はい、早速この秘密ばらし。
手が早い…
では、どうぞ♪
第24問
「どうしたの雄二?」
「ワシらを集めて話でもあるのかの?」
「………手短に」
月曜日、坂本が突然呼び出してきたかと思うと吉井と秀吉と土屋もいた。
「あのババアと話をすることがあるからな」
「ババアって学園長?」
「そうだ。お前らもついてこい」
それだけ言うとさっさと学園長室のほうへ向かって歩き出した。仕方なしについていく。
「来たようね」
「やっほ~みんな待ってたよ♪」
学園長室の前に行くと、優子と工藤と霧島がいた。何、このメンツ。まさにあの腕輪もらった時のメンバーじゃない? 坂本、そんなに腕輪が欲しいのか? いや、でもそれならばオレや秀吉、土屋は呼ばなくていいはずだからな。じゃあ、何の話をするってんだ。
「全員揃ったようだな。入ろう」
そういうとノックもせずに失礼するとだけ言いながらドアを開けた。
『なんだいゾロゾロと。入るときはノックをしなさいと言わないとわからないかね』
部屋の中から至極まっとうな答えが返ってきた。突然の訪問に驚いていないのは坂本がよくこういうことをしているからだろうか。何をしてんだよ。
「話がある」
「アタシにはないさね」
「謎が解けた」
「いったい何の話さね」
坂本が話し出しても仕事を途中でやめて生徒に向き合うようなことはしない。
「岡田の話だ」
「オレ!? びっくりしたぞ突然話を振られて」
「なんだい、何を話すかあんたたちは言われてきてないのかい」
「雄二がついてこいって言うから来ただけで、内容は今から聞きます」
吉井がオレらの言葉を代表して言ってくれた。オレの何の話だよってまさか…まさかねえ…
「……雄二と一緒に調べた。岡田がなぜFクラスにいるのか」
「またその話かい」
「真相が判明したのでな。俺らが土日を返上して調べ上げた成果を見せてやる」
何やってんだ。人の秘密を漁るなよ…プライバシーの侵害だぞ。
「……振り分け試験の採点をした先生たちに聞きまわった」
「普通ならば点数などは教えてくれないだろうからその反応から察することにした」
物的証拠じゃなくて状況証拠かよ。それじゃあ証拠になりえないよな。
「というか何でみんな黙って聞いてんの」
「アタシも気になるからよ」
「同じく」
「面白そうじゃない」
「………口をはさむ理由がない」
「とまあそういうことだね」
一緒についてきた他のメンバーに話を振って、坂本たちのペースに乗せられないようにする。
「一様に、『平均以上の点数は取っていたから、他の教科で何か失敗したんじゃないか』という反応だった」
「……ほぼ全員がそう言ったということは、確実にCクラス以上でないとおかしい」
「となると、最後の集計をする学園長、あんたの段階で何か細工があったと考えるのが自然だ」
「……教科によってはトップ争いをしているのもあったみたいだから」
細かい点数まではバラさなくても、点数が高かったよと言うのは教師側からしたらプライバシーどうこうは関係ないんだろうなあ。まさかこうなるとはね~ここまで鋭いやつがいたなんて想像もしてなかった。
「岡田もFクラス入りを受け入れているみたいだから、何か取引があったんじゃないのか」
「あんたらもしつこいね~岡田、このガキどもは何とかならないのかい」
その前に学校の長たる者が生徒をガキ扱いするな。それにしてももういいんじゃねえの。これ以上隠し通せるとは思えないけど? いくら状況証拠だけとはいえ、これが先に噂になって広がるよりここでバラして噂を食い止めておいたほうがリスクは低いと思う。まあ、こいつらが信用できるかと言われると微妙だけど…
「学園長にお任せします」
何かあっても学園長のせいにして、我関せずを貫こうかな。
「この件で何回も尋ねられても迷惑だから、今日で勘弁してくれ」
「じゃあ、話す気になったんだな」
「他言無用さね。特に吉井、あんたが一番口軽そうさね」
「失礼な! 人の秘密は守れるよ!!」
あー心配だ。確かに何かのはずみでポロっと言いそうだな。
「あんたらの言う通り、岡田の点数はB~Aクラス並みの点数はあったさね。だが、アタシたちは入学前から取引をしていた」
「入学前!?」
「面倒くさいから岡田あんたから話してくれ」
「投げたな!?」
だるそうにするなおい。アンタも共犯だろうがよ。
「それで?」
「あー実はオレ公立落ちて、私立どこも受けてなかったんだよね」
「高校浪人…?」
「そんな金銭的な余裕ないから中卒就職だったな。ここに拾ってもらえなければ」
驚いたような顔だなあ。そうだよな。中卒就職とか今の世の中1%を切るだろうからな。
「ちょうど欠員が1人出たらしく、そこに代わりに入れてもらったってわけだ」
「珍しいね。この学校を蹴る人がいるなんて」
「それで、条件はわかった、取引ってのは」
「拾ってやったんだから2年次はFクラスに入って揉まれな、とのことだ」
そういうと一斉に学園長のほうを向くみんな。まあまあ責めてやるな。オレ自身、そこまで理不尽だとは当時は思ってなかったよ。当時はね。まさかFクラスの教室があそこまでひどいものだとは思ってなかったし。
「どんな点数を取っても、2年生はFクラスになることが入学前から決定していたと」
「そういうこと。中卒就職よりマシだろ」
「そうだけど…何で私立受けておかなかったのかしら?」
「滑り止めって普通受けるよね」
まあその反応が妥当なよなあ。普通は。ただ…
「家は私立に行かせる金がなかったからな…後、この学校の存在知らなかった」
『は?』
そんな声を揃えられても…自分の志望校以外は全く興味ないだろう普通。公立に落ちるとか想像してなかったんだからな。
「この学費なら公立と同等だから大丈夫だろうということで通えてるんだけど」
「そうだったんだあ」
「それで、教師のあの反応を見る限り、教師ですらそのことを知らないようだったな」
「他の人に話したのここが最初だからね」
それだけ重要な秘密だったということだ。バレちゃ意味ないけど。
「あ、そう。まあいい。これでスッキリした」
「立ち聞きされてないかしら?」
「その件は心配するな。ムッツリーニに頼んでありとあらゆる手段は尽くしてる」
何をやっているんだ。こえーよ。通信妨害から何まで全部できるのか…
「学園長、2年次はということは3年次は…」
「縛りはないさね。本人の努力次第」
「そ、そうですか。ありがとうございます」
「何故、姉上が礼を言うのじゃ」
今のは答えてもらったことに対してのお礼だろうよ。
「そんな秘密が隠されていたなんてね~これはいいこと聞いたよ♪」
「おい工藤、何をする気だ」
「べっつに~秘密をちらつかせれば何でもさせることが出来るな~って考えてただけ」
「考えただけで終わらせてくれそれは。実行するなよ」
小悪魔か。高校生活、こいつらに弱みを握られて生活していかなければならないって…あーバラす決断は失敗したかもしれないなあ。
実際、先生に人の点数聞いても答えてはくれないけど、悪くはなかったよとか結構高かったよね、くらいは言ってくれますよね。
学校によっては張り出すところもあるらしいですけれど、ウチはそうじゃなかったから全く想像できないんですよね~
さて、次からは清涼祭のお話になるかなあ。たぶん。
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