずつ先行する二人に近づいていく。その時、二体の怪人の持つ杖が光り輝いた。

 

「う!?」

 

「な、体が勝手に!?」

 

杖が光ると共に、イエローバスターがばたりと前に倒れこみ、ゲキイエローはなぜかクウガの射線上に飛び込み空気弾を喰らってしまった。

 

「ど、どうした二人とも?」

 

「う…」

 

「ぬあ…」

 

クウガが呼びかけるが、イエローバスターは完全に脱力してしまっていて、ゲキイエローもブラストペガサスのダメージが大きく倒れこんだままだ。

 

「くっそ!」

 

「遅い!」

 

再びブラストペガサスの体勢にはいるクウガだがそれよりも速く接近したタウラスゾディアーツのグアンナがペガサスボーガンを手から弾き、さらに頭部、胸部、腹部へと3発の強烈な打撃を喰らわせた。

 

「ぐあ!」

 

地面を転がりながらマイティフォームへと戻るクウガ。すでにペガサスフォームの限界時間が来ていたのだ。これでクウガには遠距離攻撃がほとんど出来ない。ゲキイエローとイエローバスターも戦闘不能のなか2体の怪人を接近戦で倒さなければならないという圧倒的に不利な状況に陥ったのだ。

 

「おらあ!」

 

「はあ!」

 

何とか立ち上がるクウガを2体の怪人の追撃が襲う。それを紙一重でかわしながらクウガは頭脳をフル回転させて、この状況を整理し始めた。2体怪人攻略への突破口を掴むために。

 

「(この二人の能力は牛の方が物体の高速振動…羊の方が痛覚のマヒ…いや感覚の操作か?でもあいつは体に触れていた。触らずに能力は発動しない…だとすると、怪人としての能力か!)」

 

おそらく能力の発動起点は怪人たちの持つ杖。あれをなんとかできれば、あの2体の力を抑えることができるだろう…。その方法を考えるクウガだが、その余裕は2体の怪人によってなくなってしまった。

 

「死ねや!」

 

「おらあ!」

 

「く、超変身!」

 

マイティフォームへとチェンジし、2体の怪人の杖による棒術を避けるクウガ。ドラゴンへチェンジして応戦したいが、ロッドに変換できる『長い物』がこの滑走路には残念ながらすくない。ゲキイエローの元へと飛び込んでロッドを受け取りたいが、そんな余裕もない。

 

「は、どりゃ!」

 

「ぐお!」

 

2つの杖がクウガの肩を、腹を、脚に打ちこまれていき、すこしずつダメージを負っていく。このままではクウガは間違えなく殺られてしまうだろう…。タウラスゾディアーツの怪力で吹き飛ばされ、地面へとたたきつけられたクウガはその衝撃からか、あるときの記憶が突如フラッシュバックした。

 

「…ゴセパ…ガダデデ…ブザブ…」

 

口から漏れた異形の言葉…ゆっくりとクウガは立ち上がり、その言葉を何度も口にしながら両手をだらんと脱力し、まるで戦うことを放棄したかのように構えを解いた。

 

「…ゴセパ…ガダデデ…ブザブ…ゴセパ…ガダデデ…ブザブ…ゴセパ…ガ…ダ…デデ…ブザ…ブ」

 

「ふん、どうやら戦う気力がなくなっちまったようだな」

 

「しかし、フューチャーに逆らうもののみせしめとしてあなたには死んでもらいます」

 

2体の怪人は杖を前に構えクウガへと突撃していく、そして…

 

「う!」

 

2本の杖は勢い良く、クウガの身体にへと突きつけられた…

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、ターミナル駅ではディケイドが2体の怪人に思わぬ苦戦を強いられていた。

 

「ちっ!」

 

[Kamen Ride Knight]

 

以前変身したDナイトへと変身する。そして手に出現させたダークバイザーを振るうが、キャンサーゾディアーツはまるで動揺せず、Dナイトの眼を睨みながらそれを自慢の甲殻で防ぐ。その隙にカプリコーンゾディアーツのもつ『多弦琴ウルク』から放たれた音波がDナイトを襲う。

 

「うざってェ!」

 

[Attack Ride Nasty Vent]

 

カード装填とともに出現したコウモリ型ミラーモンスター『ダークウィング』が出現し、超音波を辺りに放射し音波を相殺する。その隙にDナイトは距離をとって新しいカードをバックルに装填した。

 

[Kamen Ride Chalice]

 

今度はDカリスへと変身し、カリスアローの刃を向けるがこれもキャンサーゾディアーツによって防がれてしまい、再びカプリコーンゾディアーツの攻撃を受けてしまう。間一髪これを避けるDカリス。先程からこんな状況の繰り返しなのだ。どんな戦士に変身してもキャンサーゾディアーツによって攻撃を防がれ、カプリコーンゾディアーツの攻撃を受ける…本来ならこんな奴らはほっておいて藤岡の元へと向かうのだが、それができない理由がディケイドにはあった。

 

「どうした、第一位。そんなにもたもたしてる時間ないぜ?」

 

「てめェに言われなくてもォわかってンだよ!」

 

カプリコーンゾディアーツの挑発に乱暴な口調でディケイドは答えた。ディケイドがこのターミナル駅から離れられない理由…それはこの二人の罠によるものだった。戦いが始まった直後、カプリコーンゾディアーツはターミナル駅の防犯装置を作動させ、強固なシャッターで出入口を閉じ、この場を完全な密室空間に変えてしまったのだ。いくら駅の防犯装置とは言え、テロ対策に特化している第二三学区のターミナル駅…学園都市の最新式防災・防犯シャッターはディケイドの装備でも破壊するのにはすこしばかり時間がかかり、怪人2体を相手にそんな暇はとてもない。ミラーワールドに飛び込もうにも鏡などの反射物が遠く、少なすぎる。そして排気装置も止められた今、カプリコーンゾディアーツの言うタイムリミットの意味は言うまでもない。

 

「(野郎、この駅の空気を無毒ガスに変えてェ俺を窒息させるつもりだなァ)」

 

カプリコーンゾディアーツ=煙田の能力によって、この場の空気はすこしずつ別の気体へ変えられている。ディケイド自体には酸素ボンベなどのシステムは積まれていない。数分なら無酸素状態でも戦えるだろうが、それをすぎればディケイドは戦闘不能、最悪は…それに対してゾディアーツたちは星座の怪人、無酸素状態でも長く戦うことができる。この場の空気の消滅がディケイド敗北へのタイムリミットなのだ。

 

「ふ、因果応報かァ…」

 

この戦法はかつてディケイド=一方通行にミサカ妹が行った、当時一度も敗れたことのなかった一方通行を破りうる可能性を秘めた戦法に近いものだった。あの世にいる妹達が自分を呼んでいるのかと一瞬馬鹿な考えを頭に浮かばせる一方通行。

 

「その姿じゃない、あんた用の作戦だからな。変身を解いても無駄だぜ」

 

「そりゃ、ご丁寧にどォも!」

 

激しくなるカリスの連撃をキャンサーゾディアーツは的確にさばいていく。先程からディケイドのいかなる姿・能力の攻撃もキャンサーゾディアーツにはクリーンヒットを当てられていない。キャンサーゾディアーツを倒せれば、ここからの脱出も可能なのだが…どうしても攻撃が決まらない。もちろんだがディケイドが他の戦士の力に慣れていないということはない。ナイトもカリスも過去にグルスゾディアーツ戦や夢の中での戦い以外でも何度か使用しているし、学園都市第一位の能力者である一方通行ならたとえ初めて使う戦士でもオリジナルと遜色なく戦えるはずだろう…しかし、今回は万が一にも負けないためにディケイドは最低三度は変身している戦士のカードしか使用しないようにしている。その条件に当てはまる平成ライダーはクウガ~キバの9体とG3-X、ナイト、ゾルダ、カイザ、カリス、轟鬼、ドレイクの7体でディケイドもあわせて合計15体。そのうちすでに半分以上のカードを使用しているが、決定打は与えられていない。

 

「(偶然でここまで攻撃がァさばけるはずねェ…そういやァ海原から買った資料の中にィ一人だけ能力がはっきりしないやつがいたなァ。確か藤岡の従兄弟の…)」

 

藤岡を含めた12人のホロスコープスの候補の中でも二人、藤岡とその従兄弟の二人については能力内容が公表されておらず、藤岡に関してはフューチャー首謀者としての宣言以来学園都市によってその能力・未来予知の情報が公開されているが、藤岡の従兄弟の能力についてはフューチャーとの関連性がはっきりしないため、建前上プライバシーの保護のためその能力が明かされていなかった。

 

「(妹達の例を考えるとォ…似通った能力ゥ?未来予知の劣化版か?いやァ、それならすべて回避できるはずだァ…クリーンヒットのみを避けてェる理由はなンだ?)」

 

近親者の能力が似通る可能性は大いにある。だがそれに囚われていてはいけないのも事実…。ならば客観的に考えるべきだと一方通行を思い、状況を整理し始めた。

 

「(コイツはさっきからァ時間稼ぎのための防御にィ専念している。未来が読めンならァカウンターの一つでもォ仕掛けてくるはずだァ…。身体能力向上系や念動力系、発電や発火、水流操作とかの能力もあるならァすでに使ってェるはず…あの動きがただの勘とは思ねェなァ。同様に俺に影響を与ェる能力はなし、感覚の鋭敏化ならなおさらァカウンターを狙うはず…サトリみてェな能力なら全部の攻撃を避けェられたはずだァ…)」

 

[Kamen Ride Kaixa]

 

もっと情報を集めようと使いやすさからか何故か使用頻度の多いDカイザへと変身するディケイド。そのとき防御に専念していたキャンサーゾディアーツが急に動き出した。Dカイザのカイザブレイガンとキャンサーゾディアーツの腕の鋏がぶつかり合う。これまで防御にまわっていたキャンサーゾディアーツの不可解な攻めに不信感を覚えるDカイザ。

 

「(なんだァ、こいつ急に…うン?)」

 

そのときDカイザはあることに気づいた。今までキャンサーゾディアーツが立っていた場所の後ろに小さな手鏡が落ちていたのだ。子供用のおもちゃみたいな小さいものだが、ミラーワールドに飛び込むには充分だ。

 

「(ちっ!あれに気づいてりゃ、ここから脱出できたもンを…!そォか!)」

 

普通の人間ならここからもう少しヒントが必要だが、学園都市第一位Dカイザ=一方通行の頭脳はこの僅かなヒントである一つの答えを導き出していた。そしてその答えを確かめるために一枚のカードをライドブッカーから引き抜いた。

 

「さ、させません!!」

 

キャンサーゾディアーツはなぜかそのカードをみると激しく動揺し、鋏でそのカードを弾いた。カードは舞い上がり、ひらひらと地面に落ちた。カードに描かれた赤い一本角の仮面ライダーはこちらをふてぶてしい表情で見つめているように感じられる。それを見たDカイザはついに確信した。この眼の前で戦っている蟹の化け物のうちに隠された能力を…

 

「ハッ、そォゆうことかァ!」

 

「(う!あいつ、まさか蘭斗〈らんと〉の能力に気づきやがったか!)喰らえ!」

 

Dカイザの言葉に焦りを見せたカプリコーンゾディアーツはウルクの弦を強く弾き、すさまじい衝撃波でキャンサーゾディアーツもろともDカイザを攻撃した。その衝撃波は今までの比ではなく、地面のアスファルトが削れ、濃い砂埃が二人を完全に包んでいく。その中で何かかがぶつかる音と電子音が数度響いた後、砂埃の中からキャンサーゾディアーツが吹き飛ばされてきた。

 

「大丈夫か蘭斗!」

 

「ええ…あいつまた姿を変えたみたいですが…これで終わりですよ」

 

やがて砂埃が止むとともに黒い影がバタリと地面に倒れた。それはある仮面ライダーへと変身したディケイドだった。身体に傷はないが、首を抑えているところから酸欠で倒れたようだった。

 

「ふふふ、どうだ!これぞ窮鼠猫を噛むってやつだ!」

 

換気口の封鎖を解いたカプリコーンゾディアーツは高らかに笑い動かなくなった黒い仮面ライダーの首に脚を駆けて踏みつけた。

 

 

 

クウガ…ディケイド…二人のライダーは果たして…後編に続く

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