ちょっと飛ばし飛ばしになっている1巻部分。
では、どうぞ♪
FクラスとDクラスが試召戦争をやっている頃、オレは職員室に赴き回復試験を受ける旨を伝えたんだが、驚いたことに先客がいるから、同じタイミングで受けてくれと言われた。初日から回復試験を受けるような変な奴はどこにでもいるものなのかと思い、指定された部屋へ向かうとそこにはピンク色の髪の女子がいた。
「姫路瑞希?」
「え、は、はい?」
思わず声に出てしまった。何で彼女がここにいるんだ? 用意された机に向かいながら問う。
「何やってるの?」
「回復試験を受けるところですけど」
「先客って姫路のことか…それで何で回復試験を?」
「私振り分け試験のときに高熱を出して受けられなかったんです」
ああ、なるほど。あの学園長もなかなかやるな。体調管理もテストの一環だっけ。社会に出たらそれが当たり前だからとオレに対する接し方と同じだな。いいとも悪いとも思わんが。
「それで…えーっと。岡田君でしたか?」
「あ、ああ。岡田勇樹だ。よろしく」
「1年間、同じFクラスですが頑張りましょう」
「は? あ、そうか」
振り分け試験0点になるのか。さっき聞いたばかりなのに…やっぱ姫路瑞希がFクラスって違和感。姫路は1年の頃から学年次席だったため、学年で知らない人はいないくらいの知名度。対するオレはどうか。契約遵守で、力をセーブしていた(西村先生には何故かばれてた)ため、学年上位の名前には載ったことなかった。正直、本気を出してもこの学校で学年上位に入れる気がしないけど。随分と差をつけられたもんだ。
しかしまあ…クラスにいた女子2人のうちの1人だったはずなのに、あの時は気づかなかった。寝ぼけてたんだろうなおそらく。うん。
「それでどうして岡田君は振り分け試験を?」
「あ、ああ。オレも姫路と似たようなことでな」
「そうでしたか…頑張りましょう」
「そうだな」
ちょうど話が一区切りしたところでタイミングよく試験監督がやってきて回復試験が始まった。
☆
回復試験を1教科だけ受けると姫路はすぐに教室を出て行った。何でも「坂本君に言われた役目があるから」とのことらしい。ふむ。大体Dクラス戦の勝利は決まったも同然だな。おおかたみんなでDクラスのメンバーをひきつけておいて、Dクラス代表相手に姫路が一騎打ちを挑むということだろ。姫路がFクラスにいるからこそ出来る戦略だな。
だが次はどうだ。一回姫路を使うとすぐにFクラスには姫路がいるとバレる。その後何か対策を講じているのか。そういえばAクラス狙うならどうして一気にいかなかった。Aクラス倒してもその後、無傷なクラスが何個も残っていて、すぐにAクラスの教室にいるFクラスが狙われる危険性がその気持ちを押しとどめたんかな。となると、Eクラスはハナから相手にはしておらず、次に狙うのはBかCと。両方戦うことはおそらくしない。
「回復試験を始めます」
おっと、そんなこと考えていたら休み時間も終わって次の教科の回復試験が始まったよ。
☆
2教科目の回復試験が終わる頃には、既にFクラスがDクラスに勝利していたらしい。だが、教室は交換せずそのままだということを試験監督の先生から聞いた。何を考えてやがる。坂本雄二よ。お前の本心はなんなんだ。教室の設備向上ではなくなんだ。下剋上か。下のクラスのプライドか?
今日は初日だということで2時間で授業は終わり。どうやら噂によると、そのことを利用して下校時刻に運動場に人が集まっているがために、おびき寄せて奇襲に成功したとかなんとか。いい戦術眼だこと。
それでさらにびっくりしたのは、教室に帰りつくころには既に全員帰っていたということ。
「いやいや…さっき試召戦争終わったばっかだろうがよ」
ほとんどが帰宅部らしいFクラスの、熱心な部活動に驚いたのであった。
☆
次の日。
坂本に呼び出されてテストの点数を言うようにとのこと。
「知らん。まだ他の教科もある」
「次はBクラス戦だ。それまではクラス全員回復試験を受けるから教室で構わんそうだ」
「あ、そ。報告ありがとう。それよりこの騒がしさはなんだ」
教室はぎゃーぎゃーわーわー。動物園かっての。
「仕方ないと諦めろ」
「吉井と言われているやつがなぜ船越先生の名を聞くと発狂しそうなんだ」
「昨日の放送聞いてねえのか?」
「放送? 何かあったのか」
「回復試験の教室には放送流れねえのか…まあ、なんだ。明久が船越女史を好きだというような放送をデマで流したんだよ」
ひでえ。鬼だ。悪魔だ。それお前、腹減った肉食動物の前に1人放り出された状態だろ。
「ご愁傷様…それに姫路ともう1人の女子は何で怒ってんだ」
「あれは島田美波と言ってだな。昨日のDクラス戦で囮にされたことを怒っているらしい」
「ふーん。じゃあその島田や姫路の周りをカメラを持ったままうろついているやつは」
「気にするな」
んなことできるかよ!盗撮だろあれ。
「あいつは土屋康太。ムッツリーニと呼ばれ親しまれている」
「あれがムッツリーニか」
噂には聞く。1年の頃から裏商売で利益を上げているとかなんとか。その真相は盗撮なのか。
「あいつよく捕まらないな」
「男子には女子の、女子には男子のナイスショットを売るということで評判いいそうだ」
なるほど。誰も損をしていないと……でもこれどうなんだ。倫理的に? そんなこと言うのならオレの入学方法についても倫理的にアウトか。あーなんか罪を背負ってる気分だ。
「それで、どうして他の男連中は刃物を研いでいるのだ」
「気にするな」
「気にならないわけがないだろうが」
「しばらくすると嫌でも体に染みつくさ」
何その怖い脅しみたいなやつ。何あいつら。一介の高校生という認識を改めたほうがいいかも。
リメイク前(もはやリメイクではない気がしてきたが)は、明久や雄二・ムッツリーニらとは1年の頃から同じクラスで仲の良い設定でした(はずです)けれども、ちょっと趣向を変えてみました。
どっぷりFクラスに浸かるというよりも客観的な立場からFクラスを描いてみたかったからです。
そういえば…アンチ・ヘイトに関してですが、
FFF団ってのは原作でもヘイト寄りなのですかね。どちらとも取れるような立ち位置だから難しいところです。あ、そういうのも、おそらくこの作品ではアンチFFF団になるでしょうから、そこの兼ね合いでタグをつけたほうがいいのかということです。
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