この話初めての三人称視点。
難しい。
一人称視点に書き慣れてたからかな。
では、どうぞ♪
第16問
「ねえ秀吉」
「む?どうしたのじゃ明久」
放課後、Fクラスの教室から他全員が出払ったところで、明久は秀吉と話をする。
「あのチケット持ってるよね」
「うむ。それがどうかしたかの」
「雄二が持ってたやつは霧島さんが確保したからもういいでしょ」
「ワシらがどうするか、じゃな」
雄二・明久・秀吉の3人組は、召喚獣オリエンテーリングの商品で『如月ハイランドパークのプレチケット』を手に入れてたのだった。
「秀吉は使うあてあるの?」
「ないのう。姉上に譲ろうと思ったのじゃが」
「譲るとかじゃなくてさ、結果的に行かないといけない状態を作ろうよ!」
「なるほどの。この頃疎遠になっておったから再び仲良くなるためのチャンスじゃな」
木下姉弟と勇樹は小学校の頃が一緒で仲が良かったのだが、中学で別々の学校に行くことになって疎遠になっていたのだ。
「その策を考えたいけど…こういうのは雄二の役割なんだけどなあ」
「あやつに話を持っていくと、『翔子のチケットを奪ったらやらんこともない』と言いそうじゃ」
「声真似までしなくても…でもそんな感じするよね」
「ふむ。どうしたものかのう」
なかなかこういったことを普段考えない彼らだが、真剣に考える。どうしたものか。
「翔子ちゃんに話は聞きました!!」
「如月ハイランドパークのプレチケットがあるんですって!!」
突然、教室に2人の女子が乱入してきた。姫路と島田だった。ものすごい形相で入ってきた。明久めがけて一直線に歩く。その勢いにたじろぎ、思わず秀吉のほうを見て助けを求めていた。
「落ち着くのじゃお主ら」
「木下、チケットはどうするの?」
島田は畳みかける。勢いに任せて胸倉をつかみそうな感じだ。
「これはじゃな。姉上にあげるのじゃ」
「あー木下姉にね。残念」
「吉井君はどうするんですか?」
「え、えっと僕のは ー あ、そうだ。ムッツリーニにあげる約束していたんだった!」
すぐに嘘とばれてしまいそうな明久の言い訳だったが、半分はホントだ。思い返してみると、あのシーンのとき、確かに一度提案していたのだ。断られたが…それをホントのこととして話せばいいのでは、と口から出まかせをいった明久はそこまで考えていたのかは不明だ。本能だったようにも見えた。
「あやつと工藤、なかなか面白そうじゃのう」
「えっとそれじゃ吉井君はもう自分の分は ー 」
「ない、けど…姫路さんと島田さん2人で如月ハイランドパーク行きたかったの?」
「違うわよ!!」
島田は癇に障ったのか明久をぶってしまう。人間とは思えない言葉を発した明久は床に突っ伏してしまう。
「ひどいよ島田さん。僕何か悪いこと言った…?」
「そのくらいわかりなさいよ!!」
「そうですよ吉井君。女心は読み取らないとダメですよ!」
「姫路さんまで…」
秀吉は明久の介抱しながら、お主はもうちょっと考えるのじゃ、と嘆いていた。いてててと言いながら大した傷が残らなかった明久は体を起こす。秀吉はその様子を見て安心したのか、島田たちにこういった。
「お主ら、このことは誰にも言うでないぞ」
「別に言いふらしたりはしないけど何で?」
「あやつらがチケット渡して素直に行くと思うかの?」
「あー翔子ちゃんなら喜んで行くでしょうが、他の方だと…」
何かを察した表情の島田と姫路だ。その様子を見て安堵した秀吉と明久。わかってなによりだ。といわんばかりの顔だった。
「と言うわけじゃ。すまぬのお主ら。力になれずに…」
秀吉は心の中で、こんな明久相手じゃが健闘を祈ると呟いた。
☆
「ふー適当に言った言葉だけど、僕のはムッツリーニにあげることにしよう」
「そうじゃの。嘘を言ったことがばれればお主の命はないじゃろ」
島田と姫路がすごすごと教室から出て行くのを確認すると2人の秘密の話し合いが再開した。
「えっと…ムッツリーニは情報収集が得意だからというのを何か活かせないかな」
「ふむ。どうにかして姉上たちを遊園地に送り込めばムッツリーニたちは何とかなるかもしれぬぞ?」
「どういうこと?」
「ムッツリーニと工藤は野次馬が好きじゃろ、ということは姉上たちを尾行するというような形になれば自然と2人で遊園地に入ることが出来るではないか!」
秀吉は自分の案に自信があったのか、日頃よりも強い口調で言った。明久はそんな秀吉の様子にびっくりしながらもその献策は素晴らしいものだと思った。
「それいいね! さらに、日にちをずらすなりすれば」
「なるほどの! ホントはその日いないはずの姉上たちを、ムッツリーニたちは偵察をするという名目でデートをするというわけじゃな!」
「これいけるんじゃないの!! でも、これ下準備が大変だね。主に、木下さんたちを遊園地に送り込むまでが」
「それに関しては明久が心配するようなことではない。ワシに考えがあるからの」
「ホントに! おおっ! いい感じに考えがまとまってきたね~」
2人とも自分のことじゃないのにテンションが上がりまくっている。
「ワシが姉上には入れ知恵をするから、日にちが決まったらまた明久に連絡するの」
「OK! なんか僕たちのほうが楽しみになってきたよ!」
「そうじゃな!」
「じゃあ、決まったところで僕たちも帰ろうか!」
明久と秀吉は、自分の荷物を持って教室を後にした。
☆
「姉上~話があるのじゃが」
家に帰るなり、姉を呼ぶ秀吉。今日明久と決めたことを実現させるために下準備を始める。
「なに?」
「如月ハイランドパークのチケットのことなんじゃがの」
その話題をした瞬間、姉の顔色が少々変わったように見えた。
さて、暗躍するという言葉がこれほど似合わない2人。
オリエンテーリングって原作にはなく、チケット手に入れるの清涼祭の後なんですよね~
そこはうまい具合に調整出来たらなと。
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