バカとオレと彼女たちR   作:いくや

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 メイド回~

 ここの話を膨らませようかな(笑)

 では、どうぞ♪




第32問

 

 ~メイド喫茶『ご主人様とお呼び!』~

 

 なんなんだこのネーミングセンスは…~中華喫茶『ヨーロピアン』~並にひくレベルなんですけど。どこのクラスだったかな胡麻団子とウーロン茶しか出さないこんなネーミングセンスをもつ人間がいるのは…

 

「ここだけはっ…ここだけは勘弁してくれ!」

 珍しく弱気な態度を見せる坂本。弱気なというよりもはや懇願だな。

 

「ここまできて帰るわけにはいかないよ雄二!」

「Aクラスだけは頼むから!」

 2ーAがなぜそこまでいやなのか。霧島がいるからか。うーむ。嫌いというよりか苦手?というのかな。よくわからないけれど…あの坂本がと思うと様子を観察してみたくなる。

 

「敵情視察なんでしょ」

 吉井が説得する側に回るというのも珍しい。

 

「ほーら男なんだから腹を決めなさい!」

「そうです。女の子から逃げるなんて許せません」

 と言うのは島田と姫路だ。この手の理屈は正直クソくらえだとは思うけれども、今は坂本が言われているのだから特に口をはさむ必要性もなし。

 

「いくですよ~!」

 覚悟を決めない坂本なんてお構いなく、葉月ちゃんは堂々とAクラスのドアを開けて入っていった。

 

『おかえりなさいませ、ご主人様』

「きれいなお姉ちゃんです!」

 メイド喫茶ってハードル高いんじゃねと思ったけれども、このクラスにはそんなもの関係なかった。他のクラスよりも豪華な設備、潤沢な資金。

 

「………そしてかわいい女子たち」

「なんだ土屋、突然」

「………当然俺の担当だ」

「何を言っている」

 まあそんなわけで、高校の学園祭とは思えないほど立派なメイド喫茶がそこにはあった。

 

「これホントの店じゃないよね?」

 メイドさんに席に案内されている途中、オレたちは感服しながら敵情視察をしていた。

 

「メニューもかわいらしいですね~」

「ホントよ! ウチたちも何かこういうの作ればよかったかしら?」

 案内されたテーブルに置かれたメニューを見ながら、思わずため息をついてしまう。本物のお店よりも手が込んでいるのではないか。メイド喫茶なんて言ったことないけどどこもこんなものなのかな。そうだとしたらレベル高すぎな。

 

「………雄二おかえりなさい」

「うわあっ!翔子!?」

 神出鬼没とはこのことか。連れてきてくれたメイドさんがいつの間にか姿を消して代わりにメイド服姿の霧島がいた。

 

「………夜は長いわ。ダーリン」

「何を寝ぼけているんだ。今は太陽が見えるぞ」

 声の震えから動揺しているのはわかるが、なんとか意地にかけても対応しているようだ。

 

「積極的ね。ウチたちも見習わなければ!」

「そうですね、美波ちゃん!」

 霧島の様子を見て燃えた島田と姫路。せいぜい嫌われない範囲に収めたほうがいいと思うぞ~目の前の霧島のアタックは確実に坂本ひいてるからな。

 

「お姉ちゃん、葉月『ふわふわシフォンケーキ』食べたいです!」

「ウチもそれにしようかしら」

「じゃあ、私も」

 いつの間にかメニューを決める流れになっていたのね。びっくり。

 

「んじゃ、オレもそいつを」

 他の物を頼もうとしたけれども……メニューを言うのが恥ずかしいような文言が書き連ねてあったからやめておいた。

 

「あれ、ムッツリーニ君たちじゃない♪」

「………工藤、愛子」

 オレらのテーブルに2人目のメイドが現れた。活発なタイプだがメイド服も似合っている。

 

「今みんな代表にメニューを言っているところみたいだけど~ムッツリーニ君はまだのご様子だね♪」

「………それがどうした」

「何にするのかな~なんて」

「………どうしてここのメニューはこんななんだ」

 至極まっとうなオレと同じ意見を土屋が言ってくれた。ナイスだ。

 

「ムッツリーニ君こういうの好きそうだけどな~吉井君も」

「僕に飛び火した!?」

「あははっ面白いね君たちは♪」

 姫路と島田は相変わらず『積極的なところは見習わなければ』とつぶやいている。これは積極的というのだろうか。おちょくっているようにしか見えないけれども。

 

「………愛子、ここは私が。仕事に戻って」

「はいはーい。んじゃみんなまったね~」

 元気だね。メイド服を着ることに関して恥じらいが一切感じられない。この目の前にいる霧島もそうだが。姫路や島田はチャイナを着るのにあんなに恥ずかしがっていたのに。………深く考えるのはやめておこう。

 

「それで、ムッツリーニは何にするんだ」

「………同じで構わない」

「僕は『水』だけで」

「おい吉井?」

 店に来てるのに『水』を注文する人初めて見たけど? 普通水はちゃんと出てくると思うよ?

 

「どうしたの?」

「いや、店にケンカ売っているのかなと」

「え? どこが?」

「水って」

「お金ないんだもん」

 学園祭があるというのにお金がないって…人の価値観はそれぞれだけどさ、学園祭にお金持ってこない人いたんんだね。

 

「お前また新作のゲーム買ったのかよ」

「いや~どうしても欲しくて」

 メイドさん。こいつ追放してもいいと思いますよ。冷やかしです。

 

「明久は水でいいんだな…じゃあ俺は ー 」

「………ご注文を繰り返します。『ふわふわシフォンケーキ』5つ、『水』1つ、『メイドとの婚約届』1つでよろしいですね?」

「よろしくねえぞ!?」

「………ではごゆっくり」

「おい翔子!?」

 だからあれは積極的というレベルじゃないと思うぞお2人さん。坂本に同情するよ。霧島から逃げ回っていたのもわからんでもない。そして土屋は隙あらば写真を撮らない。ここは店内だ。許可を取りなさい。吉井も1ダース300円で買うのならば、今この店で何か頼みなさいよ…あー頭痛くなる。これがFクラスの洗礼か…あの学園長の試練なめてた。ここまで常識がズレているやつがいるとは。それでも、それはそれで楽しいというか、新たな価値観を見つけることが出来た気分だ。

 

 

 





 東京に行ったとき、友人に無理やりアキバのメイド喫茶に連れてかれたなあ。
 メイド喫茶って言っても一般的なよく見るようなぽわぽわなメイド喫茶とかではなくて、地下アイドルが活動するメイド喫茶みたいな場所だったな。
 そんなところでもメニューには度肝を抜かれた。こんな恥ずかしい言葉をメニュー頼むときに自分の口で言えと!?と思ったね。
 臆病だから正式名称で言わなかったのはよく覚えている。そして復唱されたときになぜか自分が恥ずかしくなったのも覚えている。
 しかも確か行った日が年に一度しかない「男装デー」だったはず。執事じゃね?と思ったけど突っ込まなかった。
 あの「メイド喫茶」なる場所は敷居が高いというか、私にはまだレベルが高すぎて…雰囲気にのまれてたな。
 そんな中でも個人情報を出来るだけ聞き出そうとしていた私の友人は勇者だと。

 感想お待ちしております♪

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