バカとオレと彼女たちR   作:いくや

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 オリジナル話。
 
 明久も雄二もムッツリーニも出てこねえ…

 でも、合宿とかで活躍するからいいよね。

 では、どうぞ!!




閑話
第47問


 

「野球?」

 長い入院生活が終わってからすぐ、秀吉が家を訪ねてプロ野球観戦に行こうと誘ってきた。

 

「秀吉、野球に興味あったっけ?」

 スポーツ全般、興味があるとは思えなかったため、今回のお誘いも何か不思議だなと感じた。

 

「お主ほどではないがの。チケットをもらったのじゃ。せっかくなら行かねばなるまい」

「なるほど。それでいつ?」

「今日じゃ」

「突然だなおい!?」

「キャットハンズvsカイザースじゃ。ドームであるみたいじゃのう」

 この地元から野球観戦に行くっていうならキャットハンズの本拠地試合だろうけども…そのカードってデーゲームじゃねえか? あと数時間でプレイボールやぞ。

 

「うむ。話せば長くなる故、行けるのならば道中、理由を話すのじゃが…」

「わかった。暇してたし。ちょっと待ってろ。さすがに部屋着じゃ外出できん」

「承知したのじゃ」

 秀吉をリビングで待たせて、オレは着替えに自分の部屋へと戻った。5分ほどでパパッと用意を済ませるとすぐに秀吉とともに家を出た。

 

「それで…このチケットどうしたんだ?」

 家を出て駅に向かいながら先ほどの会話の続きをする。

 

「清涼祭での、雄二と明久が召喚獣大会で優勝した時の商品じゃ」

「そんなのがあったのか。それがなぜ秀吉に?」

 あいつらの優勝賞品ならあいつらが行けばよかったのに。野球とか興味あったはずだぞ。清涼祭の出し物決める前にさぼって野球していたくらいだし。

 

「明久は『ドームに行くまでの電車賃がない!』と言っておってのう」

 どんだけ貧乏生活しているんだ…自業自得なのかもしれないがあいつゲームとかマンガを際限なく買い過ぎ。

 

「雄二は『翔子に拘束されるわけにはいかない!』と言っておってのう」

 こちらに関してはノーコメントとさせていただきます。

 

「もう一つのペアチケットは工藤に渡しておる」

 なるほど、康太あたりと一緒に行くように仕向けたのだな。そして残りが秀吉の手元にあるからオレを誘ったと。

 

「あいつらのおかげと言っていいのかはわからないが、タダで野球観戦出来るのはありがたい」

「ワシもこういう機会がないと行かぬじゃろうからのう。何事も経験じゃ」

「そうだな」

 何年ぶりだろうか。中学生の間は全然行ってないから5年ぶりくらいかな。懐かしいなあ。中継とかはちょくちょく見ていたけども。

 

「気になったのじゃが、何故そのような大きな荷物を背負っておる?」

 秀吉は財布とチケットが入る程度のバッグを持っているのに対し、オレは大きいリュックをからっていた。そりゃあ理由は一つだろうよ。

 

「グローブが入ってるからな」

「一緒にプレーするのかの?」

「んなあほな。ボールが飛んできたときにとるんだよ」

「観客のもとにボールが飛んでくるのかの」

 あ、ここまで野球に疎いんだな。野球観戦の常識と思っていたけど…一から教えておこう。

 

「そりゃあ場所にもよるけど、ホームランボールとかファウルボールとか早い打球が飛んできたりするからな。自分たちの身を守るってことプラス、プロ野球のボールってほしいじゃん?」

「ボールは返さなくていいのじゃな」

「サッカーは返さなければならないが、野球は基本的にはもらって帰っていいからな」

「思い出の品というわけじゃな」

 幼稚園の時にボール取ったなあ。ファウルボール。あれ思い出の品。

 

「今日は2週間分の鬱憤を晴らすことが出来るぜ」

「それはよかったのじゃ」

 秀吉も嬉しそう。秀吉の笑顔は人類を救うと思う。いや大げさじゃなくてマジで。なんか周りの雰囲気がぽわーって変わるからね。歩く空気清浄機…だめだこのネーミングセンス。

 

 

   ☆

 

「人が多いのう」

 最寄駅から電車に乗って、ドームの前の駅で降りてからの秀吉の第一声。確かに多い。うじゃうじゃいるよ。

 

「このドーム、何万人収容だったか」

「桁が違い過ぎるのじゃ…」

「普段見たことのない人の数を見ることが出来るな。とりあえずこの人の波をさっさと抜けよう」

 空気が薄い。この人数、満員御礼の札がつりさげられるんじゃないの? いや、そんなのないけどさ。

 

「どこに行けばよいのじゃ?」

「チケットに書いてあるだろう? 入場ゲート何番入り口って」

「どれどれ…4番入口だそうじゃ」

「4か。入ったことねえ入場ゲートだな。とりあえずそこに行こう」

「承知!」

 ドームの案内板に従って入場ゲート4に向かう。人の波に揉まれながらもなんとかたどり着くことが出来た。

 

「列が長いのう」

 たどり着くことが出来たものの…4番ゲートにはすでに行列が。慌てて最後尾を探し、そこに並ぶ。

 

「とりあえず早く席につきたいものだ」

「うむ。それはそうじゃが…勇樹よ」

「なんだ?」

「今日家を出てからずっとじゃが、通行人の視線を浴びてるような気がするのじゃが」

 ええ。気付いてましたよ。あえて気にしないふりをしていたんです。その理由を自覚していないのは仕方ないのかもしれんな。

 

「なんでだろうな」

「人の視線を集めるのは役者として大切なことじゃからうれしいのじゃが」

 ポジティブ。いいことじゃん。その視線はあまり秀吉が好ましく思わない類の視線だろう。だってよ、今日の恰好見てみたらさー美少女がボーイッシュな恰好をして男と二人で歩いていますみたいな感じじゃん。秀吉が男だろうと女だろうと、知らない人からすれば美少女というカテゴリーに入れられてもなんら不思議じゃないからなあ。大変だな。

 

「お、そろそろ入場開始しているみたいだな」

「列が進んでおるのう」

「秀吉はお腹減った?」

「いや、すいてはおらぬぞい」

「それならいいや、何も買わなくて」

「ドームの中で飲食してもよいのかの」

「ビールもいいぞ」

「未成年じゃ」

 試合観戦のいろはを教えながら列が進むのを待って、ドームに入る。やっと炎天下の日差しを避けることが出来る。まだ夏本番ではないとはいえ、昼間になると日差しが厳しくて…

 

「試合前にトイレに行っておこう。試合は大体3時間くらいあるからな」

「そんなに長いのかの」

「攻守交替の間にトイレに行けるけども、出来るだけずっと見ていたいじゃん」

「なるほどのう」

 そういいながら2人でトイレに行く。ここでも視線浴びるよね。もう仕方ないと割り切っておこう。

 

「選手弁当なるものがあるようじゃ」

 トイレから出るなり秀吉がそう言った。壁に貼ってある広告を見て言ったのか。

 

「大体1000円くらいだったか。いろんな選手の弁当があるな。その人がプロデュースしているのかどうかは知らんけど」

「少し値段がはるのう」

「ドーム内は少し物価が高くなる。500mLのお茶でも200円は平気でするからな」

「高いのじゃ」

 そうなんだよなあ。でも高くても売れるからこの値段でいいんだよ。

 

「早く席に行こうか。指定席だよね」

「うむ。なにやらペプシートとも書いてあるの」

「ぺ、ペプシート!?」

 行ったことねえあの空間ですか。清涼祭の優勝賞品マジすげえ。大体いくらだっけ。ここ1人10,000円くらいするんじゃなかったかな。何度か観戦に来たことがあるものの、ペプシートは初めてだ。

 

「どうしたのじゃ」

「めちゃくちゃいい席じゃねえか。初めての野球観戦がこの席なんて贅沢すぎるぞ」

「それほどかの。まあ行ってみればわかるかの」

「そうなんだけど、早く行こう!!」

 先ほどよりもさらにテンションが上がってます。ペプシートで試合観戦できるとは。楽しみだ。

 

 





 野球観戦。みなさんは行かれたことありますか。

 私は地元の福岡いえヤフードーム…今は何だっけわからないけど…ここに10回弱ほど観戦に行ったことあります。ダイエーのころからのファンです。
 話中に出てきたペプシート。元ネタわかった方もいるのではないでしょうか。うまい具合にパロったんじゃないかと。

 そんなことはおいといて。
 チーム名。キャットハンズとカイザース。これに関しては次話以降言及しますw

 オリジナル野球話まだまだ続く!!

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