とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ) 作:マッスーHERO
ただいま私は史上最大の敵(テスト)と戦っています。
かならずこいつを倒して宇宙最大のお宝(単位)を勝ち取って来る所存です。
8月からは更新速度も早くできるとおもいます。
もうしばらくお待ちください…。
前回問い合わせの多かったコラボ・もらった話シリーズですが、
このシリーズ終了後に新約3巻相当のお話を挟んだ後行う予定です。
全力でやるのでこちらもおまちください。
二人の仮面ライダーは、今フューチャーという組織の前に敗れてしまったのか…
否、そうではなかった…
舞台は一度、第二三学区鉄身航空技術研究所付属実験空港滑走路へと戻る。
「ぬう…おあ…」
苦悶の声がクウガの口から漏れる。それもそのはずだ。タウラスゾディアーツのグアンナはアークル左部分に突き刺さり、緑色と紫色のパーツが完全に潰されて赤く輝くアマダムにもわずかにヒビが入っている。さらにアリエスゾディアーツのコッペリウスが右胸のアーマーを大きく陥没させ、アーマーのヒビからは少なくない血が流れ出し始めていた。その哀れとも思える姿に二人の怪人は口角を吊り上げ、わずかに力を抜く。しかしその瞬間をクウガは見逃さなかった。
「うう…おおおお!!」
クウガは吠え、自身に突き刺さっている2本の杖を力強く掴むと自分の身体からわずかに離した。
「な、なんだ!?」
「悪あがきを!」
「おおおお!超!変!身!!!」
クウガの激昂とともにひび割れたアマダムが少しずつその輝きを青く変えていく。同時に複眼も青く変わり、傷ついたボディも軽量化された青いボディへと変化していく。そう、クウガ=浜面が三番目に開眼した青いクウガ、ドラゴンフォームへと変身したのだ。しかし今更姿を変えたところで意味などないと二人の怪人は余裕綽々といった感じで自身の杖を持つ手に力を入れようとする。だが…
「ん?な!なんだよ!これ!?」
タウラスゾディアーツが自身のグアンナを見て驚愕した。クウガの掴んだ部分から少しずつグアンナが青いロッドへと変化していたからだ。同様にアリエスゾディアーツのコッペリウスもまた青いロッドへと変貌していっている。慌てて杖を引き戻そうとする二人だが、クウガの杖をつかむ力が強すぎて簡単にはいかない。本来ならドラゴンフォームのパワーは他のどのクウガのフォームよりも弱いはずだが、怪力自慢のタウラスゾディアーツでさえグアンナを引き戻すことができない。まさにクウガ=浜面の執念が二人の怪人の杖をカタログスペックなど超えた力で掴ませているのだろう…。そして、2つの魔杖は青い聖なる杖、ドラゴンロッドへと完全にその姿を変えた。
「以前使った戦法がこうもうまくいくとはな…おりゃあ!!」
2本のドラゴンロッドを振り怪人の手を振りほどくと、クウガはこれまでの鬱憤を晴らすかのように2体の怪人を打ち、つきまくる。形勢は完全にクウガへと傾いた。
この小説をご覧の読者の方々は覚えているだろうか、かつてクウガがある怪人と戦った時のことを…
その怪人の名は『ゴ・ジイノ・ダ』。強力な怪人のはずだったのだが、仮面ライダー五人がかりで攻められたことが原因で呆気無く瞬殺されてしまった不遇な怪人だった。この際、クウガは敵の槍を奪いドラゴンロッドへと変換したことが勝利への布石となったことをクウガはあの衝撃で思い出し、ふたたびその戦法をとったのだ。
「おら、おら!」
「く、死にぞこないが!もう一度止まってろ!」
再び能力でクウガの動きを止めようとするタウラスゾディアーツ。しかし、彼は気づいていなかった。背後から迫る2つの黄色い影に…
「超やってくれましたね!打打弾!」
「はあ!」
倒れていたゲキイエローの猛烈な連打とイエローバスターのソウガンブレードの一閃がタウラスゾディアーツの背中に直撃し、彼を前方へと吹き飛ばす。そして前方にいたクウガの2本のドラゴンロッドがタウラスゾディアーツの身体を滅多打ちにする。腹を、肩を、腕を、脚を、すさまじい勢いで打っていくドラゴンロッド。
「ぐおお!?」
タウラスゾディアーツが悲鳴をあげる。ドラゴンロッドが彼の脚の骨を砕いたのだ。さらなる追撃から何とか逃走するタウラスゾディアーツだが、そこへ二人のイエロー戦士にボコボコにされたアリエスゾディアーツが飛ばされてくる。
「羅!俺に痛覚吸収を!」
「う…む、無理ですよ…あれは痛みを消すだけで、骨折の治療までは…」
「うるせえ!あと少しで俺達が好き勝手暴れられる世界ができるんだぞ!こんなところで…」
無理やり立とうとするタウラスゾディアーツともはや勝ち目がないとうなだれるアリエスゾディアーツ。そんな二人の前にクウガたち3人が立ちはだかる。クウガは2本のドラゴンロッドを纏め膝でへし折るとそれを捨てながらマイティフォームへと戻った。
「浜面、滝壺さん!これを超使ってください!」
「「おう!(うん!)滾れ、獣の力!ビースト・オン!」」
ゲキチェンジャーから放たれた光を受けて、クウガはゲキレッドへ、イエローバスターはゲキブルーへと変身。ここに3人の聖なる獣拳使いが集った。
「日々是精進、心を磨く!オネストハート!ゲキイエロー!」
「体に漲る無限の力!アンブレイカブルボディ!ゲキレッド!」
「技が彩る大輪の花、ファンタスティックテクニック。ゲキブルー」
「燃え立つ激気は正義の証、獣拳戦隊!」
『ゲキレンジャー!』
3人が息のあった名乗りを決め、ゲキイエローを中心に陣形を組むと猫のようなデザインのバズーカ砲『ゲキバズーカ』を出現させ、2体の怪人に向けて構える。
「上等だ!」
それを見たタウラスゾディアーツは勢いよく立ち上がり、折れた足でふらつきながらも3人に向けて向かっていくが、一方のアリエスゾディアーツは逆に自分だけ逃げようとタウラスゾディアーツとは反対の方向へと走り出してしまった。その間にも3人は自らの激気をゲキバズーカへとチャージしていく。
「はあああ…」
「うおおおお!」
刻一刻と迫り来るタウラスゾディアーツ。ゲキバズーカを構える3人との距離は少しずつ詰まっていく。
「うおおおお!」
タウラスゾディアーツとの距離はすでに2メートルを切っていた。そしてタウラスゾディアーツの拳がゲキバズーカ発射を阻止せんと振り上げられる。その時ゲキバズーカの目が輝き、激気のチャージ完了の示した。それを確認したゲキイエローが後方のレバーをおもいっきり引き、猫の口型の砲口を開放、ゲキバズーカ自体を前に突き出し、タウラスゾディアーツの腹部に突きつける。
『激技!激激砲!ハア!』
「おおおお!!」
「うおああ!」
ゲキイエローがレバーを前に突き出すと同時に砲口から巨大な激気のかたまりの弾丸が発射され、タウラスゾディアーツを貫くとともに逃げようと走っていたアリエスゾディアーツの背に直撃し、2体とも後方に吹き飛ばされながら爆発し元の人間の姿へと戻ってしまった。その姿を確認した三人はゲキバズーカを下ろし、もとのヒーローの姿へと戻る。
「はあ、はあ、はあ…」
「滝壺さん、超大丈夫ですか?」
「滝壺!」
しかしイエローバスターは荒い息を吐きながらその場にしゃがみこんでしまい、心配したゲキイエローが近づき、肩に手を置いた。どうやら先程のアリエスゾディアーツの能力でのダメージが残っているようだ。心配したクウガも近づこうとするが、それをイエローバスターは手で静止した。
「私のことは…いいから…早く藤岡の元へ向って…」
「で、でも…」
「滝壺さんは私が見てますから、浜面は藤岡のやつを超ぶちのめしてやってください」
「…わかった。かならずあの野郎をぶっ倒してやる!」
「浜面…これを」
イエローバスターのモーフィンブレスから赤と金の光が放たれ、マアダムへと吸収されていく。それを見たゲキイエローも自身のゲキチェンジャーから紫と白の光をマアダムへと送った。
「ありがとよ。これがあれば怖いものなしだ!超変身!」
トライアクセラーがタイタンソード使用時に破損してしまっているためクウガはドラゴンフォームへと変身すると、滑走路を走りだした。主悪の権化、藤岡虎斬を打ち倒すために…
しかし、かれは気づいていなかった。今は青く輝くマアダムのヒビが先程よりもわずかに広がっていることを…
「ふはははは!…うん?」
ディケイド=一方通行を倒し高笑いを続けるカプリコーンゾディアーツはふとディケイドの頭に乗せていた自分の足を捕まれたような感触に違和感を抱き、恐る恐る下を見る。自分の足をつかんでいるのが黒い両腕であることに気づいた瞬間、カプリコーンゾディアーツの身体は投げ飛ばされ、空中を舞った。なんとか体勢を建て直して着地するカプリコーンゾディアーツ。
「たくよォ、長ェこと頭踏みつけやがって…」
黒い仮面ライダーの姿に変わっているディケイドがそれと前後して立ち上がる。ドライバーと赤い複眼以外は黒一色のライダーは身体中の間接から水蒸気を出しつつ、キャンサーゾディアーツとカプリコーンゾディアーツに向かってファイティングポーズをとる。
「ちっ!死に損ないが!蘭斗!奴はどんな能力だ?」
「そ、それがあの姿は初めて使うらしくて…」
「ベラベラと喋ってンじゃねェ!!」
黒いライダーのパンチがキャンサーゾディアーツの硬いボディにめり込んだことで2体の怪人の会話は中断された。黒いライダーのインファイト戦法がキャンサーゾディアーツを襲い、そのボディに傷をつけていく。
「オラオラどォした?さっきみたいにガードしてみろやァ!」
「ぬう、ぐあ!」
先程の戦闘とはうって変わってキャンサーゾディアーツに何度もクリーンヒットを与えていく黒いライダー。その攻撃はパンチやキックのみの単調なものなのだが、何故かキャンサーゾディアーツはガードすることができない。
「蘭斗、離れろ!」
カプリコーンゾディアーツの奏でるウルクの衝撃波が二人の距離を離す。しかしそのときできたわずかな隙に黒いライダーは更なるカードをバックルへと装填した。
[Attack Ride KingStoneFlash]
「ハア!」
「おわああ!?」
電子音とともにバックルから放たれた光がカプリコーンゾディアーツを吹き飛ばし、シャッターを破壊しながら外へと放り出す。ターミナル駅内に残されたキャンサーゾディアーツは再び黒いライダーに挑もうと突っ込むが、黒いライダーはベルトのバックルを外して投げつけることで動きを牽制し、同時に地面に落ちていたもうひとつのバックルと赤いライダー『カブト』のカードを拾い、もうひとつのバックルをドライバーにセットする。
「どォした?自慢の能力もぶっつけ本番じゃ役に立たねェか?」
「う…あんた、僕の能力を…」
「ふ、あンだけ見せびらかしてェりゃ誰だって気づくもンだ。オマエの能力は…『過去視<オールドヴィジョン>』ってとこか?」
「…」
キャンサーゾディアーツの無言の返答を元の姿へと戻ったディケイドは肯定ととった。ここでディケイド=一方通行はなぜ彼の能力に気づいたのか、それ以前になぜディケイドは怪人たちの酸欠の罠をかいくぐって今平然としているのかを順を追って解説していこう。キャンサーゾディアーツとなった少年、名を『藤岡蘭斗』と言いその性から分かる通り、フューチャーのリーダー藤岡の従兄弟にあたる人物である。そして彼の能力は先ほどディケイドが言及した通り『過去視』、すなわち物体や人物の過去の姿を見るという能力である。ゆうまでもないが今回の戦いで彼がディケイドの攻撃をガードし続けていたのもこの『過去視』があったからだった。奇しくもこの戦いでのディケイドの戦法だった三回以上使用したライダーへの変身が裏目にでてしまい、ディケイドはこの敵の罠にはまってしまったのだ。人間はどうしても動きにパターンが生じてしまう…それは第一位とて同じこと…だから彼の攻撃はクリーンヒットすることがなかった。
「皮肉なもンだな。藤岡と真逆の能力を持っちまうとはァ」
「…虎斬兄さんのよりは確定している過去をみるので制度はいいんですがね…最大一年ですから古代学なんかに使えませんけど…それよりもどうして気づいたんですか?僕の能力に…鏡を隠してたからですか?」
「それもある…だがァ決定的だったのはァ視線だ」
「視線?」
「怪人には二種類いる。元人間かァそれ以外かァ、そいつらの典型的な違ィはヒーローを見る…正確にはヒーローの変身や姿を変ェるときの視線の動きだ」
リベンジャーに所属する怪人には一部例外もあるがだいたいは仮面ライダー・スーパー戦隊・ウルトラマンの能力を知っている。彼らの視線はそれゆえに格闘技などのような相手の視線・急所・攻撃の出処などに注目される。それに対してドーパントやゾディアーツのような元人間の怪人はヒーローたちを見ると一度その全身を見るため視線が動く、さらに姿を変えるとまた視線が相手の身体を横断する。とくにディケイドのような体色や身体が完全に変化するものを相手にする場合はそれが顕著になり、相手によっては二度三度確認するものもいる。しかし後者にあたるはずのキャンサーゾディアーツの視線の動きはDナイトとの戦いでもわかるようにディケイドの目だけを見ていた。普通の人間なら気にも止めない些細な動きだが、第一位の洞察力はその些細な動きから能力を推理するきっかけをつかんだのだ。
「それにしても、なぜあなたは意識を失っていないんだ?酸欠になって倒れているはず」
だが、キャンサーゾディアーツの言うとおり、仮に能力についてわかっていたとしてもあの罠によってディケイドは破れていたはずだ。
「全部に答え合わせをする気はねェが、特別サービスだ。あの時変身したライダーは『ブラック』…オマエの知ってるRXの進化前のライダーでなァ。5分間息を止められる能力が有ったンだよォ」
そうディケイドはあの土煙の中でSライダーバックルを召喚し、無酸素状態でも5分間だけ戦える仮面ライダーブラックへとチェンジしていたのだ。しかもこのブラックはRXの進化前のライダーであるためディケイドも初めて変身するライダーであったためキャンサーゾディアーツにもこのライダーの特徴がバレることはなかった。
「一度も変身していない戦士の能力もあなたにはわかるのか?」
「ああ、今回はらしくもなく安全策をとっちィまったが…ここからはオレらしく行かせてもらォか!」
[Kamen Ride Leangle]
本来のバックルに戻して装填したカードの効果でディケイドの身体は緑のスーツと金色のアーマーの『仮面ライダーレンゲル』へと変身する。当然ながらこの戦士はキャンサーゾディアーツの過去視には引っかからない。どうやら初めて変身するライダーのようだ。キャンサーゾディアーツの身体が緊張ですこし強張る。そんなこと当然Dレンゲルには関係なく杖とも槍とも思える『醒杖レンゲルラウザー』を両手に構えて突撃する。
「おらァ!!」
「く…(ボディにクローバー…おそらくブレイドやカリスの系統の戦士…ブレイドは電気、カリスは風…とくれば水や炎か?)」
レンゲルラウザーで打ち付けられながらも限られた情報でなんとかレンゲルの能力を推理しようとするキャンサーゾディアーツだが、それを許す第一位ではない。また新たなカードを装填するDレンゲル。そのカードは…
[Attack Ride Poison]
「喰らェ!」
カードの電子音を警戒しレンゲルラウザーを腕で抑えるキャンサーゾディアーツだが、攻撃は予想外のところから放たれた。それはレンゲルのマスクの口の部分、そこから放たれた紫色の液体がキャンサーゾディアーツの顔に掛かり激痛で彼の視力を奪う。
「ぐおお!?ど、毒霧?」
「本来は違うとこからァでるが、これは俺流だァ!」
[Attack Ride Stab]
視力の奪われたキャンサーゾディアーツにレンゲルラウザーの連撃が襲い掛かる。顔を、腹を、腕を、レンゲルラウザーによる突きが貫き、その強固な甲殻をすこしずつ傷つけ、欠けさせ、亀裂を作り出していく。
「まだァ!まだァ!」
「Kamen Ride Delta」
レンゲルラウザーを投げつけ、キャンサーゾディアーツを動揺させて距離を取ると、Dレンゲルは新たなカードを素早く装填した。電子音とともにDレンゲルの身体を白いフォトンブラッドが駆け抜け、ファイズシリーズのライダー『デルタ』へと変身し、その拳で更に甲殻の亀裂を広げていく。デルタの出力はファイズやカイザよりも高い。故にそのパワーは三体のなかで最も高いのだ。
「ファイヤァ!」
さらに専用装備デルタフォンとデルタムーバーを合体させた銃を構え、音声コマンドを入力、フォトンブラッドの光弾をキャンサーゾディアーツへと放つ。被弾したキャンサーゾディアーツは後ずさりながらも腕の鋏でなんとかダメージを最小限に減らす。それを見たDデルタは舌打ちをしながらその鋏を睨んだ。
「まずはァそのォ鋏を潰すか…ファイヤァ!!」
[Final Attack Ride DDDDelta]
「レディィィ!」
音声コマンドと前後して、電子音が鳴り響く。発射された4つの光弾を何とか鋏で弾くキャンサーゾディアーツだが、四発目の光弾は被弾した瞬間三角錐型に大きく広がり彼の動きを封じる。そして三角錐の先はキャンサーゾディアーツの自慢の鋏へと向いていた。
「オラァァァ!!」
三角錐のポインターに向けて放たれるDデルタのドロップキック、正式名『ルシファーズハンマー』。ルシファーの名の通り、堕天使の鉄槌とも思える強力な一撃がキャンサーゾディアーツの鋏を削っていく。そしてDデルタがキャンサーゾディアーツの後方へとワープするとともにキャンサーゾディアーツの鋏は肘の先ごとバラバラに砕け散った。
「ああ…ああ!!」
砕けた鋏を押さえうずくまるキャンサーゾディアーツ。その姿をDデルタは静かに見下ろしながら最後の戦士のカードを取り出した。
「最後はこれだなァ。やっぱ、蟹には蟹だァ!!」
[Kamen Ride Scissors]
Dデルタの姿が電子音とともにメタリックオレンジカラーの龍騎シリーズライダー「シザース」へと変身する。一見すると弱そうに見えるライダーだが、中身が一方通行だからか凄まじい風格とオーラを感じてしまう。そんなDシザースは間髪入れずに新たなカードを装填した。
[Final Attack Ride SSSScissors]
電子音が周囲に鳴り響くと先ほどキャンサーゾディアーツが隠していた手鏡から蟹型のミラーモンスター『ボルキャンサー』が出現、Dシザースの背後にまわるとバレーボールのトスのようにDシザースを撃ち上げる。舞い上がったDシザースは高速で回転しながらキャンサーゾディアーツへと突っ込んでいく。Dシザースの身体はキャンサーゾディアーツの甲殻をエグリ、壁へと吹き飛ばして叩きつけた。地面へと着地したDシザースはディケイドへと戻り、同時にキャンサーゾディアーツは人間『藤岡蘭斗』へと戻りながら倒れた。砕かれた腕もスイッチによる変身の効果か元に戻っている。そんな哀れな姿を見下ろすディケイドだが、背後に気配を感じて振り返る。そこには先ほど外へと吹き飛ばされたカプリコーンゾディアーツがウルクを構えたっていた。
「よくも、蘭斗を!」
「オォ、オマエかァ…完全にィ忘れてェたわ」
「死ねえ!」
ウルクからの衝撃波がディケイドに迫る。しかしそれをディケイドはジャンプで避けつつカードを装填した。
[Kamen Ride Sabaki]
「おおっと、オマエには初めての奴は使わなくても良かったンだっけなァ」
「うおおお!」
カプリコーンゾディアーツのウルクとディケイドの変身した響鬼シリーズライダー『裁鬼』の音撃弦・閻魔がぶつかりあい火花を散らす。
「てめえ!殺す!」
「友達思いは結構だがァ…オマエだってェ無関係な人間や誰かの大切な人を傷つけたァ」
「うるせえ!」
「…俺が言ェることじゃねェが…テメェのような半端な悪党はせめてェ俺がさばいてやる」
「なにを…う!?」
カプリコーンゾディアーツが突如苦しみうずくまる。見ると彼の腹部に小型の音撃弦が突き刺さっていた。それによりできた隙にウルクを弾いたD裁鬼はさらに閻魔をカプリコーンゾディアーツへと突き刺し、カードを装填する。
[Final Attack Ride SSSSabaki]
「音撃斬、閻魔裁きィィィ!!!」
轟鬼の物よりも洗練された熟練の音撃が響き渡る。決して名前負けしない力強い音撃にカプリコーンゾディアーツは動くことは全くできなかった。D裁鬼の演奏が終わるとカプリコーンゾディアーツはゆっくりと倒れ、煙田本来の姿へと戻った。
「す、すまない…藤岡…」
「…」
ディケイドはそう言いながら気を失う煙田の姿をしばらく見下ろしていた。同情したいとは思わない。ただ哀れだった。友のためにという大義を得て入るものの彼もまた自分が勝手に生きられる世界を作るためにという気持ちがなければこんなことはしないだろう…。そもそも藤岡は彼を友と思っていたのだろうか…。ディケイドはゆっくりと彼の側の2つのスイッチを踏みつぶした。念入りに、じっくりと、時間をかけて…やがてスイッチは周囲の黒い植木鉢や白いベンチの破片と混じり判別不能な粉末となった。その粉を脚で払うとディケイドは駅からゆっくりと外へと出る。この騒動の黒幕藤岡を討つために。その姿を転がっていたケムラーの人形だけが見つめていた。そしてその傍らに転がっていたダークダミースパークは蒸発するかのように消え去り、駅には二人のあわれな能力者が倒れていた。