バカとオレと彼女たちR   作:いくや

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 一応、完結したということでいいのかな。

 アフターストーリ分書ききれなかったけど…

 では、どうぞ♪




第13問

 

「あれ、土屋くんに岡田くん」

「あんたたち休憩してんの?」

 姫路と島田が話しかけてきたのだった。うーむ。誤魔化し通せるかな。

 

「新たな問題に取り掛かってんだよ。始動が遅かったのがまずった」

 宝のことを何も聞かれなかったのでこちらも嘘偽りなくしゃべる。バカ正直にオレたちは一つ手に入れたよなんてことは言わない。

 

「私も問題をたくさん解きすぎました。何も手に入れてません」

「ウチたちも新しい問題取り掛かる?瑞希」

「そうですね。まだ難しい問題のところは残っているかもしれませんので」

「じゃあ、お互い一つは手に入れましょうね~バイバイ」

「頑張りましょう」

 そう言い名ながら2人は去っていった。よかった。変に追及されなくて。

 

「………今度は向こうからあの3人が見えた」

「ん?」

 姫路たちが去った後、すぐに土屋がこう言ったので顔を上げてみる。そこには…終わるまでは会いたくなかったと言っていたあの3人だった。

 

「………どうする。勝負挑まれたら敵わない」

「しかし下手に逃げると追っかけてくるだろうな」

「………ということは」

「やり過ごすしかねえよ」

 騙しあいで勝てるとも思えない相手。それならば、何とかして勝負を挑まれないようにしないと。

 

「やあやあムッツリーニ君に岡田君! また会ったね! 奇遇だね♪」

「どーも。何かいいのは手に入りましたか?」

 会話の主導権を握ることがおそらくカギとなる。土屋はいつもの通り無言で、そして問題を解くふりを始めた。

 

「岡田君堅苦しいよ~ボクたちタメなんだから敬語とかいらないって♪」

「あ、そうか」

「アタシたちはまあいくつか見つけたけれどもそっちはどうなの? スタートが遅れてたけど取り返した?」

 その節は大変ありがとうございます。あのままテキトーに探し回ってたらとてもじゃないけどわからないようなところばかりでした。返事をためらっていると、優子が続けた。

 

「あるのならば勝負を挑みたいのだけれども、3人vs2人じゃあね」

「………如月ハイランドパークのチケット」

「あ、そうそう! 代表はそれを探しているんだよね。もしかしてそれだったりする?」

「なんだそれ、そんなのあるのか。違うなあ」

 このまま話が流れてほしいんだけれども…どうなんだい。

 

「………そう。残念」

「ボクたち結構当てたんだけど、代表が欲しいものだけは見当たらなくてね~」

「勝負挑まない代わりに手伝ってくれるかしら? これはそちらにとってもいい条件があるのだけれど」

「聞かせてもらおう」

 どんな条件だ。双方ともに利害が一致するのならば是非とも協力したい。協力に値する3人。一緒に歩いているだけで誰も勝負挑んでこないだろ。

 

「簡単な話よ。代表が欲しいものを手に入れてほしいだけよ」

 それは簡単な話とは言わないと思います優子さん。あなたずっと探しても見当たらなかったって言ってましたよね。なぜオレらがすると簡単に見つかるのでしょうか。

 

「ボクらほとんど宝があるところ探したんだけれども見当たらないということは」

「………誰かが既に入手しているに違いない」

「問題はもう解かなくていいから、それを持っている人を探してほしいのよ」

 うーむなるほど。それならばいい条件だ。今のところ見つからなかったらの話をされていないし。

 

「見つけられなかった場合は、その手にしているものを渡してもらおうかしらね」

「鬼か!!」

 泣いた。全オレが泣いた。要するに見つかった時点からオレらに逃げ道はなかったということか!! 土屋、そんな目で見るな。オレに全部丸投げするな。

 

「くっ…それ協力するしかねえってやつじゃねえか」

「それならばありがたいわ。アタシたちも無駄なことしなくてすむしね」

 これが格差社会というものだろうか。弱肉強食。食うか食われるか。弱者は強者の庇護を仰がねばならない。

 

「こうなったら土屋全力で探すぞ!」

「………承知した」

「わ~やった♪ 2人が協力してくれるなら心強いよ!」

 恐怖政治だと思わんこともないが、要は見つけりゃいいんだろ見つけりゃ!! 秀吉にも協力を仰ぐかな。でもな、あっちには坂本がいるのか…だが連絡してみるか。連絡を取ってはいけないというルールはなかったからな。

 

「ちょっと電話するから、黙っててほしい」

「電話?」

「探すんじゃないの?」

 そのために電話するんだよ。人差し指を口元に持っていき、もう片方の手で携帯を操作して秀吉を呼び出す。

 

『どうしたのじゃ勇樹よ。お主たちも何か手に入れたのかの?』

「秀吉か。…まあな。というより、今”も”って言ったよな。何を手に入れたんだ?」

『誰からの電話だ秀吉?』

 後ろのほうで坂本の声がする。一緒に行動しているからこうなっても仕方ないか。まあいいだろう。どうにかなるさ。

 

『勇樹じゃよ。何を手に入れたかと』

『何でそんなもの ー いや、好都合かもな。秀吉、あいつがペアで行ける相手いそうか?』

『どういう ー そういうことかの…お主そこまで…うむ。姉上とはどうじゃ?』

『木下姉か。それはいい。よし、岡田聞こえるか』

 なにやら不穏な会話が聞こえてきたんだけど…何を企んでるんだ坂本。

 

「ああ坂本か、なんだ」

『俺らが見つけた中で不要なものがあったから、お前にやる』

「ほう。それはなんだ?」

『如月ハイランドパークのペアチケットだ。木下姉と行ってこい』

 待て待て待て。なんでオレが優子と遊園地にいかねば ー ん? 今なんて言った。

 

「おい、今なんていった?」

『ん? 如月ハイランドパークの ー 』

 こ、れ、だ。まさか一発目で探し当てるとは運がいいな。これはミッションクリアになるんじゃね。オレが貰い受けてそれを霧島に横流しすればいいだけだろ。

 

「まあもらえるものはもらっておこう」

『マジか!? それはありがたい。恩に着るぞ。それで今どこにいる。すぐに向かう!』

「ん? ああ、中庭のベンチだ」

『走ってすぐに行く!』

 電話切られた。これは渡りに船だ。オレらの無事が確約されたも同然!

 

「3人ともちょっと木陰に隠れててくれねえか。今から坂本が来る」

「………雄二が?」

「ああ。オレが合図したら出てきてほしい」

「何をするつもりなの?」

「それは見てからのお楽しみだ。もう来るぞ!」

 急かすと一応、オレの言うとおりにしてくれた。さて、最後。オレが難なく坂本からチケットを譲り受けるだけだ。因みに土屋は自分がボロを出さないでいいようにか、既に問題を解くのを諦めカメラの手入れをし始めた。

 

「いたいた岡田!」

「お前ホントにはえーな」

「一刻も早くこれを手元からなくしたかったんでな。それより、お前翔子と会ってないだろうな」

「え、霧島?」

 なんだこいつ。カンが鋭いんじゃねえの。ええ。すぐそこにいるけど、なんか言ったらいけない気がする。

 

「ああ。あいつにこれを持ってるってバレたら俺は…俺は!!」

「なんだよ。行ってあげればいいのに」

「そんな恐ろしいことを言うなあっ!!」

「あ、いや、ごめん」

 坂本に鬼気迫るものを感じた。それこそ命の危険があるのではないかというくらいの感じだ。

 

「あいつはこれを手に入れるために全力になっているはずなんだ。見つからないまま処分したい」

「それならば燃やせばよかったじゃねえか」

「それはもったいないだろ。こんなレアなチケット」

 まあ確かにこの遊園地結構入場料高いんだよな。だからまだ行ったことないんだよなあ。アトラクションとかは値段相応に充実しているらしいけれども。

 

「わかった。これを預かればいいんだな」

「預かるではなくて使ってやってくれ」

「相手誰と行くんだよ」

「ん? 秀吉が言うには木下姉と仲がいいとかなんとか」

 何を言っているんだよ。そして優子お前は木陰からわかりやすそうに反応をするな。バレるだろうが。

 

「あー誰と行くかは置いといて、もらっておく」

「ホント感謝するぜ。木下姉とお幸せにな」

「うるせえわ。お前」

 いらねえ一言付で譲り受けたチケット。確実にオレの手元に渡ったのを確認して、霧島たちに合図をする。

 

「坂本君、さっきの発言はどういうことよ!」

「木下姉!?」

 帰ろうとした雄二の前に優子と工藤が立ちふさがる。霧島は坂本に見つからないようにオレのほうにやってくる。是が非でもチケットを早く手にしたいのだろう。

 

「全部聞かせてもらったけれど、アタシとゆうきじゃなくて岡田とどうして遊園地なんかに!」

「あー木下姉。落ち着け、岡田を普段何と呼んでいるのかバレているぞ」

「そんなことはどうでもいいわ!」

「バッサリきったな」

 坂本としても予定外だろうな。まさか近くに優子が潜んでいたなんて。だがまだ落ち着いているな。そろそろ地獄を見せないといけないんじゃない。

 

「ねーねー坂本君。今ボクたち2人だよね」

「見たらわかる」

「ちなみにあと1人って誰だと思う?」

「……っ!? まさか!!」

 工藤が誘導をし、それを悟った坂本は思いきりこちらを振り向く。既にチケットは霧島の手元に。

 

「………雄二ひどい」

 その様子を見た坂本は愕然とした。だろうな。これで解決すると思ったのにまさか敵に塩を送る形になるなんてな。

 

「おま、お、岡田! てめえ翔子と結託してやがったのか!」

「まあ協定だ」

「さっき翔子に会っていないと ー 」

「会っていないとまでは言っていないぞ…何が嫌かは知らないが、最初にオレらを貶めようとした罪は大きいぞ?」

「くっ……問題があることを伝えなかった恨みの代償がこんな仕打ちってのは割に合わねえ」

 そんなものは知ったことか。恨みは恨み。これでスッキリしたわ。しかも、これで終了までオレらは安泰。なんて日だ! あ、これ使い方ちげえな。

 

「………雄二、楽しみにしてて」

 返事がない。ただの屍のようだ。

 

「あー、まさかこうなるとはね~完全にしてやられたね雄二」

「裏をかかれたの」

 落ち込んでいる坂本の後ろから遅れて吉井と秀吉がやってきた。この2人をおいてくるくらい一生懸命ここにやってきたのな。ドンマイ。

 

 2人がきたタイミングを狙っていたのか、チャイムが鳴り響く。お、おしまいか。案外早く終わったな。

 

「終わっちゃったね~でも終わる前に代表が欲しいモノを手に入れれてよかった♪」

「そうね。それよりも秀吉~?」

「な、なんじゃ姉上?」

「アタシと勇樹がいい関係っていうのはどういう意味かしら? 納得できるまで説明してもらおうじゃない」

「あね、姉上。その修羅をおさめるのじゃ! 落ち着くのじゃ!!」

 そんなに嫌だったのかよ。優子となら行きたいなあと思ったりはしたけれども、残念。

 

「………お疲れ様」

「お疲れ土屋。ありがとうな。楽しかったな!」

「………岡田のほうが頑張った。俺は特に何も」

「何を言っている。じゃあそれならば2人で勝ちとったということにしておこうか」

 後で学園長室に行かなくてはな。こんなに頻繁に行く予定なかったんだけど……坂本にやってやった感があるからシークレットアイテムどうでもよくなってきたな。まあ行くけど。もらえるものはもらいに。

 

「岡田君ありがとうね~まさかあんな作戦があったなんて」

 霧島が坂本につきっきりで、優子が秀吉につきっきりになり、何もすることがなくなった工藤がこちらにやってきて労ってくれた。吉井も2人を見捨ててこちらにやってきた。

 

「偶然だ偶然」

「そうなんだ~それよりも、優子と遊園地行きたかった?」

「なんだよぶしつけに!」

 思わず吹きそうになったがそこは何とかこらえた。平常心。

 

「いや~優子はああ言っているけど、岡田君のほうはどうなのかなあって」

「そんなのはわからんな」

「わからないってことはないでしょう~」

「それよりも、工藤こそ土屋と行きたいんじゃないのか?」

 さっきからチラチラと土屋のほう見てるし。何か気があるんだよな。

 

「な、何言っているのかな岡田君!?」

「動揺してるぞ」

「………岡田、先ほどから何を言っているのだ」

 あれ、2人して非難されているんだけど、これどうみても照れ隠しだよな。思春期だなあ。あ、オレもか。何か爺さんになった気持ちになっていたよ。

 

「2人とも僕の分のチケットをあげるよ」

「いいいいらないって吉井君が行ってきなよ!」

「………明久余計な気遣いは結構」

「そう? 僕は特に行く相手いないから、2人で行ってきたほうがこのチケットも喜ぶと思うよ」

 お、行ってこい行ってこい。そして工藤も土屋も2人そろってわかりやすいツンデレを発動させるな。バレバレだぞそれ。

 

 

 





 青春だなあ。
 高校生に戻りたいなあ、と思ってしまう、大学生の作者のつぶやき。

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