またまた第三者目線。
主人公の勇樹がいないときには自動的にこうならざるを得ない。
Sideを使ってもいいんですけどね~三人称視点の練習ということで。
では、どうぞ♪
「どうしたの弟くん、珍しいね君から呼び出すなんて♪」
「………何の用なんだ」
「実はじゃの。お主らに折り入って相談があるのじゃ」
召喚獣オリエンテーリング大会が終わった週、つまり如月ハイランドパークのペアチケットを手に入れ、明久と秀吉が作戦を考えた週のある日。秀吉は放課後に同じクラスのムッツリーニこと土屋康太とAクラスの工藤愛子とを呼び出していた。
「なになに? 優子を呼ばないっていうことはその関連なわけ?」
「お主鋭いのう…実はじゃな ー 」
秀吉は、明久と考えた作戦を実行するべくムッツリーニと愛子に話を始めた。
「今週の日曜日に、姉上が勇樹と共に如月ハイランドパークに行くのじゃ」
「それってデート!?」
「まあ、そうなるの。簡単に言うとお主らには姉上たちの動向を観察してほしいのじゃ」
「………観察?」
呼び出されてもカメラの手入れをし続けていたムッツリーニだったが、得意分野の話になると食いついてきた。
「うむ。流石にワシも心配での。じゃがワシは用事があるのでついていくことが出来ぬ」
「………2人の様子を影から観察すればいいのか」
「そうじゃ。チケットはこれじゃ」
「これって、代表がもらったのと同じチケットだよね?」
懐からチケットを取り出し、説明を始める秀吉。
「うむ。明久のは姉上たちが日曜日に使うのじゃ」
「へ~なるほどね~それでボクたちが弟くんのチケットを使って入場するってわけだね♪」
「………俺はわかる。だが、なぜ工藤だ?」
「工藤もこういうのが好きじゃろうと思うてじゃな」
本当のことは言えない秀吉だが、演劇部のホープはそれをおくびにも出さない。
「確かに面白いね♪」
「工藤、ムッツリーニ、頼まれてくれるかの」
「ボクはいいよ♪」
「………工藤と一緒というのは釈然としないがわかった」
2人の同意が得られたところで、心の中でガッツポーズをする。そして、ムッツリーニにチケットを渡しほっとした表情をする。
「あの2人、どういう感じのデートをするのか楽しみだね♪」
「………妬ましい」
「まあまあ。これも仕事の一つだと思って♪」
「………秀吉からの依頼。断れない」
「お主ら頼んだぞい! ワシは部活に行ってくるでの」
そういうと教室から急いで出る秀吉。これでお膳立ては完成した。後は、”土曜日”に姉上と勇樹が、”日曜日”に工藤とムッツリーニが、如月ハイランドパークでデートをするだけじゃの。
☆
「あ、何時ごろから行く予定なのか聞いてなかったね」
「………開園時間からゲート付近を見張っておけばよい」
「でも、あまり長時間だと不審者に思われるよ」
「………周りから見えない場所を探せばいい」
秀吉が去った後の教室では2人がこんな話し合いをしていた。正直言って、ムッツリーニは犯罪の一歩手前なんじゃないかなと思ってしまう。
「じゃあボクたちは何時にどこに集合する?」
「………9時くらいに駅前で」
「了解♪ 楽しみだね~遊園地」
「………別に」
ここの会話だけ切り取ると、デート前のカップルにしか聞こえない。
☆
「ちょっとムッツリーニくん!! 寝坊っていうのはいただけないなあ!」
「………すまん。目覚ましが壊れてた」
「言い訳はいらない。今何時だと思ってるの」
「………10時」
日曜日、遅刻したムッツリーニは愛子に駅前という公衆の面前で説教をされている。
「急ぐよ、2人はもう遊園地に入っているかもしれない!!」
「………了解」
急いで電車に乗り込み、如月ハイランドパークに向かう2人。本当ならば優子と勇樹は今頃遊園地になどおらず、家で卵焼きと格闘しているのだが、そんなことは知らないムッツリーニと愛子は既に2人が楽しんでいると思って、そわそわしている。
「弟君の依頼、大丈夫かな」
「………すぐに見つけ出せる」
「なんなの、その自信は?」
「………情報収集力をなめるな」
このような会話をしながら電車に揺られること数十分。ようやく如月ハイランドパークの最寄り駅に着いた。
「あちゃー、この様子じゃもう入園している可能性が高いね」
駅を出て、遊園地のゲートが見えるところに来た。そこで見た光景は既に入園時間を過ぎ、ゲートが開いていたという。
「………もたもたしている暇はない。園内で探すぞ」
「は~い。ムッツリーニくんのミスは取り返さないとね」
「………行くぞ」
「あれ? 結構心に来ていたんだね。ごめん。よしっ! 心入れ替えて出発だ~♪」
2人はいもしないカップルを尾行すべく、カップル限定のチケットを使い遊園地に入った。
はい、こういうことです。
簡単なトリック?でしたね。秀吉の演技力に裏打ちされた作戦。
この後何話分くらい、尾行ならぬデートを書こうかなあ。
今日で6月も終わり…
もう2015年も半分が過ぎてしまうのですか。早いですね。
光陰矢の如し。
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