とうとうメインヒロインのメイド服の登場~
では、どうぞ♪
「お、お待たせしました…」
霧島がはけて数分後に、別のメイドが品を持ってきてくれた。やや緊張気味で、恥ずかしがってる感じが声に表れている。それにこの声は ー 。
「木下じゃない」
「木下さんかわいいですね~」
優子だ。顔を赤らめ今すぐにでもこの場から逃げ出したいといった表情だ。でも仕事だからという狭間で揺れているんだろうなあ。
「土屋、カメラに手を伸ばそうとするな」
「………なぜばれた」
商売するつもりだろうが優子は許さんぞ。怒ったら怖いんだからな…やめとけ。お前のためだ。
「お前の行動はまるわかりなんだよ」
「そういえばメイドが承諾すれば写真撮影は構わないと書いてあったな」
「許可取ればいいんだよね。木下さん写真撮っていい?」
「ダメだ。諦めろ」
そんなことは書いてあった覚えないし、優子もそういうことをされるの嫌いだからな。動揺している優子がなし崩しにやられる前にくぎを刺しておかないと。
「と、当店ではそのようなサービスは承っておりません」
「なんだよ~雄二の嘘つき」
「ははっ。それより何で岡田が返事したんだろうな」
「岡田先生、このきれいなお姉ちゃんのこと好きなのですか」
はづきちゃんんん!? 何という爆弾発言をかましてくれるんですか!? それに坂本、カマかけたのか。自分に飛び火しないようにオレに注目を集めさせる作戦か。
「何を言っているんだ葉月ちゃん。おつつきたまえ」
「そ、そうよ。幼馴染だからアタシのこと何でもわかるのよ」
「2人とも慌てちゃって面白いです~」
「木下が動揺している姿というのも珍しいわね」
「そうですね。さっきの発言も大胆というか」
動揺した。すごく動揺した。それ以上に優子が動揺している。持ってきたシフォンケーキを既に台においているのが救いか。なんだオレは食べ物のことしか考えてねえのかよ。
「岡田くんは優子のこと何でもわかるのか~」
「愛子!?」
「それは優子の言葉の綾だろうが工藤!」
こういった話が大好きなのだろう、どこからかかぎつけてきたかは知らないが、先ほど自分の仕事に戻れと代表に言われていたメイド工藤が、再びこのテーブルにやってきた。
「さっきから聞いてたけど、岡田くん」
「なんだよ」
「優子のメイド服についての言及は?」
「あ、愛子!? そんなことはいいから。早く仕事に戻って!! アタシももうここを去るから!」
「いや~それを聞いてからじゃないとダメかな~♪」
工藤よ、人を弄ぶのが好きだな。キューピッドというより小悪魔。
「岡田くん、僕らを代表して木下さんの姿を褒めなよ」
「その権利は譲るぞ」
「………(コクコク)」
なんなんだお前らは。その上、島田姉妹や姫路まで期待のまなざしで見てくるし。オレが言う必要あるの? でも言わないとこの時間終わりそうになさそうだなあ。
「えっと優子」
「どうせアタシには似合っていないでしょ」
「単純に似合っているよ、とかはなしね♪」
おい工藤!! 難易度を上げるな。この状況で似あっているよのワードを消されてしまったら、オレの語彙じゃ対処しきれないぞ。
「……………」
「今言おうとしたんだね。ダメだよ~そんなんじゃ」
「愛子、勇樹にも迷惑かかるからいいで ー 」
「全く2人そろって情けない! 優子もそんなこと言わないの。岡田くんのコメント気になるでしょ。気にならないとは言わせないよ!」
気になるのか。そうだよな~幼馴染としてはしっかりと言うべきことは言わなければならないよな。
「正直に言って、驚いたというのが第一印象」
「そうよね。アタシ似合わ ー 」
「いや、そうじゃない。なんというか。普段の優子じゃ絶対着ない衣装だから」
「着ないわよ恥ずかしい」
「だからこそのなんていう? ギャップ萌えってやつ? 恥ずかしがっているというのがさらにメイド服に身を包んだ優子の良さを出していると思うよ」
一同が静まり返った。お前らが言えよっていう雰囲気出したから言ったのに、おいていくなよ。
「な、な、何を言っているのよ!! アンタ恥ずかしいこと言っている自覚ある!?」
「岡田くん面白い!! そこまでは求めていなかったけど最高に面白いよ♪」
「………見直した。岡田、よくわかっている」
「意外とムッツリなんじゃないか?」
「ムッツリーニ2号だね!」
「あんなこと言われたらウチ恥ずかしくて死にそう…」
「木下さんが今そんな状況ですね…」
「岡田先生、すごいです!」
なんだか言われ放題だ。ひどい言いがかりだな。似合いそうっていうシンプルな言葉がダメだと言われたから言葉を選んだつもりなんだけど ー 自分の発言を思い返してみるととっても恥ずかしい! やばい、恥ずかしくて死にそう、穴があったら入りたいってこういうことを言うんだ。
「あ、い、今のなしで。なしなし。恥ずかしい恥ずかしい」
「もう聞いちゃったもんね~♪ よかったね優子、ちゃんと優子のことを見て答えてくれたよ」
「愛子ったらアタシも恥ずかしいじゃない!」
「ごめん優子。失言だった。とにかく似合っているから。それだけ伝わればいいから!」
今さら遅いと思うけど、一応弁明しておく。このままではオレが変態扱いされてしまいそうだから。みんな笑いすぎだ。これはいっときいじられること間違いなしだな。やらかした。
進まねえなこの作品。
ま、いいや。優子のメイドが見れたから。
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