とある英雄の伝説大戦(レジェンドウォーズ)   作:マッスーHERO

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ようやくペースは戻せましたが…
いつもより短いんですよね…
テレポーター同士って以外に書きにくいですね…

実はこの作品がパクられてしまいました…
というのは冗談で、じつは数日前にある方から連絡がありこの作品の設定を使わせてほしいという旨を聞きました。
私自身こういう設定の作品の執筆に少なくない悩みを感じていたのでいい機会だと考え、これを許可しました。

許可がでれば題名などもこの場で発表したいと思います。
この作品ともどもどうかよろしくおねがいします。



11次元の覇者

学園都市の能力者は様々な能力を持っている『念動力〈テレキネシス〉』『発火能力〈パイロキネシス〉』『透視能力〈クレアボイアンス〉』…これらの能力者は外の世界においてはどれもすさまじい力だといえるが学園都市内では残酷なほど厳しい強度の格付けを受ける。だが空間移動系能力の強度は全体的に高い。その大きな理由には3次元から11次元への特殊変換計算の演算の複雑さがあげられる。そのため自分の体重以上のものを転移できるものは無条件でレベル4の判定をうけるのだ。学園都市における空間移動能力者は58人そのうち19人は複数のものを同時にテレポートすることができ、このなかには黒子や結標も含まれる。一方彼女たちに対する有馬瞬には複数のものの同時にテレポートはできないためのこる39人に該当する。しかしそれは有馬の能力が劣っているというというわけではない。白井や結標にも負けない武器…それは移動距離だ。以前にも有馬は空中を飛行する飛行機にすら転移したという説明をしたがそんな有馬の最高移動距離はなんと約30キロメートル。黒子でも最高は81.5メートル、それよりすぐれた結標さえ800メートル以上とまさしく桁が違う。そんな3人が相まみえ戦うのだからさぞかし激しい戦いが期待される…と思われていたのだが…

 

「ディースティック!」

 

「はあ!」

 

現実に行われている戦いは非常に地味なものだった。今もデカイエローのディースティックとアギト・ストームフォームのストームハルバードがヴァルゴゾディアーツのロディアとぶつかり合うが三人が積極的に能力を使うような予兆はない。もちろんこの戦いで三人はちょくちょく能力は使っているのだが相手の攻撃を避けたりするときのみでそこまで激しく能力を使ってはいない。ある意味これまでの戦いでは一番大人しくあっけないといえるだろう。なぜこんなに地味な戦いとなっているのか、その理由は空間移動系能力者ならではのものだった。空間移動系能力者の転移は3次元を無視した移動であり、移動先にあるものをおしのけて移動する。そのため黒子や結標が能力発動時に空気を裂く音がするのだ。つまり下手な転移で転移点が重なってしまうと先に転移したものは…。いわばそれは王将やキングだけで行う将棋やチェスと同じようなもの、ゆえに彼らはうかつな転移を封じられていた。

 

「「はああ!」」

 

「う…おわ!」

 

しかし転移が封じられてもジャッジメントと元暗部の二人は格闘能力は高い。その上、いかに高い移動距離を持っていても直線でしか移動できないというハンデは想像以上に二人を有利にしている。なぜなら二人が一度でいい転移もヴァルゴゾディアーツ=有馬には二度の転移が必要なのだ。所詮ボンボンと戦闘のプロの戦いは当然ながら二人のペースであり、意図的に協力していなくとも二人の攻撃は鋭く、ヴァルゴゾディアーツは防戦一方となっていた。しかし、そんななかでもアギト=結標はあるちいさな違和感を感じ取っていた。

 

「まだまだ!」

 

「(この子…今日はずいぶんと攻めるのね?)」

 

彼女が感じた違和感、それはヴァルゴゾディアーツのことではなく横のデカイエローの戦闘パターンだった。以前から少なからず彼女のことをしる結標はデカイエロー=白井黒子がこんな猛攻をするタイプの人間ではない。確かにジャッジメントとは思えぬほどの残虐とも言える攻撃をするような彼女だが、相手を挑発したり周りのものを利用する彼女の戦法はなかなかのものだったはずだ。それが今回はとにかく攻めている。攻めて攻めて、攻めまくる。まるで相手になにかをさせないように…。

 

「(そういえば…前に私が乱入した時、白井さんは妙にダメージを負っていたわね…なにか奴には隠し球があるってことかしら?)」

 

そんなアギトの不吉な予感は悪いことに的中してしまった。

 

「ディーショット!」

 

「おあ!!」

 

デカイエローの銃撃で手首を撃たれたヴァルゴゾディアーツはロディアを落とし、手首を抑えながらうずくまって唸り声をあげ始めた。

 

「うう…」

 

その姿を見て自身の不安が杞憂だったのかとすこし呆れるアギト…だが、唸り声にふと耳を傾けた時…わずかに背中に寒気がはしった。

 

「うう…うう…うう…うゥ…うふふ…うふふ…ふはははははははは!!!!」

 

突如ヴァルゴゾディアーツは声高く笑い出したのだ。その笑い声はとても不気味でこの世のものとは思えない、少なくとも紳士然とした有馬からは想像もできないような声だ。そして笑いながら立ち上がったヴァルゴゾディアーツの手には黒いDと書かれたメモリが握られていた。

 

「…小娘ども…もう容赦はしねえ!」

 

[Dark]

 

そう叫びながらガイアメモリを身体に差し込むヴァルゴゾディアーツ。するとその身体は赤っぽい体色からまるで夜の闇のように真っ黒に染まった。同時に身体から見るからに邪悪なオーラがにじみ出始める。

 

「これが…隠し球?」

 

「…いえ、違いますの」

 

ひとりごとのつもりで言ったアギトだったが、デカイエローはその声が聞こえていたらしくそう返答した。そしてその言葉の意味をアギトはすぐに知ることになる。次の瞬間ダークヴァルゴゾディアーツはガイアメモリとは違う、あるものを懐から取り出したのだ。それは、赤く輝くスイッチ…そうゾディアーツより進化したホロスコープスの専用のスイッチ、ホロスコープスゾディアーツスイッチだった。

 

「ふふはははは!!」

 

ダークヴァルゴゾディアーツがゆっくりとスイッチを押す。するとまるで星雲のような黒いもやが身体を包み込む。そしてそのもやが晴れた瞬間、そこにはヴァルゴゾディアーツとはまるで違う怪人が立っていた。

 

「あ、あれは?」

 

新たに現れた怪人をアギトは身構えながら睨みつける。その姿は黒一色の道化師のような姿で首には血のような赤色のマフラー、そして身体のいたるところに双子座をかたどったコアが散りばめられている。

 

「身体に双子座…ジェミニ…」

 

「その通り…この姿こそ、ダークジェミニゾディアーツ!」

 

「私もあの姿に苦戦したんですの…」

 

「苦戦?死ぬ直前だったくせによう!」

 

そう叫びながらダークジェミニゾディアーツは大量の赤いカードを二人に投げつける。赤いカードは二人の周りの地面に着地すると同時に大爆発を起こした。その爆風を回避するために二人は後方へと転移するが爆発は断続的に発生し、周囲は濃い爆煙に覆われてしまった。

 

「く、なにも見えない…」

 

視界を封じられたアギトはじたばたと動かず、身体を低くして相手の動きをみることにした。じつは空間移動系能力者にとっては視界を封じられることはかなり痛い。移動先のことがしっかりとわからない状況での転移はとても危険なため、転移できなくなるのだ。しかしそれは相手も同じはず…なのだが…

 

「おらあ!」

 

「え!?」

 

突如自分の後方からダークジェミニゾディアーツの攻撃を受けるアギト。間一髪回避するが、回避した先でまたダークジェミニゾディアーツが現れ攻撃を仕掛けた。ストームハルバードでそれを受け止め、逆に攻撃を仕掛けるが攻撃は空を切り、ダークジェミニゾディアーツは再び爆煙の中に姿を消した。

 

「こんな視界で転移するなんて…あいつはどれだけ命知らずなのよ…」

 

愚痴りながらストームハルバードを振るうアギトだが、攻撃は一向に当たらずすぐに背後に回られてしまう。それを何度も避けるアギトのよこではどうやらデカイエローも戦っているようだ。

 

「はああ!」

 

爆発音と金属音がストームハルバードで攻撃を受け止めるアギトの耳に届く。その時、アギトはあることに気づいた。

 

「(白井さんも戦ってる?こいつはここにいるのに?)」

 

ダークジェミニゾディアーツはここにいるはずなのにデカイエローも戦っている音がする。あることに気づいたアギトダークジェミニゾディアーツと距離をとるとストームフォームからフレイムフォームへと変身した。そしてそのすぐれて聴力で周囲を索敵すると…

 

「音の音源が…4つ?」

 

戦っている戦士の音源が4つ感じられる。ひとつはアギト、ひとつはデカイエロー、ひとつはダークジェミニゾディアーツ、ならもうひとつは…

 

「ジェミニ…双子座…そういうことね!」

 

やがて爆煙が晴れるとアギトの予想はあたっていることがわかった。そこにはアギトとデカイエロー、そして二人のダークジェミニゾディアーツが立っていたのだ。

 

「分身能力。なるほど白井さんがやられたからどんなものかと思っていたのだけど…そんなにすごい能力でもないわね」

 

「侮ると痛い目に会いますわよ…あの分身には…」

 

デカイエローは最後まで言葉を続けることができなかった。突如として彼女の身体が爆発を起こしたのだ。それも一度ではない、複数回の爆発でデカイエローは立体駐車場の外まで吹き飛ばされてしまった。しかしその姿をアギトはとくに見いることもなく、二人のダークジェミニゾディアーツに迫る。

 

「「どうした?心配じゃないのか?」」

 

「馬鹿じゃない?あの子と仲良しこよしするような仲じゃないのよ」

 

獲物をフレイムセイバーに変え、ダークジェミニゾディアーツに斬りかかるアギト。それを回避する2体のダークジェミニゾディアーツだが、激しい攻撃が何度か傷を与える。そして強い突き片方のダークジェミニゾディアーツの腹部を貫いた。しかし…

 

「ふふふ…」

 

「なによ、気持ち悪いわね」

 

腹部を刺されたというのに笑い続けるダークジェミニゾディアーツ。アギトはフレイムセイバーをさらに深く差し込んでいくが、それでも笑い声は消えない。すると突如としてダークジェミニゾディアーツの身体が光り始めた。異変を感じ、フレイムセイバーを離そうとするアギトだが、その腕をダークジェミニゾディアーツは凄まじい力で握りしめた。

 

「は、放しなさいよ!!」

 

「ふははははは!チリとなれ!」

 

次の瞬間ダークジェミニゾディアーツは大爆発を起こし、アギトもろとも爆煙に包まれた。その姿をもう一人のダークジェミニゾディアーツは笑いながら見つめている。

 

「ははは!俺を馬鹿にするからこんなふうになるんだよ!」

 

ダークジェミニゾディアーツの爆発はかなりのものだった。さすがのアギトも木っ端微塵になってしまう威力…ダークジェミニゾディアーツは勝利を確信して高笑いを続ける。

 

「ははは!ははははは…は?」

 

しかしその高笑いは爆煙が治まるとともに止まった。爆破箇所の横にすこし傷を負っているが、無事な姿のアギトが倒れていたのだ。なぜ無事なのか疑問に感じたダークジェミニゾディアーツは周囲を見渡すと、アギトから少し離れたところにすすだらけのデカイエローが倒れている。

 

「あいつ地面に落ちたはずじゃ?」

 

「…私の能力がなんなのか忘れてしまったんですの?」

 

そう落下したデカイエローはテレポートを駆使して立体駐車場内に戻り、あの爆発の瞬間アギトに得意のドロップキックを浴びせてダークジェミニゾディアーツから離したのだ。

 

「ふ…あなたに助けられるなんて夢にも思わなかったわ」

 

「たとえ誰であろうと…人の命を救うのはジャッジメントとしての最低条件ですの…」

 

二人は立ち上がり、お互いにわずかな間見つめ合うと、再びダークジェミニゾディアーツへと向かっていく。それに対してダークジェミニゾディアーツは再び分身して迎え撃つ。

 

「今度こそ確実に吹き飛ばしてやる!」

 

二人のダークジェミニゾディアーツが赤いカードを投げ続けて、二人を攻撃するが二人は転移してこれを回避する。ダークジェミニゾディアーツは攻撃方法を変え、黒い光弾の連射で二人を撃ち落とそうとするが、二人はさらに転移してこれを避け続ける。

 

「(あの二人の背中には青いカードが貼り付けてある…それを爆発させればジ・エンドだ)」

 

しかしダークジェミニゾディアーツには最後の一手があった。それは先ほどデカイエローを攻撃したのはダークジェミニゾディアーツが任意の時に爆発できる青いカードだ。そしてそれらは爆煙のなかで二人の背に貼り付けてある。それを爆発させれば二人には致命的な隙ができてしまうだろう…。

 

「「ふはは!地獄に落ちろ!」」

 

ふたりを倒すために青いカードを爆発させようとするダークジェミニゾディアーツ。だが…

 

「「ぬお!?」」

 

爆発したのはなんと二人のダークジェミニゾディアーツだった。分身体の方は爆発により消滅してしまい、爆発の衝撃で本体のダークジェミニゾディアーツは地面に倒れた。どうやら連続転移の際に隙をみてカードをダークジェミニゾディアーツに貼り付けていたのだろう。

 

「ばかじゃないの?そんな手段バレバレなのよ」

 

「地獄に落ちるのはあなたの方ですの!」

 

「く…どいつもこいつも馬鹿にしてんじゃねえ!!」

 

ダークジェミニゾディアーツが虚空に消える。転移をして二人を攻撃するつもりなのだろう。しかしそれを読んでいたかのように二人の裏拳で背後を攻撃する。背後に転移したダークジェミニゾディアーツはその裏拳をまともに受けてしまった。今度は上に転移するダークジェミニゾディアーツ。だが、それも二人に読まれて二人の蹴りをまともに受けてしまう。

 

「く…なぜ読まれる」

 

「ワンパターンなのよ」

 

「あなたとはくぐった死線の数が違いますの!」

 

「ほざけぇ!!!!」

 

ダークジェミニゾディアーツは助走をつけて、仮面ライダーばりのジャンピングキックを放つ。それに対してデカイエローはディーソードベガとブレスロットルを構え、アギトはフレイムフォームからグランドフォームへと戻ると、ベルトの両側を叩き新たな姿へと変身した。左腕はストームフォーム、右腕はフレイムフォーム、ボディはグランドフォームのトリニティフォームと呼ばれる姿となったアギトはゆっくりとポーズをとり、両足にエネルギーをためていき、クロスホーンを展開する。

 

「死ねええええ!!」

 

「ベガスラッシュ&光速拳ライトニングフィスト!!」

 

「はああ!!」

 

先行したデカイエローのディーソードベガがダークジェミニゾディアーツの蹴りを弾き、ライトニングフィストを腹部にくらったダークジェミニゾディアーツは上空に浮かされてしまう。そして身体の浮いたダークジェミニゾディアーツに向けてアギト必殺のドロップキック『ライダーシュート』が炸裂し、ダークジェミニゾディアーツは爆発を起こしながら有馬瞬の姿へと戻っていく。それと前後してコツンと何かが地面に落ちる音が2回した。

 

「はあ、はあ…」

 

「ずいぶんと疲れてるみたいじゃない」

 

「この状態の私になら楽に勝てるんじゃありませんの?」

 

片膝をつくデカイエローにアギトはゆっくりと背中を向けた。

 

「…やめとくわ。今のあなたに勝っても面白くないし、そもそも戦うつもりもないしね…私静かに暮らしたいのよ」

 

それだけいうとアギトは虚空に消えた。デカイエローは変身を解きながら、アギトの消えた空間をしばらく見つめる。あの事件から数ヶ月、どのように彼女が変わったのか若干の興味を黒子は覚えるがそれを詮索する気にはなれなかった。ただ、いい方に変わっているのならそれはそれでいいことだろう。それよりも今は藤岡の作戦をなんとしても止めなければならない。そのためにはまず御坂と合流すべきと考え、黒子は有馬を拘束した後、虚空へと消えた。

 

 

 

 

 

 

一人残された有馬は気を失ったままだったが、そんな彼の前に何か現れた。

 

「…こ、ここは…!あ、あ、あなたは…!?」

 

「…」

 

そのなにかは有馬を見下ろし、ゆっくりと腕をあげた。その直後辺りに暴力的な音が響いた。

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