バカとオレと彼女たちR   作:いくや

19 / 48

 勇樹×優子遊園地回アフターストーリー

 執筆した時はこの話まで含めて1話というとても長文になりました。

 ちょっと長いなと思ったので3話にわけました。

 では、どうぞ♪


 


第19問

 

「おかえりなのじゃ ー って早速お持ち帰りかの」

「何よその表現」

 どうしてこうなった。遊園地に閉園時間ギリギリまでいたオレらは、ちゃんと家族へのお土産を忘れずに買って帰ろうかしたんだけど、優子が卵焼き作るからついてきなさいと言ったため、木下邸に向かうことになった。どうやらオレも卵焼きの試食係になるんだろうなという流れだ。

 

「勇樹は秀吉とともにリビングでテレビでも見てて」

「あ、ああ…」

 そういうと、すぐに台所のほうへと向かっていった。

 

「おじゃましま~す」

「ワシらの家に来るのは久しぶりじゃの」

「そうだな」

「いつ以来じゃろうの」

 小学生以来だろうな。当時は大きい家だなあと思ってたけど、今も小ぶりな家とは思わないなあ。ブルジョアの家庭って感じ。差別的表現になるかな。そういう意味では使ってないよ。

 

「それよりも今日はどうだったのじゃ。話を聞かせるがよい」

 なんだにやにやして。嬉しそうだな。ポーカーフェイスが取り柄じゃなかったっけ? それを隠さないほどなにか嬉しいことでもあったのか?

 

「遊園地までかと思っておったが、まさか家にまで来るとはのう」

「オレも予定外だったよ」

「どういう流れで来るようになったのじゃ」

「えーっと」

 今日あったことを、出来るだけ恥ずかしい部分はカットして最低限度のことを秀吉に伝えた。

 

「お主ひどいぞ」

「申し訳ない」

 秀吉にも叱られた。いやまあ確かに悪いのはオレだけれども……

 

「じゃがその後のリカバリーはよくやっておる」

「あ、どうも…」 

 何の評論家だよ。オレと優子の評論家なのか? 人をよく観察しているよ。そういうのが演劇で役に立つのかもな。

 

「しかし仲良くなって帰ってきたようで何よりじゃ」

「秀吉には礼を言う。今まで疎遠になってた日々を1日で取り返したかのように遊んできた」

「それは想像以上じゃ」

「言い過ぎかもしれんが、まあ久しぶり楽しかった」

 高校になってから誰かとこうやって楽しく遊ぶなんてことほとんどなかったような気がするんだよな。1年のときは自分の時間っての大事にしていたから。

 

「勇樹、秀吉! 食べてみて!」

 台所のほうから卵焼きをたくさん載せたお盆を持ってリビングのほうにやってきた。待って多すぎない? これを2人で食えと?

 

「何なのじゃこの量は」

「この皿ごとに味付け変えてみたからそれぞれ評価してほしいわけ!」

「そ、そうか」

 その皿の量が4個あるんですけど。こんなにたくさんの卵焼きみたことねえぞ?

 

「夕飯前にこれほど食べては ー 」

「いいから食べる!」

「「いただきます」」

 これ以上の反論は諦めた秀吉とオレは同じ皿の卵焼きを手に取り食べる。

 

「「しょっぱ!!」」

「あれ……? そんなに? どれどれ……うえっ…」

 一つ目ハズレ。塩の入れすぎのようだ。

 

「「甘っ!!」」

「甘いわね…」

 二つ目ハズレ。砂糖の入れすぎのようだ。

 

「「しょ…甘っ!!」」

「味に統一性がないわね」

 三つ目ハズレ。塩と砂糖の入れすぎのようだ。

 

「姉上よ…両極端すぎるのじゃ…」

「そ、そうね。でも、あと一つ残ってるわよ。これなら!」

 恐る恐る最後の卵焼きに手を伸ばす。これがアタリだと信じて。

 

「「……………」」

「何か反応しなさいよ!!」

「アタリがなかったのじゃ」

「まあ、初日からうまいものが作れたら料理で苦労はしないよ」

 と当り障りのない表現を使った。

 

「うっ……もう卵がない…」

 まだ優子の心に火がついているらしく、やめてくれそうになかった。

 

「使いすぎじゃ!!」

「というかまだ作る気かよ!」

「買ってくる!」

「待て!! そんなに食べれないからまた次の機会に…」

「そうじゃ。今日のところはここまでにするのじゃ」

「じゃあ明日ね。2人ともわかった?」

 あれ、強制すか。まさかこうなるとは。しかも明日…明日…明日予定ないから断る理由もないし。

 

「まずはこの卵焼きを全部食べないとね。もったいないわ」

 自ら率先して卵焼きを食べ始めた優子。その流れでオレらにも食えと促してくるんだが…卵焼きだけで腹いっぱいになりそうなんだけど…

 

「勇樹よ…」

 秀吉の目が『お前が悪い』みたいな目なんだけど…

 

「あーなんだ。すまん」

 自責の念でいっぱいです。

 

「はー食った食った。卵焼きだけで腹いっぱいになるものやな!」

「しばらく卵焼きはいらないのう」

「明日も卵焼き作るから、泊まっていきなさい」

「はい?」

 卵焼き作るからという流れで泊まるという選択肢がどうして出てきたんですか。

 

「そうじゃの。ワシだけじゃ心もとない!」

 押し付けられないように被害者を増やそうってか。まあそうなった責任はオレにあるわけだけども。

 

「ちょっと待ってくれ。親に電話を ー 」

 と思ったが、今日は両親とも仕事で家にいないんだ。だから連絡する必要もなかったんだけど、逃げ道も同時になくなった。

 

「ウチの両親も今日いないから気兼ねしなくていいわよ。明日覚悟しなさい」

 どうやら卵焼きと格闘しなければならないことに決まったようだ。

 

 

   ☆

 

 

「まさか家まで連れてくるとはのう」

「卵焼きよ。他意はないわ」

「仲良くなったようで何よりじゃ。ワシの計画がうまく行っておる」

「脅しじゃないのそれ! 何よアタシの趣味をバラすって卑怯じゃない!」

「ワシはお主らのためを思ってじゃな」

「何よ。おかげで恥ずかしい目にもあったじゃない!」

「の割には喜んではおらぬか?」

「どうやら痛い目合わせないとダメなようね?」

「暴力反対なのじゃ!」

 勇樹がお風呂に入っている時の木下姉弟の会話だった。

 

 

 





 卵焼き
 作ったことねえな。
 ニラ玉とかチャーハンとかならあるけど…卵焼きはねえわ。

 あ、一応ちょっと気になったのでお伝えしときます。
 もしかしたら気づかない間に出身地である福岡の方言が出ているかもしれません。出来るだけ標準語を使っているつもりですが……違和感あったらご報告ください!

 次話はなにかな…

 コメントお願いしますね♪

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。