バカとオレと彼女たちR   作:いくや

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 学園長の暴露回です。

 では、どうぞ♪




第42問

「っとと…あれ?」

 吉井や坂本や学園長といったメンツがやって来る音が聞こえてきたので、体を起こそうとしたんだが力が抜ける。

 

「岡田くん。寝たままでいなさい。学園長には私が伝えるわ」

「そういうわけには ー 」

「お前は本来すぐにでも病院に行かねばならないのだ。そのくらいは許してくれるだろう」

「楽な格好でいいから…話聞くだけでいいんでしょう」

 そうなんだけど。しかし体が思うように動かないんだからお言葉に甘えましょうかね。いつ腰痛めたかな…? 変に筋肉使ったからだろうか…? 何が痛いかはわからないけれど、今は放っておく。どうせ後で病院に連れてかれるんだ。その時に嫌でも知るさ。

 

「入るさね」

 学園長がドアを開けながらそう言って入ってきた。後ろにはゾロゾロと金魚のフンのようについてきている。

 

 人数が人数だけにわーわーうるさい。仕方のないことだ。特にオレが寝転がったままだったので容態を気にする声が多かったが、軽くあしらって早速本題に移るように仕向けた、西村先生が。なんだこの倒置法。

 

「学園長、早速ですが」

「その前に立ったまま話すのもアレだから、ベッドに座っていいかい」

「どうぞ。みなさんも」

 毎回この手の話が出たときに突っ込みそうになるんだよな。『アレだから』とか『なんなんで』とか…どれだよ、なんなんだよってな。疑問に思うが自分でも使うという矛盾は発生するのはご愛嬌。

 

「今回の召喚大会の商品の『黒金の腕輪』と『白金の腕輪』に不備があったんだ」

 皆が座ったのを確認して学園長は話を始める。

 

「それと今回の事件にどのような関連が?」

「それをネタにアタシを学園長の座から引きずりおろす輩 ー 」

 学園長の言葉を途中で切って坂本が後を強引に継いだ。

 

「竹原じゃねえのかおそらく。一番メリットがあるからな。あーそれとムッツリーニに調べさせたが、学園長室など校内に何か所か盗聴器を仕掛けられていたぞ」

「アタシもそう目論んでいるさね。盗聴器の件は驚いたが、まさかそこまでしてくるとはね」

「竹原教頭、学園長と折り合いが悪かったですが、そこまででしたか」

「それが、どうして彼が怪我する原因になったのでしょう?」

 保健室の先生にみなが同意を示すようにうなずいた。それに答えたのは学園長ではなく坂本だった。

 

「盗聴器で腕輪の不備を嗅ぎ付けた竹原は ー 」

「竹原教頭」

 一応目上の人だから敬称をつけるように促す西村先生。

 

「 ー ババアが俺と明久に腕輪の回収を命じたと知るやいなや、その妨害工作を始めた」

「あ、それが常夏コンビ」

「ビンゴだ明久。おそらく大学の推薦を餌にしてるのか、営業妨害の客を送り込んで来たり、俺たちの身近な存在を誘拐したりして召喚大会に影響が出るように仕向けたんだろう」

「そこまでしたのかい…それはアタシからも謝るさね」

 権力争いに生徒を巻き込むとは思ってもいなかったんだろうな。

 

「岡田が怪我をしたのは ー 先ほどこいつらが誘拐されたのを助け出した時だ」

「なぜ自らの体を張ってまで…そういう時のために私や西村先生といった先生がいるのではないですか」

「誰が竹原の味方かわからない状況で助けなぞ呼べるか」

「久保が後から俺の元に来たのは」

「僕の独断です」

 久保が会話に参加する。オレや坂本は教師が介入するのは先ほど坂本が言った理由により避けていたんだが、久保は自分の考えがあったのだろう。

 

「岡田くんからは助けを呼ぶなと言われていましたが、西村先生ならば大丈夫と判断したもので」

「なるほど。それがなかったらと思うとぞっとする。久保の判断に助けられたな。その間お前たちは何をしていたのか」

 坂本側(坂本・吉井・土屋)、オレ側(オレ・秀吉・久保)がそれぞれの立場から何を考えどう実行していったか、おおよそ話は伝えた。

 

「その方法しか解決できなかったのか」

 思わず頭を抱える西村先生。ええ、思いつかなかったですよ。

 

「アンタたちらしいさね。ギリギリのところでアンタたちにいいように動いたじゃないかい。久保でなく他の5人だったら西村先生は動かなかっただろう。木下でなければ声真似は出来ないであろう、坂本らでなければ足止めが出来なかったであろう、それに岡田でなければこのような作戦は実行できなかったであろう」

「結果論からするとそう思えますが…けが人が出ている以上、看過できませんね」

 学園長の言う通り、これは紙一重の勝利だったのではないか。99%敗北のなか、1%の勝利に活路を見出したような、どこかで少しでも狂うと成功しなかったであろう作戦だった。

 

「その怪我人だが、どうかね」

「話が終わり次第、病院に連れて行きます」

「病院ならば、僕のところにどうですか」

「久保の親御さんは医師だったな」

「ええ。連絡を取ってどうにか診てもらうようにします。そういう時にこそ医者のコネは使わないといけないでしょう」

 かっこいいぞ久保。ありがとう。医者の息子だったんだな。意外でもないか。

 

「岡田、こちらは安心してていいぞ。後処理は俺が学園長としておく」

「そうさね。西村先生、曲直瀬(まなせ)先生と共に病院に付き添ってくれないか」

 保健室の先生、曲直瀬って苗字なんだ。珍しいね。でも職業柄合ってる苗字だ。

 

「わかりました。私の運転で病院に連れて行きます。曲直瀬先生、車いすはありますか」

「こちらにあります」

 既に準備をしていたのか。これに乗れと。嫌だなあとか思っていたらひょいと抱えあげられて乗せられた。あっという間だった。

 

「岡田、約束だったな病院に向かうぞ」

「ちょっとだけ待ってくれったたたっ」

 まだ終わってないぞ。痛いけども。

 

「すまなかった」

「どうしてあなたが謝るんですか」

「一時的とはいえオレもアイツら側に回って怖い思いをさせたのでは ー 」

「そんなことはない! みんな勇樹に感謝こそすれ恨むなんて思っていない」

 そう言ってくれるだけで嬉しい。でも、意識的にはそうかもしれないが、トラウマだとしたらそういうわけにはいかない。

 

「優子が言った通りだよ♪」

「………気に病む必要はない」

「安心して下さい」

 と次々みんなが言ってくれた。目から汗が ー 涙がこぼれてきた…報われたんだな、オレ。

 

「泣くなんてらしくねえな」

「お前はオレの何を知っているんだか」

「はて……どうだろうな、勇樹(・・)

 っ……そうかい。坂本、お前はオレを友人として認めてくれたか。

 

雄二(・・)、クラスのことも頼んだぞ」

「ああ、任された。安心して病院にでもなんでも行ってこい」

「常夏だろうが何だろうが僕たちがぶっ潰すからね勇樹」

「お前じゃ心配だな明久」

「………勇樹、俺もいるから」

「ふっ……康太もいるなら安心かな」

「なんだよそれ!!」

「ははっいってえっ…笑い事じゃないな」

「黙って病院に行ってくるのじゃ」

「ありがとうな秀吉」

 いいやつらだなあ。秀吉がこいつらと一緒につるんでいた理由もわかる。普段はこいつらおかしくねえかと思っても、いざこういう場面で人の本性が出てくるからなあ。ホント恵まれたよ。

 

「西村先生、曲直瀬先生、お待たせしました」

「もう満足したか」

「ええ。こいつらが後は何とかやってくれます」

「代表、愛子」

「わかってる」

「………ついていってあげて」

 優子も理解のある友人がいるなあ。どうしてついてくるかなんて野暮なことは聞かない。そんなの最初に保健室にあんな表情で駆けつけてきてくれたことからわかるだろう。

 

「では、行こう」

「勇樹、車いす動かすから」

「お、おう」

 いつの間にか操縦者が曲直瀬先生から優子に代わっていた。別に自分で運転できるからいいんだけどな~まあいっか。甘えるだけ甘えときましょ。

 

 その後保健室から出ると、すぐに靴に履き替え西村先生の車に乗り久保の家の病院へと向かった。

 

 

 

 




 何をもって『友人』と為すか。

 そのポイントは人それぞれであり、たくさんあるでしょうが、その中の1つに私はお互いを名前で呼び合うことなんじゃないかなと思っています。
 そうじゃない人でも親友・友人と呼べる存在はいる! という方もいらっしゃるでしょう。そうでしょうね、これはあくまで私の基準ですので、その方はその方なりの基準があるはずですから。

 保健室の先生の名前、最初に思い浮かんだ名前にしました。センスねえなとか言わないでください。あくまで私のネタ?知識?の根本にあるのは戦国時代ですので(笑)
 わからない方はそれで結構、曲直瀬と書いてまなせと呼ぶのだということを知ってくだされば。

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